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散歩
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一輝も優陽も居心地が凄く悪そうだし、優陽は泣きそうな目で作り笑いをしている。
咄嗟に孝哉は二人に駆けよって、側に居た叔母に話し掛ける。
「叔母さん、俺コイツらとちょっと散歩してくるね」
「え? えぇ、暗いから気を付けてね?」
「おう! あ、おにぎり1パックちょうだい」
そう言って手渡されたおにぎりを持ち一輝を抱き上げ優陽の手を握って玄関を出る。
しばらく田んぼの畦道を歩きながら昔来たことある公園へやって来た。
公園のベンチにおにぎりをおいて二人を座るように促す。
孝哉は二人に目線を会わせるようにしゃがみこんだ。
「俺は日野 孝哉! お前らの父さんとイトコな!」
宜しくと手を差し出すと優陽はゆっくりと手を握り返す。一輝の方を見るとすこし首を傾げている。
優陽はピョンと砂の地面に降りてなにかを書き始めた。
『 ゆうひ です。声が出せません。弟は耳がきこえないです』
ビックリして目を丸くした。
「本当か?」と聞くと優陽はコクンと頷く。それを見た孝哉は下唇を噛み締めた。でも一輝が心配そうに見つめるので慌てて笑顔を浮かべた。
孝哉は地面に『ひの こうや。よろしくな』と書いた。今度は一輝も頷いて自己紹介する。
「ボクはいつき4さい! よろしくこうちゃん!」
「おう、よろしく」と笑って頷くと一輝のお腹がなった。また笑って地面に文字を書いた。
『よし、おにぎり食べよーぜ』
公園の蛇口で手を洗って三つ入りのおにぎりを1つずつおにぎりの食べる。
自販機で買ったお茶を飲ませていると三分の二ほど食べた辺りで一輝が船をこぎ始めた。
残ったおにぎりをゆっくり取って食べてあげて水道で手を綺麗にする頃にはもうすでに一輝は夢の中だった。
時刻は午後10時。そりゃ、4歳児には眠い時の時間だ。
孝哉は一輝を抱っこし優陽と手を繋いで元来た道を歩き始める。
家に近づくとなにやら声が聞こえてきた。
「どうするのよ、あの子たち」
「孝哉のときは施設にやっただろう? 今回も…」
「それじゃあ世間体が…」
「じゃあどうするって言うんだよ!!」
聞こえてきた怒鳴り声に優陽の体を強ばった。そしてぎゅぅぅぅっと手を掴む。それに気づいた孝哉はわざと大きな声で親戚たちに声をかけた。
「ただいま~!!」
「?! お、おかえりなさい」
「お、遅かったな」
明らかに動揺し視線を泳がせる親戚たちを尻目に孝哉は張り付けたような笑みを浮かべて言った。
「途中で一輝寝ちゃってさ…俺今からホテル戻るけど一輝離してくれそうにないし優陽も眠そうだからそのまま連れてっていい?」
「!それは、良いけど…」
「オーケー。明日9時頃家にこればいい?」
「あ、あぁ…」
「了解」
二人の服を受け取りながら「じゃあ、また明日」と玄関をくぐると家の中で誰かが大きく溜め息をついたのがわかった。
聞かれて焦るくらいなら隠し通せよ子供に聞かせるな。
孝哉の中で叔父たちに対して怒りが沸き上がっていた。
まあ、ずっと怒っても仕方ないし二人を車に助手席に乗せ、頭を撫でる。
「今から俺が泊まるホテルにいくの。一輝と優陽も一緒に」
嫌か?と聞くと優陽はブンブンと首を横に振った。
それを見て孝哉は笑い、車のエンジンをかける。
オーディオのボリュームを小さくし、アクセルを踏む。
「着くまでもう少しかかるから眠くなったら寝て良いからな」
孝哉の言葉に導かれるように優陽は船をこぎ始めすぐに夢の中へ旅立った。
咄嗟に孝哉は二人に駆けよって、側に居た叔母に話し掛ける。
「叔母さん、俺コイツらとちょっと散歩してくるね」
「え? えぇ、暗いから気を付けてね?」
「おう! あ、おにぎり1パックちょうだい」
そう言って手渡されたおにぎりを持ち一輝を抱き上げ優陽の手を握って玄関を出る。
しばらく田んぼの畦道を歩きながら昔来たことある公園へやって来た。
公園のベンチにおにぎりをおいて二人を座るように促す。
孝哉は二人に目線を会わせるようにしゃがみこんだ。
「俺は日野 孝哉! お前らの父さんとイトコな!」
宜しくと手を差し出すと優陽はゆっくりと手を握り返す。一輝の方を見るとすこし首を傾げている。
優陽はピョンと砂の地面に降りてなにかを書き始めた。
『 ゆうひ です。声が出せません。弟は耳がきこえないです』
ビックリして目を丸くした。
「本当か?」と聞くと優陽はコクンと頷く。それを見た孝哉は下唇を噛み締めた。でも一輝が心配そうに見つめるので慌てて笑顔を浮かべた。
孝哉は地面に『ひの こうや。よろしくな』と書いた。今度は一輝も頷いて自己紹介する。
「ボクはいつき4さい! よろしくこうちゃん!」
「おう、よろしく」と笑って頷くと一輝のお腹がなった。また笑って地面に文字を書いた。
『よし、おにぎり食べよーぜ』
公園の蛇口で手を洗って三つ入りのおにぎりを1つずつおにぎりの食べる。
自販機で買ったお茶を飲ませていると三分の二ほど食べた辺りで一輝が船をこぎ始めた。
残ったおにぎりをゆっくり取って食べてあげて水道で手を綺麗にする頃にはもうすでに一輝は夢の中だった。
時刻は午後10時。そりゃ、4歳児には眠い時の時間だ。
孝哉は一輝を抱っこし優陽と手を繋いで元来た道を歩き始める。
家に近づくとなにやら声が聞こえてきた。
「どうするのよ、あの子たち」
「孝哉のときは施設にやっただろう? 今回も…」
「それじゃあ世間体が…」
「じゃあどうするって言うんだよ!!」
聞こえてきた怒鳴り声に優陽の体を強ばった。そしてぎゅぅぅぅっと手を掴む。それに気づいた孝哉はわざと大きな声で親戚たちに声をかけた。
「ただいま~!!」
「?! お、おかえりなさい」
「お、遅かったな」
明らかに動揺し視線を泳がせる親戚たちを尻目に孝哉は張り付けたような笑みを浮かべて言った。
「途中で一輝寝ちゃってさ…俺今からホテル戻るけど一輝離してくれそうにないし優陽も眠そうだからそのまま連れてっていい?」
「!それは、良いけど…」
「オーケー。明日9時頃家にこればいい?」
「あ、あぁ…」
「了解」
二人の服を受け取りながら「じゃあ、また明日」と玄関をくぐると家の中で誰かが大きく溜め息をついたのがわかった。
聞かれて焦るくらいなら隠し通せよ子供に聞かせるな。
孝哉の中で叔父たちに対して怒りが沸き上がっていた。
まあ、ずっと怒っても仕方ないし二人を車に助手席に乗せ、頭を撫でる。
「今から俺が泊まるホテルにいくの。一輝と優陽も一緒に」
嫌か?と聞くと優陽はブンブンと首を横に振った。
それを見て孝哉は笑い、車のエンジンをかける。
オーディオのボリュームを小さくし、アクセルを踏む。
「着くまでもう少しかかるから眠くなったら寝て良いからな」
孝哉の言葉に導かれるように優陽は船をこぎ始めすぐに夢の中へ旅立った。
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