運命と宿命(刑事の子)

具流次郎

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最終話 祭壇のトルコ桔梗

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 シゲルは久々に家に戻った。
道子の祭壇には『紫のトルコ桔梗』が献花してある。

 道子の一周忌が過ぎて、父は再婚した。
『沢村弘子』と云う人だった。
町の集会所で父は内々で再婚のお披露目をした。
シゲルも出席した。
新しい母はシゲルを見て言った。

 「シゲルちゃん?」
 「え?」
 「覚えてる?」
 「・・・はい」
 「随分大きく成ったわね。これからよろしくお願いします」

シゲルは黙って俯いている。
弘子はシゲルを見詰めて、

 「私ね、・・・あなたが赤ちゃんの時から知ってるのよ」
                おわり

この作品は著作権を放棄したものではありません。
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