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4章 出会い

14.昔話

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「人間の世界は今まで体験したことないばかりですっげー楽しかったんだ。でも俺がこの場所に戻ってきたときにはいなくなってたんだ。俺は確かに死にかけたけど死んだわけじゃなかった。なぜこの場所に戻ってきたのか…理由は簡単だったよ。神様の席が空白になったからだ。トワも人間に戻りたかったのかなんなのかわからなかったけどよぉ、俺は別になんでもよかったんだ。15年だけでも人間として生きれたから。いなくなった理由は次会う時聞いたらいいと思ってずっとトワが来るのを待ってたんだ…」

「トワさんがどうなってたんですか?」

急に表情が暗くなったアース
「あいつは全て忘れていた。しかもまた自殺で死んだんだよ。20歳にならずにな…。」

「でも魂?心に刻まれてたらアース様の力でおもいだすんじゃ…。」

「当然可能だ。だから俺はその記憶を思い出させようとした。けど心にもなにも残ってなかった。あいつは言ったよ「おそらく人違いです。私はもう行きますね…」ってな。俺は止めれなかったよ。俺は願うままなんでも上手い事いってたのに予想外な事が起こるとか俺は無縁だったんだせ、何が起きたのかはわからねぇままだったが忘れてしまった事はもう仕方がねぇと思ってたから気にしてなかったんだよ。あいつがまた自殺するまではな。」

「運が悪いってだけじゃなさそうですね…」

「あぁ。まぁそんなわけでまた呼び出したわけよ…じゃあまた何も覚えてなかったんだ。心の声も聞こえなかった。こんなに自殺ばっかりで死ぬのはおかしい。で、嫌な予感がしたんだよ。だから羽を授けたらほぼ白色だ。欲がなければ地上で生き抜くことはできねぇ。しかももう転生は4回目だ。次はもしかしたら欲が出るかもしれねぇ。そう思ったのが間違いだった。転生しても転生してもあいつは自殺し続ける。そして7回目の人生もあいつは自殺した。」

「今が8回目ですから前回の話ですか。」

「そうだ。こんなに色々考えたのは初めてだった。あいつはいつも俺に新しさをくれる。で、俺は気付いた。あいつがここから急に消えた日の事を、あいつはおそらく力を自分の欲に使っちまったんだと思う。さっき俺が人間だった時に死にかけたっていったろ?おそらく本来なら俺はあの時に死んでたんだ。俺は他と同じ人間として産まれたからいつ死ぬのかわからねぇ状態だ。そして死にかけた俺をトワは助けた。その結果ここから強制的に追い出されて俺がこの場所に戻ってきたんだと思う。欲がなくなったのもルールを破った罰だったんだ。」

「おもったより内容深くてびっくりしてるんですけど…」

「聞いたのはお前だろ?文句言うな」

「すいませんでしたー。続きをどうぞ」

「あぁ。それで俺はトワの心がもとに戻るように色々試したんだ」

普通に話し出した…適当に謝ったのわかってないのかトワさんの話になると周りが見えなくなるのかな。悲しそうな表情もするけどどこか温かい。あれ…アース様もしかして…。
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