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聖女の新たな日常
ダンスと軽食
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参加してくれた魔族達との挨拶を終えたクララは、深く息を吐いた。
「ふぅ~……全然動いていないのに、なぜだか凄く疲れました……」
「知らない人達と沢山話したからね。精神的に疲れたんだよ。でも、すぐに肉体的にも疲れることになるよ」
「うへぇ~……」
これからダンスがあるので、サーファの言う通り、肉体的に疲れる事になる。
「さて、ダンス用の衣装の方に着替えますよ。皆さん移動してしまいましたから、これ以上経つと、お待たせしてしまいます」
「分かりました」
クララ達は一度クララの自室に戻り、今の服装から着替える。次の衣装は、水色を基調としたドレスで、肩を露出させており、裾は踝くらいまである。肩にはケープを羽織り、手にはロンググローブも着けている。そして、リリンから借りたシンプルなネックレスを着けていた。
「印象ががらりと変わったね。寒くはない?」
「はい。大丈夫です」
夜に差し掛かっているので、あまり露出していると、肌寒く感じてしまうかもとケープを羽織らせたのだ。
「それじゃあ、ダンス会場に参りましょう」
「はい!」
クララ達は、少し離れた場所にあるダンス会場に移動した。ダンス会場では、静かな音楽と共に中央で、多くの魔族が二人一組で踊っていた。部屋の端の方では、立食が出来る軽食が置いてあった。
そして、クララが入ってきた事で、少しだけ空気が変わった。静かな音楽から、誰もが親しみやすい少し明るめの音楽に変わったのだ。
「音楽が変わっちゃいました」
「ええ、クララさんが踊りやすい音楽になりましたね」
この明るめの音楽は、クララがダンス練習の時に掛けていた音楽だった。予め、クララが来たら変更するように話し合ったのだ。
「では、早速踊りましょう。場に溶け込む事も必要ですから」
「は、はい!」
ダンスは練習していたとはいえ、少しだけ緊張していた。
「また緊張を解すおまじないをしましょうか?」
「だ、大丈夫です!」
クララはリリンに連れられて中央のダンス場に入る。そして、リリンと二人一組になって、ゆっくりと踊り始める。
「そうです。その調子。練習通り出来ていますよ」
「は、はい」
多少ぎこちなくなってはいるが、ギリギリ及第点の踊りになっている。運動が苦手なクララとしては上出来だった。
「今日は、お疲れ様でした」
「これから疲れそうですけど……」
「それはそうですが、先程の挨拶です。本当にご立派でした」
リリンから微笑みながら褒められた事で、クララは、嬉しそうに笑う。
「では、改めまして、魔族領へようこそ。これからもよろしくお願いします」
「こちらの方こそ、よろしくお願いします」
クララの歓迎パーティーという場なので、リリンは改めてクララを魔族領に歓迎した。クララとリリンは、朗らかに笑いながら、本当に楽しそうに踊りを楽しんだ。その後、サーファやサラ、カタリナ達と順々に踊っていった。
その結果、クララはへとへとになってしまった。そのため、他の魔族とのダンスは断念し、端の方に座ってリリンやサーファと大量の軽食を食べていた。
「もう少し踊れるかと思ったんですけど……」
「慣れない靴で、慣れない運動を続けたのです。仕方ないでしょう」
そんな事を話していると、サキュバスの三人組が、クララに軽食を持ってきた。
「魔聖女様。あ~ん」
「あ、あ~ん……」
サキュバスの三人組は、クララに軽食を食べさせてあげると、持ってきた軽食をクララにあげて、満足したように帰って行った。こういったことが、この端に居座ってから、何度も起こっていた。
「私、餌付けされてます?」
「ええ。気持ちは分かります。クララさんは小動物感が強いですから」
「どんどん軽食が積み重なっているけど、クララちゃん、全部食べられる?」
「今くらいの量だったら、余裕です」
クララはそう言って、パクパクと軽食を食べていく。そうして食べている間に気になった事があった。
「ここにいる魔族の方々は、ほとんど要職に就いているんですよね?」
「そうですね。地方を治めている方からその友人や部下の方々が来ていらっしゃいます」
「皆さん、自身が治めていらっしゃる場所を軽く説明してくれましたけど、リリンさん達が話していたマリンウッドについて話していた人っていなかったですよね?」
クララは、先程の挨拶をした会場で色々な事を聞いていたが、その中にマリンウッドの事はなかった。
「観光地になっているのなら、そこを推してくるはずだと思ったんですけど……」
「そうですね。実際、マリンウッド周辺を治めている魔族は、こちらに来ていません」
「もしかして、私を嫌って……」
「いえ、そうではありません。あの一帯を治めているのは、人魚族が治めているのですが、陸地での長時間の活動が出来ないのです。そのため、こちらに来ることは出来なかったのです」
「なるほど……」
「はい。あちらからの書状では、クララさんの事を歓迎すると書いてありましたので
そこの心配はなさらなくても大丈夫です」
リリンにそう言われると、クララは安心したように息を吐いた。マリンウッドには、いずれ観光に行くと約束していたので、もしかしたらそれが出来なくなるかもと思ったからだ。
そんな話をしているクララの元にガーランドとカタリナがやってくる。
「楽しんでいるようだな」
クララの近くに積まれている軽食を見て、ガーランドはそう言った。クララは、慌てて立ち上がろうとする。それをガーランドが手で制止した。
「そのままでいい。今回、様々な魔族と接しているが、どうだ。こっちでもやっていけそうか?」
これは、ガーランドの最終確認だった。街のような一般人がいる場所から、こうして重要な役割を持っている魔族達がいる場所、ラビオニアのようなクララを敵視していた者がいる場所まで経験してきて、本当に魔族領で暮らせるかというものだ。
「はい。私に優しい方ばかりじゃないのは、人族領でも同じです。今回、こういった催しを経験して、改めてこっちの方が居心地良く感じました」
「そうか。それなら良いんだ。こっちにいる間は、俺やカタリナが後見となる。その事も既に触れを出した。これでクララに直接嫌がらせをしてくるものは減るだろう」
「あ、ありがとうございます!」
「ああ。何かあれば、カタリナに言え。だが、全てを叶えることは出来ない。それだけは覚えておいてくれ」
「は、はい!」
ガーランドはそう言って、クララ達から離れていった。
「まぁ、大抵の事なら叶えるつもりだから、あまり遠慮はしないで良いわよ」
「はい」
そう返事をしたクララの頭を、カタリナは優しく撫でる。
「本当はダンスパーティーには、娘達も来られるはずだったんだけど、急遽予定が合わなくなっちゃったみたいなのよね。クララちゃんに会いたがっているみたいなんだけどね」
カタリナの娘達も参加予定だったのだが、その直前にそれぞれの住んでいる都市で、ちょっとした問題が起こり、その対処で来られなくなっていたのだった。
「まぁ、その分、別の日に登城するみたいだから、その時は仲良くしてあげてね」
「えっと……それは多分私に言う言葉じゃないと思うんですけど……」
「ふふふ、そうね。もうそろそろお開きになるから。そうしたら自室に戻って良いわ。今日着た服は、全部クララちゃんのものだから、しっかりと取っておいてね。また着ることになるかもしれないんだから」
「は、はい! 分かりました」
クララは、ちらっとリリンを見る。すると、リリンがこくりと頷くので少し安心する。ドレスの保存方法など知っているわけがないので、リリンを頼るしかないのだ。
「それじゃあ、最後まで楽しんでね」
カタリナはそう言って、ガーランドがいる方へと戻っていった。
「さて、では、お開きになる前に、この軽食は片してしまいましょうか」
「頑張ります!」
「ふふっ、慌てて食べると喉に詰まるよ」
クララ達はダンスパーティーと軽食パーティーに変更して十分に楽しんでいった。
────────────────────────
パーティーが終わり、クララを寝かしつけた後、リリンは自室である作業をしていた。
「これで出来上がりですね」
リリンは、机に置いてある額縁を持って壁まで移動する。そして、自分の目線で、一番見やすい場所に、その額縁を掛けた。その額縁の中には、パーティーの前に撮ったクララの写真が収まっている。
リリンは、その写真をジッと見つめる。そして、ソッと写真にキスをすると、寝間着に着替えて、ベッドに入るのだった。
「ふぅ~……全然動いていないのに、なぜだか凄く疲れました……」
「知らない人達と沢山話したからね。精神的に疲れたんだよ。でも、すぐに肉体的にも疲れることになるよ」
「うへぇ~……」
これからダンスがあるので、サーファの言う通り、肉体的に疲れる事になる。
「さて、ダンス用の衣装の方に着替えますよ。皆さん移動してしまいましたから、これ以上経つと、お待たせしてしまいます」
「分かりました」
クララ達は一度クララの自室に戻り、今の服装から着替える。次の衣装は、水色を基調としたドレスで、肩を露出させており、裾は踝くらいまである。肩にはケープを羽織り、手にはロンググローブも着けている。そして、リリンから借りたシンプルなネックレスを着けていた。
「印象ががらりと変わったね。寒くはない?」
「はい。大丈夫です」
夜に差し掛かっているので、あまり露出していると、肌寒く感じてしまうかもとケープを羽織らせたのだ。
「それじゃあ、ダンス会場に参りましょう」
「はい!」
クララ達は、少し離れた場所にあるダンス会場に移動した。ダンス会場では、静かな音楽と共に中央で、多くの魔族が二人一組で踊っていた。部屋の端の方では、立食が出来る軽食が置いてあった。
そして、クララが入ってきた事で、少しだけ空気が変わった。静かな音楽から、誰もが親しみやすい少し明るめの音楽に変わったのだ。
「音楽が変わっちゃいました」
「ええ、クララさんが踊りやすい音楽になりましたね」
この明るめの音楽は、クララがダンス練習の時に掛けていた音楽だった。予め、クララが来たら変更するように話し合ったのだ。
「では、早速踊りましょう。場に溶け込む事も必要ですから」
「は、はい!」
ダンスは練習していたとはいえ、少しだけ緊張していた。
「また緊張を解すおまじないをしましょうか?」
「だ、大丈夫です!」
クララはリリンに連れられて中央のダンス場に入る。そして、リリンと二人一組になって、ゆっくりと踊り始める。
「そうです。その調子。練習通り出来ていますよ」
「は、はい」
多少ぎこちなくなってはいるが、ギリギリ及第点の踊りになっている。運動が苦手なクララとしては上出来だった。
「今日は、お疲れ様でした」
「これから疲れそうですけど……」
「それはそうですが、先程の挨拶です。本当にご立派でした」
リリンから微笑みながら褒められた事で、クララは、嬉しそうに笑う。
「では、改めまして、魔族領へようこそ。これからもよろしくお願いします」
「こちらの方こそ、よろしくお願いします」
クララの歓迎パーティーという場なので、リリンは改めてクララを魔族領に歓迎した。クララとリリンは、朗らかに笑いながら、本当に楽しそうに踊りを楽しんだ。その後、サーファやサラ、カタリナ達と順々に踊っていった。
その結果、クララはへとへとになってしまった。そのため、他の魔族とのダンスは断念し、端の方に座ってリリンやサーファと大量の軽食を食べていた。
「もう少し踊れるかと思ったんですけど……」
「慣れない靴で、慣れない運動を続けたのです。仕方ないでしょう」
そんな事を話していると、サキュバスの三人組が、クララに軽食を持ってきた。
「魔聖女様。あ~ん」
「あ、あ~ん……」
サキュバスの三人組は、クララに軽食を食べさせてあげると、持ってきた軽食をクララにあげて、満足したように帰って行った。こういったことが、この端に居座ってから、何度も起こっていた。
「私、餌付けされてます?」
「ええ。気持ちは分かります。クララさんは小動物感が強いですから」
「どんどん軽食が積み重なっているけど、クララちゃん、全部食べられる?」
「今くらいの量だったら、余裕です」
クララはそう言って、パクパクと軽食を食べていく。そうして食べている間に気になった事があった。
「ここにいる魔族の方々は、ほとんど要職に就いているんですよね?」
「そうですね。地方を治めている方からその友人や部下の方々が来ていらっしゃいます」
「皆さん、自身が治めていらっしゃる場所を軽く説明してくれましたけど、リリンさん達が話していたマリンウッドについて話していた人っていなかったですよね?」
クララは、先程の挨拶をした会場で色々な事を聞いていたが、その中にマリンウッドの事はなかった。
「観光地になっているのなら、そこを推してくるはずだと思ったんですけど……」
「そうですね。実際、マリンウッド周辺を治めている魔族は、こちらに来ていません」
「もしかして、私を嫌って……」
「いえ、そうではありません。あの一帯を治めているのは、人魚族が治めているのですが、陸地での長時間の活動が出来ないのです。そのため、こちらに来ることは出来なかったのです」
「なるほど……」
「はい。あちらからの書状では、クララさんの事を歓迎すると書いてありましたので
そこの心配はなさらなくても大丈夫です」
リリンにそう言われると、クララは安心したように息を吐いた。マリンウッドには、いずれ観光に行くと約束していたので、もしかしたらそれが出来なくなるかもと思ったからだ。
そんな話をしているクララの元にガーランドとカタリナがやってくる。
「楽しんでいるようだな」
クララの近くに積まれている軽食を見て、ガーランドはそう言った。クララは、慌てて立ち上がろうとする。それをガーランドが手で制止した。
「そのままでいい。今回、様々な魔族と接しているが、どうだ。こっちでもやっていけそうか?」
これは、ガーランドの最終確認だった。街のような一般人がいる場所から、こうして重要な役割を持っている魔族達がいる場所、ラビオニアのようなクララを敵視していた者がいる場所まで経験してきて、本当に魔族領で暮らせるかというものだ。
「はい。私に優しい方ばかりじゃないのは、人族領でも同じです。今回、こういった催しを経験して、改めてこっちの方が居心地良く感じました」
「そうか。それなら良いんだ。こっちにいる間は、俺やカタリナが後見となる。その事も既に触れを出した。これでクララに直接嫌がらせをしてくるものは減るだろう」
「あ、ありがとうございます!」
「ああ。何かあれば、カタリナに言え。だが、全てを叶えることは出来ない。それだけは覚えておいてくれ」
「は、はい!」
ガーランドはそう言って、クララ達から離れていった。
「まぁ、大抵の事なら叶えるつもりだから、あまり遠慮はしないで良いわよ」
「はい」
そう返事をしたクララの頭を、カタリナは優しく撫でる。
「本当はダンスパーティーには、娘達も来られるはずだったんだけど、急遽予定が合わなくなっちゃったみたいなのよね。クララちゃんに会いたがっているみたいなんだけどね」
カタリナの娘達も参加予定だったのだが、その直前にそれぞれの住んでいる都市で、ちょっとした問題が起こり、その対処で来られなくなっていたのだった。
「まぁ、その分、別の日に登城するみたいだから、その時は仲良くしてあげてね」
「えっと……それは多分私に言う言葉じゃないと思うんですけど……」
「ふふふ、そうね。もうそろそろお開きになるから。そうしたら自室に戻って良いわ。今日着た服は、全部クララちゃんのものだから、しっかりと取っておいてね。また着ることになるかもしれないんだから」
「は、はい! 分かりました」
クララは、ちらっとリリンを見る。すると、リリンがこくりと頷くので少し安心する。ドレスの保存方法など知っているわけがないので、リリンを頼るしかないのだ。
「それじゃあ、最後まで楽しんでね」
カタリナはそう言って、ガーランドがいる方へと戻っていった。
「さて、では、お開きになる前に、この軽食は片してしまいましょうか」
「頑張ります!」
「ふふっ、慌てて食べると喉に詰まるよ」
クララ達はダンスパーティーと軽食パーティーに変更して十分に楽しんでいった。
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パーティーが終わり、クララを寝かしつけた後、リリンは自室である作業をしていた。
「これで出来上がりですね」
リリンは、机に置いてある額縁を持って壁まで移動する。そして、自分の目線で、一番見やすい場所に、その額縁を掛けた。その額縁の中には、パーティーの前に撮ったクララの写真が収まっている。
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