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聖女の旅行
噴火の被害
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火山が噴火し、島の人達が避難を始めてから一時間が経過した。メイリーの元には、多くの報告が寄せられていた。それは、順調に避難が進んでいるという知らせばかりだった。
「順調に避難が進んでいるようですね」
「ええ。でも、まだ油断は出来ないわ。報告が来ない場所もあるから」
「そこは、避難が難しい地域なのですか?」
「ううん。前はもっと早く避難を終えていたはずよ。だから、少し心配なのよ」
メイリーの声は比較的落ち着いているが、その内心は焦りで一杯だった。そんなメイリーの肩にリリンが手を置く。リリンは、何も言わないが、メイリーはそれだけでリリンの言いたい事は分かった。
さすがに楽観視は出来ないが、希望は捨てない方が良い。そんな風に少し落ち着き始めていた。そこに、一人のマーマンが大慌てで飛び込んで来る。
「報告します! マリンウッド北部での避難が困難になりました!」
「どうしたの!?」
「噴火の際、近くの山で土砂崩れが起きてしまい、通路が塞がりました。さらに、負傷者が多数おり、移送が困難となっているのです!」
この報告に、メイリーは、顔を顰める。報告された場所が、メイリー達人魚族が入りにくい場所だからだった。
「地上職員を向かわせて。土砂崩れで塞がった通路の他に退避用の道は?」
「噴火の影響で、森が燃え、そちらも塞がっています」
「完全に孤立状態という事ね。一カ所だけでも、通れる道があれば医療班を向かわせられるのだけど」
「それでしたら、私も手伝いましょう」
「あ、私も手伝います! 負傷者が沢山いるのなら、私が治せますから」
魔法が使えるリリンが消火に名乗りを上げると、クララも手を上げた。実際、クララの聖女としての力は、負傷者の治療に役立つものなので、クララが行くだけでも状況が改善される可能性はある。
「ちょっ……リリンはともかく魔聖女ちゃんは……」
「私達が守るので大丈夫です。クララさんの能力は、この状況なら必要になるものです。連れて行きましょう」
「森林火災が起きているのよ? さすがに、危険過ぎるわ」
「私がいれば大丈夫です。あなたも分かっているでしょう?」
メイリーは、リリンのその言葉で折れた。それだけ、リリンへの信頼があったからだ。
「……はぁ……分かったわ。三人も現場に連れて行って。気を付けてね」
メイリーに見送られ、クララ達は当該地域へと向かった。その移動では、リリンの風玉に全員が入り、尚且つリリンの魔法で案内役のマーマンの泳ぎの速さに合わせて移動していた。サーファが、クララとリリンをしっかりと抱えているので、全員がバラバラにならない。
「これって、どうやって動いているんですか?」
「私達の背後から風を当てて、風玉ごと飛んでいるという形ですね。ただ受けている風は、嵐の何倍もの強さになっているので、海の中は大荒れでしょう」
「ほえ~……」
思ったよりも力業で速度を出しているという事実に、クララは感嘆ともとれるため息を零した。そんな事を話していると、案内役のマーマンが、手振りで目的地に着いた事を知らせた。
「このまま陸に上がります。サーファ、絶対に放さないように」
「分かりました!」
クララ達は、そのままの勢いで陸へと上がっていく。上がった場所は、砂浜だった。そして、その目の前は、森だ。
「燃えてる……」
サーファに下ろして貰ったクララが一言目に出した言葉はそれだった。クララの言う通り、森は燃えていた。だが、クララ達のいる砂浜近くの木には、まだ燃え移っていない。燃えているのは、その奥にある木々だった。
「途中までは、問題無く行けそうですね」
「ですね。でも、その後はどうするんですか? さすがに、私の脚力でも走り抜けられるか分かりませんよ?」
サーファは、燃え盛る森の中を駆け抜ける可能性を考えていた。
「さすがに、普通には走り抜けませんよ。こうします」
リリンは、自分達の周りを水で覆った。
「風玉の水版の水玉というものです。クララさんも練習されましたね」
「講義でやりました。じゃあ、私も大丈夫そうですね」
「いえ、常に新しい水に入れ替えて、温度を一定にしておかないといけませんので、クララさんでは無理です」
リリンがすぐに否定したので、クララは肩を落とす。
「練習すれば、出来るようになります。クララさんは、まだ実践が足りないだけですから、そこまで落胆する事はないですよ」
「はい。分かりました」
「私達は、ここから現場に向かいます。サーファは、クララさんを背負って、私に付いてきてください」
「はい!」
駆け出すリリンの後を、クララを背負ったサーファが追う。クララが自分で走るよりも、サーファが背負った方が格段に早く現場に着ける。さらに、クララの体力も温存出来るという理由もある。
五分程走ると、燃えている森に差し掛かった。
「このまま突っ切ります。水の膜がありますので、気にせず走ってください」
「分かりました!」
リリンとサーファは、燃えている森に躊躇いなく入っていった。クララは、ぎゅっと眼を瞑る。だが、自分の周囲が何も変わらないのを感じて、ゆっくりと目を開けた。
「ここは……本当に燃えている森の中なんですか?」
「そうです。水玉を常に入れ替えて、水の温度を一定に保っています。これを怠ると、水玉を保てなくなります」
「中の温度を保つためにやっているんじゃないんですね」
「いえ、それも兼ねています。どのみち、水玉がなければ、熱すぎて走る事など出来ませんから」
クララは、それもそうかと納得する。
そのまま十分走ると、燃え盛る森を抜けて、小さな街が見えた。現地住人の街だ。幸いな事に、まだ住宅は燃えていなかった。
「街の人達は、どこにいるんでしょうか?」
「こういう時は、基本的に一時避難所へ集まるはずです。恐らく、分かりやすいように街の中心付近にあるでしょう。サーファ、周辺の情報収集を」
「了解です」
サーファは、クララを下ろして、街の中ではなく外周に向けて走り出す。それを見送っていたクララをリリンが抱き上げる。
「私達は街へ」
「はい!」
リリンは、クララを抱えたまま羽を出し、高速で移動し始めた。
「飛んで移動するんですか?」
「なるべく早く到着するためには、これが一番だと思いますので。とはいえ、もう降りますが」
リリンが飛んでいられる時間は、ごく僅かなので、羽で移動出来た距離は五〇メートル程だ。それでも、普通に走るよりは速く移動する事が出来、街の中に入る事が出来た。そして、その後は走って街の中央を目指す。すると、段々と人々の声が聞こえ始めた。
「そこにいるようですね」
クララ達は、声が聞こえる場所へと向かう。そこは、街の中心にある広場だった。いつもは、もっと楽しく賑やかな広場だったのだろうが、今は違う。あちらこちらで、呻き声が聞こえていた。
この広場は現在野外病院のようになっている。近くにある病院は、診療所レベルのものしかない。そのため収容しきれないのだ。
クララは、リリンに抱えられながら、寝かされている負傷者達をざっと見ていく。
「宿に杖を置いていったのは、失敗でした」
そんなクララ達の元に、看護師の服を着た猫族の女性が駆け寄ってくる。
「その子も怪我人ですか!?」
リリンに抱えられていたため、クララを怪我人だと勘違いしたようだ。
「いえ、治療の手伝いに来ました。この子は魔聖女ですので、皆さんの力になれるはずです」
「噂の魔聖女様……心強いです」
クララの力は、ある程度触れで知らされているらしく、すんなりと受け入れられた。
「クララさんは、ここに置いていきます。私は、森の鎮火に向かいますが、クララさんの身に何かあれば……分かりますね?」
「は、はい!」
リリンの圧を受けて、看護師の猫族は声を震わせながら返事をした。それを聞いたリリンは、クララの頭を優しく撫でる。
「ここは頼みます」
「はい! 任せてください!」
リリンは微笑んでから、街の外に向かって走りだした。
「順調に避難が進んでいるようですね」
「ええ。でも、まだ油断は出来ないわ。報告が来ない場所もあるから」
「そこは、避難が難しい地域なのですか?」
「ううん。前はもっと早く避難を終えていたはずよ。だから、少し心配なのよ」
メイリーの声は比較的落ち着いているが、その内心は焦りで一杯だった。そんなメイリーの肩にリリンが手を置く。リリンは、何も言わないが、メイリーはそれだけでリリンの言いたい事は分かった。
さすがに楽観視は出来ないが、希望は捨てない方が良い。そんな風に少し落ち着き始めていた。そこに、一人のマーマンが大慌てで飛び込んで来る。
「報告します! マリンウッド北部での避難が困難になりました!」
「どうしたの!?」
「噴火の際、近くの山で土砂崩れが起きてしまい、通路が塞がりました。さらに、負傷者が多数おり、移送が困難となっているのです!」
この報告に、メイリーは、顔を顰める。報告された場所が、メイリー達人魚族が入りにくい場所だからだった。
「地上職員を向かわせて。土砂崩れで塞がった通路の他に退避用の道は?」
「噴火の影響で、森が燃え、そちらも塞がっています」
「完全に孤立状態という事ね。一カ所だけでも、通れる道があれば医療班を向かわせられるのだけど」
「それでしたら、私も手伝いましょう」
「あ、私も手伝います! 負傷者が沢山いるのなら、私が治せますから」
魔法が使えるリリンが消火に名乗りを上げると、クララも手を上げた。実際、クララの聖女としての力は、負傷者の治療に役立つものなので、クララが行くだけでも状況が改善される可能性はある。
「ちょっ……リリンはともかく魔聖女ちゃんは……」
「私達が守るので大丈夫です。クララさんの能力は、この状況なら必要になるものです。連れて行きましょう」
「森林火災が起きているのよ? さすがに、危険過ぎるわ」
「私がいれば大丈夫です。あなたも分かっているでしょう?」
メイリーは、リリンのその言葉で折れた。それだけ、リリンへの信頼があったからだ。
「……はぁ……分かったわ。三人も現場に連れて行って。気を付けてね」
メイリーに見送られ、クララ達は当該地域へと向かった。その移動では、リリンの風玉に全員が入り、尚且つリリンの魔法で案内役のマーマンの泳ぎの速さに合わせて移動していた。サーファが、クララとリリンをしっかりと抱えているので、全員がバラバラにならない。
「これって、どうやって動いているんですか?」
「私達の背後から風を当てて、風玉ごと飛んでいるという形ですね。ただ受けている風は、嵐の何倍もの強さになっているので、海の中は大荒れでしょう」
「ほえ~……」
思ったよりも力業で速度を出しているという事実に、クララは感嘆ともとれるため息を零した。そんな事を話していると、案内役のマーマンが、手振りで目的地に着いた事を知らせた。
「このまま陸に上がります。サーファ、絶対に放さないように」
「分かりました!」
クララ達は、そのままの勢いで陸へと上がっていく。上がった場所は、砂浜だった。そして、その目の前は、森だ。
「燃えてる……」
サーファに下ろして貰ったクララが一言目に出した言葉はそれだった。クララの言う通り、森は燃えていた。だが、クララ達のいる砂浜近くの木には、まだ燃え移っていない。燃えているのは、その奥にある木々だった。
「途中までは、問題無く行けそうですね」
「ですね。でも、その後はどうするんですか? さすがに、私の脚力でも走り抜けられるか分かりませんよ?」
サーファは、燃え盛る森の中を駆け抜ける可能性を考えていた。
「さすがに、普通には走り抜けませんよ。こうします」
リリンは、自分達の周りを水で覆った。
「風玉の水版の水玉というものです。クララさんも練習されましたね」
「講義でやりました。じゃあ、私も大丈夫そうですね」
「いえ、常に新しい水に入れ替えて、温度を一定にしておかないといけませんので、クララさんでは無理です」
リリンがすぐに否定したので、クララは肩を落とす。
「練習すれば、出来るようになります。クララさんは、まだ実践が足りないだけですから、そこまで落胆する事はないですよ」
「はい。分かりました」
「私達は、ここから現場に向かいます。サーファは、クララさんを背負って、私に付いてきてください」
「はい!」
駆け出すリリンの後を、クララを背負ったサーファが追う。クララが自分で走るよりも、サーファが背負った方が格段に早く現場に着ける。さらに、クララの体力も温存出来るという理由もある。
五分程走ると、燃えている森に差し掛かった。
「このまま突っ切ります。水の膜がありますので、気にせず走ってください」
「分かりました!」
リリンとサーファは、燃えている森に躊躇いなく入っていった。クララは、ぎゅっと眼を瞑る。だが、自分の周囲が何も変わらないのを感じて、ゆっくりと目を開けた。
「ここは……本当に燃えている森の中なんですか?」
「そうです。水玉を常に入れ替えて、水の温度を一定に保っています。これを怠ると、水玉を保てなくなります」
「中の温度を保つためにやっているんじゃないんですね」
「いえ、それも兼ねています。どのみち、水玉がなければ、熱すぎて走る事など出来ませんから」
クララは、それもそうかと納得する。
そのまま十分走ると、燃え盛る森を抜けて、小さな街が見えた。現地住人の街だ。幸いな事に、まだ住宅は燃えていなかった。
「街の人達は、どこにいるんでしょうか?」
「こういう時は、基本的に一時避難所へ集まるはずです。恐らく、分かりやすいように街の中心付近にあるでしょう。サーファ、周辺の情報収集を」
「了解です」
サーファは、クララを下ろして、街の中ではなく外周に向けて走り出す。それを見送っていたクララをリリンが抱き上げる。
「私達は街へ」
「はい!」
リリンは、クララを抱えたまま羽を出し、高速で移動し始めた。
「飛んで移動するんですか?」
「なるべく早く到着するためには、これが一番だと思いますので。とはいえ、もう降りますが」
リリンが飛んでいられる時間は、ごく僅かなので、羽で移動出来た距離は五〇メートル程だ。それでも、普通に走るよりは速く移動する事が出来、街の中に入る事が出来た。そして、その後は走って街の中央を目指す。すると、段々と人々の声が聞こえ始めた。
「そこにいるようですね」
クララ達は、声が聞こえる場所へと向かう。そこは、街の中心にある広場だった。いつもは、もっと楽しく賑やかな広場だったのだろうが、今は違う。あちらこちらで、呻き声が聞こえていた。
この広場は現在野外病院のようになっている。近くにある病院は、診療所レベルのものしかない。そのため収容しきれないのだ。
クララは、リリンに抱えられながら、寝かされている負傷者達をざっと見ていく。
「宿に杖を置いていったのは、失敗でした」
そんなクララ達の元に、看護師の服を着た猫族の女性が駆け寄ってくる。
「その子も怪我人ですか!?」
リリンに抱えられていたため、クララを怪我人だと勘違いしたようだ。
「いえ、治療の手伝いに来ました。この子は魔聖女ですので、皆さんの力になれるはずです」
「噂の魔聖女様……心強いです」
クララの力は、ある程度触れで知らされているらしく、すんなりと受け入れられた。
「クララさんは、ここに置いていきます。私は、森の鎮火に向かいますが、クララさんの身に何かあれば……分かりますね?」
「は、はい!」
リリンの圧を受けて、看護師の猫族は声を震わせながら返事をした。それを聞いたリリンは、クララの頭を優しく撫でる。
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