吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ

月輪林檎

文字の大きさ
485 / 912
東方の守護者の吸血少女

スノータウンで【降霊術】

 翌日。私は、雪原エリアのスノータウンに来ていた。今日はここで【降霊術】を使う。上手く家の裏側に隠れてから【降霊術】を使った。すると、これまでの人達よりも厚着をしたお姉さんが出て来た。まぁ、雪原だから当たり前かな。
 いつも通りの説明と質問をする。

『う~ん……この辺りって、雪が積もっているでしょう?』
「はい」
『だから、何かを見つけたとしても、どこにあるかまでは分からなくなったりするの。私が見つけた事があるのは、雪の下にある氷で埋まった洞窟とかね』
「他には何かありますか? 珍しいものがあるみたいなのとか」
『無いかな』
「分かりました。ありがとうごいざます」

 最初に得た情報は、刀刃の隠れ里への入口の話だった。そもそも見つけたとしても、あの氷を貫く熱量もしくはレインのようにあれだけの質量を操れる力が必要だし、刀刃の隠れ里へとすんなり行く事は出来ない。
 今度はもこもこのお爺さんが出て来た。このお爺さんにも【降霊術】の説明をしておく。

『ふむ……それなら、この雪原のどこかに地下へと落ちる場所があるのう』
「氷で閉ざされた入口ですか?」
『うむ。硬い物で叩けば割れるような氷だった』

 どうやら刀刃の隠れ里への入口の他にも地下へと入口があるらしい。それは調べてみないといけない。

「なるほど……何があるかとかは分かりますか?」
『儂も随分昔に落ちた事があるくらいだからのう……すぐに引き上げられた事もあって、何があるかは分からん』
「そうですか。分かりました。教えて頂きありがとうござました」

 ここでお爺さんが消える。そして、もう一度【降霊術】を使う。すると、今度は別のお姉さんが出て来た。前に出て来たお姉さんよりも、ちょっと豪華な服を着ている気がする。同じように説明をしておく。

『この街の外周のどこかに街の地下に入る事が出来る場所があります』
「街の地下ですか? それって、気軽に入って良いものなんでしょうか?」
『街の施設じゃないから……』

 そういうお姉さんの表情は、少しだけ憎しみが籠もっているように見えた。だからというわけじゃないけど、もしかしたら邪聖教が関係しているのではと思った。

「それって……邪聖教ですか?」

 私がそう訊くと、お姉さんは驚いたような表情になった。私が邪聖教を知っている事が意外だったみたい。

『よく知っているのね。そう。邪聖教という酷い集団が根城にしていたの。街の地下で見つけたのは良いものの、そのまま捕まって殺されてしまったわ』
「そうでしたか……教えて頂きありがとうございます」
『行くつもり?』

 お姉さんは心配そうにそう言う。その地下に入って邪聖教に殺されてしまったのなら、心配するのも無理は無い。好き好んで嵌めようだなんて事を普通の人は思わないだろうしね。

「はい。もう邪聖教は壊滅しているので、足跡を追いつつ生き残りが別組織を立ち上げていないか確認するつもりです」
『そう……それなら何もないと思うけど気を付けてね』
「はい。ありがとうございます」

 お姉さんは儚げに微笑んでから消えていった。取り敢えずの情報収集は、これくらいでいいかな。まずは、お爺さんの言っていた地下を探す事にする。ある場所が分かっているから、邪聖教は後回しだ。
 寒い場所という事もあり、フェンリルとレインを喚び出す。そして、レインと一緒にフェンリルの上に乗る。

「取り敢えず、適当に走り回ってくれる?」
『探し物か?』
「うん。氷で塞がれてる場所。私とレインで感知していくから」
『分かった』

 フェンリルが猛スピードで走る。雪を巻き上げながら進んでいくので、雪の中を猛スピードで車が通っているような感じになっていた。まぁ、そんな事を車でやったらスリップして危ないと思うけど。さすがに、エレクに雪道を走って貰う訳にもいかないので、フェンリルがいて良かった。

『お姉さん。この先に氷で閉ざされる場所がある』
「前に見つけた場所じゃないよね?」
『うん。正反対だから、それはないと思うよ』
「オッケー。フェンリル」
『任せろ』

 フェンリルが速度を上げて、目的地まですっ飛んでいってくれる。そうして着いた場所は、雪原の端っこの方だった。確かに刀刃の隠れ里への入口とは反対方向だ。そこの氷をレインが即座に割る。おかげで、入口が目で見えるようになった。

『小さくなれば入れない事はないな』
「無理しなくても大丈夫だよ?」
『戦力は多い方が良いだろう』

 フェンリルは、私達が二人揃って乗れないくらい小さくなる。まぁ、それでも大型犬よりは大きい気がするけど。三人で中に入っていく。ここでは狼の眷属を出して、マッピングをして貰う。

『ふむ。この狭さでは、我の上に乗るのは無理だな』
「仕方ないよ。レイン、フェンリルに乗って」
『うん。何かあるか調べれば良いんだよね?』
「うん。よろしく。フェンリルは、私の速度に合わせて走って。一気に最奥まで行こう」
『分かるのか?』
「ある程度ならね。レイン達みたいに、一瞬で分かれば良いんだけど、こればかりは仕方ないよ。それじゃあ、行くよ」

 私が駆け出すと、フェンリルはすぐに並ぶ。私よりも速いのだから当たり前だけど。
 土と風で行き止まりを調べつつ、奥に続いていく道を選択していく。大分感知範囲などが広くなったとはいえ、神霊達には及ばない。頑張って集中しながら走らないといけないから、大分大変だった。
 なんとか一番奥に着くことが出来たけど、途中に隠し部屋などはなかった。やっぱり隠し部屋はレアな存在みたい。そうじゃないと、何本も杖が手に入る事になるし仕方ないのかな。
 一番奥には宝箱が置いてあった。まぁ、これもいつも通りだ。宝箱を開けると中には、水色の球が入っていた。名前は氷水晶というらしい。よく分からないから、アカリにあげよう。

「よし。じゃあ、他の行き止まりを見てから、街に戻ろう」
『分かった』
『うん』

 行き止まりには採掘ポイントがあるくらいで、特に何かが隠されている事は無かった。まぁ、普通の洞窟だし、こんなものかな。念のため、採掘ポイントから鉱石などを採っておいたけど、特に新しい鉱石は無かった。

「氷水晶は宝箱からだけなのかな?」
『さすがに、石には詳しくないからな。我には分からん。だが、ハクは身体から石を出せただろう。そこに交ざるかもしれないな』
「ああ、確かに、そっちからは出せるかもね。今度試してみよう。沢山出せたら、アカリも使いやすいだろうし」

 宝箱からしか出ないものが私の身体から出て来るようになったら、色々とヤバいかもしれない。絶対に流通させないようにはしておこう。まぁ、アカリが全部使うから流通する事はないと思うけど。
 次に調べるのは、スノータウンの地下にあるという邪聖教のアジトだ。そういえば、アジトはあっても邪聖教の人間は出てこなかった気がする。あそこで死んだわけじゃないって事かな。
感想 0

あなたにおすすめの小説

吸血少女 設定資料集(おまけ付き)

月輪林檎
SF
 『吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ』のスキルやその技、武具の追加効果などを章ごとに分けて簡潔に説明します。その章で新しく出て来たものを書いていくので、過去の章に出て来ているものは、過去の章から確認してください。  さらに、ハク以外の視点で、ちょっとした話も書くかもしれません。所謂番外編です。  基本的に不定期更新です。

​二度目の人生、19歳の肉体。~ハズレスキルの武道家認定? 趣味の形意拳が速すぎて、この世界の誰も追いつけない~

九条 龍
ファンタジー
​不慮の事故で命を落とした46歳の元経営者。 目覚めた先は、ステータスとスキルが全てを決める異世界だった。 ​19歳の若々しい肉体を手に入れ、二度目の人生に胸を躍らせる。 だが、授かったスキルは最底辺のハズレ枠――【武道家】。 魔法も聖剣もない、ただの「素手」で戦えという絶望的な宣告だった。 ​「……ま、いいか。趣味の形意拳、こっちでも試してみるか」 ​現世でただの趣味として続けていた拳を、軽く振るってみる。 すると、異世界の騎士も魔物も、その速度に反応すらできず一撃で沈んでいく。 ​「あれ、この世界のやつら、遅すぎない?」 ​ハズレスキルと蔑まれた【武道家】が、趣味の技と合わさった時、世界最強のチートへと化ける。 大人の余裕と19歳のキレを武器に、異世界の不条理をスマートにあしらう爽快ファンタジー!

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》

盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。  ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……  始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。    さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

スキルを駆使して人生勝ち組っ!R

momo
ファンタジー
失敗ばかりの人生だった。 夢も、恋も、キャリアも、全部中途半端。 だけど――もう一度やり直せるなら。 三十後半OL、まさかの逆行転生。 与えられたのは“努力を裏切らない”スキルボード。 毎日の積み重ねが、確実に未来を変えていく。 今度こそ堅実に、公務員になって、静かに幸せに暮らす。 そのはずだったのに。 なぜか才能が覚醒。 ピアノ界の神童? 子役スター候補? 違う、そうじゃない! 安定志向アラフォー女子の人生二周目、 思わぬ才能無双で開幕! ※スキルを駆使して人生勝ち組っ!の加筆修正した物になります。

52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった

よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】 皆様の熱い応援、本当にありがとうございます! ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です! 【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】 電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。 気がついたら異世界召喚。 だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。 52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。 結論――王都の地下下水道に「廃棄」。 玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。 血管年齢は実年齢マイナス20歳。 そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。 だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。 下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。 捨てられた魔道具。 長年魔素を吸い続けた高純度魔石。 そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。 チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。 あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。 汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。 スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。 この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。 魔力は毒である。代謝こそが命である。 軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。 でも、だからこそ――まず1話、読んでください。 【最新情報&著者プロフィール】 代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作! ◆ 2月に待望の【第2巻】刊行! ◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中! ◆ 【コミカライズ企画進行中】! すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。