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出会いを楽しむ吸血少女
集うオリュンポスの神々
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二人から祝福を受けて、改めてスキルを確認すると、一部の祝福に追加項目が付いていた。
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【炉の神の祝福】:常時HPMP継続回復状態になる。また、状態異常に掛かる確率を大きく減少させる。ギルドエリアの家屋類及び火が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【伊邪那美の祝福】:キル数百毎に、収得しているスキル全てに経験値が入る。ギルドエリア全体が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【木花咲弥姫の祝福】:火への完全耐性を得る。テイムモンスターのステータスが上昇し、テイムモンスターの卵が孵りやすくなる。より上質で神気を纏った酒を醸造可能となる。ギルドエリアの桜及び木々が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【大山津見の祝福】:山において、素材となるアイテムを見つけやすくなる。山における農業などに補正が入る。山の精が力を貸してくれる事がある。ギルドエリアの山が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【大国主の祝福】:ギルドエリアの土地を限りなく広げる。ギルドエリアにおいて必要な費用が大幅に下がる。様々な良縁に恵まれる。ギルドエリア全体が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【天照大神の祝福】:光属性、光明属性の攻撃が大幅に強化される。神聖属性に関するスキルの効果を大幅に強化する。太陽光の元にいる間、常にHPMP継続回復の効果を得る。ギルドエリアの太陽及び昼及び空が祝福される。高天原への立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【月読の祝福】:闇、暗黒属性の攻撃が大幅に強化される。月光の元にいる間、常にHPMP継続回復の効果を得る。MPを大きく消費して、夜の闇を凝縮させた一撃を放つ事が出来る。ギルドエリアの月及び夜が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【宇伽之御魂の祝福】:育成している作物の生長速度が上がり、収穫量が大きく上昇する。畑が常に肥沃の土となる。作物を使用した料理にHPMP回復効果を持たせる事が出来る。ギルドエリアの畑が祝福される。控えでも効果を発揮する。(ウカノミタマより祝福される)
【建御雷の祝福】:剣系統と雷系統のスキルの効果を大幅に強化する。ステータスを大きく上昇させる。土、大地系統の攻撃を治める事が出来る。ギルドエリアの雷及び電気が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【櫛名田比売の祝福】:育成している作物の生長速度が上がり、収穫量が大きく上昇する。特に稲田の作物には、大きく影響する。ギルドエリアの畑が祝福される。櫛を生み出す事が出来る。控えでも効果を発揮する。
【須佐之男の祝福】:水属性、風属性の攻撃が大幅に強化される。天候を暴風雨へと変える事が出来る。暴風雨を纏い、全てを破壊する一撃を放つ事が出来る。ギルドエリアの海及び雨が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【北欧雷神の祝福】:全ステータスが大幅に上昇する。更に、攻撃力が大幅に上昇する。雷、雷霆系統のスキルの効果が上昇する。MPを大きく消費し、全てを打ち砕く雷の鎚を叩き付ける事が出来る。ギルドエリアの全体及び雷及び電気が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【北欧主神の祝福】:全ての魔法の効力を大きく上昇させる。レベルに関係なく装備している魔法スキルの魔法を全て使用する事が出来る。また、風に関するスキルの効果を大きく上昇させる。ギルドエリアの風が祝福される。ヴァーラスキャールヴへの立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【海の神の祝福】:水中での呼吸が可能となり、自由自在に動き回る事が出来る。一部モンスターから敵対認識されなくなる。敵対認識の効果は、パーティー内で共有となる。MPを大きく消費して、全て貫き破壊する水で出来た三つ叉の槍を撃ち出す。ギルドエリアの海が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【戦いと知恵の神の祝福】:全ステータスが大きく上昇する。アテナからの念話を受け取る事が出来る。MPを大きく消費して、攻撃を防ぐ盾を張る事が出来る。ギルドエリアの都市が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【結婚の神の祝福】:【愛】の追加効果を持つアクセサリーを装備しているとき、その効果を大きく上昇させる。この効果は、対となる【愛】のアクセサリーにも影響する。嫉妬に関連するスキルの効果が上昇する。神聖属性の水を浴びたとき、HPが大きく回復する。ギルドエリア全体及び家具類が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【全知全能の主神の祝福】:全ステータスが大きく上昇する。雷、雷霆系スキルの効果が上昇する。あらゆる天候によるデバフを受け付けない。MPを大きく消費して、全てを焼き尽くす雷霆を放つ事が出来る。ギルドエリアの空及び雷及び電気が祝福される。オリュンポス山への立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
多分、今回の件を受けて、皆の祝福を得る事によって影響してくるギルドエリアの項目が増えたって感じなのかな。色々と疑問はあるけど、本格的にギルドエリアの擬似神界化が進んでいるように思える。
「ふむ。後は……いや、取り敢えずは、これで良いじゃろう。次の神界に向かうと良い」
「分かりました。ワタツミさん、トヨタマヒメさん、祝福を授けて頂きありがとうございました」
「ああ」
「はい。それと私はトヨとお呼びください」
「分かりました、トヨさん。では、失礼します」
私は、アマテラスさん達に手を振ってから、オリュンポスに転移する。オリュンポスに降り立つと、山の中央に沢山の神様が集まっていた。その中からヘスティアさんが駆け寄ってくる。
「ハクさん、あっちは終わった?」
「はい。取り敢えずは、これで良いとの事でした。こちらは……」
ゼウスさんやヘラさん、ヘベさん、アテナさん、デメテルさん、アルテミスさん、アフロディーテさん、ヘルメスさんも見えるけど、知らない神様がかなり多い。
「いや~……ゼウスやヘラに話して、色々な神に話を通していたら、どんどん広まっちゃって……こんなに集まっちゃった」
さすがに、ヘスティアさんも多いと思ったのか、若干苦笑いになっていた。二十人以上はいるし、若干ピリピリとした雰囲気が広がっている。主にデメテルさんがピリピリしているように見える。
「ごめんね。うちも全員が全員仲良しってわけじゃなくてね。若干居心地が悪くなるかも……」
私が感じている事に気付いたのか、ヘスティアさんが苦笑いのままそう言った。まぁ、人間も仲良しってわけじゃないから、そこは気にするべきところではないのかもしれない。
「いえ、気にしないでください。ここにいる皆さんが全員祝福を下さるわけではないでしょうし、頑張って認められれば良いんですよね?」
「あぁ……」
ヘスティアさんは、若干気まずそうな表情になる。祝福を貰う話はなくなってしまったのかな。ちょっと悪い方向に考えていると、予想とは違う答えが返ってきた。
「ほとんどの皆が祝福をあげるって……」
「えっ……私の事、全く知らないですよね……?」
ワタツミさんが、無条件に祝福を授ける事を拒んだように、普通はどういう人かを確認せずに祝福を授ける事はないと考えられる。なので、ここの神様達が私に祝福を授ける気満々という事に驚いた。ゼウスさん達は、私の事をどんな風に伝えていたのやら。
「いやぁ……ヘラとかアテナとかが、どんどんとハクさんについて話していったら、面白い子という事で、祝福しようって話になっちゃって。今は、ゼウスがしっかりと見定めるように言っているところ」
「あっ、助かります」
ヘスティアさん達の気遣いは、普通に嬉しい。私の方でも、祝福を授けてくれる神様がどういう神様なのか知りたいから。
「まぁ、言う事を聞く神がいるかどうか……」
「あはは……」
確かに、神様が大人しく言う事を聞くかと言われると、それはなさそうと言えなくもない。
ヘスティアさんと話していると、集まっている神様の内、黒いドレスを着た美人な女神様が私に気付いてやって来た。少し冷たい雰囲気の目で、私を見ている。
「ニュクス様。こちらが、話にあった子のハクさんです」
「ええ……見れば分かる……」
綺麗な声をしている。小さな声だけど、私までしっかりと聞こえる。綺麗な容姿なだけに、冷たい目が少し怖くも感じる。それにしても、ヘスティアさんが敬語で話すって事は、ニュクスさんは、ヘスティアさんよりも高位に位置する神様なのかな。
ニュクスさんは、私に手を伸ばすと、頭を撫でてきた。そのまま手を下に移して頬も撫でる。冷たい感触だけど、嫌な感じはしない。
そんな直後に、祝福を授けられたメッセージが届いた。
────────────────────
【夜の原初神の祝福】:夜の間、全ステータスが大幅に上昇する。闇、暗黒、夜、死、眠り、復讐に関するスキルの効果が大きく強化される。MPを大きく消費する事で、自身の周囲を夜へと変える事が出来る。ギルドエリアの夜が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【夜の原初神の加護】:夜の時間帯のみ、自分の周囲にニュクスが顕現する事が出来る。即死効果のある攻撃を無効化する。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
あまりに唐突過ぎて、呆然とニュクスさんを見る事しか出来なかった。
「夜の眷属は……私の子も同然……あなたを守るわ……」
ニュクスさんは、本当に僅かに口角を上げてそう言う。さっきまでの目は、私がどういう存在か確認していたって感じなのかな。夜の眷属というのも、多分吸血鬼である事が当てはまっているのだと思う。夜じゃないと本領を発揮出来ないし。
「ありがとうございます」
頭を下げてお礼を言うと、ニュクスさんが再び頭を撫でてくる。何だろう、お母さんに撫でられているような安心感がある気がする。
ニュクスさんと話していると、集まっていた神様達が私に気付いて、こっちを向いていた。私がいる事に気付いたみたい。もしかしたら、ニュクスさんが私の元に来た時には気付いていたのかな。それを見ると、ニュクスさんは、私の背後に移動した。それだけで、場の雰囲気が引き締まる。私がニュクスさんの庇護下に入ったからなのかな。
「さてと、それじゃあ、一人一人ハクさんと話していく方式ね」
アイドルの握手会やサイン会のような感じになり始めた。私の方が動くのだと思っていたから、別の意味で若干居心地が悪くなる。まぁ、でも、こっちの方が効率的なのかな。
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【炉の神の祝福】:常時HPMP継続回復状態になる。また、状態異常に掛かる確率を大きく減少させる。ギルドエリアの家屋類及び火が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【伊邪那美の祝福】:キル数百毎に、収得しているスキル全てに経験値が入る。ギルドエリア全体が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【木花咲弥姫の祝福】:火への完全耐性を得る。テイムモンスターのステータスが上昇し、テイムモンスターの卵が孵りやすくなる。より上質で神気を纏った酒を醸造可能となる。ギルドエリアの桜及び木々が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【大山津見の祝福】:山において、素材となるアイテムを見つけやすくなる。山における農業などに補正が入る。山の精が力を貸してくれる事がある。ギルドエリアの山が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【大国主の祝福】:ギルドエリアの土地を限りなく広げる。ギルドエリアにおいて必要な費用が大幅に下がる。様々な良縁に恵まれる。ギルドエリア全体が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【天照大神の祝福】:光属性、光明属性の攻撃が大幅に強化される。神聖属性に関するスキルの効果を大幅に強化する。太陽光の元にいる間、常にHPMP継続回復の効果を得る。ギルドエリアの太陽及び昼及び空が祝福される。高天原への立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【月読の祝福】:闇、暗黒属性の攻撃が大幅に強化される。月光の元にいる間、常にHPMP継続回復の効果を得る。MPを大きく消費して、夜の闇を凝縮させた一撃を放つ事が出来る。ギルドエリアの月及び夜が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【宇伽之御魂の祝福】:育成している作物の生長速度が上がり、収穫量が大きく上昇する。畑が常に肥沃の土となる。作物を使用した料理にHPMP回復効果を持たせる事が出来る。ギルドエリアの畑が祝福される。控えでも効果を発揮する。(ウカノミタマより祝福される)
【建御雷の祝福】:剣系統と雷系統のスキルの効果を大幅に強化する。ステータスを大きく上昇させる。土、大地系統の攻撃を治める事が出来る。ギルドエリアの雷及び電気が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【櫛名田比売の祝福】:育成している作物の生長速度が上がり、収穫量が大きく上昇する。特に稲田の作物には、大きく影響する。ギルドエリアの畑が祝福される。櫛を生み出す事が出来る。控えでも効果を発揮する。
【須佐之男の祝福】:水属性、風属性の攻撃が大幅に強化される。天候を暴風雨へと変える事が出来る。暴風雨を纏い、全てを破壊する一撃を放つ事が出来る。ギルドエリアの海及び雨が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【北欧雷神の祝福】:全ステータスが大幅に上昇する。更に、攻撃力が大幅に上昇する。雷、雷霆系統のスキルの効果が上昇する。MPを大きく消費し、全てを打ち砕く雷の鎚を叩き付ける事が出来る。ギルドエリアの全体及び雷及び電気が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【北欧主神の祝福】:全ての魔法の効力を大きく上昇させる。レベルに関係なく装備している魔法スキルの魔法を全て使用する事が出来る。また、風に関するスキルの効果を大きく上昇させる。ギルドエリアの風が祝福される。ヴァーラスキャールヴへの立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【海の神の祝福】:水中での呼吸が可能となり、自由自在に動き回る事が出来る。一部モンスターから敵対認識されなくなる。敵対認識の効果は、パーティー内で共有となる。MPを大きく消費して、全て貫き破壊する水で出来た三つ叉の槍を撃ち出す。ギルドエリアの海が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【戦いと知恵の神の祝福】:全ステータスが大きく上昇する。アテナからの念話を受け取る事が出来る。MPを大きく消費して、攻撃を防ぐ盾を張る事が出来る。ギルドエリアの都市が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【結婚の神の祝福】:【愛】の追加効果を持つアクセサリーを装備しているとき、その効果を大きく上昇させる。この効果は、対となる【愛】のアクセサリーにも影響する。嫉妬に関連するスキルの効果が上昇する。神聖属性の水を浴びたとき、HPが大きく回復する。ギルドエリア全体及び家具類が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【全知全能の主神の祝福】:全ステータスが大きく上昇する。雷、雷霆系スキルの効果が上昇する。あらゆる天候によるデバフを受け付けない。MPを大きく消費して、全てを焼き尽くす雷霆を放つ事が出来る。ギルドエリアの空及び雷及び電気が祝福される。オリュンポス山への立入が可能となる。控えでも効果を発揮する。
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多分、今回の件を受けて、皆の祝福を得る事によって影響してくるギルドエリアの項目が増えたって感じなのかな。色々と疑問はあるけど、本格的にギルドエリアの擬似神界化が進んでいるように思える。
「ふむ。後は……いや、取り敢えずは、これで良いじゃろう。次の神界に向かうと良い」
「分かりました。ワタツミさん、トヨタマヒメさん、祝福を授けて頂きありがとうございました」
「ああ」
「はい。それと私はトヨとお呼びください」
「分かりました、トヨさん。では、失礼します」
私は、アマテラスさん達に手を振ってから、オリュンポスに転移する。オリュンポスに降り立つと、山の中央に沢山の神様が集まっていた。その中からヘスティアさんが駆け寄ってくる。
「ハクさん、あっちは終わった?」
「はい。取り敢えずは、これで良いとの事でした。こちらは……」
ゼウスさんやヘラさん、ヘベさん、アテナさん、デメテルさん、アルテミスさん、アフロディーテさん、ヘルメスさんも見えるけど、知らない神様がかなり多い。
「いや~……ゼウスやヘラに話して、色々な神に話を通していたら、どんどん広まっちゃって……こんなに集まっちゃった」
さすがに、ヘスティアさんも多いと思ったのか、若干苦笑いになっていた。二十人以上はいるし、若干ピリピリとした雰囲気が広がっている。主にデメテルさんがピリピリしているように見える。
「ごめんね。うちも全員が全員仲良しってわけじゃなくてね。若干居心地が悪くなるかも……」
私が感じている事に気付いたのか、ヘスティアさんが苦笑いのままそう言った。まぁ、人間も仲良しってわけじゃないから、そこは気にするべきところではないのかもしれない。
「いえ、気にしないでください。ここにいる皆さんが全員祝福を下さるわけではないでしょうし、頑張って認められれば良いんですよね?」
「あぁ……」
ヘスティアさんは、若干気まずそうな表情になる。祝福を貰う話はなくなってしまったのかな。ちょっと悪い方向に考えていると、予想とは違う答えが返ってきた。
「ほとんどの皆が祝福をあげるって……」
「えっ……私の事、全く知らないですよね……?」
ワタツミさんが、無条件に祝福を授ける事を拒んだように、普通はどういう人かを確認せずに祝福を授ける事はないと考えられる。なので、ここの神様達が私に祝福を授ける気満々という事に驚いた。ゼウスさん達は、私の事をどんな風に伝えていたのやら。
「いやぁ……ヘラとかアテナとかが、どんどんとハクさんについて話していったら、面白い子という事で、祝福しようって話になっちゃって。今は、ゼウスがしっかりと見定めるように言っているところ」
「あっ、助かります」
ヘスティアさん達の気遣いは、普通に嬉しい。私の方でも、祝福を授けてくれる神様がどういう神様なのか知りたいから。
「まぁ、言う事を聞く神がいるかどうか……」
「あはは……」
確かに、神様が大人しく言う事を聞くかと言われると、それはなさそうと言えなくもない。
ヘスティアさんと話していると、集まっている神様の内、黒いドレスを着た美人な女神様が私に気付いてやって来た。少し冷たい雰囲気の目で、私を見ている。
「ニュクス様。こちらが、話にあった子のハクさんです」
「ええ……見れば分かる……」
綺麗な声をしている。小さな声だけど、私までしっかりと聞こえる。綺麗な容姿なだけに、冷たい目が少し怖くも感じる。それにしても、ヘスティアさんが敬語で話すって事は、ニュクスさんは、ヘスティアさんよりも高位に位置する神様なのかな。
ニュクスさんは、私に手を伸ばすと、頭を撫でてきた。そのまま手を下に移して頬も撫でる。冷たい感触だけど、嫌な感じはしない。
そんな直後に、祝福を授けられたメッセージが届いた。
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【夜の原初神の祝福】:夜の間、全ステータスが大幅に上昇する。闇、暗黒、夜、死、眠り、復讐に関するスキルの効果が大きく強化される。MPを大きく消費する事で、自身の周囲を夜へと変える事が出来る。ギルドエリアの夜が祝福される。控えでも効果を発揮する。
【夜の原初神の加護】:夜の時間帯のみ、自分の周囲にニュクスが顕現する事が出来る。即死効果のある攻撃を無効化する。控えでも効果を発揮する。
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あまりに唐突過ぎて、呆然とニュクスさんを見る事しか出来なかった。
「夜の眷属は……私の子も同然……あなたを守るわ……」
ニュクスさんは、本当に僅かに口角を上げてそう言う。さっきまでの目は、私がどういう存在か確認していたって感じなのかな。夜の眷属というのも、多分吸血鬼である事が当てはまっているのだと思う。夜じゃないと本領を発揮出来ないし。
「ありがとうございます」
頭を下げてお礼を言うと、ニュクスさんが再び頭を撫でてくる。何だろう、お母さんに撫でられているような安心感がある気がする。
ニュクスさんと話していると、集まっていた神様達が私に気付いて、こっちを向いていた。私がいる事に気付いたみたい。もしかしたら、ニュクスさんが私の元に来た時には気付いていたのかな。それを見ると、ニュクスさんは、私の背後に移動した。それだけで、場の雰囲気が引き締まる。私がニュクスさんの庇護下に入ったからなのかな。
「さてと、それじゃあ、一人一人ハクさんと話していく方式ね」
アイドルの握手会やサイン会のような感じになり始めた。私の方が動くのだと思っていたから、別の意味で若干居心地が悪くなる。まぁ、でも、こっちの方が効率的なのかな。
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