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出会いを楽しむ吸血少女
オリュンポスの神々との対談3
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次に座ったのは、純白の衣装に身を包んだ金髪の女神様だった。どことなく医者のような雰囲気がある。エイルさんみたいな感じだ。この女神様の方がのほほんとした雰囲気だけど。
「初めまして。パナケイアです」
「初めまして。ハクです」
「うふふ、話に聞いていた通り、可愛らしい方ですね」
パナケイアさんは、ニコニコ笑いながら、私の頬を揉んでくる。
「お身体に異常はなさそうですね。身体が変質しているという事でしょうか。一種の進化のようなもののようにも見えますね」
「まぁ、随分前から身体が痛いとかはなくなりましたから」
「やはり、進化と捉えるのが良さそうです」
そう言いながら、パナケイアさんは私に何かしらの力を使った。キラキラとした黄色い光が私の中に入ってくる。ぽかぽかと温かい感じがする。
「ん? 何でしょう? 何かしらの力が入っていますね」
「祝福ですか?」
「いえ、祝福とは違います。何でしょうか……精霊に近いかもしれませんね」
「精霊……あっ! 祈りの霊像から水色の光を吸収した事があります。それは関係ありますか?」
「祈りの霊像……なるほど。身体の精霊化が進んでいるようですね。精霊界に入る事が出来そうですね」
「精霊界?」
「はい。精霊が暮らす場所です。神界などとは別の場所にあるので、見つけるのは容易ではないですが」
パナケイアさんはそう言いながら、手を離した。
「内側も傷付いている場所はなさそうですので、健康体そのものですね。では、私の祝福を授けましょう」
「えっ、ありがとうございます」
「今回の目的には適していないですけどね」
「えっ、そうなんですか?」
「はい。偶々集まっているのを見つけただけですから。そうしたら、思っていた以上に可愛らしく気になる女の子がいらっしゃったので、ちょっと楽しかったですよ。今度はゆっくりお話しさせてくださいね」
「はい」
────────────────────
【癒しの神の祝福】:HPが継続回復し、状態異常、欠損が早く回復する。MPを消費して、万能薬を生み出す事が出来る。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
私に祝福を授けると、パナケイアさんは、私の頭を撫でて去って行った。ギルドエリアの話を聞いてではなく、ただただ集まってきた神様もいるというのは本当だった。多分、そっちで集まってきた神様の数は少ないだろうけど。
次に座ったのは、穏やかそうな表情をした女神様だった。
「ハルモニアです。よろしくお願いします」
「ハクです。よろしくお願いします」
「私は、調和を司っており、ハクさんの世界に調和をもたらすために来ました。ですので、私の祝福は問答に関係なく授けさせて頂きます」
「つまり、ハルモニアさんの祝福がないと、私の世界を擬似的な神界にする事は出来ないという事ですか?」
「いえ、私の祝福で行うのは、安定化というところですね。万が一のためのものと考えてください。そもそも擬似的な神界を作り上げるには奇跡がなければ無理でしょう。ですが、その点はハクさんがクリアしていると聞いています」
これは、私の【聖女】や【神秘の吸血鬼】の事を言っているのだと分かる。でも、奇跡が起こる確率は少なかったはず。
「でも、奇跡が起こる可能性は低いと思いますが……」
「ある程度条件が揃っているので、起こると思いますよ」
ハルモニアさんは、ニコッと微笑んでそう言う。
どんどん祝福されるギルドエリアに私が来る事によって、奇跡が起こり神界化するらしい。そこにハルモニアさんの祝福で擬似神界が安定するって感じみたい。これは、実際にやってみないと分からないけどね。
「なるほど。何か悪い気もしますが、お願いします」
「はい」
ハルモニアさんから祝福を授けられる。
────────────────────
【調和の神の祝福】:身体の調和が保たれる。不安定な物質を安定化させる事が出来る。ギルドエリア全体の調和を保つ。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
ちょっと気になる内容の祝福だ。もしかしたら、反転物質の安定化が出来るかもしれない。
「これで、ハクさんの身体の中の調和も保たれます。邪神に堕ちる事もないでしょう」
「え、そうなんですか?」
まさかの効果に少し驚いた。邪神になっても悪い事はしないようにしないといけないと、ずっと思っていたのだけど、その心配がなくなった。その分、新しい可能性が潰れたという見方も出来るけど、神様の皆との縁が切れる可能性もあったので、これで良い気もする。
「調和を保つというのはそういう事ですので。では、またゆっくり話しましょう」
「はい」
ハルモニアさんは手を振って去って行く。そして、次に暖かな光を放つ女神様が座った。女神様は、私の後に後ろにいるニュクスさんに微笑んだ。すると、ニュクスさんが私の耳に口を近づけて囁く。
「私の娘……ヘメラ……昼の神よ……」
こそばゆい。ニュクスさんはそう囁いて席に戻っていった。
「私は、ヘメラ。よろしくね」
「ハクです。よろしくお願いします」
「お母さんの眷属って聞いてたけど、元気で社交的だね」
それはニュクスさんへの誹謗になるのではと思って、ちらっと後ろを見たけど、ニュクスさんは全く気にした素振りを見せなかった。寧ろ、私が見た事により、首を傾げていた。
取り敢えず、首を横に振って、何でもないという事を伝えておく。
「基本的に聞き手に回れば、ある程度話しやすいですから」
「なるほどね。一つ申し訳ない事があるんだけど、ハクちゃんは昼の眷属じゃないから、加護までは付けられそうにないんだ」
「いえ、お気になさらず。というか、昼の眷属というのは、どういうのが対象になるんですか?」
私が夜の眷属と言われる理由は、夜間に力を発揮出来る吸血鬼であるから。でも、昼に力を増すような存在は、パッと思いつかなかった。
「【光合成】が出来る人とかかな」
そういえば、ラウネがそんなスキルを持っていたっけ。精霊のスキルも得る事が出来るのは分かっているので、私も【光合成】を手に入れる事は出来なくはないはず。葉緑体を手に入れるとかだったら、身体が緑色になりそう。
「なるほど」
「まぁ、昼も夜も関係なくなっているハクちゃんを昼の眷属と見做す事も出来なくはないと思うけどね」
「そんな事出来るんですか?」
「さぁ? でも、感覚的には出来なさそうかな。ハクちゃんからは、夜の気配が強く出てるから」
「そんな感じなんですか?」
「うん。もわぁって出てる感じ」
そんな気配を放っていたとは思わなかった。もしかして、闇霧の始祖からもそう見えていたのかな。
「取り敢えず、加護付きで授けてみるけど、期待はしないでね」
「あ、はい」
普通に祝福は授けられるらしい。
────────────────────
【昼の原初神の祝福】:昼の間、全ステータスが大幅に上昇する。光、光明、昼、生、覚醒、容赦に関するスキルの効果が大きく強化される。MPを大きく消費する事で、自身の周囲を昼へと変える事が出来る。ギルドエリアの昼が祝福される。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
加護を得る事は出来なかった。やっぱり昼の眷属ではないからだと思う。祝福の方はニュクスさんの正反対の祝福だった。
「ヘメラさんも原初神なんですね」
「うん。そうだよ。今日来てる原初神は、私とお母さんくらいかな。他は来なかったから」
「そうなんですね。まぁ、皆さんもよく知らない人に祝福を授けたいとは、あまりならないですよね」
「そうかな? 私はハクちゃんの話を聞いて、会いたいなって思ったけど」
「因みに、どんな話を聞いたんですか?」
これは聞いておきたかった。こんなに神様が集まるという事は、ギルドエリアの擬似神界化に興味を持ったのと、私自身に興味を持ったからしか考えられなかったからだ。まぁ、集まっていたから来たって神様もいたけど。
「滅茶苦茶可愛い子で、身体がおかしな事になってて、私達神に対して必要以上に謙らない珍しい人だって」
「それで興味を持ったんですか?」
「うん。だって、ゼウスやヘラがそこまで言うなんて気になるでしょ?」
「私はちょっと恥ずかしいですけどね……」
「でも、ハクちゃんもそういう人や神がいるって聞いたら、ちょっと気になるでしょ?」
「…………確かに」
そこまで言われる人とかがいたら、ちょっと興味が出るかもしれない。それが、アカリやアク姉とかの知り合いってなれば、もっと興味が出るかな。そうなれば、ヘメラさんの言う事も頷ける。
「それじゃあ、ハクちゃんの世界が完成するのを楽しみに待ってるね。後、お母さんをよろしくね」
「へ? どういう事ですか? ヘメラさん!? ヘメラさ~ん!」
ヘメラさんは何も言わずに笑顔で手を振りながら去って行った。本当にどういう事だったのだろうか。娘を頼むみたいな言い方だったから、かなり引っ掛かる。ヘメラさんがいなくなってしまったので、ニュクスさんの方を見る。小さく微笑みながら手を振っていた。
本当にどういう事なのか。そんな風に気になっていると、神様の集まりが増えているのが分かった。ヘスティアさんもニコニコしているので、まだ少し続きそうだ。
「初めまして。パナケイアです」
「初めまして。ハクです」
「うふふ、話に聞いていた通り、可愛らしい方ですね」
パナケイアさんは、ニコニコ笑いながら、私の頬を揉んでくる。
「お身体に異常はなさそうですね。身体が変質しているという事でしょうか。一種の進化のようなもののようにも見えますね」
「まぁ、随分前から身体が痛いとかはなくなりましたから」
「やはり、進化と捉えるのが良さそうです」
そう言いながら、パナケイアさんは私に何かしらの力を使った。キラキラとした黄色い光が私の中に入ってくる。ぽかぽかと温かい感じがする。
「ん? 何でしょう? 何かしらの力が入っていますね」
「祝福ですか?」
「いえ、祝福とは違います。何でしょうか……精霊に近いかもしれませんね」
「精霊……あっ! 祈りの霊像から水色の光を吸収した事があります。それは関係ありますか?」
「祈りの霊像……なるほど。身体の精霊化が進んでいるようですね。精霊界に入る事が出来そうですね」
「精霊界?」
「はい。精霊が暮らす場所です。神界などとは別の場所にあるので、見つけるのは容易ではないですが」
パナケイアさんはそう言いながら、手を離した。
「内側も傷付いている場所はなさそうですので、健康体そのものですね。では、私の祝福を授けましょう」
「えっ、ありがとうございます」
「今回の目的には適していないですけどね」
「えっ、そうなんですか?」
「はい。偶々集まっているのを見つけただけですから。そうしたら、思っていた以上に可愛らしく気になる女の子がいらっしゃったので、ちょっと楽しかったですよ。今度はゆっくりお話しさせてくださいね」
「はい」
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【癒しの神の祝福】:HPが継続回復し、状態異常、欠損が早く回復する。MPを消費して、万能薬を生み出す事が出来る。控えでも効果を発揮する。
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私に祝福を授けると、パナケイアさんは、私の頭を撫でて去って行った。ギルドエリアの話を聞いてではなく、ただただ集まってきた神様もいるというのは本当だった。多分、そっちで集まってきた神様の数は少ないだろうけど。
次に座ったのは、穏やかそうな表情をした女神様だった。
「ハルモニアです。よろしくお願いします」
「ハクです。よろしくお願いします」
「私は、調和を司っており、ハクさんの世界に調和をもたらすために来ました。ですので、私の祝福は問答に関係なく授けさせて頂きます」
「つまり、ハルモニアさんの祝福がないと、私の世界を擬似的な神界にする事は出来ないという事ですか?」
「いえ、私の祝福で行うのは、安定化というところですね。万が一のためのものと考えてください。そもそも擬似的な神界を作り上げるには奇跡がなければ無理でしょう。ですが、その点はハクさんがクリアしていると聞いています」
これは、私の【聖女】や【神秘の吸血鬼】の事を言っているのだと分かる。でも、奇跡が起こる確率は少なかったはず。
「でも、奇跡が起こる可能性は低いと思いますが……」
「ある程度条件が揃っているので、起こると思いますよ」
ハルモニアさんは、ニコッと微笑んでそう言う。
どんどん祝福されるギルドエリアに私が来る事によって、奇跡が起こり神界化するらしい。そこにハルモニアさんの祝福で擬似神界が安定するって感じみたい。これは、実際にやってみないと分からないけどね。
「なるほど。何か悪い気もしますが、お願いします」
「はい」
ハルモニアさんから祝福を授けられる。
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【調和の神の祝福】:身体の調和が保たれる。不安定な物質を安定化させる事が出来る。ギルドエリア全体の調和を保つ。控えでも効果を発揮する。
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ちょっと気になる内容の祝福だ。もしかしたら、反転物質の安定化が出来るかもしれない。
「これで、ハクさんの身体の中の調和も保たれます。邪神に堕ちる事もないでしょう」
「え、そうなんですか?」
まさかの効果に少し驚いた。邪神になっても悪い事はしないようにしないといけないと、ずっと思っていたのだけど、その心配がなくなった。その分、新しい可能性が潰れたという見方も出来るけど、神様の皆との縁が切れる可能性もあったので、これで良い気もする。
「調和を保つというのはそういう事ですので。では、またゆっくり話しましょう」
「はい」
ハルモニアさんは手を振って去って行く。そして、次に暖かな光を放つ女神様が座った。女神様は、私の後に後ろにいるニュクスさんに微笑んだ。すると、ニュクスさんが私の耳に口を近づけて囁く。
「私の娘……ヘメラ……昼の神よ……」
こそばゆい。ニュクスさんはそう囁いて席に戻っていった。
「私は、ヘメラ。よろしくね」
「ハクです。よろしくお願いします」
「お母さんの眷属って聞いてたけど、元気で社交的だね」
それはニュクスさんへの誹謗になるのではと思って、ちらっと後ろを見たけど、ニュクスさんは全く気にした素振りを見せなかった。寧ろ、私が見た事により、首を傾げていた。
取り敢えず、首を横に振って、何でもないという事を伝えておく。
「基本的に聞き手に回れば、ある程度話しやすいですから」
「なるほどね。一つ申し訳ない事があるんだけど、ハクちゃんは昼の眷属じゃないから、加護までは付けられそうにないんだ」
「いえ、お気になさらず。というか、昼の眷属というのは、どういうのが対象になるんですか?」
私が夜の眷属と言われる理由は、夜間に力を発揮出来る吸血鬼であるから。でも、昼に力を増すような存在は、パッと思いつかなかった。
「【光合成】が出来る人とかかな」
そういえば、ラウネがそんなスキルを持っていたっけ。精霊のスキルも得る事が出来るのは分かっているので、私も【光合成】を手に入れる事は出来なくはないはず。葉緑体を手に入れるとかだったら、身体が緑色になりそう。
「なるほど」
「まぁ、昼も夜も関係なくなっているハクちゃんを昼の眷属と見做す事も出来なくはないと思うけどね」
「そんな事出来るんですか?」
「さぁ? でも、感覚的には出来なさそうかな。ハクちゃんからは、夜の気配が強く出てるから」
「そんな感じなんですか?」
「うん。もわぁって出てる感じ」
そんな気配を放っていたとは思わなかった。もしかして、闇霧の始祖からもそう見えていたのかな。
「取り敢えず、加護付きで授けてみるけど、期待はしないでね」
「あ、はい」
普通に祝福は授けられるらしい。
────────────────────
【昼の原初神の祝福】:昼の間、全ステータスが大幅に上昇する。光、光明、昼、生、覚醒、容赦に関するスキルの効果が大きく強化される。MPを大きく消費する事で、自身の周囲を昼へと変える事が出来る。ギルドエリアの昼が祝福される。控えでも効果を発揮する。
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加護を得る事は出来なかった。やっぱり昼の眷属ではないからだと思う。祝福の方はニュクスさんの正反対の祝福だった。
「ヘメラさんも原初神なんですね」
「うん。そうだよ。今日来てる原初神は、私とお母さんくらいかな。他は来なかったから」
「そうなんですね。まぁ、皆さんもよく知らない人に祝福を授けたいとは、あまりならないですよね」
「そうかな? 私はハクちゃんの話を聞いて、会いたいなって思ったけど」
「因みに、どんな話を聞いたんですか?」
これは聞いておきたかった。こんなに神様が集まるという事は、ギルドエリアの擬似神界化に興味を持ったのと、私自身に興味を持ったからしか考えられなかったからだ。まぁ、集まっていたから来たって神様もいたけど。
「滅茶苦茶可愛い子で、身体がおかしな事になってて、私達神に対して必要以上に謙らない珍しい人だって」
「それで興味を持ったんですか?」
「うん。だって、ゼウスやヘラがそこまで言うなんて気になるでしょ?」
「私はちょっと恥ずかしいですけどね……」
「でも、ハクちゃんもそういう人や神がいるって聞いたら、ちょっと気になるでしょ?」
「…………確かに」
そこまで言われる人とかがいたら、ちょっと興味が出るかもしれない。それが、アカリやアク姉とかの知り合いってなれば、もっと興味が出るかな。そうなれば、ヘメラさんの言う事も頷ける。
「それじゃあ、ハクちゃんの世界が完成するのを楽しみに待ってるね。後、お母さんをよろしくね」
「へ? どういう事ですか? ヘメラさん!? ヘメラさ~ん!」
ヘメラさんは何も言わずに笑顔で手を振りながら去って行った。本当にどういう事だったのだろうか。娘を頼むみたいな言い方だったから、かなり引っ掛かる。ヘメラさんがいなくなってしまったので、ニュクスさんの方を見る。小さく微笑みながら手を振っていた。
本当にどういう事なのか。そんな風に気になっていると、神様の集まりが増えているのが分かった。ヘスティアさんもニコニコしているので、まだ少し続きそうだ。
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※1話1500文字くらいで書いております
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