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出会いを楽しむ吸血少女
神様の恐ろしい一面
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エアリー、ソイル、ラウネを喚び、妖命霊山エリアの探索を続ける。酒呑童子に見られても問題ないので、普通に歩きながら探索する事になると思ったけど、再び玉藻ちゃんの尻尾に包まれての移動になった。
「玉藻ちゃん、私歩けるけど」
『妾がしたいだけじゃ』
玉藻ちゃんはそう言って、私の頭を撫でる。玉藻ちゃんなりに酒呑童子のした事を申し訳なく思っているって感じなのかな。ここは素直に甘えておくとしよう。移動中に、四人の鬼から獲ったスキルを確認しておくことにした。
────────────────────
【青鬼王】:内なる青鬼の力を解放出来る。また青鬼王の力を纏う事が出来る。
【白鬼王】:内なる白鬼の力を解放出来る。また白鬼王の力を纏う事が出来る。
【肌鬼王】:内なる肌鬼の力を解放出来る。また肌鬼王の力を纏う事が出来る。
【赤鬼王】:内なる赤鬼の力を解放出来る。また赤鬼王の力を纏う事が出来る。
────────────────────
それぞれの鬼王になれるスキルが手に入ったらしい。それぞれの力は実際に使ってみないと分からないから、そこら辺も要検証かな。
そうして移動していると、ソイルが近づいてきた。
『お姉ちゃん……山の中に空洞が……あるよ……』
「空洞? エアリー」
『地上とは繋がっていないようです』
「そっか。ソイル、案内してくれる?」
『うん……』
ソイルが案内してくれるので、玉藻ちゃん達がそれを追う。モンスターはエアリーとラウネが問答無用で倒しまくっているようで、どんどんと数を減らしていた。
『ここだよ……』
確かに地面の中に空洞がある。
「ソイル、崩れないように穴を開けてくれる?」
『うん……』
ソイルが穴を開けてくれるので、玉藻ちゃんの尻尾から降りて中に入る。そこには、宝箱が置いてあった。
『宝箱みたいですね。セイちゃんが見るに安全なもののようですよ』
「ありがとう、セイちゃん」
私の身体に巻き付いてくるセイちゃんを撫でてあげる。セイちゃんにもかなり慣れた。現実で巻き付かれたらパニックになるだろうけど。
宝箱の鍵を開けてみると、中には風精霊の聖杖が入っていた。持ち手に緑色の宝石が埋まっており、全体的に薄緑色の杖だ。全体に風っぽい模様の可愛らしい杖だ。
「はい。エアリー」
『ありがとうございます。大切にします』
エアリーは嬉しそうに風精霊の聖杖を受け取った。これでエアリーが強化された。エアリーは、感知範囲が一番広いから、それがさらに強化されたという事は、モンスターにとっては本当に恐ろしいだろうな。
取り敢えず、ここにはもう何もないみたいなので、妖命霊山エリアの探索に戻る。エアリーがモンスターを倒す速度がかなり早くなったし、その攻撃範囲も広がっている。私達の安全圏が広がった。探索をしていくと、妖命霊山エリアの四分の三程を調べ終えた。そこまで調べ終えたところで、夕食の時間が近づいてきたので一旦ログアウトして、夕食とお風呂を済ませて再びログインする。なるべく探索を進めるためだ。
エアリー達を召喚すると、急に後ろから誰かが抱きしめてきた。その正体は、ニュクスさんだった。ニュクスさんの加護があるので、夜の時間帯である今であれば、ニュクスさんは私の周囲に顕現する事が出来る。
「ニュクスさん?」
「ごめんなさい……あなたを守れなかった……」
ニュクスさんは酒呑童子との戦いで、私を守れなかった事を謝罪した。あの時は昼間だったので、ニュクスさんが顕現する事は出来なかった。しかも、プレイヤーだけで戦うボスエリアだったので、ニュクスさんが介入出来たかは分からない。
「気にしないで下さい。ニュクスさんのせいではないので」
「そう……ありがとう……」
ニュクスさんはそう言うと、地面に膝を突いて、私を正面から抱きしめた。ニュクスさんは、本当に後悔しているみたい。私は無限に復活するし、そこまで心配しなくても良いのだけど、ニュクスさんにとって、それは関係ないみたいだ。ここまで悲しまれると、私もちょっと気にしてしまう。今度から死なないように気を付けないと。
「今夜は……私が一緒にいるわ……」
「ありがとうございます」
「取り敢えず……ここのモンスターを滅ぼすわ……」
ニュクスさんはそう言うと、手を前に掲げる。直後、夜空から黒い雨が降り注いだ。そして、どんどんとドロップアイテムが手に入っていく。私が感じるモンスターの気配も、全て消え去った。エリア全域のモンスターが倒されたらしい。
ニュクスさんの恐ろしい一面を見た気がする。というか、さすがは神様。しかも、本人は大した事をしていないみたいな感じだし。
「これで……しばらく安全……何をするの……?」
「あ、えっと、この辺りを探索して何かないかを調べます」
「そう……なら……行きましょう……」
私とニュクスさんは、手を繋いで歩く。ニュクスさんは、この方が安心するみたいだから、このまま行く。すると、エアリーが何かを見つけた。
『お姉様。あちらに洞窟があるようです』
「結構続いてそう?」
『いえ、すぐに行き止まりに着きます』
「そっか。取り敢えず、そっちに行ってみよう。ソイル、何かあったら教えてね」
『うん……』
皆でエアリーが見つけた洞窟へと向かう。そうして着いたのは、本当に短い洞窟だった。
『空洞は……ないよ……』
「そっか。じゃあ、普通に見ていけば良いかな」
ソイルが何も感じないみたいなので、本当に空洞はなさそうだ。そのまま歩いていくと、一番奥に宝箱があった。宝箱を開けてみると、それは宝箱擬態型のモンスターであるミミックだった。初めて見るので、食べようとしてきたミミックを逆に食べる。バリバリと宝箱を食べて倒すけど、特に新しいスキルは手に入らず、沢山の金が手に入った。お金ではなく、本当に金属の金だ。まぁ、素材が手に入る分には良いかな。
「お腹を……壊すわ……」
「私のお腹は頑丈なので、金属でも大丈夫なんですよ」
「そう……でも、良くはないわ……控えなさい……」
「あ、はい」
素直に返事をすると、ニュクスさんは柔らかく笑いながら頭を撫でてくれた。まぁ、娘が宝箱をバリバリ食べていたら、心配するのは当然だよね。娘ではないのだけど。
洞窟から出て、再び妖命霊山エリアの探索に戻る。本当にニュクスさんが全てのモンスターを倒したみたいで、全然モンスターの気配を感じなかった。おかげで、エアリーが攻撃リソースを割くことなく、探索を続けられて、妖命霊山エリアの全体を探索する事が出来た。妖命霊山エリアは、縦に大きいだけで、全体的な広さはそこまででもなかったみたい。山という大きいものに圧倒されて広く見えたって感じかな。まぁ、上の方はボスエリアになっていたから、実質のエリアは見た目程大きくなくてもおかしくはない。
多分、本当だったら、頂上に近づくにつれて、モンスターの数がどんどん増えていくはずだったけど、エアリー達が倒してくれていたから、とんとん拍子に進む事が出来たのだと思う。次の修行場所はここになるかな。酒呑童子とはしばらく戦うつもりはないけど。修行よりも死闘になるだろうから。
探索した後は、ギルドエリアに戻る。今日は土曜日なので、ちょっと夜更かししても良いから、心配を掛けたお詫びも兼ねてニュクスさんと一緒に過ごす事にした。
その結果、ニュンペーさんのところに行って、沢山の神様と歌って踊る事になった。ニュクスさん的には、一緒に過ごすよりも楽しそうにしている私を見る方が良いみたい。よく分からないけど、本当に嬉しそうだから良いかな。
「玉藻ちゃん、私歩けるけど」
『妾がしたいだけじゃ』
玉藻ちゃんはそう言って、私の頭を撫でる。玉藻ちゃんなりに酒呑童子のした事を申し訳なく思っているって感じなのかな。ここは素直に甘えておくとしよう。移動中に、四人の鬼から獲ったスキルを確認しておくことにした。
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【青鬼王】:内なる青鬼の力を解放出来る。また青鬼王の力を纏う事が出来る。
【白鬼王】:内なる白鬼の力を解放出来る。また白鬼王の力を纏う事が出来る。
【肌鬼王】:内なる肌鬼の力を解放出来る。また肌鬼王の力を纏う事が出来る。
【赤鬼王】:内なる赤鬼の力を解放出来る。また赤鬼王の力を纏う事が出来る。
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それぞれの鬼王になれるスキルが手に入ったらしい。それぞれの力は実際に使ってみないと分からないから、そこら辺も要検証かな。
そうして移動していると、ソイルが近づいてきた。
『お姉ちゃん……山の中に空洞が……あるよ……』
「空洞? エアリー」
『地上とは繋がっていないようです』
「そっか。ソイル、案内してくれる?」
『うん……』
ソイルが案内してくれるので、玉藻ちゃん達がそれを追う。モンスターはエアリーとラウネが問答無用で倒しまくっているようで、どんどんと数を減らしていた。
『ここだよ……』
確かに地面の中に空洞がある。
「ソイル、崩れないように穴を開けてくれる?」
『うん……』
ソイルが穴を開けてくれるので、玉藻ちゃんの尻尾から降りて中に入る。そこには、宝箱が置いてあった。
『宝箱みたいですね。セイちゃんが見るに安全なもののようですよ』
「ありがとう、セイちゃん」
私の身体に巻き付いてくるセイちゃんを撫でてあげる。セイちゃんにもかなり慣れた。現実で巻き付かれたらパニックになるだろうけど。
宝箱の鍵を開けてみると、中には風精霊の聖杖が入っていた。持ち手に緑色の宝石が埋まっており、全体的に薄緑色の杖だ。全体に風っぽい模様の可愛らしい杖だ。
「はい。エアリー」
『ありがとうございます。大切にします』
エアリーは嬉しそうに風精霊の聖杖を受け取った。これでエアリーが強化された。エアリーは、感知範囲が一番広いから、それがさらに強化されたという事は、モンスターにとっては本当に恐ろしいだろうな。
取り敢えず、ここにはもう何もないみたいなので、妖命霊山エリアの探索に戻る。エアリーがモンスターを倒す速度がかなり早くなったし、その攻撃範囲も広がっている。私達の安全圏が広がった。探索をしていくと、妖命霊山エリアの四分の三程を調べ終えた。そこまで調べ終えたところで、夕食の時間が近づいてきたので一旦ログアウトして、夕食とお風呂を済ませて再びログインする。なるべく探索を進めるためだ。
エアリー達を召喚すると、急に後ろから誰かが抱きしめてきた。その正体は、ニュクスさんだった。ニュクスさんの加護があるので、夜の時間帯である今であれば、ニュクスさんは私の周囲に顕現する事が出来る。
「ニュクスさん?」
「ごめんなさい……あなたを守れなかった……」
ニュクスさんは酒呑童子との戦いで、私を守れなかった事を謝罪した。あの時は昼間だったので、ニュクスさんが顕現する事は出来なかった。しかも、プレイヤーだけで戦うボスエリアだったので、ニュクスさんが介入出来たかは分からない。
「気にしないで下さい。ニュクスさんのせいではないので」
「そう……ありがとう……」
ニュクスさんはそう言うと、地面に膝を突いて、私を正面から抱きしめた。ニュクスさんは、本当に後悔しているみたい。私は無限に復活するし、そこまで心配しなくても良いのだけど、ニュクスさんにとって、それは関係ないみたいだ。ここまで悲しまれると、私もちょっと気にしてしまう。今度から死なないように気を付けないと。
「今夜は……私が一緒にいるわ……」
「ありがとうございます」
「取り敢えず……ここのモンスターを滅ぼすわ……」
ニュクスさんはそう言うと、手を前に掲げる。直後、夜空から黒い雨が降り注いだ。そして、どんどんとドロップアイテムが手に入っていく。私が感じるモンスターの気配も、全て消え去った。エリア全域のモンスターが倒されたらしい。
ニュクスさんの恐ろしい一面を見た気がする。というか、さすがは神様。しかも、本人は大した事をしていないみたいな感じだし。
「これで……しばらく安全……何をするの……?」
「あ、えっと、この辺りを探索して何かないかを調べます」
「そう……なら……行きましょう……」
私とニュクスさんは、手を繋いで歩く。ニュクスさんは、この方が安心するみたいだから、このまま行く。すると、エアリーが何かを見つけた。
『お姉様。あちらに洞窟があるようです』
「結構続いてそう?」
『いえ、すぐに行き止まりに着きます』
「そっか。取り敢えず、そっちに行ってみよう。ソイル、何かあったら教えてね」
『うん……』
皆でエアリーが見つけた洞窟へと向かう。そうして着いたのは、本当に短い洞窟だった。
『空洞は……ないよ……』
「そっか。じゃあ、普通に見ていけば良いかな」
ソイルが何も感じないみたいなので、本当に空洞はなさそうだ。そのまま歩いていくと、一番奥に宝箱があった。宝箱を開けてみると、それは宝箱擬態型のモンスターであるミミックだった。初めて見るので、食べようとしてきたミミックを逆に食べる。バリバリと宝箱を食べて倒すけど、特に新しいスキルは手に入らず、沢山の金が手に入った。お金ではなく、本当に金属の金だ。まぁ、素材が手に入る分には良いかな。
「お腹を……壊すわ……」
「私のお腹は頑丈なので、金属でも大丈夫なんですよ」
「そう……でも、良くはないわ……控えなさい……」
「あ、はい」
素直に返事をすると、ニュクスさんは柔らかく笑いながら頭を撫でてくれた。まぁ、娘が宝箱をバリバリ食べていたら、心配するのは当然だよね。娘ではないのだけど。
洞窟から出て、再び妖命霊山エリアの探索に戻る。本当にニュクスさんが全てのモンスターを倒したみたいで、全然モンスターの気配を感じなかった。おかげで、エアリーが攻撃リソースを割くことなく、探索を続けられて、妖命霊山エリアの全体を探索する事が出来た。妖命霊山エリアは、縦に大きいだけで、全体的な広さはそこまででもなかったみたい。山という大きいものに圧倒されて広く見えたって感じかな。まぁ、上の方はボスエリアになっていたから、実質のエリアは見た目程大きくなくてもおかしくはない。
多分、本当だったら、頂上に近づくにつれて、モンスターの数がどんどん増えていくはずだったけど、エアリー達が倒してくれていたから、とんとん拍子に進む事が出来たのだと思う。次の修行場所はここになるかな。酒呑童子とはしばらく戦うつもりはないけど。修行よりも死闘になるだろうから。
探索した後は、ギルドエリアに戻る。今日は土曜日なので、ちょっと夜更かししても良いから、心配を掛けたお詫びも兼ねてニュクスさんと一緒に過ごす事にした。
その結果、ニュンペーさんのところに行って、沢山の神様と歌って踊る事になった。ニュクスさん的には、一緒に過ごすよりも楽しそうにしている私を見る方が良いみたい。よく分からないけど、本当に嬉しそうだから良いかな。
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