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出会いを楽しむ吸血少女
雷鳴ヶ原エリアの遺跡
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翌日。ログインした私は、アカリの元に向かって、昨日見つけた高速演算装置を渡す。アカリは、受け取った高速演算装置を手に持って色々な角度から見ている。
「へぇ~、壊れちゃってるけど、直せば使えそうだね。メアリーちゃんに付けておこうかな。それとも、もっと別の事に……う~ん……色々と考えられそうだなぁ」
「メアリーに付けるとどうなるの?」
「メアリーちゃんの処理能力が向上するかな。メアリーちゃんに新しい機械人形達の指示を任せるから、やっぱりメアリーちゃんに付けよう。これくらいなら、構造を覚えれば作れそうだし」
新しく高速演算装置を作れるというアカリも、私と同じで普通のプレイヤーではなくなっている気がする。まぁ、そこは置いておこう。私のよりも常識的な範囲内での普通じゃないプレイヤーってだけだし。
「それじゃあ、よろしくね。後、昨日ギルドのメッセージで送っておいたと思うけど、テイムモンスターがいっぱい増えたから。鉱山とかも作って、鉱石が普通に採れるようにしたから、鉄とかはそこからも採れると思う。宝石とか水晶もあの子達が育てられるみたいだしね。もしアカリが手伝って欲しい事があったら、皆に言ってあげて。皆にはアカリを手伝ってあげるように言っておいたから」
生産の手伝いが出来るモンスターばかりをテイムしてあるから、アカリの手伝いが出来る可能性が高い。後は、素材を手に入れる事が出来るようなモンスターもね。スノウだって、鱗が採れるし、エレクも鬣が採れる。ニクスも不死鳥の羽根が手に入るしね。
昨日テイムした皆も同じように素材を手に入れる事が出来るはず。まぁ、そうでなくても、楽しく生きて貰えれば良い。
「ありがとう。でも、よくそんなにテイム出来たね? テイム確率って、どんどん落ちていくんじゃなかった?」
アカリも同じ疑問を抱いたようだ。でも、これに関しては、昨日のうちに一つの仮説が出来ている。
「テイム確率はモンスターによって異なっているみたいだね。正直、私も驚いた。プルプル達スライムは二十三体もテイム出来たんだもん。あっ、プルプル達は街の掃除をしてくれるみたいだから。シルキー達と協力してくれてる」
「そうなんだ。何でも食べるんだね。取り敢えず、退屈そうにしていそうな子がいたら、お手伝いをしてもらうね」
無理強いをしない辺り、アカリの優しさが分かる。これまでの皆も自主的に手伝ってくれたり、アカリが頼んで了承してくれたから手伝って貰っているって形だからね。そもそも皆が良い子過ぎるというのもあるかもしれない。
「うん。よろしく。じゃあ、私は探索に行ってくるから」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
アカリにキスをしてから、雷鳴ヶ原エリアへと向かう。再びエレク、ライ、エアリーの三人と一緒に探索を始める。エレクには、最大速度で走って貰い、私は視界を増やして周囲を見ていく。フェンリルに乗る時もこれで良いかな。ちょっと頭の中が混乱しそうになるけど、移動はエレクに任せているから、視界に集中出来る。おかげで、探索は猛スピードで進んでいった。
そうして猛スピードでエリア全体を探索した後に、エアリーが見つけていた遺跡へとやって来た。遺跡の目の前に来た時、ライが私の服を引っ張る。その理由は、遺跡が帯電しているからだろう。今も遺跡に向かって落雷が降り注いでいる。
「危ない?」
『……』ふるふる
ライが首を横に振っているので、危険ではない。でも、その後にエアリーに指を指した。それは、私達にとって危険ではないけど、雷に耐性がないエアリーは危険だという事。私が感じる限りだと、帯電は遺跡内部まで届いている。私達が吸収すれば、問題はないと思うけど、万が一という事もあり得る。
「エアリーは、一旦戻っておいて。どうなるか分からないから。エレクもね。エレクには狭いから」
『はい』
『ブルル』
エアリーとエレクをギルドエリアに帰してから、私とライで中に入っていく。ビリビリを喚ぶという選択肢もあったけど、今回はどうなるか分からなかったので、こうしてライと二人きりという事にした。
遺跡中に帯電している電気は、ライが吸収している。ライ自身に何も影響はなさそうなので、このまま進んでいく。遺跡の中に入ってすぐに下り階段があった。そこからどんどんと地下に降りていき、地下の通路に着く。結構深いけど、一本道になっていた。なので、迷う事なく進んでいける。
その中で、壁の向こうに空間を感じた。私が立ち止まると、ライが心配そうに私の事を覗きこむ。なので、安心させるようにライの頭を撫でてあげる。
「この壁の向こうに空間があるみたいなの。ちょっと壊すから、後ろにいてね」
『……』こくり
ソイルがいないので、中の空間はどこにも繋がっていない隠し部屋だ。壁に扉のようなものはない。仕掛けを探すのは面倒くさいので、破壊する事に決めた。壁の中心目掛けて、蹴りを放つ。大きく罅が入ったけど壊れない。結構硬いらしい。
「うざいな。【蹴脚】」
強烈な回し蹴りで壁を粉砕する。戦闘では使わなくなった技だけど、まさかここで役に立つとは。やっぱり技後硬直で動けなくなるから、戦闘で使いたくないと思ってしまう。技を使うというのは、パーティーが組めている状態である事が望ましい。
ライ達がいるから大きな隙は出来ないけど、逆にライ達がいるから態々技を使う必要もない。私には祝福もあるしね。
壁を破壊した後、その奥にある空間に入る。そこにあるのは、宝箱だった。宝箱の中には、【電磁気】のスキルの書が入っていた。ライも持っているスキルだ。ライがジッと私を見る。その無言の圧力は、お揃いにしろという意思が込められていた。まぁ、最初からそのつもりなので収得しておく。すると、ライが満足げだった。可愛い。
────────────────────
【電磁気】:電気を纏い、磁力を発生させて意のままに操る。
────────────────────
控えで発動すれば良かったのに。まぁ、そこまで何でも都合良くはいかないか。スキルが手に入っただけでも大きな収穫だ。割と使えそうな感じだし。
そのまま遺跡の探索を進める。まぁ、一本道を進んでいくだけなのだけどね。そうして進んでいくと、遺跡の奥にある大きな部屋に出た。その部屋は、そこそこの広さがあり、その中心に魔法陣が刻まれている。その魔法陣を触ってみるけど、特に何かが起こる事はない。削り取ろうとしても、溝が魔法陣になっている訳では無く、魔法陣自体が独立して浮き上がるだけだった。
「ライ、これ何か分かる?」
『……』ふるふる
ライは首を横に振る。特に何か分からないけど、これを破壊する事は出来なさそうだ。
「へぇ~、壊れちゃってるけど、直せば使えそうだね。メアリーちゃんに付けておこうかな。それとも、もっと別の事に……う~ん……色々と考えられそうだなぁ」
「メアリーに付けるとどうなるの?」
「メアリーちゃんの処理能力が向上するかな。メアリーちゃんに新しい機械人形達の指示を任せるから、やっぱりメアリーちゃんに付けよう。これくらいなら、構造を覚えれば作れそうだし」
新しく高速演算装置を作れるというアカリも、私と同じで普通のプレイヤーではなくなっている気がする。まぁ、そこは置いておこう。私のよりも常識的な範囲内での普通じゃないプレイヤーってだけだし。
「それじゃあ、よろしくね。後、昨日ギルドのメッセージで送っておいたと思うけど、テイムモンスターがいっぱい増えたから。鉱山とかも作って、鉱石が普通に採れるようにしたから、鉄とかはそこからも採れると思う。宝石とか水晶もあの子達が育てられるみたいだしね。もしアカリが手伝って欲しい事があったら、皆に言ってあげて。皆にはアカリを手伝ってあげるように言っておいたから」
生産の手伝いが出来るモンスターばかりをテイムしてあるから、アカリの手伝いが出来る可能性が高い。後は、素材を手に入れる事が出来るようなモンスターもね。スノウだって、鱗が採れるし、エレクも鬣が採れる。ニクスも不死鳥の羽根が手に入るしね。
昨日テイムした皆も同じように素材を手に入れる事が出来るはず。まぁ、そうでなくても、楽しく生きて貰えれば良い。
「ありがとう。でも、よくそんなにテイム出来たね? テイム確率って、どんどん落ちていくんじゃなかった?」
アカリも同じ疑問を抱いたようだ。でも、これに関しては、昨日のうちに一つの仮説が出来ている。
「テイム確率はモンスターによって異なっているみたいだね。正直、私も驚いた。プルプル達スライムは二十三体もテイム出来たんだもん。あっ、プルプル達は街の掃除をしてくれるみたいだから。シルキー達と協力してくれてる」
「そうなんだ。何でも食べるんだね。取り敢えず、退屈そうにしていそうな子がいたら、お手伝いをしてもらうね」
無理強いをしない辺り、アカリの優しさが分かる。これまでの皆も自主的に手伝ってくれたり、アカリが頼んで了承してくれたから手伝って貰っているって形だからね。そもそも皆が良い子過ぎるというのもあるかもしれない。
「うん。よろしく。じゃあ、私は探索に行ってくるから」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
アカリにキスをしてから、雷鳴ヶ原エリアへと向かう。再びエレク、ライ、エアリーの三人と一緒に探索を始める。エレクには、最大速度で走って貰い、私は視界を増やして周囲を見ていく。フェンリルに乗る時もこれで良いかな。ちょっと頭の中が混乱しそうになるけど、移動はエレクに任せているから、視界に集中出来る。おかげで、探索は猛スピードで進んでいった。
そうして猛スピードでエリア全体を探索した後に、エアリーが見つけていた遺跡へとやって来た。遺跡の目の前に来た時、ライが私の服を引っ張る。その理由は、遺跡が帯電しているからだろう。今も遺跡に向かって落雷が降り注いでいる。
「危ない?」
『……』ふるふる
ライが首を横に振っているので、危険ではない。でも、その後にエアリーに指を指した。それは、私達にとって危険ではないけど、雷に耐性がないエアリーは危険だという事。私が感じる限りだと、帯電は遺跡内部まで届いている。私達が吸収すれば、問題はないと思うけど、万が一という事もあり得る。
「エアリーは、一旦戻っておいて。どうなるか分からないから。エレクもね。エレクには狭いから」
『はい』
『ブルル』
エアリーとエレクをギルドエリアに帰してから、私とライで中に入っていく。ビリビリを喚ぶという選択肢もあったけど、今回はどうなるか分からなかったので、こうしてライと二人きりという事にした。
遺跡中に帯電している電気は、ライが吸収している。ライ自身に何も影響はなさそうなので、このまま進んでいく。遺跡の中に入ってすぐに下り階段があった。そこからどんどんと地下に降りていき、地下の通路に着く。結構深いけど、一本道になっていた。なので、迷う事なく進んでいける。
その中で、壁の向こうに空間を感じた。私が立ち止まると、ライが心配そうに私の事を覗きこむ。なので、安心させるようにライの頭を撫でてあげる。
「この壁の向こうに空間があるみたいなの。ちょっと壊すから、後ろにいてね」
『……』こくり
ソイルがいないので、中の空間はどこにも繋がっていない隠し部屋だ。壁に扉のようなものはない。仕掛けを探すのは面倒くさいので、破壊する事に決めた。壁の中心目掛けて、蹴りを放つ。大きく罅が入ったけど壊れない。結構硬いらしい。
「うざいな。【蹴脚】」
強烈な回し蹴りで壁を粉砕する。戦闘では使わなくなった技だけど、まさかここで役に立つとは。やっぱり技後硬直で動けなくなるから、戦闘で使いたくないと思ってしまう。技を使うというのは、パーティーが組めている状態である事が望ましい。
ライ達がいるから大きな隙は出来ないけど、逆にライ達がいるから態々技を使う必要もない。私には祝福もあるしね。
壁を破壊した後、その奥にある空間に入る。そこにあるのは、宝箱だった。宝箱の中には、【電磁気】のスキルの書が入っていた。ライも持っているスキルだ。ライがジッと私を見る。その無言の圧力は、お揃いにしろという意思が込められていた。まぁ、最初からそのつもりなので収得しておく。すると、ライが満足げだった。可愛い。
────────────────────
【電磁気】:電気を纏い、磁力を発生させて意のままに操る。
────────────────────
控えで発動すれば良かったのに。まぁ、そこまで何でも都合良くはいかないか。スキルが手に入っただけでも大きな収穫だ。割と使えそうな感じだし。
そのまま遺跡の探索を進める。まぁ、一本道を進んでいくだけなのだけどね。そうして進んでいくと、遺跡の奥にある大きな部屋に出た。その部屋は、そこそこの広さがあり、その中心に魔法陣が刻まれている。その魔法陣を触ってみるけど、特に何かが起こる事はない。削り取ろうとしても、溝が魔法陣になっている訳では無く、魔法陣自体が独立して浮き上がるだけだった。
「ライ、これ何か分かる?」
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ライは首を横に振る。特に何か分からないけど、これを破壊する事は出来なさそうだ。
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