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出会いを楽しむ吸血少女
アカリからのお叱り
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メインギルドエリアに戻って来た私は、自分の屋敷に戻って部屋に入る。当然のようにアスタロトも付いてきた。今は特に何もしていないので、出入り禁止にはしていない。
「アカリは……まだ来てないか。連絡だけしておこう」
アカリはまだログインしていなかった。一度ログアウトしたのかもしれない。そこら辺は分からないけど、メッセージに残しておく。
「まずは選択式レアアイテムボックスかな。血瓶が出ると嬉しいな」
「まだ力を付けるのぉ?」
「力はいくらあっても困らない……いや、困ってる? う~ん……」
普通にゲームなら強くなる事に越した事はないと言い切れるのだけど、現状私が強くなりすぎたせいで、他プレイヤーからの嫉妬が大きくなっているし。
まぁ、それでも血瓶を飲むのはやめられないけどね。そうして出て来たのは、守護天使の羽根と冥界の炎と境界の鍵だった。一番良さそうなのを選択したらそうなった。境界の鍵は、本当にただの鍵なのだけど、素材として使うらしい。
「境界って何?」
「知らないわぁ。世界と世界を隔てる場所じゃないかしらぁ?」
「ふ~ん……いっそ全部合わせてみようか」
「面白そうねぇ」
五分後。私とアスタロトは、ボロボロの服の状態でアカリの前で正座をしていた。しかもボロボロになった部屋の中で。
「ふ~ん……何で作業小屋でやらなかったの?」
「いやぁ……これくらいなら良いかなって……」
「どう考えてもヤバいよね? 天使と悪魔の力を掛け合わせるって、ハクちゃんの身体だから成り立っているだけって知ってるよね?」
「はい……」
守護天使の羽根と冥界の炎と境界の鍵の合成錬金は、一応成功している。出来上がったのは、聖冥の鍵。白と黒に常に変化し続けている怪しい鍵だ。まぁ、そこまでは良かった。出来上がりの直後に爆発する兆候が見えたから、即座に部屋を血液でコーティングして聖域とした。アスタロトが私を庇うように動き、直後に爆発。被害は部屋の中に留まったけど、私達にも被害が及んだ。主に私の防具に。
「取り敢えず、ハクちゃんに防具が合ってないから、防具は作り直しです。しばらく探索禁止! 後、そういう事するなら作業小屋でやる事! 良いね!?」
「はい……」
防具をアカリに預けて、普通の服を纏う。一通り叱ったからか、アカリはいつもの調子に戻る。その瞬間を狙ってお土産を渡す。
「お土産ね」
「お土産? ああ、探索型イベントに行ったんだっけ……って何これ!?」
「何か凄い機械」
「凄いって……これがあれば工場の形を自由に変えられるし、機械人形の皆のメンテナンスも要らないよ!?」
「因みに私の血液にも入ってるよ」
「えっ……」
アカリが真顔で私を見てくる。身体の中に機械が入っているという風に考えちゃったかな。
「私の血液がナノボットの形をしているの。だから、私の身体に入った異物を取り除いてくれたりするんだ」
「ああ……医療用ナノマシンとかがそういう構想だっけ……」
アカリはそう言って、ジッと私を見た後、メニューを操作し始める。
「もしかしてと思ったけど、ハクちゃんイベントでもやらかした?」
「ん? 沢山テイムはしたよ。あっ! 最初の方に襲われた魅了で同士討ちさせた。後、うざいから焼き払った」
「う~ん……まぁ、目撃者がいるから、逆に襲撃犯が責められている状態だし良いかな」
「掲示板?」
「うん。でも、ナノボットの話は一つもないね。邪神の依り代に負けそうになったら、援護イベントが発生したとかはあるけど」
「ああ、それアーサーさん」
「へぇ~……えっ!?」
アカリは面白いくらいに驚いた表情をする。まぁ、普通はそうなるか。
「アカリに色々と報告しないといけないんだよね。ちょっと長くなるけど、大丈夫?」
「うん。良いよ」
私はイベントで起こった出来事を全部話していった。アカリは驚いたり、困惑したりと表情をコロコロ変えていたけど、話を遮ること無く全てを聞いた。
「はぁ……それって本当に運営主導のイベントなの?」
「うん。探索型イベントの中で起こった事だよ。アーサーさんのロンゴミニアドによる一撃が邪神の依り代を削ったのが証拠」
「アーサーさんが探していた武器を見つけて、色々な神様や怪物、モンスターを仲間にして、宇宙に行って、ナノボットのレシピを手に入れる……絶対想定外だよ」
「だろうね。イーリスさんの祝福で、かなりショートカットしたし」
「しかも、空を行かせないようにするために配置していたであろう竜達をテイムしたんでしょ? 魅了でテイム出来るのは予想出来るけど……」
「まぁ、ここまで強力になっているとは思わないよね。成功率は、魅了兵の方も入れると六割くらいかな。必ずという訳では無いみたい。機械兵には通じないけど、ゴーレムには通じる」
私がそう言うと、アカリも少し考え込む。ウッドゴーレムを仲間にした事も報告済みで、そこで考察した内容である魂の事も伝えてある。
「ゴーレムは通常モンスター扱いなのかな。機械兵は製造した人工物って扱いなのかも。機械人形みたいに魂があるような感じじゃないって言ったよね?」
「うん。命令を遂行するだけ。本当に機械的な存在だったと思う」
「魅了される部分がないって感じかな。あるいは、ハクちゃんが好みじゃないか」
「人間じゃなくてロボットなら魅了出来たって事?」
「うん」
確かに好みの存在かという事も判定に入っている可能性はあるかもしれない。私の身体が機械だったら、機械兵も魅了出来たという可能性はあるかもしれない。そうなると、ウッドゴーレムは、私をゴーレムだと思ったのかな。複雑……
そんな事を思っていると、アスタロトが私の後ろからのし掛かってくる。
「そうじゃなくてぇ、自我があるかどうかが問題なんじゃないかしらぁ?」
「どういう事?」
「生物が持つ自分で考えるという行為がぁ、主人の魅了の条件なのかもしれないわぁ。それならゴーレムも当てはまるじゃなぁい?」
確かにアスタロトの考えの方が合っている気がする。自我の有無。機械人形は自分で考えて行動するようになっている。だから、魂があるように思える。じゃあ、自我のないゾンビとかは魅了でテイムするという事が出来ないのかな。
まぁ、別に検証する程の事じゃないかな。探索している中で機会があったら試す事にしよう。後はモートソグニルさんに話を伝えて、ここを直して貰わないと。それと防具が出来るまではギルドエリアでやるべき事をしないと。
ハデスさんから許可を得たエリュシオンと繋げる事とか魔法学校の様子とか。後、聖冥の鍵の使い道もか。
「アカリは……まだ来てないか。連絡だけしておこう」
アカリはまだログインしていなかった。一度ログアウトしたのかもしれない。そこら辺は分からないけど、メッセージに残しておく。
「まずは選択式レアアイテムボックスかな。血瓶が出ると嬉しいな」
「まだ力を付けるのぉ?」
「力はいくらあっても困らない……いや、困ってる? う~ん……」
普通にゲームなら強くなる事に越した事はないと言い切れるのだけど、現状私が強くなりすぎたせいで、他プレイヤーからの嫉妬が大きくなっているし。
まぁ、それでも血瓶を飲むのはやめられないけどね。そうして出て来たのは、守護天使の羽根と冥界の炎と境界の鍵だった。一番良さそうなのを選択したらそうなった。境界の鍵は、本当にただの鍵なのだけど、素材として使うらしい。
「境界って何?」
「知らないわぁ。世界と世界を隔てる場所じゃないかしらぁ?」
「ふ~ん……いっそ全部合わせてみようか」
「面白そうねぇ」
五分後。私とアスタロトは、ボロボロの服の状態でアカリの前で正座をしていた。しかもボロボロになった部屋の中で。
「ふ~ん……何で作業小屋でやらなかったの?」
「いやぁ……これくらいなら良いかなって……」
「どう考えてもヤバいよね? 天使と悪魔の力を掛け合わせるって、ハクちゃんの身体だから成り立っているだけって知ってるよね?」
「はい……」
守護天使の羽根と冥界の炎と境界の鍵の合成錬金は、一応成功している。出来上がったのは、聖冥の鍵。白と黒に常に変化し続けている怪しい鍵だ。まぁ、そこまでは良かった。出来上がりの直後に爆発する兆候が見えたから、即座に部屋を血液でコーティングして聖域とした。アスタロトが私を庇うように動き、直後に爆発。被害は部屋の中に留まったけど、私達にも被害が及んだ。主に私の防具に。
「取り敢えず、ハクちゃんに防具が合ってないから、防具は作り直しです。しばらく探索禁止! 後、そういう事するなら作業小屋でやる事! 良いね!?」
「はい……」
防具をアカリに預けて、普通の服を纏う。一通り叱ったからか、アカリはいつもの調子に戻る。その瞬間を狙ってお土産を渡す。
「お土産ね」
「お土産? ああ、探索型イベントに行ったんだっけ……って何これ!?」
「何か凄い機械」
「凄いって……これがあれば工場の形を自由に変えられるし、機械人形の皆のメンテナンスも要らないよ!?」
「因みに私の血液にも入ってるよ」
「えっ……」
アカリが真顔で私を見てくる。身体の中に機械が入っているという風に考えちゃったかな。
「私の血液がナノボットの形をしているの。だから、私の身体に入った異物を取り除いてくれたりするんだ」
「ああ……医療用ナノマシンとかがそういう構想だっけ……」
アカリはそう言って、ジッと私を見た後、メニューを操作し始める。
「もしかしてと思ったけど、ハクちゃんイベントでもやらかした?」
「ん? 沢山テイムはしたよ。あっ! 最初の方に襲われた魅了で同士討ちさせた。後、うざいから焼き払った」
「う~ん……まぁ、目撃者がいるから、逆に襲撃犯が責められている状態だし良いかな」
「掲示板?」
「うん。でも、ナノボットの話は一つもないね。邪神の依り代に負けそうになったら、援護イベントが発生したとかはあるけど」
「ああ、それアーサーさん」
「へぇ~……えっ!?」
アカリは面白いくらいに驚いた表情をする。まぁ、普通はそうなるか。
「アカリに色々と報告しないといけないんだよね。ちょっと長くなるけど、大丈夫?」
「うん。良いよ」
私はイベントで起こった出来事を全部話していった。アカリは驚いたり、困惑したりと表情をコロコロ変えていたけど、話を遮ること無く全てを聞いた。
「はぁ……それって本当に運営主導のイベントなの?」
「うん。探索型イベントの中で起こった事だよ。アーサーさんのロンゴミニアドによる一撃が邪神の依り代を削ったのが証拠」
「アーサーさんが探していた武器を見つけて、色々な神様や怪物、モンスターを仲間にして、宇宙に行って、ナノボットのレシピを手に入れる……絶対想定外だよ」
「だろうね。イーリスさんの祝福で、かなりショートカットしたし」
「しかも、空を行かせないようにするために配置していたであろう竜達をテイムしたんでしょ? 魅了でテイム出来るのは予想出来るけど……」
「まぁ、ここまで強力になっているとは思わないよね。成功率は、魅了兵の方も入れると六割くらいかな。必ずという訳では無いみたい。機械兵には通じないけど、ゴーレムには通じる」
私がそう言うと、アカリも少し考え込む。ウッドゴーレムを仲間にした事も報告済みで、そこで考察した内容である魂の事も伝えてある。
「ゴーレムは通常モンスター扱いなのかな。機械兵は製造した人工物って扱いなのかも。機械人形みたいに魂があるような感じじゃないって言ったよね?」
「うん。命令を遂行するだけ。本当に機械的な存在だったと思う」
「魅了される部分がないって感じかな。あるいは、ハクちゃんが好みじゃないか」
「人間じゃなくてロボットなら魅了出来たって事?」
「うん」
確かに好みの存在かという事も判定に入っている可能性はあるかもしれない。私の身体が機械だったら、機械兵も魅了出来たという可能性はあるかもしれない。そうなると、ウッドゴーレムは、私をゴーレムだと思ったのかな。複雑……
そんな事を思っていると、アスタロトが私の後ろからのし掛かってくる。
「そうじゃなくてぇ、自我があるかどうかが問題なんじゃないかしらぁ?」
「どういう事?」
「生物が持つ自分で考えるという行為がぁ、主人の魅了の条件なのかもしれないわぁ。それならゴーレムも当てはまるじゃなぁい?」
確かにアスタロトの考えの方が合っている気がする。自我の有無。機械人形は自分で考えて行動するようになっている。だから、魂があるように思える。じゃあ、自我のないゾンビとかは魅了でテイムするという事が出来ないのかな。
まぁ、別に検証する程の事じゃないかな。探索している中で機会があったら試す事にしよう。後はモートソグニルさんに話を伝えて、ここを直して貰わないと。それと防具が出来るまではギルドエリアでやるべき事をしないと。
ハデスさんから許可を得たエリュシオンと繋げる事とか魔法学校の様子とか。後、聖冥の鍵の使い道もか。
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