フェイバーブラッド ~吸血姫と純血のプリンセス~

ヤマタ

文字の大きさ
4 / 54

第4話 次なる戦場

しおりを挟む
「千祟(ちすい)さん、皆と一緒にご飯食べたりするの苦痛じゃない?」

 火曜日の放課後、赤時小春(あかとき こはる)は不安そうな顔で千秋に問いかける。先日勢いで誘い今日も共に昼を過ごしたのだが、普段一人で過ごすことの多い千秋にとっては迷惑だったのではと心配になったのだ。

「いえ別に大丈夫よ」

「ならよかった。誘ったのはいいけど、本当は嫌だったらどうしようって」

「ふふ、あなたはお人好しなのね。そんな気遣いまでするなんて」

「そうかな?」

 小春にとっては当たり前の心遣いをしただけで、特段自分が優しいだとかは思わない。

「たしかに今までは友達という存在はいなかったから少し戸惑うこともあるけど、赤時さんも皆もよくしてくれて・・・だから嫌とかってのはないの」

「美奈子達も千祟さんと仲良くしたいって前から思っていたみたいだし、いい関係を築けそうだね」

「そうね・・・・・・」

 千秋は人付き合いが得意ではないのだが、それは自分が人類にとって忌むべき存在だというコンプレックスに起因している。吸血姫だとカミングアウトしなければバレるものではないとはいえ、心のどこかで引け目を感じてそれが結果的に千秋を臆病にしているのだ。
 だからこそ小春の誘いを受けて不安もあったが杞憂でしかなかったらしい。

「あの、それとは関係ない話なのだけれど、今週の金曜日は何か予定はあるかしら?」

「金曜? 学校以外は特に予定はないなぁ」

「それならまた私と過激派狩りに出てもらえないかしら。敵の拠点の一つを発見したから攻撃をかけるわ」

「オッケー。一緒に行くよ」

 快く承諾してもらえて千秋はホッとする。

「私、千祟さんの役に立ててるんだね」

「ええ、あなたの血は必要よ。この膠着した戦局を打開するキーとなるわ」

「血が、ね・・・・・・」

 千秋にとって必要なのは小春の血液だ。つまり小春という人格等の個体情報はどうでもよくフェイバーブラッドを精製できる肉体が必要とされているわけで、そこに一抹の寂しさを覚えずにはいられない。

「そういえばさ、共存派の人達ってどうやって血液を手に入れているの? 人間を襲ったりはしないんでしょう?」

「普段は動物の血を飲んでいるわ。人間が動物の肉を喰らうようにね。でも動物の血は人間の血に比べて精製できるエネルギーの量も質も低いの。だから過激派はそれでは満足できずに人を襲うのよ」

 味も人間の血のほうが美味しく、千秋も動物の血はあまり好きではなかった。しかし戦いのためには力をつけなければならず仕方なく摂取していたのだ。

「そんなヤツらが赤時さんの血を知ってしまったら、どうなるか分かるでしょう?」

「生まれたことを後悔するレベルで血を吸いつくされちゃうんだろうね」

「そうならないように私も全力であなたを守るわ」

 小春を敵が手に入れれば、それは共存派にとって致命的となる。だからこそ傀儡吸血姫に攫われた小春を助けることができて良かったし、今後も守っていかなければならない。
 更なる責任を背負いながらも千秋の責務を全うする決意に変わりはなかった。





 そして次の金曜日の夜、千秋の家を訪れた小春。そこから千秋の保護者である美広の車で目的の工業エリアまで向かう。
 
「まだ沢山の人が働いているんだね」

 工業エリアにある多くの工場は稼働中で、ここだけ夜とは思えないほど活気がある。こうして汗水を流している人達のおかげで市場に潤沢な商品が流通しているわけだ。

「こんな所に敵の拠点なんてあるの?」

「工業エリアは七つのブロックに別れているの。問題なのは第三ブロックで、ここは企業の倒産が相次いで今は廃墟状態になっているわ。その廃屋となっている工場の一つに過激派の拠点があるみたい」

「でも人が沢山いる場所の近くだし、見回りとかでバレそうなものだけどねえ」

「人は自分の事に必死で多くの物事を見逃すものよ。他者のことになんて、よほどの事がなければ注意なんて向けないわ」

 人間という生き物は自分に関係ないことや赤の他人のことになど関心を持たない。そういう習性につけ込むのが悪人であり、事実、過激派が巣くっていても誰も気がつかないのだ。
 車は第三ブロックに近い場所で止まり、そこで千秋達は下車する。

「ゴメンねぇ・・・手助けしたいけど、これからまた会社に戻らないといけないの・・・・・・」

「いえ、わざわざ残業中に抜け出してきてくれてありがとう。ここからは私達に任せて」

「必ず生きて帰ってくるのよ。赤時さんもね」

 美広はクマのできた目でウインクしながら去っていった。彼女には別の戦場が待っている。

「さて・・・行きましょうか」

「うん」

 静まった周囲を警戒しながら第三ブロックの入口に近づいていくと、そこには人影があって小春が身構えた。

「千祟さん、誰かいるよ・・・見つかっちゃうかも」

「大丈夫。アレは敵じゃないわ」

「?」

 千秋はそう言うと暗闇に佇む人影へと躊躇なく歩み寄って行く。

「待たせたわね」

「いいや、アタシも今来たところ・・・というか、そこにいるのは赤時さんじゃん。なんで一緒なの?」

 声の主に小春は覚えがあった。それは間違いなくクラスメイトの相田朱音(あいだ あかね)だ。

「彼女には重要な役どころを担ってもらうのよ」

「はは~ん・・・とかなんとか言って、デート気分で戦場に来たんだな。意外と隅に置けないなあ、このこのぉ」

 朱音は千秋の脇腹を肘で軽くこずき、鬱陶しそうに千秋は冷たい視線を送る。

「あの、なんで相田さんがここに?」

「アタシも吸血姫なんだ。ちーちと同じく過激派と戦ってんのさ」

「ちーち?」

「千祟千秋を略してちーち。カワイイでしょ?」

 あのクールな千秋にそんな可愛らしいアダ名があることに小春は驚きを隠せない。

「その呼び方はヤメてちょうだいと言ったはずよ」

「学校では呼んでないんだからいいじゃん。赤時さんにもそう呼んでもらいなよ」

「赤時さん、絶対にその呼び方はしないで」

 千秋の圧に黙ってコクコクと頷くしかない小春。まさか吸血姫の機嫌を損ねるなど一般人である小春にできるはずもなかった。

「でさ、赤時さんの重要な役割って何さ?」

「アナタは吸血姫としては信じられるから言うけれど・・・・・・」

 千秋は朱音に耳打ちをして小春がフェイバーブラッドの持ち主だということを伝える。

「・・・マジんこ?」

「ええ。だから赤時さんには我々に血を提供してもらうことになっているの」

「なる・・・しかしよく見つけてきたね」

「偶然ね・・・でもこれで過激派を上回る力を手に入れることができるわ」

 過激派連中は傀儡吸血姫を量産しており物量差で負けている。それを上回るためには個人の戦闘力を上げるしかない。それに必要なのがフェイバーブラッドだ。

「じゃあ早速頂いちゃおうかな。赤時さんの血をさ」

「う、うん。いいよ」

 千秋以外の吸血姫に血を差し出すのはこれが初めてで、千秋との初回の時のような緊張をしながら首にかかる髪の毛をすくい上げる。

「綺麗な首筋だね。このまま喰いちぎりたいくらい」

「こ、怖いこと言わないで」

「冗談だよ。それじゃあ・・・・・・」

 抱き寄せられた小春の首に朱音の犬歯が突き刺さる。痛みが走り、ズキズキとして小春は顔をしかめた。

「痛い・・・・・・」

 これが本来の吸血なのだろう。痛みは退かず、血を抜かれる倦怠感と不快感が襲ってきて早く終わって欲しいとしか思わない。
 そんな小春の気持ちを察してかは知らないが朱音の歯が引き抜かれる。

「ふ~む・・・確かにこの血はスゴイわ。やみつきになりそう」

「そ、それはよかった・・・・・・」

「ねえ、このままアタシのモノにならない? 赤時さんとならいいお付き合いができる気がする」

 小春の顎を指でつまんで自分の顔へと向けさせる。朱音の方が頭一つ分身長が高く、腰を抱かれていることも相まってまるで恋人同士のようだ。

「ちょっと! 意味わからないことを言って赤時さんを困らせないで」

 そんな二人の間に割って入り千秋は小春を引き剥がした。

「赤時さん、大丈夫? 吸血で体調が悪くなったりしていない?」

「大丈夫だよ。でも、千祟さんの時とは違って・・・・・・」

「痛かったのね。でも安心して。私が気持ちよくさせてあげる」

 今度は千秋が朱音の噛んだ場所に歯を立てる。そしてゆっくりと、慈しむように血を吸い出した。

「んっ・・・あっ・・・・・・」

 やはり千秋の吸血は感触が違った。先ほどまで残っていた痛みは綺麗に消え、甘い心地よさが小春の体を支配する。

「どうかしら? 少しは痛みを和らげることができたと思うけれど」

「うん。良くなったみたい」

 体内の血が少なくなったせいか、それとも千秋のせいかは分からないが頭がフワフワとしてくる。この絶妙な感覚は普通の生活では感じることのできないもので、だんだんと癖になりつつあった。

「見せつけてくれるじゃん・・・そんなにちーちの吸血が気持ちいいの?」

「私と赤時さんは体の相性がいいの。だから吸血に苦痛はないわ」

「ちぇー・・・せっかく赤時さんを落とそうとしたのに、これじゃあちーちには勝てないな」

「フッ・・・女たらしの相田朱音でも無理ね」

 朱音は学校内ならず目に付いた女性に手を出して、しかも落とせているために女たらしと影で言われているのだ。
 そんな朱音でもなびかせることのできなかった事から千秋に謎の敗北感を感じ、どうやって小春を手にしようか考えていると、

「キミ達、こんなところで何をしているんだ?」

 いきなり声をかけられて、三人は驚きながら声のした方へと向き直る。

「こんな時間に出歩いていい年齢には見えないな。不審者の目撃情報も増えているのにダメじゃないか」

 近づいてくるのはこの工業エリアを巡視している警備員のようだ。見慣れた警備会社のロゴが入った制服を着用しており、ペンライトで小春達を照らす。

「どうしよう千祟さん。マズいんじゃ・・・・・・」

「大丈夫、任せて」

 一歩前に出た千秋が警備員の前に立ち、

「さがりなさい。ここから離れて私達のことは忘れなさい」

 と強気に言い放つ。そんな事を聞き入れてくれるはずもないと小春は思ったのだが、警備員は急にフラついた足取りになって回れ右をし、その場から立ち去っていった。

「えっ・・・どういうこと?」

「ちーちは催眠術を使ったんだよ。アタシ達吸血姫が使える特殊能力の一つさ。ちなみに傀儡吸血姫は使えないよ」

「へえ、そんなことができるんだ?」

「一般人相手限定でね。吸血姫と、何故かフェイバーブラッド持ちには効かないけど」

 見ると千秋の赤い瞳が薄く光っており、どうやら催眠術とやらを発動して警備員を引き下がらせたようだ。

「上手くいってよかったわ」

「この催眠術が吸血姫にも効けば過激派連中を黙らせることもできるのにな」

「よほどの訓練を積むか、あるいは研究を重ねれば可能になるかもしれないわね。でもそんな話は聞いたことないし・・・・・・それより相田さん、アナタは催眠術を使って女の子に手を出しているんじゃないでしょうね?」

「まさか。あのね、催眠術を使っても意味ないのさ。分かるかなあ、このアタシの美学が」

「全く分からないわね」

 自らの魅力で落とすことを信条にしているらしいが、そのこだわりは千秋に理解できるものではなかった。
 ともかく千秋の催眠術によってピンチを抜け出したわけだがこれは前哨戦にもならない。本番はここからだ。

「さて、気を取り直していきまょう。相田さん、敵の潜伏している廃工場の場所は知っているのよね?」

「ああ。この前、後をつけた傀儡吸血姫がこの先にある廃工場に入って行くのを見たんだ。きっとそこに敵の拠点があるはず」

「じゃあそこに行くわよ。で、敵を見つけたら叩き潰す」

 第三工業ブロックの敷地内へと潜入し朱音が示す廃工場を目指していく。
 次なる激闘の始まりは、すぐそこまで近づいている・・・・・・

 
   -続く-
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

異世界ランドへようこそ

来栖とむ
ファンタジー
都内から車で1時間半。奥多摩の山中に突如現れた、話題の新名所――「奥多摩異世界ランド」。 中世ヨーロッパ風の街並みと、ダンジョンや魔王城を完全再現した異世界体験型レジャーパークだ。 26歳・無職の佐伯雄一は、ここで“冒険者A”のバイトを始める。 勇者を導くNPC役として、剣を振るい、魔物に襲われ、時にはイベントを盛り上げる毎日。 同僚には、美人なギルド受付のサーミャ、エルフの弓使いフラーラ、ポンコツ騎士メリーナなど、魅力的な“登場人物”が勢ぞろい。 ――しかしある日、「魔王が逃げた」という衝撃の知らせが入る。 「体格が似てるから」という理由で、雄一は急遽、魔王役の代役を任されることに。 だが、演技を終えた後、案内された扉の先にあったのは……本物の異世界だった! 経営者は魔族、同僚はガチの魔物。 魔王城で始まる、まさかの「異世界勤務」生活! やがて魔王の後継問題に巻き込まれ、スタンピードも発生(?)の裏で、フラーラとの恋が動き出す――。 笑えて、トキメいて、ちょっと泣ける。 現代×異世界×職場コメディ、開園!

処理中です...