21 / 30
21 封印とか神通力とか六芒星の印とかの秘密
しおりを挟む
「おそらく、赤ん坊のお前をその青い布にくるんで志摩屋の前に捨てたのは、間宮だ」
「そんな! じゃあ僕は間宮の子供なの? それとも血縁者? 僕は誰? どこから来たの!?」
「そこまではわからない。だが間宮は今から20年前に、俺から取り上げた通力を赤ん坊のお前の中に入れ、その背中の六芒星の印で封じ、いずれお前が俺の封印を解く日を待った」
「待って! 僕が究竟様の封印を解いたのは偶然じゃなくて、間宮がそう仕組んでいたことなの!?」
「ああ。封印した俺の近くにお前を捨てて、いつかお前が俺の封印を解く日をずっと待っていたんだ。恩ある者を前にして、苦悩する俺を見て楽しむために」
「どうしてそんなことを?」
「さあな。あの男の考えることなど俺にはわからん。わかりたくもない」
「僕、自分のことなのに何も知らなかった。すべて間宮に仕組まれたことなんて全然知らなかった。間宮なんて今まで会ったこともなかったのに」
蒼衣は混乱した。これでは自分も間宮の手下であり究竟の敵なのではないか?
「でもどうして究竟様が触れると背中の六芒星が光るの?」
「それは、お前の中の通力を俺が取り出せないように、間宮が結界を張ったからだ」
「結界!? もしかして……究竟様が僕を抱いてくれなかったのは……結界のせい?」
「そうだ。お前の中に俺が侵入して交わろうとすれば、結界が炸裂して俺もお前もどうなるかわからない」
「僕は……究竟様がどれだけいろんなことを考えているか……まるでわかってなかった」
「それでいいんだよ」
究竟が優しく髪を撫でてくれる。
「どうしたらその結界は破れるの? 究竟様の神通力はどうやったら取り戻せるの!?」
究竟は蒼衣から視線を逸らすと静かに言った。
「それは術をかけた本人にしかわからない」
「間宮ならわかるってこと?」
蒼衣は居ても立ってもいられなくなった。
「僕、間宮に……」
「会いに行ってきます」と言おうとした蒼衣の唇を究竟の唇が塞いだ。
「……んっ……」
唇を塞がれて話すことができない。一頻り口づけしたあと、唇を放した究竟は蒼衣を見つめて言った。
「だからお前には言いたくなかったんだ。真っ正直に間宮に聞きに行くって言うに決まってるから」
図星すぎて何も言えない。
「いいか、間宮は青い布にわざと家紋を入れたんだ。俺たちにわざとこのことを知らせ、それを知った俺たちが動揺して混乱するのを楽しむために。ここで間宮に会いに行ったらあいつの思う壺だ。お前はもうこのことは忘れるんだ。絶対に間宮には関わるな」
「でも僕は間宮側の人間なんでしょ? 究竟様を苦しめてる張本人ってことでしょ?」
「違う。お前と俺が出会ったのは運命だ。たとえそれが間宮に仕組まれたことだとしても。それなら俺は間宮に感謝してやってもいい。こうしてお前に出会わせてくれたと」
「究竟様……」
究竟に抱き締められ口づけされる。だが、その唇から蒼衣は逃れた。
「でもやっぱり僕は、究竟様の神通力を取り戻したい」
「もういいんだ。それともあれか?」
究竟がいつものように悪戯っぽくニヤリとして言った。
「結界が張られたままだと、俺と交われないからか?」
「ち、違います!」
また愛欲のことばかり考えているかのように思われた! 恥ずかしくなってそっぽを向く。
「そう言いながらお前、ずっと俺を誘ってるぞ」
視線を感じて自分の胸を見た。そうだった、さっき背中の印を確認するために着物を脱がされて、上半身ずっと裸のままだった。慌てて着物を羽織ろうとする手を究竟に止められた。
「蒼衣……」
「あ……っ」
首筋に唇を這わせられながら名前を囁かれるだけで幸せを感じる。
「名前呼ばれると、嬉しい……」
「何度でも呼んでやる。お前は、俺の所有物だから」
真っ直ぐに究竟に見つめられて畳の上にゆっくりと押し倒された蒼衣は、究竟とともに深い夜へと堕ちていった。
蒼衣には親がいない。赤ん坊の時に青い布に包まれて捨てられていたから。
拾ってくれた志摩屋の旦那はやさしく育ててくれたが、親子のように一緒に寝たりとかはしたことがない。
それなのに今は、寝ている間も人のぬくもりを感じる……。
そう夢見ながら蒼衣が眠りから醒めると、自分を見つめている究竟の顔がすぐそこにあった。
布団の上で横向きに向かい合っている蒼衣の耳の上の髪を、細く長い指でやさしく梳いてくれている。それはとても心地よくて癒やされる。
「おはよう」
「おはようございます」
起きていた究竟に寝顔を見られていたのかと思うと少し恥ずかしい。もう陽は昇っていて広い部屋の中も明るくなっている。
「よく眠れたか?」
「はい。究竟様は?」
「ずっとお前の寝顔を見ていた」
「やだ、恥ずかしい」
「もっと恥ずかしいことしてるのに?」
蒼衣の顔が耳まで赤くなる。昨日は一晩中究竟と愛し合った。
決して究竟は蒼衣と交わろうとしなかったが、互いに同時に絶頂を迎えるなどしてひとつになった。でも行為そのものよりも、究竟の心を近くに感じられたことが蒼衣には嬉しかった。
「あっ、仕事に行かなきゃ!」
究竟の腕から離れようとしたが、引き寄せられて抱きしめられた。
「行かなくていい。琥太郎が百合江に暇を出すよう頼みに行ってくれた」
「本当?」
「ああ。その代わりまた交換条件で、もっと百合江を悦ばせてやらないといけないだろうが」
究竟がニヤリとした。琥太郎にも随分と迷惑をかけている。きちんと御礼をしなくては。そうだ、今度好物の木天蓼をあげよう。
そして百合江の名を聞いて、蒼衣は気になっていたことを尋ねることにした。もうどんな答えが返ってきても、自分の気持ちが揺らぐことはない。
「あの、百合江お嬢様が言ってたんですが……」
「なんだ?」
「もう僕の気持ちは変わることはないから、正直に教えてください。究竟様の好きな人ってどんな人ですか? やっぱりとっても綺麗な人?」
「そんな! じゃあ僕は間宮の子供なの? それとも血縁者? 僕は誰? どこから来たの!?」
「そこまではわからない。だが間宮は今から20年前に、俺から取り上げた通力を赤ん坊のお前の中に入れ、その背中の六芒星の印で封じ、いずれお前が俺の封印を解く日を待った」
「待って! 僕が究竟様の封印を解いたのは偶然じゃなくて、間宮がそう仕組んでいたことなの!?」
「ああ。封印した俺の近くにお前を捨てて、いつかお前が俺の封印を解く日をずっと待っていたんだ。恩ある者を前にして、苦悩する俺を見て楽しむために」
「どうしてそんなことを?」
「さあな。あの男の考えることなど俺にはわからん。わかりたくもない」
「僕、自分のことなのに何も知らなかった。すべて間宮に仕組まれたことなんて全然知らなかった。間宮なんて今まで会ったこともなかったのに」
蒼衣は混乱した。これでは自分も間宮の手下であり究竟の敵なのではないか?
「でもどうして究竟様が触れると背中の六芒星が光るの?」
「それは、お前の中の通力を俺が取り出せないように、間宮が結界を張ったからだ」
「結界!? もしかして……究竟様が僕を抱いてくれなかったのは……結界のせい?」
「そうだ。お前の中に俺が侵入して交わろうとすれば、結界が炸裂して俺もお前もどうなるかわからない」
「僕は……究竟様がどれだけいろんなことを考えているか……まるでわかってなかった」
「それでいいんだよ」
究竟が優しく髪を撫でてくれる。
「どうしたらその結界は破れるの? 究竟様の神通力はどうやったら取り戻せるの!?」
究竟は蒼衣から視線を逸らすと静かに言った。
「それは術をかけた本人にしかわからない」
「間宮ならわかるってこと?」
蒼衣は居ても立ってもいられなくなった。
「僕、間宮に……」
「会いに行ってきます」と言おうとした蒼衣の唇を究竟の唇が塞いだ。
「……んっ……」
唇を塞がれて話すことができない。一頻り口づけしたあと、唇を放した究竟は蒼衣を見つめて言った。
「だからお前には言いたくなかったんだ。真っ正直に間宮に聞きに行くって言うに決まってるから」
図星すぎて何も言えない。
「いいか、間宮は青い布にわざと家紋を入れたんだ。俺たちにわざとこのことを知らせ、それを知った俺たちが動揺して混乱するのを楽しむために。ここで間宮に会いに行ったらあいつの思う壺だ。お前はもうこのことは忘れるんだ。絶対に間宮には関わるな」
「でも僕は間宮側の人間なんでしょ? 究竟様を苦しめてる張本人ってことでしょ?」
「違う。お前と俺が出会ったのは運命だ。たとえそれが間宮に仕組まれたことだとしても。それなら俺は間宮に感謝してやってもいい。こうしてお前に出会わせてくれたと」
「究竟様……」
究竟に抱き締められ口づけされる。だが、その唇から蒼衣は逃れた。
「でもやっぱり僕は、究竟様の神通力を取り戻したい」
「もういいんだ。それともあれか?」
究竟がいつものように悪戯っぽくニヤリとして言った。
「結界が張られたままだと、俺と交われないからか?」
「ち、違います!」
また愛欲のことばかり考えているかのように思われた! 恥ずかしくなってそっぽを向く。
「そう言いながらお前、ずっと俺を誘ってるぞ」
視線を感じて自分の胸を見た。そうだった、さっき背中の印を確認するために着物を脱がされて、上半身ずっと裸のままだった。慌てて着物を羽織ろうとする手を究竟に止められた。
「蒼衣……」
「あ……っ」
首筋に唇を這わせられながら名前を囁かれるだけで幸せを感じる。
「名前呼ばれると、嬉しい……」
「何度でも呼んでやる。お前は、俺の所有物だから」
真っ直ぐに究竟に見つめられて畳の上にゆっくりと押し倒された蒼衣は、究竟とともに深い夜へと堕ちていった。
蒼衣には親がいない。赤ん坊の時に青い布に包まれて捨てられていたから。
拾ってくれた志摩屋の旦那はやさしく育ててくれたが、親子のように一緒に寝たりとかはしたことがない。
それなのに今は、寝ている間も人のぬくもりを感じる……。
そう夢見ながら蒼衣が眠りから醒めると、自分を見つめている究竟の顔がすぐそこにあった。
布団の上で横向きに向かい合っている蒼衣の耳の上の髪を、細く長い指でやさしく梳いてくれている。それはとても心地よくて癒やされる。
「おはよう」
「おはようございます」
起きていた究竟に寝顔を見られていたのかと思うと少し恥ずかしい。もう陽は昇っていて広い部屋の中も明るくなっている。
「よく眠れたか?」
「はい。究竟様は?」
「ずっとお前の寝顔を見ていた」
「やだ、恥ずかしい」
「もっと恥ずかしいことしてるのに?」
蒼衣の顔が耳まで赤くなる。昨日は一晩中究竟と愛し合った。
決して究竟は蒼衣と交わろうとしなかったが、互いに同時に絶頂を迎えるなどしてひとつになった。でも行為そのものよりも、究竟の心を近くに感じられたことが蒼衣には嬉しかった。
「あっ、仕事に行かなきゃ!」
究竟の腕から離れようとしたが、引き寄せられて抱きしめられた。
「行かなくていい。琥太郎が百合江に暇を出すよう頼みに行ってくれた」
「本当?」
「ああ。その代わりまた交換条件で、もっと百合江を悦ばせてやらないといけないだろうが」
究竟がニヤリとした。琥太郎にも随分と迷惑をかけている。きちんと御礼をしなくては。そうだ、今度好物の木天蓼をあげよう。
そして百合江の名を聞いて、蒼衣は気になっていたことを尋ねることにした。もうどんな答えが返ってきても、自分の気持ちが揺らぐことはない。
「あの、百合江お嬢様が言ってたんですが……」
「なんだ?」
「もう僕の気持ちは変わることはないから、正直に教えてください。究竟様の好きな人ってどんな人ですか? やっぱりとっても綺麗な人?」
1
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
平凡高校生の俺にイケメンアイドルが365回告白してくる理由
スノウマン(ユッキー)
BL
高校三年生の橘颯真はイケメンアイドル星宮光に毎日欠かさず告白されている。男同士とのこともあり、毎回断る颯真だが、一年という時間が彼らの関係を少しずつ変えていく。
どうして星宮は颯真に毎日告白するのか、そして彼らの恋の行方は?
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜
中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」
仕事終わりの静かな執務室。
差し入れの食事と、ポーションの瓶。
信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、
ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる