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30 運命の人
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そう言って振り返った蒼衣の唇に究竟は唇を重ねた。
唇を重ねながら究竟は泡風呂の中で蒼衣の身体を撫でた。ぬるぬるした泡がさらに気持ちよく感じさせる。
そのうちに胸の突起を探しあてられると指で何度も執拗に撫でられた。捏ねたり摘まんだりされるうちに声を漏らしてしまう。するとすでに硬くなっている蒼衣の下半身に究竟の手が伸びて握った。
「あっ……やっ……」
「嫌なの?」
「……ちゃんと、ベッドでして欲しい……」
「あは♡ いいよ、わかった」
ニヤニヤして蒼衣の耳元で囁いた究竟に抱き上げられて蒼衣はバスタブから出た。
至れり尽くせりで究竟が湯で身体の泡を流したあとバスローブを着せてくれ、濡れた髪をタオルで拭いてくれた。その後自分もバスローブを着た究竟は蒼衣を抱き抱えると、天蓋付きのベッドへと運んだ。
ベッドに降ろされると蒼衣の上に究竟が覆い被さった。上から究竟に間近で真っ直ぐに見つめられるだけでドキドキする。
キスされてバスローブを剥ぎ取られ身体中を愛撫される。究竟も自分のバスローブを脱いだ。白く美しい引き締まった体にはたくさんの傷痕が刻まれている。
その中でも胸の心臓部分にある、一番深くて大きい傷跡を蒼衣は指でなぞった。
「痛そう……」
「もう痛くないよ」
「この傷はどうしたの?」
「戦場で兄上を庇った時の致命傷だ。剣で一突きにされて心臓まで達したからな。でももうどんな痛みだったかすら思い出せない」
「究竟様はいろんな痛みを抱えて生きてきたのですね」
「見える傷など大したことない。それよりも、見えない心の傷の方が心配だ。お前の」
「え?」
「お前は俺のせいで間宮によって冥い宿命を背負わされた。それでもなお、命を懸けて俺を護ってくれた。お前に初めて出会った時、お前が背負う冥いものに気付いたのにそれが何かわからなかった。許してくれ」
「僕を冥い宿命から解放してくれたのは究竟様です。究竟様はずっと僕自身も気付いていなかった心の奥深くの叫び声を聞いてくれていた。そのたびに涙が零れそうなほど嬉しかった」
「蒼衣……」
「自分をわかってくれている人がいる。それが、その人が、こんなにも好きな人だなんて。僕にとって、究竟様は運命の人です」
「俺もだよ、蒼衣……」
堰を切ったように究竟に激しく身体中を愛撫されて蒼衣の下半身が反り上がる。究竟に手で巧みに扱われるとすぐに絶頂してしまった。
「ごめんなさい……こんなすぐに」
「嬉しいよ。俺にすべて委ねていればいい」
究竟は仰向けで果てている蒼衣の両足を持ちあげて左右に大きく開かせると、一気に入口を露わにした。
「あっ!」
恥ずかしがる蒼衣を無視して究竟は両足を持つ手に力を入れて、肩につくくらいまでさらに足を曲げて入口を舌で舐めた。その気持ちよさを蒼衣が瞳を閉じて感じていると、硬いものが宛てがわれているのがわかった。顔を上げて見ると、それは究竟の太くて逞しいものだった。
「挿れても、いい?」
蒼衣はこくんと頷いた。
蒼衣の中に究竟が入ってくる。ベッドのシーツを手で握りしめ、目を閉じ顔を横に向け耐えていると、究竟が途中まで挿入したまま止まった。
「蒼衣、俺を見て」
蒼衣が目を開くとすぐそばに究竟の顔がある。
「好きだよ、蒼衣」
不意にそう言われて中に究竟を感じたままのキスはとろけそうに甘かった。そして嬉しかった。
「だからごめんね。今日はもうやめてあげられない」
究竟の首に両手を回した蒼衣の目の端に自然と涙が溜まり瞳が潤んだ。
「やめないで……」
侵入がまたはじまった。ゆっくりとゆっくりと蒼衣が受け入れるのを待つかのように。
「ああ……んっ……んっ……」
声を漏らしだした蒼衣の両脇腹を究竟が抱えた。
「入ったよ。やっと、ひとつになれた」
究竟がやさしい眼差しで見つめてくれている。身体もだけれど心もひとつになれたのが蒼衣は嬉しかった。目から涙が零れると究竟が唇で拭ってくれた。
「ずっとこの時を待っていた。ずっと」
「僕も……」
究竟が動き出す。慣れてきたころ究竟のが奥に当たった時、これまでもらってきた以上の強烈な快感が蒼衣を襲った。
「ああん!」
蒼衣のそれを逃さなかった究竟は立て続けにそこを攻めた。
「はあん! そこだめ!!」
「そうか、ここがだめなんだな」
そう言いながら究竟はやめるどころか敢えてそこばかりを攻めてきた。
嬌声が止まらなくなった蒼衣は耐え切れず腰を振りはじめた。究竟がまた硬くなりだした蒼衣を握り先端を親指で弄る。
「こっちも濡れてきた」
「ああ!……んっ……はぁっ……」
きゅうきゅう究竟を締め付けているのが自分でもわかった。
「そんなに締め付けられたら、俺も……」
究竟の動きも速く激しくなり、二人は音を立てて無我夢中でお互いを求めあった。
「ああ! ああん! すきっ! すきいっ!!」
蒼衣の言葉で究竟も佳境に入り、二人は共に絶頂した。
蒼衣の上に倒れ込み胸に頬を当てて目を閉じている究竟の髪を撫でながら、蒼衣はまだ快感が収まらず、がくがくと痙攣していた。
顔を上げた究竟が蒼衣を見つめる。
「すごいよかったよ」
「ほんと?」
「うん」
究竟は蒼衣の隣に寝転ぶと、身体を横たえたまま蒼衣を抱きしめた。
「もう、離さない」
「離さないで」
「これからはずっと一緒だ」
「うん」
「しばらく江戸には帰らずに、お前の傷が完全に癒えたら西洋に行こう」
「西洋?」
「ああ。仏蘭西、英吉利、それに独逸。まだまだお前の知らない世界はたくさん広がっている。それをお前に見せてやりたい」
「嬉しい。とっても楽しみ」
「でも、もっと今すぐ楽しめることの方が先だ」
そう言ってニヤリとした究竟は蒼衣の唇を奪うとまた全身を愛撫しはじめた。
蒼衣は究竟を身体中で感じながら、これから二人が一緒にいられる未来に胸を躍らせながらそっと瞳を閉じた。
(了)
唇を重ねながら究竟は泡風呂の中で蒼衣の身体を撫でた。ぬるぬるした泡がさらに気持ちよく感じさせる。
そのうちに胸の突起を探しあてられると指で何度も執拗に撫でられた。捏ねたり摘まんだりされるうちに声を漏らしてしまう。するとすでに硬くなっている蒼衣の下半身に究竟の手が伸びて握った。
「あっ……やっ……」
「嫌なの?」
「……ちゃんと、ベッドでして欲しい……」
「あは♡ いいよ、わかった」
ニヤニヤして蒼衣の耳元で囁いた究竟に抱き上げられて蒼衣はバスタブから出た。
至れり尽くせりで究竟が湯で身体の泡を流したあとバスローブを着せてくれ、濡れた髪をタオルで拭いてくれた。その後自分もバスローブを着た究竟は蒼衣を抱き抱えると、天蓋付きのベッドへと運んだ。
ベッドに降ろされると蒼衣の上に究竟が覆い被さった。上から究竟に間近で真っ直ぐに見つめられるだけでドキドキする。
キスされてバスローブを剥ぎ取られ身体中を愛撫される。究竟も自分のバスローブを脱いだ。白く美しい引き締まった体にはたくさんの傷痕が刻まれている。
その中でも胸の心臓部分にある、一番深くて大きい傷跡を蒼衣は指でなぞった。
「痛そう……」
「もう痛くないよ」
「この傷はどうしたの?」
「戦場で兄上を庇った時の致命傷だ。剣で一突きにされて心臓まで達したからな。でももうどんな痛みだったかすら思い出せない」
「究竟様はいろんな痛みを抱えて生きてきたのですね」
「見える傷など大したことない。それよりも、見えない心の傷の方が心配だ。お前の」
「え?」
「お前は俺のせいで間宮によって冥い宿命を背負わされた。それでもなお、命を懸けて俺を護ってくれた。お前に初めて出会った時、お前が背負う冥いものに気付いたのにそれが何かわからなかった。許してくれ」
「僕を冥い宿命から解放してくれたのは究竟様です。究竟様はずっと僕自身も気付いていなかった心の奥深くの叫び声を聞いてくれていた。そのたびに涙が零れそうなほど嬉しかった」
「蒼衣……」
「自分をわかってくれている人がいる。それが、その人が、こんなにも好きな人だなんて。僕にとって、究竟様は運命の人です」
「俺もだよ、蒼衣……」
堰を切ったように究竟に激しく身体中を愛撫されて蒼衣の下半身が反り上がる。究竟に手で巧みに扱われるとすぐに絶頂してしまった。
「ごめんなさい……こんなすぐに」
「嬉しいよ。俺にすべて委ねていればいい」
究竟は仰向けで果てている蒼衣の両足を持ちあげて左右に大きく開かせると、一気に入口を露わにした。
「あっ!」
恥ずかしがる蒼衣を無視して究竟は両足を持つ手に力を入れて、肩につくくらいまでさらに足を曲げて入口を舌で舐めた。その気持ちよさを蒼衣が瞳を閉じて感じていると、硬いものが宛てがわれているのがわかった。顔を上げて見ると、それは究竟の太くて逞しいものだった。
「挿れても、いい?」
蒼衣はこくんと頷いた。
蒼衣の中に究竟が入ってくる。ベッドのシーツを手で握りしめ、目を閉じ顔を横に向け耐えていると、究竟が途中まで挿入したまま止まった。
「蒼衣、俺を見て」
蒼衣が目を開くとすぐそばに究竟の顔がある。
「好きだよ、蒼衣」
不意にそう言われて中に究竟を感じたままのキスはとろけそうに甘かった。そして嬉しかった。
「だからごめんね。今日はもうやめてあげられない」
究竟の首に両手を回した蒼衣の目の端に自然と涙が溜まり瞳が潤んだ。
「やめないで……」
侵入がまたはじまった。ゆっくりとゆっくりと蒼衣が受け入れるのを待つかのように。
「ああ……んっ……んっ……」
声を漏らしだした蒼衣の両脇腹を究竟が抱えた。
「入ったよ。やっと、ひとつになれた」
究竟がやさしい眼差しで見つめてくれている。身体もだけれど心もひとつになれたのが蒼衣は嬉しかった。目から涙が零れると究竟が唇で拭ってくれた。
「ずっとこの時を待っていた。ずっと」
「僕も……」
究竟が動き出す。慣れてきたころ究竟のが奥に当たった時、これまでもらってきた以上の強烈な快感が蒼衣を襲った。
「ああん!」
蒼衣のそれを逃さなかった究竟は立て続けにそこを攻めた。
「はあん! そこだめ!!」
「そうか、ここがだめなんだな」
そう言いながら究竟はやめるどころか敢えてそこばかりを攻めてきた。
嬌声が止まらなくなった蒼衣は耐え切れず腰を振りはじめた。究竟がまた硬くなりだした蒼衣を握り先端を親指で弄る。
「こっちも濡れてきた」
「ああ!……んっ……はぁっ……」
きゅうきゅう究竟を締め付けているのが自分でもわかった。
「そんなに締め付けられたら、俺も……」
究竟の動きも速く激しくなり、二人は音を立てて無我夢中でお互いを求めあった。
「ああ! ああん! すきっ! すきいっ!!」
蒼衣の言葉で究竟も佳境に入り、二人は共に絶頂した。
蒼衣の上に倒れ込み胸に頬を当てて目を閉じている究竟の髪を撫でながら、蒼衣はまだ快感が収まらず、がくがくと痙攣していた。
顔を上げた究竟が蒼衣を見つめる。
「すごいよかったよ」
「ほんと?」
「うん」
究竟は蒼衣の隣に寝転ぶと、身体を横たえたまま蒼衣を抱きしめた。
「もう、離さない」
「離さないで」
「これからはずっと一緒だ」
「うん」
「しばらく江戸には帰らずに、お前の傷が完全に癒えたら西洋に行こう」
「西洋?」
「ああ。仏蘭西、英吉利、それに独逸。まだまだお前の知らない世界はたくさん広がっている。それをお前に見せてやりたい」
「嬉しい。とっても楽しみ」
「でも、もっと今すぐ楽しめることの方が先だ」
そう言ってニヤリとした究竟は蒼衣の唇を奪うとまた全身を愛撫しはじめた。
蒼衣は究竟を身体中で感じながら、これから二人が一緒にいられる未来に胸を躍らせながらそっと瞳を閉じた。
(了)
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