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12.優しいキャルさん
「ミライ! ちょっと早いけどお風呂にはいりましょ!」
「え? いや」
借りている部屋に戻れば何故か騎士さんのキャルさんに待ってたわよと言われ、頭が働かない私にウィンクひとつ。
素敵…じゃなくて!
「さっ、皆は外に出なさい!」
部屋迄抱っこしてもらったグランさんを突き飛ばすようにドアに向かわせたキャルさんは「よし」と言うと私を部屋の奥にあるバスルームへと半ば引きづりつれていった。
「ぎゃっ! 自分で脱げますよ!」
「なによ~。女同士恥ずかしくないでしょ」
「恥ずかしいですよ!」
そんな欠点なんてないような魅惑ボディだから言えるんですよ!手際よく脱がされ流石に後半は我にかえり、死守した私は心の中で愚痴った。
「あれ? 今更ながらなんでキャルさんもお風呂に?」
「ん? たまにはいいかと思って。今夜は一緒に寝ましょうか」
湯船に向かい合わせにつかって明日も晴れねみたいな普通の口調と態度のキャルさんの目はとても優しい。
「あの?」
キャルさんの手がゆっくり伸びてきたので、なんでだろうと先がよめなくて声をだせば。
「ああ、消毒よ」
そう彼女が呟いた時、首にじわりと熱を感じた。
「それも消毒しておこう」
今度は、私の両手をそっと包むように握ってくれて。ついキャルさんの顔を表情をうかがってしまった。でも、そこには、私の想像していた顔はなかった。
ただ穏やかな顔。
「あの、コレは大丈夫です!」
「でも」
「自分が甘かったんだと学習しました、だから忘れないようにしようと…」
前回もそうだけど私は、常に護衛さんがついているのが正直うっとおしかった。例え通常より離れていてくれたとしても。城内だし、別に特技もない自分なのになんでと。
違った。
間違っていたんだ。
書庫に行くときも、若い騎士さんにすごく念をおされて、煩いなぁと思った自分は浅はかだった。
此処は、私のいる世界と違うんだ。
「わかったわ。袖が長いタイプのドレスなら問題ないし」
手が離れたと思ったら、抱き締められた。
いやっ! 私たち素っ裸ですよ?!
「ちょ!」
「抱えないで何かあったら言ってね。私でもジュリアでもいいし。どんなに小さな事だって構わないから」
付き合いは短いけど、いままで聞いたことない真剣な口調で。
「キャルさん…?」
「もう、こんな目に合わせないから。…この国、この世界を嫌いにならないで」
もがくのをやめた私は、恐る恐る抱き返した。
「大丈夫。ありがとう」という気持ちをこめて。
*~*~*~
「なんか密着が!」
「え~、温かくてよいでしょ~」
結局抵抗もむなしく、ベッドでキャルさんとくっつきながら寝た。緊張するかなと思ったけれど、一肌がとても気持ちよくて安心できて。
「お休みなさい」
キャルさんの声を最後に意識が沈んだ。
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