4 / 16
4.ついて…いこうかな
しおりを挟む「よし、とりあえずトップに会いに行くわ。だから何か向こうに連絡する方法はある? 三日後がいいかな」
執事のセバちゃん、もといセバールさんに質問しまくり、決めた。
「お前、俺がわざわざ印つけて此処迄連れてきてやったのに頭が悪いのか?」
気は確かとリードと名乗った赤頭からアホかと見下した視線をもらう。本人はバカにするつもりはないのかもしれないが背が高ければ座高も高いので私の気分はよろしくない。
「ぼっちゃま! 女性にそのような発言をなさるなんて! なげかわしぃ!」
じぃやさんは、それってバスタオルじゃないの?というような大きさのハンカチを目元にあてて叫ぶ。
……なんか、変な世界に来ちゃったなぁ。
* * *
「ここならどうだ?」
「良い感じです」
人生初の噴水の水に浸かってから次の日、森の中の少し開けた場所に私とリードさんはいた。
「二日でどうするんだ?」
私の数歩後ろにいる彼を見れば、不機嫌と顔に書いてある男に思わず苦笑した。
「なんだ?」
「なんでもない」
この人は容赦ない言い方をするけど逆にとらえれば悪い人ではない。結婚に関しては、後程じっくり話し合うつもり。またお小言がでそうな彼を黙らせる。
「いきなり敵地に行くと言わないだけ利口だと思うんですけど」
デッカイと表現したいほどのため息をもらうが、話を遮るつもりはないようなので話を進める。
「リードさんとその部下の方々は、王にではなく国に仕えてるといっても、このままではすぐに私を喚んだ神殿と王様サイドがタックを組みここに来るのは目に見えていますよね?」
彼は、渋い顔をしつつ威嚇するような低い声で聞いてくる。
「それで、どうするんだ?」
どうするって?
「貴方が言ったんでしょう?」
自由な生活って。だけどしょっぱなから厳しいじゃないの。
「私は、元の自分の場所に帰る事は諦めない。その為には正確な情報が欲しい。でも、まずは身の安全第一だから、お願いしたんです」
人気のない被害の少ない場所に連れていって欲しいと。
「この、水を使った力を使いこなす」
「あのなぁ、昨日今日で無理だろ」
言い切ったわね。
「試してないうちから無理とか言うのやめてくれます?」
トライする前から否定するなんて、あんた上に立つの向いてないんじゃないの?
「要点を絞ればいける」
だから。
「その重たそうな剣、振り回してくれますか?」
私は、いまだに此処はどこなの? 夢なら早く覚めてと叫びたい気持ちに蓋をし、代わりに貫禄でてきたねと営業の古だぬきに言われた時と同じ笑みを浮かべた。
倍返しまでいかないまでも、こんな場所まで飛ばしたお礼はさせていただくわよ。
「旦那様、おねがい?」
私は、この男が本気をだすように挑発から始めた。
26
あなたにおすすめの小説
期限付きの聖女
蝋梅
恋愛
今日は、双子の妹六花の手術の為、私は病院の服に着替えていた。妹は長く病気で辛い思いをしてきた。周囲が姉の協力をえれば可能性があると言ってもなかなか縦にふらない、人を傷つけてまでとそんな優しい妹。そんな妹の容態は悪化していき、もう今を逃せば間に合わないという段階でやっと、手術を受ける気になってくれた。
本人も承知の上でのリスクの高い手術。私は、病院の服に着替えて荷物を持ちカーテンを開けた。その時、声がした。
『全て かける 片割れ 助かる』
それが本当なら、あげる。
私は、姿なきその声にすがった。
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。
【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする
楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。
ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。
涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。
女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。
◇表紙イラスト/知さま
◇鯉のぼりについては諸説あります。
◇小説家になろうさまでも連載しています。
中途半端な私が異世界へ
蝋梅
恋愛
全てが中途半端な 木ノ下 楓(19)
そんな彼女は最近、目覚める前に「助けて」と声がきこえる。
課題のせいでの寝不足か、上手くいかない就活にとうとう病んだか。いやいや、もっと不味かった。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
続編もあるので後ほど。
読んで頂けたら嬉しいです。
私は、聖女っていう柄じゃない
蝋梅
恋愛
夜勤明け、お風呂上がりに愚痴れば床が抜けた。
いや、マンションでそれはない。聖女様とか寒気がはしる呼ばれ方も気になるけど、とりあえず一番の鳥肌の元を消したい。私は、弦も矢もない弓を掴んだ。
20〜番外編としてその後が続きます。気に入って頂けましたら幸いです。
読んで下さり、ありがとうございました(*^^*)
聖女じゃなかったので、カフェで働きます
風音悠鈴
恋愛
光魔法が使えず「聖女失格」と追放された大学生・藍里。
聖女じゃないと城を追い出されたけど、実は闇属性+女神の加護持ちのチートだった⁉︎
望みはカフェでのスローライフだけ。
乙女ゲーム世界の歪みから大切な日常を守ります!
全30話予定
私が偽聖女ですって? そもそも聖女なんて名乗ってないわよ!
Mag_Mel
恋愛
「聖女」として国を支えてきたミレイユは、突如現れた"真の聖女"にその座を奪われ、「偽聖女」として王子との婚約破棄を言い渡される。だが当の本人は――「やっとお役御免!」とばかりに、清々しい笑顔を浮かべていた。
なにせ彼女は、異世界からやってきた強大な魔力を持つ『魔女』にすぎないのだから。自ら聖女を名乗った覚えなど、一度たりともない。
そんな彼女に振り回されながらも、ひたむきに寄り添い続けた一人の少年。投獄されたミレイユと共に、ふたりが見届けた国の末路とは――?
*小説家になろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる