麻雀食堂−mahjong cafeteria−

彼方

文字の大きさ
11 / 76
その2『モテ期突入?』編

第二話 夜の麻雀勉強会

しおりを挟む
11.




第二話 夜の麻雀勉強会




 オムライスを食べた日。あのあとしばらく残っていたけどいつものメンツが集まらなかった。たくさんいたお客さんも次々と帰っていき、今はもう店内にあやのさんと俺しかいない。




 仕方ないから連絡先を知っている犬飼真希いぬかいまきに連絡すると『すぐ行く』とのことだった。




「犬飼さんすぐ来るって」

「そう、良かったわね。私は2人きりの時間がもう少しあっても良かったケド~」

「えっ?」

「なーんてね♡ 冗談よ、冗談」

「あ、そう……」




 あまり心臓に悪い冗談は言わないで欲しい。ただでさえ非モテな俺だ。そういうノリには慣れてない。

 しかし、すぐと言っても女性は家を出るのに支度する時間が必要なはずだ。けっこう待つかなと思って構えていたのだが……




ガラガラガラ!




 本当にすぐ来た。




「お待たせぃ。私に会いたかったんでしょ。イヌイ君」

「うん。ていうか全く待たされてないけど。電話切って5分経ってないっすよ?」

「あはははは! 元々ここに晩酌しに来るつもりで支度してたら電話鳴ったのよ。びっくりしちゃった。店内あやのと2人だけだって言うしー。こりゃいかん、と思って急いだよね」

「何が『こりゃいかん』なのよ。私とイヌイさん2人でもいーじゃない!」

「ダメダメダメ。絶対だめ。とくにこの季節の閉店時間近いラストオーダー後はだめ。あんた暑いからってエプロンとって1枚になるでしょ」

「……なるけど」

「それがだめなの。エロいのよ! あんたの身体は。若い男には刺激が強いわ。自覚しなさいー。そのどデカい胸や美しすぎるくびれ。凶悪だから」

「はぁ~~い」

 あやのさんはシュンとしつつもちょっと嬉しそうだった。そりゃそうか。美しいと言われて嫌なわけはない。にしても、残念だ。そこまで言わせる刺激的な身体、エプロンなしの姿をちょっと見てみたかった。




「ハイボールちょうだい」

「ハイボールね。毎度!」




「イヌイ君は何時までいられるの。私はすぐ近くだから何時まででも大丈夫なんだけど」

「俺は12時20分の電車が最後ですね。まあ、まだまだ余裕っす」

「ま、終電逃したらそん時は始発までここにいてもいいし~」とあやのさんがニヤニヤしてる。またひとをからかって。

「あやのの好きにはさせませんー。電車なくなったら私の部屋に来てもいいし?」

「ちょっとそれこそエロいじゃん! だめだよそれは」

「えへへっ。そうだよね」

「ちゃんと正式に入籍して、式をあげてからにしないと」

「ちょ、もー。2人してからかわないで下さい! お喋りはこれくらいにして麻雀やりたいんですけど!」

「えへへ、ゴメンゴメン」と言うと犬飼さんとあやのさんは卓の方に移動した。あやのさんも今日はもう仕事は終わりにしたみたいだ。

「あやの。くれぐれも言っとくけど、エプロン脱ぐなよ?」

「エッ、やっぱり?」

 犬飼さんが釘を刺す。でも、もうね。さっきの会話聞いた時から気になっちゃってつい横から見ちゃったよね。

 うん。胸デッカいわ。エプロンでも着痩せってするんだなと初めて知った。




「よし、じゃ3人麻雀やろ! 毎局終わり次第手牌を開いて解説したりしてさ。そうすればイヌイさんのための勉強会になるでしょ」

「いーね。賛成! ルールは4人麻雀のルールでいいよね。勉強会だから」

「そうね。そうしましょ」

「ありがとうございます!」




 こうして美女2人による俺のための夜の麻雀勉強会が始まった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

処理中です...