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その2『モテ期突入?』編
第七話 長期連載
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第七話 長期連載
「お兄ちゃん。今日行くとこって到着まで何分くらいかかる?」
「駅から駅までは35分ってとこだな。特急に追い抜きされる場合は40分弱だ。この時間は抜かれないはず」
「ふーん。そしたら一応トンプーかな」
「トンプー?」
見てみると美咲はケータイで麻雀アプリを開いていた。
「おまえ、麻雀できるのか?!」
「最近ハマってんの。イケメンのキャラも無課金で当たったし」
見てみると、人気ラノベ『駒と恋するアヤメさん』のヒーローキャラ『龍王ヒビキ』を美咲は使っていた。
「いやこれ、将棋小説のキャラだろ。麻雀アプリとコラボとかちょっとおかしくねーか」
「ま、いいんじゃない。カッコイイし。人気キャラなのよ」
たしかに、将棋好きに麻雀好きは多かったように思う、俺の行っていた高校は将棋部が強い事でちょっと有名で同じクラスにも将棋部の部員が何名かいたが、あいつらいつも麻雀の会話しかしてなかったからな。どちらも頭を使う対人ゲームだから共通するものがあるのだろうか。
「ちなみに私のはまだ成る前のヒビキだからね。飛車ヒビキだよ。さてはお兄ちゃん『駒恋』あんまり知らないでしょ」
「あっ、うん。三山アオの小説はけっこう読むんだけど、駒恋はほら…シリーズ長いだろ? だからまだ手を付けてないんだよな」
「甘い! お兄ちゃん、いいですか。長く続けてるシリーズものこそ面白い小説なの。それはその作者が『書くのをやめたくない!』と思うほどの作品ってことなんだから。面白い作品と一番別れたくないのは他ならぬ作者本人なのよ。だから長期連載ものは面白いのが多いの。それを読まないなんてもったいない!」
「なるほど。お前ずいぶんと書き手の気持ちに寄り添えるんだな。……もしかして、小説書いてるとか?」
「そそそんなわけないでしょー! あれは一部の天才しかできない仕事。私みたいな凡人には無理よ」
「(そそそ?)でも、お前小さい頃はよく日記とかつけてたじゃんか。やっぱり書き物が好きなんじゃないのか」
「日記と小説じゃ全然、全然全然違うわよ」
「そうか? 日記を元に脚色しちまえばそれはもうオリジナルの小説にならねえかな。そう簡単にはいかないか」
「そんな簡単なもんじゃないの!」
と、言いつつもこの時美咲は(それは名案かもしれない)と思ったという。
そう、やはり美咲は趣味で小説を書いていたのだ。ただ、納得いくものが書けずにずっと書いては消して書いては消してをしてばかりのアマチュア作家のデビュー前段階ではあるが。
完璧主義が災いして作品がちっともスタートしない作家はいる。
意識そのものは高いがその意識の高さゆえ、ちっとも作品が仕上がらない。美咲もそんなタイプだった。
『ロン!』
「あー、ヒビキが飛ばされたー」
「飛車だけにな」
「うっさいな。これ龍王ヒビキにするには七段まで上がらないといけないんだよねー」
「今は?」
「初段……」
「長い道のりになりそうだな」
「あっ、ばかにしてるー。最初は十級から始まったんだから、これでもけっこう頑張ったのよ!」
そうこうしてるうちに電車は駅に到着していた。
まだ昼メシには早かったので俺達はゆっくりと商店街を見て歩いてから『あやの食堂』に向かうことにした。
第七話 長期連載
「お兄ちゃん。今日行くとこって到着まで何分くらいかかる?」
「駅から駅までは35分ってとこだな。特急に追い抜きされる場合は40分弱だ。この時間は抜かれないはず」
「ふーん。そしたら一応トンプーかな」
「トンプー?」
見てみると美咲はケータイで麻雀アプリを開いていた。
「おまえ、麻雀できるのか?!」
「最近ハマってんの。イケメンのキャラも無課金で当たったし」
見てみると、人気ラノベ『駒と恋するアヤメさん』のヒーローキャラ『龍王ヒビキ』を美咲は使っていた。
「いやこれ、将棋小説のキャラだろ。麻雀アプリとコラボとかちょっとおかしくねーか」
「ま、いいんじゃない。カッコイイし。人気キャラなのよ」
たしかに、将棋好きに麻雀好きは多かったように思う、俺の行っていた高校は将棋部が強い事でちょっと有名で同じクラスにも将棋部の部員が何名かいたが、あいつらいつも麻雀の会話しかしてなかったからな。どちらも頭を使う対人ゲームだから共通するものがあるのだろうか。
「ちなみに私のはまだ成る前のヒビキだからね。飛車ヒビキだよ。さてはお兄ちゃん『駒恋』あんまり知らないでしょ」
「あっ、うん。三山アオの小説はけっこう読むんだけど、駒恋はほら…シリーズ長いだろ? だからまだ手を付けてないんだよな」
「甘い! お兄ちゃん、いいですか。長く続けてるシリーズものこそ面白い小説なの。それはその作者が『書くのをやめたくない!』と思うほどの作品ってことなんだから。面白い作品と一番別れたくないのは他ならぬ作者本人なのよ。だから長期連載ものは面白いのが多いの。それを読まないなんてもったいない!」
「なるほど。お前ずいぶんと書き手の気持ちに寄り添えるんだな。……もしかして、小説書いてるとか?」
「そそそんなわけないでしょー! あれは一部の天才しかできない仕事。私みたいな凡人には無理よ」
「(そそそ?)でも、お前小さい頃はよく日記とかつけてたじゃんか。やっぱり書き物が好きなんじゃないのか」
「日記と小説じゃ全然、全然全然違うわよ」
「そうか? 日記を元に脚色しちまえばそれはもうオリジナルの小説にならねえかな。そう簡単にはいかないか」
「そんな簡単なもんじゃないの!」
と、言いつつもこの時美咲は(それは名案かもしれない)と思ったという。
そう、やはり美咲は趣味で小説を書いていたのだ。ただ、納得いくものが書けずにずっと書いては消して書いては消してをしてばかりのアマチュア作家のデビュー前段階ではあるが。
完璧主義が災いして作品がちっともスタートしない作家はいる。
意識そのものは高いがその意識の高さゆえ、ちっとも作品が仕上がらない。美咲もそんなタイプだった。
『ロン!』
「あー、ヒビキが飛ばされたー」
「飛車だけにな」
「うっさいな。これ龍王ヒビキにするには七段まで上がらないといけないんだよねー」
「今は?」
「初段……」
「長い道のりになりそうだな」
「あっ、ばかにしてるー。最初は十級から始まったんだから、これでもけっこう頑張ったのよ!」
そうこうしてるうちに電車は駅に到着していた。
まだ昼メシには早かったので俺達はゆっくりと商店街を見て歩いてから『あやの食堂』に向かうことにした。
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