140字創作集

菅原 龍飛

文字の大きさ
上 下
18 / 24

18 化け物

しおりを挟む
 今日も足音が聞こえる。四足の化け物で、無論目が合おうものならば間違いなく命はない。だから人間は息を潜めるしかない。だが僕はいま怪物の前にいる。後ろには崩れた家。この家を、家族を守らなければならない。命尽きようとも。怪物と目があった気がした。しかし奴は気に留めることなく立ち去った。
しおりを挟む

処理中です...