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第三章「ペンは剱より強し」
第三話「剱さんはひょっとして?」
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キャンプの準備が何もできていないのに、下校のチャイムが鳴るまであと一時間も残されていない。
うちの学校は時間に厳密なので、よっぽどのことがなければ居残りは許されない。
楽しみにしているキャンプに行くためには、この一時間が勝負だった。
「ごめんね……千景ちゃん。こんなポンコツのお姉さんで……」
「ほたかのせいじゃ、ない。ボクも忘れてた」
落ち込むほたか先輩に引きずられるように、千景さんも鬱モードに突入していく。
「……覚えてたら、プリンなんて持ってこない……。副部長、失格。……全部、ボクのせい」
「うわぁ~~! 千景さん、鬱っちゃダメ! ほたか先輩もしっかりして~っ!」
二人とも、基本的にはすごい人のはずなのに、どうやらメンタル面では脆いところがあるみたいだ。
千景さんは知っての通りだし、ほたか先輩も思い起こせば、私が入部するしないというだけで一喜一憂していた気がする。
そういう弱い部分は親近感がわくけれど、今はなんとか立ち上がらなければならない。
私は元気づけようと、必死に二人に言葉をかける。
「千景さんはすごい人なんです。私、知ってますから! 全力でサポートするので、頑張りましょう!」
「ましろさん……」
「ほたか先輩だって、なんでも背負い込む必要はないんですよっ。指示してくれれば動きますから!」
「……お姉さんにできるかな?」
すると剱さんも私の横にしゃがみ込み、先輩たちの手を握った。
「そうっすね。空木の言う通り。……分担すれば、すぐに終わりますよ」
私たちの言葉が届いたのかもしれない。
千景さんの目には光が宿り、立ち上がる。
「ほたか。……ボクたちがこんなんじゃ、困らせるだけ。やろう」
そう言って千景さんは黙々と動き始めた。
千景さんに引っ張られるように、ほたか先輩も立ち上がる。
「えっと、千景ちゃんにはコッヘルとかバーナーとかの道具をお願いしようかな。お姉さんはテントとシュラフとかの点検とパッキングと、えっと……えっと……」
「あの。アタシらは何をすれば?」
「えっと……えっと……」
ほたか先輩は妙にうろたえており、上手く指示が思いつかないようだ。
もしかすると、想定外のことに弱いのかもしれない。
「ほたかはテントの点検と……パッキングをしてくれれば、いい。後は、ボクが」
そう言って千景さんは部室の棚やロッカーを開け、次々と荷物を取り出している。
さすがに銀髪の『ヒカリさんモード』になっていないので店員の時のような俊敏さはないけれど、それでもテーブルの周りには着実にキャンプの道具が集まっているように見えた。
しかし、棚の高い場所には手が届かないようだ。
千景さんが頑張って手を伸ばしているので、私は手伝おうと駆け寄る。
すると、横から剱さんの手が伸びて、棚の荷物をさらっていってしまった。
「あ……」
偶然おなじ荷物を取ろうとしたのかと思い、しかたないのでその隣の荷物に手を伸ばす。
すると、隣の荷物までも剱さんが奪うようにつかんでしまった。
どうして邪魔をするのかと思って剱さんのほうを見ると、なぜか、これ見よがしと言わんばかりに鼻息を立てている。
「あ、あぅ。……私も手伝いたい……」
「伊吹さんの手伝いはアタシがやる。……背の高さは伊達じゃないしな!」
「あぅぅ……」
いつの間にか剱さんと千景さんがペアとなって動き、私だけが何もせずに呆然と立ち尽くしている状況になってしまった。
さっきから感じていた剱さんの違和感が際立ってきた。
剱さんって、千景さんと一緒に居たいのだろうか?
なんか不機嫌なのって、私が千景さんと仲良くなったせいなのかな?
どうなんだろう。わからない。
剱さんの事は、そういえば何も知らない。
もやもやするけど、 今はそんなことを考えている場合じゃない。
時計を見ると、もう二〇分も経過してしまっていた。
ほたか先輩はというと、一生懸命にザックに荷物を詰めている。
ザックは四つもあるので、一人だと大変そうだ。
「ほたか先輩、手伝います! これを入れればいいんでしょうか?」
「あわわわわ……。ましろちゃん、待って! どれに何を入れたのか分からなくなっちゃう!」
「あぅぅ、すみません」
「ご、ごめんね。怒るつもりはなかったんだけど……。いつもは計画書に荷物の分担表を書くから混乱しないんだけどね、準備ができてないから大変で……」
ほたか先輩は本当に余裕がなさそうで、必死すぎてまわりが見えなくなっているようだ。
作業がかぶらないようにしようと考えた時、千景さんが「テントの点検」と言っていたことを思い出した。
「じゃあテントを……。……。あの、点検って、何をするんでしょう?」
しかしその質問も先輩に余計な負荷をかけてしまったようで、ほたか先輩の目はぐるぐると回り始めてしまった。
「えっと、えっと……。補修とペグの数確認、ポールとロープの確認……あとはえっと……。うう、ダメだぁ。お姉さんが全部やるから、ましろちゃんは気にしなくていいよ……」
「あぅぅ……」
その時、ほたか先輩がぽんと手を叩いた。
「あ、そうだ! 献立を考えるのってどうかな? 当日の夕ご飯と、次の日の朝とお昼の三食。食べるものが決まれば、食材の買い物は明日でもできるし……」
「わ、わかりました! じゃあ、ひとまず皆の食べたいものを聞いてきますね!」
「お姉さんの希望は最後でいいからね! 本当に決まらなかったら提案するぐらいでいいから!」
そう叫びながら、ほたか先輩はテントと思わしき大きな袋を担いで、部室を出て行ってしまった。
ポツンとひとり残されてしまったけど、役目が一つできた。
献立を決めるために千景さんたちにインタビューだ。
私はメモ帳を片手に、ふたりに駆け寄った。
「あのぅ……。キャンプで食べたいものってありますか?」
邪魔しないようにタイミングを見計らって質問すると、二人はほぼ同時に答えた。
「肉!」
「牛乳系で……何か」
それぞれ、わかりやすいほどにその人らしい回答だった。
具体的なメニューではないけど、何かのヒントになりそうだ。
そう思ってメモ帳に書き記そうとした時、剱さんが「待った」と叫んだ。
「やっぱアタシも牛乳系がいいっす!」
「え……でもお肉ってさっき……」
「言ってない! 牛乳最高! 骨も丈夫になるしさ」
……また、あからさまな嘘を。
私がジト目で剱さんを見つめていると、なぜか彼女は目をそらす。
千景さんはそんな剱さんの不自然さに気付いているのか分からないほど平静なままだ。
「美嶺さんも……牛乳、好き?」
「え、ええ。まあ……」
「ボクも」
そう言って、剱さんに向かってにっこりと笑顔を送った。
千景さんの笑顔がもらえるとは、なんかうらやましい……。
ひょっとして、それが目当てで意見を変えたのだろうか。
なんか心の奥がモヤっとした気分になったが、とりあえず今の自分の役割を忘れるわけにはいかない。
(牛乳系……。シチューしか思いつかない……。小桃ちゃんがいれば色々と言ってくれそうだけど……)
モヤモヤした頭で考えても、あまり面白いアイデアは浮かばなかった。
「あの、千景さん。普通にシチューでいいですか?」
「……シチュー、好き」
そう言って、にっこりと笑ってくれる。
すると剱さんが二人の間に割って入ってきた。
「こら。伊吹さんは忙しいんだ。邪魔すんな」
そして私を追い払うしぐさをする。
希望も聞けたので、私はこの場を離れるしかなかった。
シチューのレシピをスマホで確認しながら買い物リストをまとめていくが、さっきまでのやり取りが気になって仕方がない。
(う~~。なんなのかな? 私が千景さんと仲良くするのを邪魔してる感じがする)
そう言えば昨日までの部活では、こんな感じはなかった。
昨日までと違うことと言えば、一つしかない。
私が千景さんと友達になったこと。
そういえば剱さん、私と千景さんが手を握っているのを見てうろたえていた。
絶対にお肉が好きなのに、千景さんに合わせるように「牛乳」って言い出すし。
その時、とあるヒラメキが天から降ってきたように感じられた。
(はっ……! まさか、剱さんって、千景さんのことを……?)
遠目に剱さんと千景さんを観察してみる。
剱さんは私へのそっけなさとは打って変わって、千景さんとは普通に接している。
何を話しているのか分からないけど、剱さんも珍しく笑っている。
(ひょっとして、好き……なの?)
そんなことを考えると、ドキドキしてくる。
でも、そう考えると違和感に筋が通ってしまう。
千景さんに片思いを抱いていた剱さんは、私が仲良くなったことで先を越されたと思い、ジェラシーの炎が心に宿っているのかもしれない。
友達は何人いてもいいはずなのに、まるで剱さんは千景さんを独り占めしようとしているようだ。
せっかく千景さんと友達になれたのに、剱さんに邪魔されてしまうの?
そう考えると、もういてもたってもいられなくなってしまった。
剱さんに負けない!
千景さんへの猛アタックの開始だ!
下校まで残り二〇分。
戦いの幕が切って落とされた。
うちの学校は時間に厳密なので、よっぽどのことがなければ居残りは許されない。
楽しみにしているキャンプに行くためには、この一時間が勝負だった。
「ごめんね……千景ちゃん。こんなポンコツのお姉さんで……」
「ほたかのせいじゃ、ない。ボクも忘れてた」
落ち込むほたか先輩に引きずられるように、千景さんも鬱モードに突入していく。
「……覚えてたら、プリンなんて持ってこない……。副部長、失格。……全部、ボクのせい」
「うわぁ~~! 千景さん、鬱っちゃダメ! ほたか先輩もしっかりして~っ!」
二人とも、基本的にはすごい人のはずなのに、どうやらメンタル面では脆いところがあるみたいだ。
千景さんは知っての通りだし、ほたか先輩も思い起こせば、私が入部するしないというだけで一喜一憂していた気がする。
そういう弱い部分は親近感がわくけれど、今はなんとか立ち上がらなければならない。
私は元気づけようと、必死に二人に言葉をかける。
「千景さんはすごい人なんです。私、知ってますから! 全力でサポートするので、頑張りましょう!」
「ましろさん……」
「ほたか先輩だって、なんでも背負い込む必要はないんですよっ。指示してくれれば動きますから!」
「……お姉さんにできるかな?」
すると剱さんも私の横にしゃがみ込み、先輩たちの手を握った。
「そうっすね。空木の言う通り。……分担すれば、すぐに終わりますよ」
私たちの言葉が届いたのかもしれない。
千景さんの目には光が宿り、立ち上がる。
「ほたか。……ボクたちがこんなんじゃ、困らせるだけ。やろう」
そう言って千景さんは黙々と動き始めた。
千景さんに引っ張られるように、ほたか先輩も立ち上がる。
「えっと、千景ちゃんにはコッヘルとかバーナーとかの道具をお願いしようかな。お姉さんはテントとシュラフとかの点検とパッキングと、えっと……えっと……」
「あの。アタシらは何をすれば?」
「えっと……えっと……」
ほたか先輩は妙にうろたえており、上手く指示が思いつかないようだ。
もしかすると、想定外のことに弱いのかもしれない。
「ほたかはテントの点検と……パッキングをしてくれれば、いい。後は、ボクが」
そう言って千景さんは部室の棚やロッカーを開け、次々と荷物を取り出している。
さすがに銀髪の『ヒカリさんモード』になっていないので店員の時のような俊敏さはないけれど、それでもテーブルの周りには着実にキャンプの道具が集まっているように見えた。
しかし、棚の高い場所には手が届かないようだ。
千景さんが頑張って手を伸ばしているので、私は手伝おうと駆け寄る。
すると、横から剱さんの手が伸びて、棚の荷物をさらっていってしまった。
「あ……」
偶然おなじ荷物を取ろうとしたのかと思い、しかたないのでその隣の荷物に手を伸ばす。
すると、隣の荷物までも剱さんが奪うようにつかんでしまった。
どうして邪魔をするのかと思って剱さんのほうを見ると、なぜか、これ見よがしと言わんばかりに鼻息を立てている。
「あ、あぅ。……私も手伝いたい……」
「伊吹さんの手伝いはアタシがやる。……背の高さは伊達じゃないしな!」
「あぅぅ……」
いつの間にか剱さんと千景さんがペアとなって動き、私だけが何もせずに呆然と立ち尽くしている状況になってしまった。
さっきから感じていた剱さんの違和感が際立ってきた。
剱さんって、千景さんと一緒に居たいのだろうか?
なんか不機嫌なのって、私が千景さんと仲良くなったせいなのかな?
どうなんだろう。わからない。
剱さんの事は、そういえば何も知らない。
もやもやするけど、 今はそんなことを考えている場合じゃない。
時計を見ると、もう二〇分も経過してしまっていた。
ほたか先輩はというと、一生懸命にザックに荷物を詰めている。
ザックは四つもあるので、一人だと大変そうだ。
「ほたか先輩、手伝います! これを入れればいいんでしょうか?」
「あわわわわ……。ましろちゃん、待って! どれに何を入れたのか分からなくなっちゃう!」
「あぅぅ、すみません」
「ご、ごめんね。怒るつもりはなかったんだけど……。いつもは計画書に荷物の分担表を書くから混乱しないんだけどね、準備ができてないから大変で……」
ほたか先輩は本当に余裕がなさそうで、必死すぎてまわりが見えなくなっているようだ。
作業がかぶらないようにしようと考えた時、千景さんが「テントの点検」と言っていたことを思い出した。
「じゃあテントを……。……。あの、点検って、何をするんでしょう?」
しかしその質問も先輩に余計な負荷をかけてしまったようで、ほたか先輩の目はぐるぐると回り始めてしまった。
「えっと、えっと……。補修とペグの数確認、ポールとロープの確認……あとはえっと……。うう、ダメだぁ。お姉さんが全部やるから、ましろちゃんは気にしなくていいよ……」
「あぅぅ……」
その時、ほたか先輩がぽんと手を叩いた。
「あ、そうだ! 献立を考えるのってどうかな? 当日の夕ご飯と、次の日の朝とお昼の三食。食べるものが決まれば、食材の買い物は明日でもできるし……」
「わ、わかりました! じゃあ、ひとまず皆の食べたいものを聞いてきますね!」
「お姉さんの希望は最後でいいからね! 本当に決まらなかったら提案するぐらいでいいから!」
そう叫びながら、ほたか先輩はテントと思わしき大きな袋を担いで、部室を出て行ってしまった。
ポツンとひとり残されてしまったけど、役目が一つできた。
献立を決めるために千景さんたちにインタビューだ。
私はメモ帳を片手に、ふたりに駆け寄った。
「あのぅ……。キャンプで食べたいものってありますか?」
邪魔しないようにタイミングを見計らって質問すると、二人はほぼ同時に答えた。
「肉!」
「牛乳系で……何か」
それぞれ、わかりやすいほどにその人らしい回答だった。
具体的なメニューではないけど、何かのヒントになりそうだ。
そう思ってメモ帳に書き記そうとした時、剱さんが「待った」と叫んだ。
「やっぱアタシも牛乳系がいいっす!」
「え……でもお肉ってさっき……」
「言ってない! 牛乳最高! 骨も丈夫になるしさ」
……また、あからさまな嘘を。
私がジト目で剱さんを見つめていると、なぜか彼女は目をそらす。
千景さんはそんな剱さんの不自然さに気付いているのか分からないほど平静なままだ。
「美嶺さんも……牛乳、好き?」
「え、ええ。まあ……」
「ボクも」
そう言って、剱さんに向かってにっこりと笑顔を送った。
千景さんの笑顔がもらえるとは、なんかうらやましい……。
ひょっとして、それが目当てで意見を変えたのだろうか。
なんか心の奥がモヤっとした気分になったが、とりあえず今の自分の役割を忘れるわけにはいかない。
(牛乳系……。シチューしか思いつかない……。小桃ちゃんがいれば色々と言ってくれそうだけど……)
モヤモヤした頭で考えても、あまり面白いアイデアは浮かばなかった。
「あの、千景さん。普通にシチューでいいですか?」
「……シチュー、好き」
そう言って、にっこりと笑ってくれる。
すると剱さんが二人の間に割って入ってきた。
「こら。伊吹さんは忙しいんだ。邪魔すんな」
そして私を追い払うしぐさをする。
希望も聞けたので、私はこの場を離れるしかなかった。
シチューのレシピをスマホで確認しながら買い物リストをまとめていくが、さっきまでのやり取りが気になって仕方がない。
(う~~。なんなのかな? 私が千景さんと仲良くするのを邪魔してる感じがする)
そう言えば昨日までの部活では、こんな感じはなかった。
昨日までと違うことと言えば、一つしかない。
私が千景さんと友達になったこと。
そういえば剱さん、私と千景さんが手を握っているのを見てうろたえていた。
絶対にお肉が好きなのに、千景さんに合わせるように「牛乳」って言い出すし。
その時、とあるヒラメキが天から降ってきたように感じられた。
(はっ……! まさか、剱さんって、千景さんのことを……?)
遠目に剱さんと千景さんを観察してみる。
剱さんは私へのそっけなさとは打って変わって、千景さんとは普通に接している。
何を話しているのか分からないけど、剱さんも珍しく笑っている。
(ひょっとして、好き……なの?)
そんなことを考えると、ドキドキしてくる。
でも、そう考えると違和感に筋が通ってしまう。
千景さんに片思いを抱いていた剱さんは、私が仲良くなったことで先を越されたと思い、ジェラシーの炎が心に宿っているのかもしれない。
友達は何人いてもいいはずなのに、まるで剱さんは千景さんを独り占めしようとしているようだ。
せっかく千景さんと友達になれたのに、剱さんに邪魔されてしまうの?
そう考えると、もういてもたってもいられなくなってしまった。
剱さんに負けない!
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