20 / 166
第二章 渡る世間は跳梁跋扈
第19話 ここが汚ェ裏社会かー、テンション上がるなぁ~
しおりを挟む
三日後、仁堂小学校の屋上。
「はい、これ」
髪の毛をレインボーカラーに染めたミフユが、俺にファイルを渡してきた。
それを受け取りながら、俺は一応指摘してみる。
「あんがと。で、何、そのSSRな髪の色」
「変?」
「何で変じゃないって思えるの?」
俺が言うと、ミフユの髪の色がパッと元の髪色に戻る。
ああ、染めてたんじゃなくて魔法で光の当たり方を調節してたのね。
「笑えないわねぇ……。可愛いと思ったんだけどなー」
「そう思ってるなら、別に戻すことないだろ」
「いいのよーだ、バーカバーカ、ニブチン野郎のクソジジ~」
ミフユはベ~ッと舌を出して俺を罵倒した。何だってんだよ……。
「しかし、調査ちょっぱやだったな……」
「先日、いい興信所見つけてね~。佐村グループ、今大変でしょ? その繋がりよ」
「へ~」
生返事しながら、俺はミフユから受け取ったファイルを開く。
そこには、日曜日にパパさんから聞いた話がほぼそのまま記載されていた。
さらには風見家に関する情報。
祥子の実家である藤咲家と、祥子と不倫相手の情報もしっかり網羅されている。
「不倫相手は、北村……、え~、これなんて読むの?」
「読めないの?」
と、ミフユが横からファイルを覗き込んでくる。
「俺、漢字はあんまり得意じゃないんだよな……」
「あら、それはちょっと意外。これはサトフミ、って読むのよ。北村理史」
北村理史、ね。
名前は頭よさそうだけど、見た目は脳みそ空っぽそうな不良にしか見えん。
短く刈り上げた髪は目に痛い金色してて、顔の半分にタトゥー入れとる。
ガタイはいいけど、馬力だけなのは明らか。
わからん、何故あのオバハンは全身イケメンな旦那よりこっちを選んだのだ。
男として何一つパパさんに勝ててる要素ないぞ、このアンちゃん。
あ、そうだ、そういえばパパさんの名前は何ていうんだろ、確認してなかった。
「ん? この名前は何て読むんだ? え~っと、何リョウだ、これ?」
「ホント、これだから無知なジジイは笑えないのよ。この字は『つつしむ』よ」
「ほぉほぉ」
「それに良好の良で、ミツヨシ、かしらね。風見慎良」
「報告書に名前の読み方くらい入れといてほしいんだが?」
「あんたね、とにかく急げとか一方的に注文つけといて、それはないでしょ……」
ババアに呆れられてしまった。
うん、まぁ、実質三日かからずここまで調べてもらえりゃ、万々歳か。
「言っておくけど、あんたの童貞とは別でちゃんと料金もらうからね」
「わかってンよ。で、幾ら?」
「お金はいいわよ。一生使い切れないくらいにはあるもの」
そうだったね、このババアは事実上の佐村グループの後継者だったね。はい。
「だから、デートして」
「あ?」
「あんたがちゃんとプランを考えてわたしをエスコートする、本物のデート」
えええええええええええええええええ、何それェ~~~~?
「めんどくっさ……」
「はぁ~? あんたね、後払いにしてやっただけでも感謝しなさいよ!」
それは確かに感謝してるけどさぁ~……。
「まぁ、いいわ。それは追々でも。ところで、あの話、本当なの?」
「……『ヒナタ』について、か?」
俺が尋ね返すと、ミフユはコクリとうなずいた。
こいつには、俺が抱いた疑念をすでに伝えてあった。
「今、いるんでしょ。そのひなたちゃんって子」
「ああ、ここにいる」
と、俺は自分の胸元をまさぐり、首にかけていたネックレスを見せた。
そこに指先ほどの大きさのクリスタルがあり、中に眠るひなたの姿を確認できる。
「『夢見の封印水晶』ね。こういう一件には持ってこいのアイテムよね」
ミフユが、水晶に顔を近づける。
この水晶は、その名の通り対象人物を一時的に封印するためのものだ。
水晶の中では時間が停止し、封印された人物の意識は夢の世界へと送られる。
異世界では、要人の護衛時に使われることもある一品だ。
「この子が、ひなたちゃん……」
水晶の中に眠るひなたを、ミフユがまじまじと見つめる。
ミフユは『ヒナタ』の母親だ。繋がりでいえば、俺よりもさらに深いはず。
果たして、ミフユはひなたに何か感じるものはあるのか。
俺も、やや緊張しながら、ミフユの反応を待つ。
「……どうだ?」
堪えきれずに質問すると、ミフユは一歩退き、かぶりを振った。
「わからないわね」
「そうか……」
俺は、ネックレスを胸元に戻した。
「でもアキラの言ってることも何となく、わかるわ」
「じゃあ、やっぱりひなたは……?」
「ん~、それはわからないけど、でも、感じるのよね。本当に何となく、だけど」
感じる? 一体、何をだ?
「近くに『いる』気がするのよ」
「それは、俺達と同じ『出戻り』がか? それとも、子供か?」
「ごめん」
謝られて、そして、またミフユはかぶりを振った。
「そうか」
俺も、それ以上きくことはしなかった。わからないものは、わからないのだ。
食い下がっても得られるものは何もない。気にはなるけどな!
「もし何かわかったら、すぐ教えてね?」
「やっぱ、おまえも気になるか」
「当たり前よ。世界が違っても、血の繋がりがなくても、わたしは母親なんだから」
それを言うミフユの目は、確かに、母親のまなざしだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
やっぱよ~、物事ってのはよ~、待ちの姿勢じゃいかんワケよ~。
俺はあの全校集会のときに、改めてそれを学んだね。
ってことで、現在時刻、午後十時。現在地点、繁華街の一角の汚ェ雑居ビル。
風見祥子と北村理史が普段イチャイチャチュッチュしてるのが、ここだ。
正確に記すなら、北村が率いている半グレグループの拠点。
調査報告書によれば、北村は近隣の街に影響力を持つこの辺の裏の顔役らしい。
ヤーさんにも太いパイプがあり、カジノだクスリだと手広くやってるようだ。
つまり、これが何を意味しているかというと――、
「一夜にして組織が壊滅しても、だ~れも損しないってことだァ~~~~!」
むしろ社会のゴミが掃除されて有益!
つまり俺がこれからすることは間違いなく正義! 大義は我にこそ在り!
実はよ~、割と今日まで悶々としてたんだよな、俺ァよ~。
慎良に護衛のこと切り出したら笑われるし、ひなたのことはわからないしでよ。
ひなたに了解取って水晶使って見えて、慎良から無理矢理護衛引き受けたけどな。
だが一方で『ヒナタ』の件は確かめようがないから、ストレスが溜まる一方。
こうなったら正義という名の弱い者いじめで、ストレス発散の時間だァ!
風見祥子の動向は確認済み。あいつは今夜はここにゃあいねぇ。
あいつだけなら、慎良一人で十分対応できるだろうから俺はこっち担当だぜ!
ビルの入り口付近、入ってすぐの壁に金属符をペタンと張って、いざ『異階化』。
そしてさっさとマガツラを具象化させて、俺はビルの中を闊歩する。
「おうおう、見た目ボロいクセに中は案外広ェじゃねぇの」
三人くらいは並んで歩けそうな通路を歩くと、右の横手にドアが見えた。
そこからは、威勢のいい声が幾つも漏れ聞こえてくる。
「この間の女、いい具合だったな~」
「ああ、あのJKか? そうは言うけど、結局壊しちまったじゃねぇかよ、おめー」
「気持ちよすぎたんだから仕方がねぇよ。今、病院だっけ?」
「らしいぜ。何なら、退院したらまた襲うか? クスリ盛ればラクだろ」
OKOK、実にいい会話だ。こいつらは死んでいいと確定した。
見てろよ見知らぬJK、俺が仇を討ってやるぜ、おまえのこと顔も知らんけど!
「オラァ! どうもこんばんはァ、傭兵お届けにあがりましたァ!」
俺は勢いよくドアを蹴破る。――マネをして、マガツラにブチ破らせた。
クソッ、こういう場面じゃ七歳の体が恨めしい。早く大人にならんかなぁ~。
「な、何だァ!?」
部屋は狭めの事務所みたいな感じで、事務机が二つと、応接用のソファがった。
突入した俺に、立ち上がる部屋の中の三人。
痩せたスキンヘッドに、ぶっといモヒカンに、あごの長いロンゲがいた。
「あぁ!? ガ、ガキ……?」
「はい、遅~い! 敵同士の最初の挨拶は武力行使で、これ鉄則!」
最初に反応したモヒカンを指さし、俺は叫ぶ。
そこのときには、マガツラの鉄腕がモヒカンの顔面を陥没させていた。
「ひっ」
「そこで怖がってるヒマがあったら逃げるなんなりしろ。失格!」
反射的に息を呑んだロンゲの腹に、マガツラが貫手で大きな風穴を空ける。
はい、これで二人死亡。命って儚いね~。いつも思うわ。
「え、は……、ぇ。えええええええええ!?」
床に血と臓物をブチまけて倒れた同僚を見て、スキンヘッドが腰を抜かす。
「こんばんは。アウトローのおにいさん。てめぇントコのリーダーの北村理史とラブラブしてる風見祥子っていうオバハンに過去に見捨てられた経験がある金鐘崎アキラっていいます。今日はその仕返しの一環として、まずオバハンの後ろ盾になってる北村さんちのグループをブッ潰しに来ました。てめぇらには今日で行方不明になってもらいます。覚悟はしなくていいぞ、してもしなくても一緒だから」
「な、な、何言ってんだよ、おまえェェェェェェェェェェ!?」
「日本語」
俺は素直に答え、マガツラは回し蹴りをし、スキンヘッドは上半身を失った。
上半身だったものは砕け散り、壁一面にベチャアと叩きつけられる。
「ヘッ、俺が喋ってるのが日本語とわからないとは、おまえ、国語の成績低いな?」
俺は漢字が読めないだけで、日本語のことはわかるモンねー!
「我が頭脳がまた一つ新たな勝利を得たか。フフフ、勝利など容易い」
俺は勝者の愉悦を感じつつ、意気揚々と階段を上がっていった。
よ~し、ストレス発散するぞ~!
「はい、これ」
髪の毛をレインボーカラーに染めたミフユが、俺にファイルを渡してきた。
それを受け取りながら、俺は一応指摘してみる。
「あんがと。で、何、そのSSRな髪の色」
「変?」
「何で変じゃないって思えるの?」
俺が言うと、ミフユの髪の色がパッと元の髪色に戻る。
ああ、染めてたんじゃなくて魔法で光の当たり方を調節してたのね。
「笑えないわねぇ……。可愛いと思ったんだけどなー」
「そう思ってるなら、別に戻すことないだろ」
「いいのよーだ、バーカバーカ、ニブチン野郎のクソジジ~」
ミフユはベ~ッと舌を出して俺を罵倒した。何だってんだよ……。
「しかし、調査ちょっぱやだったな……」
「先日、いい興信所見つけてね~。佐村グループ、今大変でしょ? その繋がりよ」
「へ~」
生返事しながら、俺はミフユから受け取ったファイルを開く。
そこには、日曜日にパパさんから聞いた話がほぼそのまま記載されていた。
さらには風見家に関する情報。
祥子の実家である藤咲家と、祥子と不倫相手の情報もしっかり網羅されている。
「不倫相手は、北村……、え~、これなんて読むの?」
「読めないの?」
と、ミフユが横からファイルを覗き込んでくる。
「俺、漢字はあんまり得意じゃないんだよな……」
「あら、それはちょっと意外。これはサトフミ、って読むのよ。北村理史」
北村理史、ね。
名前は頭よさそうだけど、見た目は脳みそ空っぽそうな不良にしか見えん。
短く刈り上げた髪は目に痛い金色してて、顔の半分にタトゥー入れとる。
ガタイはいいけど、馬力だけなのは明らか。
わからん、何故あのオバハンは全身イケメンな旦那よりこっちを選んだのだ。
男として何一つパパさんに勝ててる要素ないぞ、このアンちゃん。
あ、そうだ、そういえばパパさんの名前は何ていうんだろ、確認してなかった。
「ん? この名前は何て読むんだ? え~っと、何リョウだ、これ?」
「ホント、これだから無知なジジイは笑えないのよ。この字は『つつしむ』よ」
「ほぉほぉ」
「それに良好の良で、ミツヨシ、かしらね。風見慎良」
「報告書に名前の読み方くらい入れといてほしいんだが?」
「あんたね、とにかく急げとか一方的に注文つけといて、それはないでしょ……」
ババアに呆れられてしまった。
うん、まぁ、実質三日かからずここまで調べてもらえりゃ、万々歳か。
「言っておくけど、あんたの童貞とは別でちゃんと料金もらうからね」
「わかってンよ。で、幾ら?」
「お金はいいわよ。一生使い切れないくらいにはあるもの」
そうだったね、このババアは事実上の佐村グループの後継者だったね。はい。
「だから、デートして」
「あ?」
「あんたがちゃんとプランを考えてわたしをエスコートする、本物のデート」
えええええええええええええええええ、何それェ~~~~?
「めんどくっさ……」
「はぁ~? あんたね、後払いにしてやっただけでも感謝しなさいよ!」
それは確かに感謝してるけどさぁ~……。
「まぁ、いいわ。それは追々でも。ところで、あの話、本当なの?」
「……『ヒナタ』について、か?」
俺が尋ね返すと、ミフユはコクリとうなずいた。
こいつには、俺が抱いた疑念をすでに伝えてあった。
「今、いるんでしょ。そのひなたちゃんって子」
「ああ、ここにいる」
と、俺は自分の胸元をまさぐり、首にかけていたネックレスを見せた。
そこに指先ほどの大きさのクリスタルがあり、中に眠るひなたの姿を確認できる。
「『夢見の封印水晶』ね。こういう一件には持ってこいのアイテムよね」
ミフユが、水晶に顔を近づける。
この水晶は、その名の通り対象人物を一時的に封印するためのものだ。
水晶の中では時間が停止し、封印された人物の意識は夢の世界へと送られる。
異世界では、要人の護衛時に使われることもある一品だ。
「この子が、ひなたちゃん……」
水晶の中に眠るひなたを、ミフユがまじまじと見つめる。
ミフユは『ヒナタ』の母親だ。繋がりでいえば、俺よりもさらに深いはず。
果たして、ミフユはひなたに何か感じるものはあるのか。
俺も、やや緊張しながら、ミフユの反応を待つ。
「……どうだ?」
堪えきれずに質問すると、ミフユは一歩退き、かぶりを振った。
「わからないわね」
「そうか……」
俺は、ネックレスを胸元に戻した。
「でもアキラの言ってることも何となく、わかるわ」
「じゃあ、やっぱりひなたは……?」
「ん~、それはわからないけど、でも、感じるのよね。本当に何となく、だけど」
感じる? 一体、何をだ?
「近くに『いる』気がするのよ」
「それは、俺達と同じ『出戻り』がか? それとも、子供か?」
「ごめん」
謝られて、そして、またミフユはかぶりを振った。
「そうか」
俺も、それ以上きくことはしなかった。わからないものは、わからないのだ。
食い下がっても得られるものは何もない。気にはなるけどな!
「もし何かわかったら、すぐ教えてね?」
「やっぱ、おまえも気になるか」
「当たり前よ。世界が違っても、血の繋がりがなくても、わたしは母親なんだから」
それを言うミフユの目は、確かに、母親のまなざしだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
やっぱよ~、物事ってのはよ~、待ちの姿勢じゃいかんワケよ~。
俺はあの全校集会のときに、改めてそれを学んだね。
ってことで、現在時刻、午後十時。現在地点、繁華街の一角の汚ェ雑居ビル。
風見祥子と北村理史が普段イチャイチャチュッチュしてるのが、ここだ。
正確に記すなら、北村が率いている半グレグループの拠点。
調査報告書によれば、北村は近隣の街に影響力を持つこの辺の裏の顔役らしい。
ヤーさんにも太いパイプがあり、カジノだクスリだと手広くやってるようだ。
つまり、これが何を意味しているかというと――、
「一夜にして組織が壊滅しても、だ~れも損しないってことだァ~~~~!」
むしろ社会のゴミが掃除されて有益!
つまり俺がこれからすることは間違いなく正義! 大義は我にこそ在り!
実はよ~、割と今日まで悶々としてたんだよな、俺ァよ~。
慎良に護衛のこと切り出したら笑われるし、ひなたのことはわからないしでよ。
ひなたに了解取って水晶使って見えて、慎良から無理矢理護衛引き受けたけどな。
だが一方で『ヒナタ』の件は確かめようがないから、ストレスが溜まる一方。
こうなったら正義という名の弱い者いじめで、ストレス発散の時間だァ!
風見祥子の動向は確認済み。あいつは今夜はここにゃあいねぇ。
あいつだけなら、慎良一人で十分対応できるだろうから俺はこっち担当だぜ!
ビルの入り口付近、入ってすぐの壁に金属符をペタンと張って、いざ『異階化』。
そしてさっさとマガツラを具象化させて、俺はビルの中を闊歩する。
「おうおう、見た目ボロいクセに中は案外広ェじゃねぇの」
三人くらいは並んで歩けそうな通路を歩くと、右の横手にドアが見えた。
そこからは、威勢のいい声が幾つも漏れ聞こえてくる。
「この間の女、いい具合だったな~」
「ああ、あのJKか? そうは言うけど、結局壊しちまったじゃねぇかよ、おめー」
「気持ちよすぎたんだから仕方がねぇよ。今、病院だっけ?」
「らしいぜ。何なら、退院したらまた襲うか? クスリ盛ればラクだろ」
OKOK、実にいい会話だ。こいつらは死んでいいと確定した。
見てろよ見知らぬJK、俺が仇を討ってやるぜ、おまえのこと顔も知らんけど!
「オラァ! どうもこんばんはァ、傭兵お届けにあがりましたァ!」
俺は勢いよくドアを蹴破る。――マネをして、マガツラにブチ破らせた。
クソッ、こういう場面じゃ七歳の体が恨めしい。早く大人にならんかなぁ~。
「な、何だァ!?」
部屋は狭めの事務所みたいな感じで、事務机が二つと、応接用のソファがった。
突入した俺に、立ち上がる部屋の中の三人。
痩せたスキンヘッドに、ぶっといモヒカンに、あごの長いロンゲがいた。
「あぁ!? ガ、ガキ……?」
「はい、遅~い! 敵同士の最初の挨拶は武力行使で、これ鉄則!」
最初に反応したモヒカンを指さし、俺は叫ぶ。
そこのときには、マガツラの鉄腕がモヒカンの顔面を陥没させていた。
「ひっ」
「そこで怖がってるヒマがあったら逃げるなんなりしろ。失格!」
反射的に息を呑んだロンゲの腹に、マガツラが貫手で大きな風穴を空ける。
はい、これで二人死亡。命って儚いね~。いつも思うわ。
「え、は……、ぇ。えええええええええ!?」
床に血と臓物をブチまけて倒れた同僚を見て、スキンヘッドが腰を抜かす。
「こんばんは。アウトローのおにいさん。てめぇントコのリーダーの北村理史とラブラブしてる風見祥子っていうオバハンに過去に見捨てられた経験がある金鐘崎アキラっていいます。今日はその仕返しの一環として、まずオバハンの後ろ盾になってる北村さんちのグループをブッ潰しに来ました。てめぇらには今日で行方不明になってもらいます。覚悟はしなくていいぞ、してもしなくても一緒だから」
「な、な、何言ってんだよ、おまえェェェェェェェェェェ!?」
「日本語」
俺は素直に答え、マガツラは回し蹴りをし、スキンヘッドは上半身を失った。
上半身だったものは砕け散り、壁一面にベチャアと叩きつけられる。
「ヘッ、俺が喋ってるのが日本語とわからないとは、おまえ、国語の成績低いな?」
俺は漢字が読めないだけで、日本語のことはわかるモンねー!
「我が頭脳がまた一つ新たな勝利を得たか。フフフ、勝利など容易い」
俺は勝者の愉悦を感じつつ、意気揚々と階段を上がっていった。
よ~し、ストレス発散するぞ~!
11
あなたにおすすめの小説
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
戦国転生・内政英雄譚 ― 豊臣秀長の息子として天下を創る
丸三(まるぞう)
ファンタジー
戦国時代に転生した先は、豊臣秀吉の弟にして名宰相――豊臣秀長の息子だった。
現代では中世近世史を研究する大学講師。
史実では、秀長は早逝し、豊臣政権は崩壊、徳川の時代と鎖国が訪れる。
ならば変える。
剣でも戦でもない。
政治と制度、国家設計によって。
秀長を生かし、秀吉を支え、徳川の台頭を防ぎ、
戦国の終わりを「戦勝」ではなく「国家の完成」にする。
これは、武将ではなく制度設計者として天下を取る男の物語。
戦国転生×内政改革×豊臣政権完成譚。
(2月15日記)
連載をより良い形で続けるため、更新頻度を週5回とさせていただきます。
一話ごとの完成度を高めてお届けしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
(当面、月、水、金、土、日の更新)
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる