再生記 -新たなる時代-

12話 出会い

「トリ、どうだ？ 居心地は？ 
ここでは辛気くさい話はなしだ。
みんな前向きにこれからを歩こうとしている。
みんなであらたな時代を刻んでいくんだ。
これからよろしく」


「とても良い場所だ。天国のようだね。こちらこそ、よろしく頼むよ」


「トコル、あなたはいつも前向きで素晴らしいわね。でも、残念ながら私たちは辛気臭い話なんてしてないわよ。トトとキキが仲良くなってくれて喜んでるとこなの」

「そうか、よかった。トリとシルはなんだか長年連れ添った夫婦に見えてくるよ。トトとキキは兄弟か？ ははは、じゃあな」

トコルは席を立ちみんなの元を回っている。

「まぁ、トコルったら。トリ気にしないでね。こんなおばさんと夫婦なんて言われても傷つかないでね」

「シルと夫婦みたいなんて、光栄な話さ。わしこそシルの父親みたいな年齢なのに、申し訳ないね」

「トリ……って、とても優しいのね。今まで何をしていたの？ 私はね、教師をしていたのよ。多くの子供達がいたわ。今もきっと元気でいると信じているの。私とキキは両親の元に行こうと出掛けた時にこのようなことがあって……あら、私が辛気臭くなってしまったわ」


「なに、素敵な話さ。子供達に囲まれた生活は楽しかったろうね。きっと元気でいるさ。
私はね、ここからしばらくいった街の医者だったんだ。あの街には病気の子供達が多くてね。学校に行きたくてもいけない子もいたよ」


「そうだったの。だから、優しいのね。
この街でこれから子供達がやってきたら……怪我や病気ならあなたが治療して、私が勉強を教えるわ。学校に行けるようにしてあげるのよ。素敵じゃない？ 」

「治療をしながら、学ぶことが出来たら子供達には希望が湧くだろうね。すばらしいことだ」

「コンビ結成ね。約束よ」

「ああ、もちろんさ。よろこんで」