fake love

fear

マリナは驚いた。


「俊どうしたの？ 」  


「おいおい、青年。いい時に入ってくんなよ。店は閉店したよ。あ、さっきこいつとバーカウンターでキスしてた奴か」


「マリナを外で待ってたけど、出てこないから……店……空いてたし……なんで、そんな事してるの？ 」


「俊、色々あって……」


「おい、青年。空気よんでくれよ。今、取り込み中なんだよ」


「うるさい。マリナ、俺をからかってたの？ 俺はマリナが好きなんだよ」


「いや、だからその、これは勘違いというか……」

俊は感情的になって、小刻みに震えているのが見えた。


「なにが勘違いなの？ 抱き合ってるじゃん」

「俊、違うの……」

私は立ち上がり俊の元に歩き出そうとする。


ロイもまた立ち上がる。


「言い訳なんて聞きたくない。俺を俺をからかってたんだろ？ 俺は本気だったのに……」


マリナは髪に触れた時、俊はカウンターの上に置いてあった果物用のナイフを手にした。