fake love

noraneko

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sweet

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私が何もかも悪いのだ。
ロイが苦しまなくて済んだし、私より年下の俊が捕まる事になるなんて……。  

マリナは自分を責め続けたいた。
 

マリナは生きた気がしない数日を過ごした後、
ロイが奇跡的な回復力で個室にうつったと聞き、見舞いに行くと、ロイは私の顔を見るなり笑っていた。

「お前、目が腫れすぎ。悪い、心配させたな」


その優しい声に私は声をあげて泣いた。


「お前が気にする事じゃない。泣くなよ。また腫れるぞ、こっちこい」


マリナはロイに抱きついた。


「死なないって言ったろ? お前を置いてまだいけないね。おい、泣くなって」


「ごめんなさい。ごめんなさい」


「謝るな。次謝ったら怒るからな。
お前が無事でよかった……」


ロイはいつになく優しかった。


「ロイ、俊が捕まった。あぁ、個室にうつる前に警察がきて事情も聞かれたよ。あいつもまっすぐすぎたんだろうな。持て余した愛情が自分を燃やしてしまった……残念な方向に愛が向いてしまったんだな」


「私が悪いんだよ……」


「お前が罪悪感を抱かなくていい。あいつはお前を刺そうとしたんだ。どんなに上手くいかなくても人を殺そうとするのは間違ってる」

「……」


「お前がなぁそんな顔してたら、俺は良くなるものも良くならねぇぞ。さぁ、悪いと思ってたら、ほらここにキスしろ」


ロイは自分の頬を指差した。


「ふざけないでよね」


「ははは、お前らしさが戻ってきたな」

 
ロイが笑ってから、真面目な顔をしたとき、
マリナはロイの唇にキスをした。
そして、両頬にもキスをする。


「ちょ……」
ロイは驚いて言葉が出てこなかった。


「本当に心配したんだから、あんたが死んだら私はどうしようって悩んだんだから」

マリナは不貞腐れていた。


ロイはマリナの腕を引っ張り、マリナはロイの上に倒れると、ロイはすぐに抱きしめた。


「マリナ、本当にお前が生きててよかった」


マリナは気づいていた。
ロイの事が好きになっていた事に。


命があぶないと感じたとき、ロイが居なくなったら生きていけないとさえ感じたのだ。


ロイはマリナに向かいキスの催促をするように口を尖らせた。


マリナは笑いながら、キスをする。
ロイはマリナを抱きしめながら、何度も何度もキスをした。


「ゴホン、ゴホン。ここは病室ですからね」


看護師さんが病室を訪れ、眉間に皺を寄せ、
二人を順番に睨みつけた。


「怖いなぁ。この病院で俺の一番の薬は彼女なのになぁ」

ロイが口にした。マリナは笑っていた。
久々に心からマリナは笑った。
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