ルーズベルト亡き世

エトーのねこ(略称:えねこ)

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以下、下書き中原稿

東京オリンピック1940/07/07

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 皇紀2600年の栄えある年にアジアで初めてのオリンピックが帝都で開かれる。それが決定されたのはもう随分と前の話だが、この未曾有のお祭り騒ぎは言うまでもなくそれが近づいてきたからだ。その証拠として、世界各国の選手団が来日してきた。無論、オリンピックに出るのは日本も同様である。そして、大日本帝国はオリンピックによる好景気を謳歌し始めた。対照的に、アメリカ合衆国は今もなお不景気に苦しんでいた。無理もあるまい、アメリカ合衆国の好景気とは基本的に戦争を意味したからだ。そして、それはオリンピック開会式まで三ヶ月弱に迫ったある絶好の花見日和の日のことである……。

 皇紀2600年4月7日、首相官邸にて。
「大和を見せる!?」
「本気ですか」
「物事は正確に言いたまえ。……大和の進水式が8月8日に決まっただろう。その日を東京オリンピックの閉会式として、大和の進水式と重ねて執り行い、同時にその足で国際観艦式を行う」
「しかしっ……!」
「いいか、これは絶好の機なんだよ。ここで最新鋭の軍艦をあえて見せることによって大日本帝国は戦争を行う意思がないことと、同時に世界平和の一翼を担うことを宣言できる」
「……詳しく、聞かせてもらっても宜しゅうございますな?」
「ああ、いくらでも聞きたまえ」

 1940年夏、アジアで初めてのオリンピックが開催された。所謂「東京オリンピック」である。ヨーロッパはまだまだきな臭かったものの、逆にだからこそアジア方面で唯一先進国扱いされていた大日本帝国においてオリンピックが行われたのではないかとも言われている。
 何はともあれ、1938年5月にイギリスの仲介もあって始まった宇垣協定によって支那事変は収束を見せた。即ち、ついに日本は明治以来の総動員体制を経験すること無く、即ち大規模な戦役なしに日露戦争の借財返済付きの負荷はかかっているとはいえ、経済的繁栄を謳歌し始めた。その象徴たるイベントが、題名にもある1940年の東京オリンピックである……。
「首相、どうにか開催できましたね」
「ああ、これも石井君のおかげだ」
「まあ、確かに」
「……少しは謙遜せんか。……まあ、そういうわけで、だ。どうする?儂は続投する気はないが……」
「とはいえ、誰を後釜に据えるかにもよりますけどね」
「まあ、確かに」
「首相、蔵相より連絡です、どうやら吉報のようですが、お聞きになりますか?」
「ん? ああ、どうしたのかね」
「どうやら物価指数、給金指数ともに上向きの模様、景気が回復したようです!」
「おお、そうか。所得倍増とまではいかんだろうが、具体的にはいくらになった」
「はい、キャラメルが大体15銭、給金相場に至ってはおおよそ200円かと!」
「……本当に、倍になったようだな……」
「はい、なので吉報かと!」
「……わかった、高橋君が生きていたらな……」
「首相がそれ言いますか」
「言いたくもなるさ」
「あっ、首相。次は砲丸投げみたいですよ」
「おお、そうか」
 ……実は、物価が3倍になっているのに対して給金は2倍にしかなっていないので全体的に物価が上がっているのだが、それはあくまでも一部だけであり、そばが3銭のままだったり、逆に円タク、円本といったものが特価2割引のセールなどをやっており若干ちぐはぐであったものの、まあ大体今と原材料や物資の調達方法が異なる程度の差異しかないと思われる。
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