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恋人ごっこ
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『キツネとタヌキの恋人ごっこ』
ーーーーーーーーー
【登場人物】
キツネ(攻め)
自信家でお調子者の陽キャ
女も男も好き!な恋愛脳
モテるけど色々と残念なのであまり長続きしない
タヌキ(受け)
キツネの幼馴染
真面目で面倒見の良い苦労人
いつもキツネに振り回されているが、長年キツネに片思いしている
ーーーーーーーーーー
◉夜中
2人で焚き火を囲みながらお酒を飲んでいる
キツネ、木製のコップを机に叩きつけるように地面に置く
キツネ「あ~あ!僕の恋愛ってどうしてこうも長続きしないんだろう!?ねぇ!タヌキくん!幼馴染として客観的な意見を聞かせて欲しいんだけど!」
タヌキ「うーん…やっぱり性格ですかねぇ」
キツネ「性格ぅ…?こんなに優しくて恋人想いで尽くす男の欠点が……性格!?」
タヌキ「ええ。なんなら具体的に問題点を挙げましょうか。まずキツネさんはなにするにもいい加減でその上短気、嫉妬深くて束縛が激しい癖に自分は浮気性で…」
キツネ「あーあー!もういいです!…はぁ、どっかにありのままの僕を愛してくれる恋人落ちてないかなぁ…」
タヌキ「はは、世界中探しても見つかるかどうか怪しいとこですね」
キツネ「幼馴染の君が言うんじゃやっぱ厳しいのかなぁ…」
キツネ(…でもよく考えたらタヌキって結構優良物件じゃない…?真面目で浮気なんて絶対しないだろうし面倒見は良いし全然怒らないし…今だってこうして僕の愚痴に付き合ってくれてるし…まぁ顔は全く好みじゃないけど…)
タヌキ「?なんですか。ひとの顔じっと見て」
キツネ「ねぇタヌキくん、僕の恋人になんない?」
タヌキ「……はい?」
キツネ「あっ正しくは『ごっこ』ね。恋人ごっこ!」
タヌキ「またしょーもない事考えて…」
キツネ「もし百点満点だったら本物の恋人に昇格してあげてもいーよ」
タヌキ「“してあげてもいいよ”ですか。随分と上から目線ですね」
キツネ「僕の恋人になれるなんてそんな光栄な事ないでしょ」
タヌキ「はいはい。そーですね」
キツネ「も~本気なんだかんね!」
(少しずつ2人の会話がフェードアウトしていく感じで)
◉翌朝
鳥がさえずる穏やかな朝
キツネがタヌキを起こしに家までやってくる
キツネ「おっはよー!!さあさあ!今日は楽しいデートだよ!」
タヌキ「……んぇ…なんの話ですか…」
キツネ「恋人ごっこだよ!恋人ごっこ!昨日言ったじゃん。ほら早く起きて!顔洗って!」
タヌキ「あー……はい、なるほどわかりました。では今日はおうちデートということでおやすみなさい…」
キツネ「ちょっとぉ!なに寝直そうとしてんのよ!こんな可愛い恋人放っとくなんてひどくない!?」
タヌキ「可愛い恋人…ねぇ…」
キツネ「ちなみに設定もばっちり考えてあるからちゃーんと覚えてよね。ハイ、コレ設定資料」
◉キツネが懐から取り出したメモをタヌキが受け取る
タヌキ「えーっとなになに……『キツネとタヌキは物心がつく前からいつも一緒にいることが当たり前だった仲良し幼馴染⭐︎兄弟のように育ったふたりだったが、聡明で美しくかっこいいキツネにタヌキはいつしか憧れ以上の感情を抱くようになった。長年のアプローチの甲斐あってふたりはめでたく恋仲に…そして今日は3度目の交際記念日ー』って…何ですかコレ」
キツネ「つまり今日の僕らはラブラブカップルってワケさ。ちなみに君は僕にベタ惚れしてるって設定ね」
タヌキ「はあ…」
◉場面が変わって森を歩く2人
タヌキ「…あの~キツネさん?一つ質問良いですか」
キツネ「なにさ」
タヌキ「この手はなんでしょうか」
キツネ「恋人同士なら手くらい繋ぐでしょ」
タヌキ「いえ、まぁそうなんですけど。ごっこ遊びとはいえこんなとこ知人に見られでもしたらお互いまずいと思うんですよ」
キツネ「分かってないなぁ~!こういうのはリアリティが1番大事なんだよ。知り合いに見られたらそれはそれで楽しいじゃん?」
タヌキ「楽しい…ですかねぇ…」
◉様々な動物で賑わう広場へ到着した2人
タヌキ「そういえば今日って月に一度のバザーの日でしたっけ」
キツネ「ふっふん!君のためにちゃーんとリサーチしてきたんだからねっ」
タヌキ「ほんとは彼女さんと来るつもりだったんじゃないですかぁ?」
キツネ「ヴッ!……そんなことないよぉ!さ、さ~て可愛いタヌキちゃんにプレゼントでも選んであげようかしらねぇ~」
タヌキ「あ、誤魔化したな。無駄遣いするくらいなら自分の為に使ってくださいね」
キツネ「もぉ~そこは『えっ俺にプレゼントですか!?一生大事にします!やっぱりキツネさんは気遣い上手でかっこよくて素敵だなぁ…』って言ってくんなきゃ。君は僕にメロメロって設定なんだからね。わかってる?」
タヌキ「メ、メロメロ…」
キツネ「あっほらこのお店!前からいいな~って思っててさ」
タヌキ「アクセサリー屋さんですか。また女の子が喜びそうなお店ですね」
キツネ「さっきからチクチク来るけどもしかして妬いてんの?」
タヌキ「自惚れないでください」
キツネ「うーん…全部可愛いくて迷っちゃうな~タヌキはピアスもネックレスもつけないだろうし…こっちのストラップは可愛いすぎるし…あっこれなんてどう?木の葉型のブローチ」
タヌキ「ブローチだって付けた事ないですけど…」
キツネ「大丈夫だって!僕のセンスを信じたまえ」
タヌキ「えー…」
キツネ「おねーさん!これくださーい!お代はこれね~」
キツネ「ほい、プレゼント」
タヌキ「……ありがとうございます」
キツネ「つけないの?」
タヌキ「なんだかもったいなくて。どこかに落っことしたりしたら嫌ですし」
キツネ「君ってそーゆーとこあるよねぇ。ほら貸してみ。僕がつけたげる」
タヌキ「あっ」
キツネ「よし。いい感じ!やっぱ僕ってセンスあるなぁ」
タヌキ「…大切に…します」
キツネ「あったり前でしょー!じゃあ次は北の湖で休憩しよーよ」
タヌキ「え、あそこってデートスポットで人気のとこですよね。男同士で行って大丈夫ですか…?」
キツネ「大丈夫大丈夫!僕この前オオカミくんとデートで行ったけど別に変な目で見られたりしなかったし」
タヌキ「ふーん…オオカミくんと、ねぇ…」
キツネ「あ、やきもち?」
タヌキ「だから自惚れないでください」
キツネ「自惚れてないですぅ~…てか泣く事ないじゃん!」
タヌキ「え?泣いてなんか…」
キツネ「もしかして雨?」
タヌキ「みたいですねぇ」
◉木陰の下で雨宿りする2人
タヌキ「ちょうどいい木があってよかったですね。しばらくここで雨宿りしていきましょうか」
キツネ「あーあ。ほんとはこの後も予定が盛りだくさんだったんだけどなぁ」
タヌキ「ちなみにどんなプラン立ててたんですか」
キツネ「んーとね。湖で休憩した後は菜の花畑を散歩して~その次は近くの果樹園を散策…で、夜景が綺麗な丘でシメ!」
タヌキ「ふーん、それが彼女さんとのデートプランだったわけですね」
キツネ「…まじで妬いてんの?」
タヌキ「妬いてません。でもせっかくのデートだったのに残念ですね」
キツネ「そーねえ、まぁこうしてゆっくり話すのもたまには悪くないけどね」
タヌキ「ですねぇ」
キツネ「…ってか恋人ごっこの設定忘れてない?」
タヌキ「すみません。うっかりしてました」
キツネ「もぉ~!」
◉ゴロゴロと遠くで雷が鳴る音
キツネ「…雷?」
タヌキ「まだ遠いみたいですけど。あ、光った」
◉雨が強くなる
キツネ「ねぇ、前から思ってたんだけどさ。タヌキって僕と居て疲れないの?」
タヌキ「そうですねぇ…『全く疲れない』って言ったら嘘になりますけど」
キツネ「やっぱり僕って駄目な奴なんだ…」
タヌキ「話は最後まで聞いてください。確かにキツネさんと居ると体力がいくらあっても足りません。でも、それ以上に色々と貴重な経験ができて楽しいですし、キツネさんの姿を見ていると元気が貰えるんですよね」
キツネ「確かに君って地味で暗ぼったくてつまんなそーな趣味しかないもんねぇ…」
タヌキ「ほんとに失礼なキツネだな」
キツネ「ふふっなんかさ~。タヌキといると気ぃ遣わなくていいから楽なんだよね。自然体で居られるっていうか…安心するっていうか」
タヌキ「軟派な男がよく使いそうな口説き文句ですね」
キツネ「またそーやってすぐ茶化す」
タヌキ「ふふ、すみません。でもまぁ楽なのは俺も同感です。幼馴染ですから」
キツネ「でしょぉ!僕らってさ、案外相性良かったりするかもよ」
タヌキ「確かに、下品でわがままでちゃらんぽらんなキツネさんに耐えられるのは世界中探しても俺くらいしか居ないかもしれません」
キツネ「ひどい言われようだなぁ」
タヌキ「欠点込みで好きってことですよ」
キツネ「欠点込み、か…。…ね、ほんとに付き合ってみる?」
タヌキ「せっかくですけど遠慮しときます」
キツネ「即答!?さっきのいい感じの流れは何!?」
タヌキ「“友達として好き”って意味に決まってるじゃないですか。それに俺、浮気するひとはお断りなんで」
キツネ「いやいやいや!僕ってこう見えて恋人には超せーじつで一途な男なんだから!めちゃくちゃ尽くすし優しいし!」
タヌキ「自分で言いますか。だいたいアンタ、俺と恋人らしい事できないでしょ?いっつも『タヌキの顔は好みじゃないしなぁ』って言ってるくらいですし」
キツネ「…じゃあ試しにしてみる?」
タヌキ「はいはい、できるもんならどーぞ」
キツネ「僕本気だからね」
タヌキ「え、ちょっと…待っ」
◉近くで雷が落ちる
キツネタヌキ「「うわっ!!」」
キツネ「びっくりしたぁ…」
タヌキ「今の結構近かったですよね」
キツネ「そーだね、この木の側に居たらちょっと危ないかも…」
◉再び雷がゴロゴロと鳴る音
タヌキ「今日はこの辺でお開きにして帰りましょうか」
キツネ「じゃあ今度は家で恋人ごっこの続きしよーよ!~雨の日のおうちデート編~へ続く!」
タヌキ「はぁ…もう好きにしてください」
◉2人で雨の中を走り出す
~END~
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【登場人物】
キツネ(攻め)
自信家でお調子者の陽キャ
女も男も好き!な恋愛脳
モテるけど色々と残念なのであまり長続きしない
タヌキ(受け)
キツネの幼馴染
真面目で面倒見の良い苦労人
いつもキツネに振り回されているが、長年キツネに片思いしている
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◉夜中
2人で焚き火を囲みながらお酒を飲んでいる
キツネ、木製のコップを机に叩きつけるように地面に置く
キツネ「あ~あ!僕の恋愛ってどうしてこうも長続きしないんだろう!?ねぇ!タヌキくん!幼馴染として客観的な意見を聞かせて欲しいんだけど!」
タヌキ「うーん…やっぱり性格ですかねぇ」
キツネ「性格ぅ…?こんなに優しくて恋人想いで尽くす男の欠点が……性格!?」
タヌキ「ええ。なんなら具体的に問題点を挙げましょうか。まずキツネさんはなにするにもいい加減でその上短気、嫉妬深くて束縛が激しい癖に自分は浮気性で…」
キツネ「あーあー!もういいです!…はぁ、どっかにありのままの僕を愛してくれる恋人落ちてないかなぁ…」
タヌキ「はは、世界中探しても見つかるかどうか怪しいとこですね」
キツネ「幼馴染の君が言うんじゃやっぱ厳しいのかなぁ…」
キツネ(…でもよく考えたらタヌキって結構優良物件じゃない…?真面目で浮気なんて絶対しないだろうし面倒見は良いし全然怒らないし…今だってこうして僕の愚痴に付き合ってくれてるし…まぁ顔は全く好みじゃないけど…)
タヌキ「?なんですか。ひとの顔じっと見て」
キツネ「ねぇタヌキくん、僕の恋人になんない?」
タヌキ「……はい?」
キツネ「あっ正しくは『ごっこ』ね。恋人ごっこ!」
タヌキ「またしょーもない事考えて…」
キツネ「もし百点満点だったら本物の恋人に昇格してあげてもいーよ」
タヌキ「“してあげてもいいよ”ですか。随分と上から目線ですね」
キツネ「僕の恋人になれるなんてそんな光栄な事ないでしょ」
タヌキ「はいはい。そーですね」
キツネ「も~本気なんだかんね!」
(少しずつ2人の会話がフェードアウトしていく感じで)
◉翌朝
鳥がさえずる穏やかな朝
キツネがタヌキを起こしに家までやってくる
キツネ「おっはよー!!さあさあ!今日は楽しいデートだよ!」
タヌキ「……んぇ…なんの話ですか…」
キツネ「恋人ごっこだよ!恋人ごっこ!昨日言ったじゃん。ほら早く起きて!顔洗って!」
タヌキ「あー……はい、なるほどわかりました。では今日はおうちデートということでおやすみなさい…」
キツネ「ちょっとぉ!なに寝直そうとしてんのよ!こんな可愛い恋人放っとくなんてひどくない!?」
タヌキ「可愛い恋人…ねぇ…」
キツネ「ちなみに設定もばっちり考えてあるからちゃーんと覚えてよね。ハイ、コレ設定資料」
◉キツネが懐から取り出したメモをタヌキが受け取る
タヌキ「えーっとなになに……『キツネとタヌキは物心がつく前からいつも一緒にいることが当たり前だった仲良し幼馴染⭐︎兄弟のように育ったふたりだったが、聡明で美しくかっこいいキツネにタヌキはいつしか憧れ以上の感情を抱くようになった。長年のアプローチの甲斐あってふたりはめでたく恋仲に…そして今日は3度目の交際記念日ー』って…何ですかコレ」
キツネ「つまり今日の僕らはラブラブカップルってワケさ。ちなみに君は僕にベタ惚れしてるって設定ね」
タヌキ「はあ…」
◉場面が変わって森を歩く2人
タヌキ「…あの~キツネさん?一つ質問良いですか」
キツネ「なにさ」
タヌキ「この手はなんでしょうか」
キツネ「恋人同士なら手くらい繋ぐでしょ」
タヌキ「いえ、まぁそうなんですけど。ごっこ遊びとはいえこんなとこ知人に見られでもしたらお互いまずいと思うんですよ」
キツネ「分かってないなぁ~!こういうのはリアリティが1番大事なんだよ。知り合いに見られたらそれはそれで楽しいじゃん?」
タヌキ「楽しい…ですかねぇ…」
◉様々な動物で賑わう広場へ到着した2人
タヌキ「そういえば今日って月に一度のバザーの日でしたっけ」
キツネ「ふっふん!君のためにちゃーんとリサーチしてきたんだからねっ」
タヌキ「ほんとは彼女さんと来るつもりだったんじゃないですかぁ?」
キツネ「ヴッ!……そんなことないよぉ!さ、さ~て可愛いタヌキちゃんにプレゼントでも選んであげようかしらねぇ~」
タヌキ「あ、誤魔化したな。無駄遣いするくらいなら自分の為に使ってくださいね」
キツネ「もぉ~そこは『えっ俺にプレゼントですか!?一生大事にします!やっぱりキツネさんは気遣い上手でかっこよくて素敵だなぁ…』って言ってくんなきゃ。君は僕にメロメロって設定なんだからね。わかってる?」
タヌキ「メ、メロメロ…」
キツネ「あっほらこのお店!前からいいな~って思っててさ」
タヌキ「アクセサリー屋さんですか。また女の子が喜びそうなお店ですね」
キツネ「さっきからチクチク来るけどもしかして妬いてんの?」
タヌキ「自惚れないでください」
キツネ「うーん…全部可愛いくて迷っちゃうな~タヌキはピアスもネックレスもつけないだろうし…こっちのストラップは可愛いすぎるし…あっこれなんてどう?木の葉型のブローチ」
タヌキ「ブローチだって付けた事ないですけど…」
キツネ「大丈夫だって!僕のセンスを信じたまえ」
タヌキ「えー…」
キツネ「おねーさん!これくださーい!お代はこれね~」
キツネ「ほい、プレゼント」
タヌキ「……ありがとうございます」
キツネ「つけないの?」
タヌキ「なんだかもったいなくて。どこかに落っことしたりしたら嫌ですし」
キツネ「君ってそーゆーとこあるよねぇ。ほら貸してみ。僕がつけたげる」
タヌキ「あっ」
キツネ「よし。いい感じ!やっぱ僕ってセンスあるなぁ」
タヌキ「…大切に…します」
キツネ「あったり前でしょー!じゃあ次は北の湖で休憩しよーよ」
タヌキ「え、あそこってデートスポットで人気のとこですよね。男同士で行って大丈夫ですか…?」
キツネ「大丈夫大丈夫!僕この前オオカミくんとデートで行ったけど別に変な目で見られたりしなかったし」
タヌキ「ふーん…オオカミくんと、ねぇ…」
キツネ「あ、やきもち?」
タヌキ「だから自惚れないでください」
キツネ「自惚れてないですぅ~…てか泣く事ないじゃん!」
タヌキ「え?泣いてなんか…」
キツネ「もしかして雨?」
タヌキ「みたいですねぇ」
◉木陰の下で雨宿りする2人
タヌキ「ちょうどいい木があってよかったですね。しばらくここで雨宿りしていきましょうか」
キツネ「あーあ。ほんとはこの後も予定が盛りだくさんだったんだけどなぁ」
タヌキ「ちなみにどんなプラン立ててたんですか」
キツネ「んーとね。湖で休憩した後は菜の花畑を散歩して~その次は近くの果樹園を散策…で、夜景が綺麗な丘でシメ!」
タヌキ「ふーん、それが彼女さんとのデートプランだったわけですね」
キツネ「…まじで妬いてんの?」
タヌキ「妬いてません。でもせっかくのデートだったのに残念ですね」
キツネ「そーねえ、まぁこうしてゆっくり話すのもたまには悪くないけどね」
タヌキ「ですねぇ」
キツネ「…ってか恋人ごっこの設定忘れてない?」
タヌキ「すみません。うっかりしてました」
キツネ「もぉ~!」
◉ゴロゴロと遠くで雷が鳴る音
キツネ「…雷?」
タヌキ「まだ遠いみたいですけど。あ、光った」
◉雨が強くなる
キツネ「ねぇ、前から思ってたんだけどさ。タヌキって僕と居て疲れないの?」
タヌキ「そうですねぇ…『全く疲れない』って言ったら嘘になりますけど」
キツネ「やっぱり僕って駄目な奴なんだ…」
タヌキ「話は最後まで聞いてください。確かにキツネさんと居ると体力がいくらあっても足りません。でも、それ以上に色々と貴重な経験ができて楽しいですし、キツネさんの姿を見ていると元気が貰えるんですよね」
キツネ「確かに君って地味で暗ぼったくてつまんなそーな趣味しかないもんねぇ…」
タヌキ「ほんとに失礼なキツネだな」
キツネ「ふふっなんかさ~。タヌキといると気ぃ遣わなくていいから楽なんだよね。自然体で居られるっていうか…安心するっていうか」
タヌキ「軟派な男がよく使いそうな口説き文句ですね」
キツネ「またそーやってすぐ茶化す」
タヌキ「ふふ、すみません。でもまぁ楽なのは俺も同感です。幼馴染ですから」
キツネ「でしょぉ!僕らってさ、案外相性良かったりするかもよ」
タヌキ「確かに、下品でわがままでちゃらんぽらんなキツネさんに耐えられるのは世界中探しても俺くらいしか居ないかもしれません」
キツネ「ひどい言われようだなぁ」
タヌキ「欠点込みで好きってことですよ」
キツネ「欠点込み、か…。…ね、ほんとに付き合ってみる?」
タヌキ「せっかくですけど遠慮しときます」
キツネ「即答!?さっきのいい感じの流れは何!?」
タヌキ「“友達として好き”って意味に決まってるじゃないですか。それに俺、浮気するひとはお断りなんで」
キツネ「いやいやいや!僕ってこう見えて恋人には超せーじつで一途な男なんだから!めちゃくちゃ尽くすし優しいし!」
タヌキ「自分で言いますか。だいたいアンタ、俺と恋人らしい事できないでしょ?いっつも『タヌキの顔は好みじゃないしなぁ』って言ってるくらいですし」
キツネ「…じゃあ試しにしてみる?」
タヌキ「はいはい、できるもんならどーぞ」
キツネ「僕本気だからね」
タヌキ「え、ちょっと…待っ」
◉近くで雷が落ちる
キツネタヌキ「「うわっ!!」」
キツネ「びっくりしたぁ…」
タヌキ「今の結構近かったですよね」
キツネ「そーだね、この木の側に居たらちょっと危ないかも…」
◉再び雷がゴロゴロと鳴る音
タヌキ「今日はこの辺でお開きにして帰りましょうか」
キツネ「じゃあ今度は家で恋人ごっこの続きしよーよ!~雨の日のおうちデート編~へ続く!」
タヌキ「はぁ…もう好きにしてください」
◉2人で雨の中を走り出す
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