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3月5日:4日目
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天気は雨。流石に今日はいないだろうと少しがっかりしながらドアを出ると、猫の姿が。屋根に濡れないようしっかりと屋根の下に入っている。それでも私が出てきたのを見ると、雨の下へと歩き出す。
「待って」
言葉が通じたのか、ぴたりと足を止めて見上げてくる。湿気のせいかいつもより毛並みの白と黒の境目がはっきりと見えた。傘の下に猫をいれるとしゃがみこむ。また逃げるかと思ったが今回はじっと私を見上げていた。
「今日は濡れちゃうから送らなくて大丈夫だよ」
金色の目が私を見つめかえし、そしてそっぽを向く。また雨の中に出ていき、催促するようにしっぽを振った。どうやら聞き入れてくれるつもりはないらしい。猫は雨が苦手じゃなかったっけと思い出し、少しだけ猫が傘に入れるように傾ける。それに気付いているのか、いつもより猫との距離が近い気がした。駅に入ると、猫は一緒に入り口まで入ってきた。屋根の下で見送ろうとしてくれたんだろう。体をぶるぶるっとさせて水を払っているのを見て、私が鞄からミニタオルを取り出すと、猫はさっと距離をとってしまう。そのまま去っていくのを見て、少し物悲しい気持ちになった。
「待って」
言葉が通じたのか、ぴたりと足を止めて見上げてくる。湿気のせいかいつもより毛並みの白と黒の境目がはっきりと見えた。傘の下に猫をいれるとしゃがみこむ。また逃げるかと思ったが今回はじっと私を見上げていた。
「今日は濡れちゃうから送らなくて大丈夫だよ」
金色の目が私を見つめかえし、そしてそっぽを向く。また雨の中に出ていき、催促するようにしっぽを振った。どうやら聞き入れてくれるつもりはないらしい。猫は雨が苦手じゃなかったっけと思い出し、少しだけ猫が傘に入れるように傾ける。それに気付いているのか、いつもより猫との距離が近い気がした。駅に入ると、猫は一緒に入り口まで入ってきた。屋根の下で見送ろうとしてくれたんだろう。体をぶるぶるっとさせて水を払っているのを見て、私が鞄からミニタオルを取り出すと、猫はさっと距離をとってしまう。そのまま去っていくのを見て、少し物悲しい気持ちになった。
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