河川敷で目を覚ますとそこには君がいた

河川敷

　あぁ、頭が痛い。昨日は楽しくなって飲みすぎた。先輩も授業があるから昼前には追い出された。胃液が食道の手前くらいまできているのが分かる。フラフラになりながら河川敷を自転車で走っている。

　ふと思った。ここで横になったら気持ちいいかもな。自転車を止める。俺は芝の上に横になり、携帯で好きな音楽を流す。周りから見たら変な奴だろうが、意外と心地いいもんだ。ふらふらの俺はすぐに寝てしまった。

　頬に冷たいものが当たって、目を開ける。目の前には快晴の空とそれに勝るとも劣らない透き通るような美しさの女性がいた。頬に彼女の手が当たり、顔が赤くなっているのが自分にも分かる。だけど俺はなぜか冷静だった。頭の横に置いていた携帯を手に取り、彼女とその青空を一枚の写真に収めた。

　彼女はそれを見て
「何してるの？変な人。」
と俺を馬鹿にして笑う。その笑顔も素敵だった。だからまた写真を撮った。それを見て彼女はまた笑った。