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きんぼうけ。
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俺と七菜香が出会ってもう3年か。最近あいつの心が離れていってるのを感じる。特別何かあったわけがない。喧嘩は確かにしている。それは昔からだ。別に喋っていないわけでもない。それなりに俺たちはカップルとしての程は保っているだろう。周りから見ればどう見てもカップルと言われるだろう。
だけど、それとこれとは話が違う。肌感覚であいつの気持ちが離れてるのが分かるんだ。意外と男もこういう時の直感は鋭かったりするのだろうか。思い過ごしであればどれだけ幸せなことだろう。
俺はダメな男だ。不安になれば不安になるほど七菜香の体を求めてしまう。今夜もだ。そっと、後ろから七菜香の胸に手を回す。
彼女はそれを振り払う。もう一度胸を触る。すると彼女はこっちを向き、一言言った。
「あなたに抱かれるのは今夜限りね。」
らしくない淋しげな台詞を吐きながら、七菜香はボタンを指で弾く。そして、部屋の電気を消す。
「そんなことさせないさ。」
と俺は余裕を装いながら、ブラジャーを外す。行為中、彼女は俺を見ない。何も言わない。どれだけ肉体的欲求が満たされても、心に穴が空いているのを感じた。彼女の心が逃げていく。
最初出会った頃は逆だった。
「もし私を嫌いになったら、いつでも別れてあげるから私と付き合って。」
と押されて付き合ったんだ。これは出会ってから1年ぐらい酔った時とかにいつも言っていた。
だけど今では俺の方がお前に依存してしまったんだな。まるでトリカブトのように、口に入れるとゆっくりと心を犯し、胸を苦しくするだね。
行為後俺と女はすぐに寝た。俺はもう何も考えたくなかったからすぐ寝ようとしたんだ。日差しが俺の顔を照らす。目を覚ますと俺の横にいたはずの女がいない。
「これまでありがとう。さようなら。」と書かれたメモ書きが残されていた。俺はベットの横に置いてあった女が忘れて行った煙草を一本取り、火をつけた。
物寂しい口から出る煙、ひび割れたガラス窓、輝かしい街の色、目に映るもの全てがつまづいた昨日を悲しく染める。
だけど、それとこれとは話が違う。肌感覚であいつの気持ちが離れてるのが分かるんだ。意外と男もこういう時の直感は鋭かったりするのだろうか。思い過ごしであればどれだけ幸せなことだろう。
俺はダメな男だ。不安になれば不安になるほど七菜香の体を求めてしまう。今夜もだ。そっと、後ろから七菜香の胸に手を回す。
彼女はそれを振り払う。もう一度胸を触る。すると彼女はこっちを向き、一言言った。
「あなたに抱かれるのは今夜限りね。」
らしくない淋しげな台詞を吐きながら、七菜香はボタンを指で弾く。そして、部屋の電気を消す。
「そんなことさせないさ。」
と俺は余裕を装いながら、ブラジャーを外す。行為中、彼女は俺を見ない。何も言わない。どれだけ肉体的欲求が満たされても、心に穴が空いているのを感じた。彼女の心が逃げていく。
最初出会った頃は逆だった。
「もし私を嫌いになったら、いつでも別れてあげるから私と付き合って。」
と押されて付き合ったんだ。これは出会ってから1年ぐらい酔った時とかにいつも言っていた。
だけど今では俺の方がお前に依存してしまったんだな。まるでトリカブトのように、口に入れるとゆっくりと心を犯し、胸を苦しくするだね。
行為後俺と女はすぐに寝た。俺はもう何も考えたくなかったからすぐ寝ようとしたんだ。日差しが俺の顔を照らす。目を覚ますと俺の横にいたはずの女がいない。
「これまでありがとう。さようなら。」と書かれたメモ書きが残されていた。俺はベットの横に置いてあった女が忘れて行った煙草を一本取り、火をつけた。
物寂しい口から出る煙、ひび割れたガラス窓、輝かしい街の色、目に映るもの全てがつまづいた昨日を悲しく染める。
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