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鬼もたまにはこころを鬼にする
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どれだけやさしい鬼もこころを鬼にする。それはどんなときだろう。あの赤い赤い鬼はよこにいる小さな鬼のお母さん。お母さん鬼とこども鬼はいっしょにボール遊びをしているね。あれ、こども鬼がボールを後ろにそらしちゃった。コロコロコロコロとボールは道路にころがっていっちゃった。そのボールをこども鬼は走ってとりにいく。いちもくさんにとりにいく。
あぁぁぁぁ!あぶない!横から車が!ぶつかる!
お母さん鬼は走る。こども鬼を助けるために走る。力の強いお母さん鬼は、こども鬼が車とぶつかる前で車を止めた。ふぅあぶなかった。やっぱり鬼は力が強い。
お母さん鬼はほっとした顔をした。けどすぐに鬼の顔になった。こども鬼にほっぺをぶった。泣きながらぶった。こども鬼も泣いていた。
そして、その帰り道にふたりでアイスクリームを買ってたべた。ベンチにくつろぎながら、お母さん鬼は言った。
「さっきはぶってごめんね。けどもし君があのとき車にぶつかっていたら、けがをしてしまうかもしれなかったんだよ。もしかしたら君がお母さんの前からいなくなっちゃうところだったんだよ。お母さんもこわかったんだよ。もしこれから道路にボールがでてもすぐにとりにいかないで、車が来てないか見てとりにいける?」
「うん。ちゃんと車が来てないか見る。お母さんとばいばいしたくないもん。」
そのときのお母さん鬼とこども鬼の笑顔ったらそれはそれは幸せそうでした。
あぁぁぁぁ!あぶない!横から車が!ぶつかる!
お母さん鬼は走る。こども鬼を助けるために走る。力の強いお母さん鬼は、こども鬼が車とぶつかる前で車を止めた。ふぅあぶなかった。やっぱり鬼は力が強い。
お母さん鬼はほっとした顔をした。けどすぐに鬼の顔になった。こども鬼にほっぺをぶった。泣きながらぶった。こども鬼も泣いていた。
そして、その帰り道にふたりでアイスクリームを買ってたべた。ベンチにくつろぎながら、お母さん鬼は言った。
「さっきはぶってごめんね。けどもし君があのとき車にぶつかっていたら、けがをしてしまうかもしれなかったんだよ。もしかしたら君がお母さんの前からいなくなっちゃうところだったんだよ。お母さんもこわかったんだよ。もしこれから道路にボールがでてもすぐにとりにいかないで、車が来てないか見てとりにいける?」
「うん。ちゃんと車が来てないか見る。お母さんとばいばいしたくないもん。」
そのときのお母さん鬼とこども鬼の笑顔ったらそれはそれは幸せそうでした。
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