君に振られた俺は高速道路を走り出した

未来の小説家

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夜風

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 仕事も終わりとりあえず家に帰って虚無感を感じたくない俺は車を走らせた。大阪市内を適当に走ってあいつと行った堀江のお洒落な雰囲気でも感じていこうかなと車を走らせる。近づいてきた、上には環状1号線、このまま真っ直ぐいけば堀江か。あいつと行った場所に行くのが急に怖くなって、左車線に車線変更した。なんの意味もなく高速道路に乗ってしまった。

 昨日の夜は最悪だったひょんな事から聖奈を怒らせてしまい、俺も逆ギレしてしまった。別れを告げられ家を出て行ってしまった。それに加えて現実と同じ悪夢を何回も見せられた。全然寝れなかった。

 しかし高速道路を何の気もなく走るのは結構気持ちいいもんだ。窓を開けて夜風を感じる。130kmの風は昨日の事を忘れさせてくれるような気がした。満ちた月は俺の真っ黒の車を照らす。結構遠くまで来てしまった。ああ、もう尼崎か。聖奈の実家は神戸だったな。そうだ、もう一度だけ、もう一度だけ聖奈を迎えに行こうか…
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