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5章.盗賊見習いと竜見習い
16.
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凄惨な場面を想像しながら、中の様子を伺ったリアリだが、それは思っていたのとは違っていた。目に入ったのは、十数人の人間。それは酔いつぶれて眠っているだけのようにも思えた。でも、生きている気配を竜となったリアリは感じない。明らかにそこに存在していたのは死だった。それをはっきりと感じる。
良く目を凝らしてみると、首元から血を流している者もいた。どうやら、それが致命傷のようだった。これだけ鮮やかに人を殺める事が出来るのか、そこに美のようなものも感じてしまった。そう冷静に客観的に状況を見れるのは、人間だった頃の自分のようだと思った。想像もしていなかった場面、あり得ない場面で、本来の自分に戻ったという事だろうか。まだ、そういう自分がいる事に安心するような驚いたような不思議な感覚だった。
リアリがそこに入った瞬間、それまで感じていた微妙な殺気が消えた気がした。これだけの事をやった者だ。リアリの姿を見た瞬間、その気配を殺す事も訳ないのだろう。リアリはそう思った。その正体を見極める必要があると思った。しかし、自分が相手をする事が出来るのだろうか。緊張感が高まる中、リアリは冷静に考える。この狭い場所で戦うのは割りが良くない。
場合によっては逃げ出す事を考えなければいけないと考えれば尚更だ。どうすれば良い。あとどれくらいの時間、様子を見てくれるのかも分からなかった。すでにこちらの事を知られて攻撃を受ける可能性もあった。愚かな魔物のふりをするか、それもひとつだ。これだけ冷静に対処しているのを見ると、それほど大事にしたくないというのは相手も同じだと考えた。だったら、魔物であれば無視する可能性は高い。ただ、こういう得体のしれない相手に竜と気が付かれるのはあまり好ましくないと思った。
「おい、何なんだよ。これは」
突然、声が響いた。すっかり忘れていた人間の声だった。
(もう戻って来たのか)
それはリアリの想定とは違っていた。もう少し時間が掛かると思ったのだ。
(厄介な…)
この人間が騒ぎ出したら、いや、すでに騒ぎだしたから、隠れている者がすぐにでも動き出すと感じた。そうなった場合、自分をどうするだろうか。すぐに考えを巡らす。明らかに素人では無い。何かの任務を与えられているプロだ。その目的は、ここにいる盗賊団の全滅だろう。だとすれば、すぐにでも襲ってくる。ただし、その相手にとって、予想外なのは自分の存在だろう。相手がプロなら尚更だ。魔物によって邪魔されて任務を果たせなくなる事態は避けたいだろう。そう考えた。
良く目を凝らしてみると、首元から血を流している者もいた。どうやら、それが致命傷のようだった。これだけ鮮やかに人を殺める事が出来るのか、そこに美のようなものも感じてしまった。そう冷静に客観的に状況を見れるのは、人間だった頃の自分のようだと思った。想像もしていなかった場面、あり得ない場面で、本来の自分に戻ったという事だろうか。まだ、そういう自分がいる事に安心するような驚いたような不思議な感覚だった。
リアリがそこに入った瞬間、それまで感じていた微妙な殺気が消えた気がした。これだけの事をやった者だ。リアリの姿を見た瞬間、その気配を殺す事も訳ないのだろう。リアリはそう思った。その正体を見極める必要があると思った。しかし、自分が相手をする事が出来るのだろうか。緊張感が高まる中、リアリは冷静に考える。この狭い場所で戦うのは割りが良くない。
場合によっては逃げ出す事を考えなければいけないと考えれば尚更だ。どうすれば良い。あとどれくらいの時間、様子を見てくれるのかも分からなかった。すでにこちらの事を知られて攻撃を受ける可能性もあった。愚かな魔物のふりをするか、それもひとつだ。これだけ冷静に対処しているのを見ると、それほど大事にしたくないというのは相手も同じだと考えた。だったら、魔物であれば無視する可能性は高い。ただ、こういう得体のしれない相手に竜と気が付かれるのはあまり好ましくないと思った。
「おい、何なんだよ。これは」
突然、声が響いた。すっかり忘れていた人間の声だった。
(もう戻って来たのか)
それはリアリの想定とは違っていた。もう少し時間が掛かると思ったのだ。
(厄介な…)
この人間が騒ぎ出したら、いや、すでに騒ぎだしたから、隠れている者がすぐにでも動き出すと感じた。そうなった場合、自分をどうするだろうか。すぐに考えを巡らす。明らかに素人では無い。何かの任務を与えられているプロだ。その目的は、ここにいる盗賊団の全滅だろう。だとすれば、すぐにでも襲ってくる。ただし、その相手にとって、予想外なのは自分の存在だろう。相手がプロなら尚更だ。魔物によって邪魔されて任務を果たせなくなる事態は避けたいだろう。そう考えた。
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