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第45話【過去の断罪】
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砂漠を少し歩くと遠くに煙が登っている。
「師匠! あの煙は!?」
「あそこに魔族がいそうだな……みんな、準備はいいか?」
「もちろんです!」
「リアンさんの場所を聞き出さなくては」
「やってやる!」
煙が登っていた場所へやってくると、町がボロボロになってはいるが魔族は見つからない。
サーチをしようとするとディーンの声が聞こえる。
「師匠! こっちに来てください!」
「何かあったか?」
ディーンは必死に瓦礫をどかそうとしていた。
「下から声が聞こえます」
「生存者か!?」
俺も瓦礫をどかすのを手伝っていると、ルナが駆けつけてくれ、瓦礫を放り投げた。
「こいつは……」
瓦礫の下にいたのは……裏ギルドのレッパだった。
「う……」
「おい! しっかろ! 今回復させてやる!」
「……俺より……町の人は……」
「町には誰もいなかった」
「そ……そうか……無事に……逃げ……た……か……ガクッ……」
「お、おい!」
ギリギリ回復が間に合ったようで、気を失っただけのようだ。
「ムーンさん、レッパを任せても?」
「はい、お任せください」
「お願いします。 俺達はもう少しこの辺りを探します」
サーチを使った途端、強烈な反応が2つ!
「何処だ! ……上か!」
空を見上げるとそこには黒い鎧で身を固めた巨馬と誰かが上に乗っている。
「……お前が町を?」
「……そうだ……」
そう答えたのは全身黒いフルプレートの鎧に身を包んだ者、声は若そうな男性の声がする……新手の魔族か?
「レッパをやったのもお前か?」
「……そうだ……」
「なんでこんなことをした」
「……お前が来やすいようにだ……」
「狙いは俺か?」
「そうだ……」
「って事はお前は敵なんだな」
「そうだ……」
あまり喋らない無口な奴らしいが、敵とわかれば先手必勝!
小さく圧縮した火球を放つ……相手は動かず、火球が直撃した。
「ふむ……あれを防ぐなんてな」
モウモウとした煙が消えると無傷の敵が微動だにせずその場にいる。
俺は初手を防がれたがすかさず蛇腹剣を取り出して攻撃していた。
蛇腹剣の剣先が当たる直前、敵は高速で移動をし躱しながらこちらに向かって来ていたので、蛇腹剣を操作して背後から攻撃させる。
「……無駄」
敵は背後から向かって来る剣先に手をかざすと、蛇腹剣が止まってしまう……魔力を吸収してるのか?
相手は水の氷柱を数本出現させると凍らせ氷柱にして飛ばしてくる。
一直線の攻撃なら簡単に躱せる!
転移で回避するし、氷柱は地面に突き刺さった。
だが、氷柱が砕け氷のカケラが辺り一面に広がり風に乗って俺を追尾して攻撃してくる。
転移してもその場所に追尾してくるので、敵の真後ろに転移してやるが、相手は自らを泡で包み込むと氷のカケラを弾いている。
「師匠!」
「ディーン! ここは危険だ! 下がってろ!」
「……ディーン……」
黒い鎧の魔族は地上へ下りると兜を取った……。
「「リアン!!」」
そこにいるのは紛れもなく攫われたリアン……と言う事はあの馬はやはりルスヴィズか……なんで俺を攻撃してきた?
「リアン! 無事だったのか!?」
「ええ兄さん、私は無事よ」
声もやはりリアンだ。 あの兜で声が変わっていたのか。
「なんで師匠に攻撃をするんだ! それにこの町をめちゃくちゃにしたのもリアンなのか!?」
「そうよ、今の私の力を試したかったの。 丁度よく裏ギルドの人もいたしね」
「なんで……こんなこと……」
「兄さん、いい事を教えてあげる……」
リアンはディーンに近寄って行くと、突然ルナの拳がリアン目掛けて飛んでくる。
「離れろディーン!」
「ルナさん! こいつはリアンなんだよ!」
「え!? リアン? 止まらないよー!」
リアンに当たるギリギリで俺がルナを止める事が出来た。
「殴ってくれても構わないのよ。 私はあなた達の敵だもの」
「リアン、どうしたんだ? 魔族に何をされた!?」
「先生、何もされてはいないわ。 真実を知っただけよ」
「真実?」
「兄さんにも教えてあげるわ、そこにいる勇者こそ私達の敵だって事をね」
リアンは腰から一本の黒い棒を取り俺を指す。
「私達が暮らしていた国……【ユグリアス】は勇者によって滅ぼされたのよ」
「それは……誰にその事を聞いたんだ?」
「ケッケッケ、それは私ですよ」
空中に鳥顔の魔族が現れた。
「勇者を唯一召喚出来る国ユグリアス、我々に取って邪魔な国だったからな、さっさと滅ぼそうとしたのだが……まさか召喚されし勇者様が我々の代わりに滅ぼしてくれるとは思わなかったのだよ」
「そう……本来なら勇者様と共に魔族と戦い世界を守るはずだった……私達のパパもその1人だったのよ!」
「……確かに親父は兵士だったけど、国を滅ぼしたのは魔族と魔物だ! 師匠じゃ無い!」
「そうかしら? 幾度となく襲ってきた魔族と魔物は3賢神と勇者によって返り討ちにしていたのでしょ? でも魔族が襲って来た時に勇者はいなかった……だから国は滅んでしまった……私達のパパやママも……」
「……確かにあの時逃げられたのは親父とお袋が幼いリアンを連れて流してくれたからだ……だけど思い出せ、師匠がしてくれた話しを!」
「……国が裏切ったからなに? 私達の両親を見殺しにしたのよ? 兄さんは許せるの?」
「…………」
「無理よね? だって勇者様が守っていれば今頃私達も幸せに暮らせていたんですもの……それをぶち壊したのがそこにいる勇者なのよ!」
リアンの瞳は涙で一杯だ……確かに国を見捨てたのは俺個人の意思だ……まさか2人があの国の出身だったとは……、……ディーンは俺の話しを聞いた時にはわかっていたのかも知れないな……。
「リアン、ディーン……今更すまなかったと謝った所で何も変わらない。 だがリアン達には俺を殺す権利があるだろう……、……だからリアン、すきにしてくれて構わない」
「師匠!」
「良い度胸ね、さすが勇者様だわ。 じっくりと怨み晴らさしてから殺してあげるわ」
俺に近づくリアンを止めようとルナ、そして駆けつけたライラが間に入るがルスヴィズが邪魔に入った。
「そんな棒じゃ俺は殺せないぞ」
「そうかしら? それじゃ試させてもらうわ……よ!」
リアンは黒い棒を振り上げ俺に攻撃して来る。
リアンの攻撃は俺の顔面にヒットし、更に体中に当ててくる……攻撃は重く無い、リアンの力を考えると大したダメージには……。
「ガッ……」
な、なんだ? リアンの軽いはずの攻撃が俺の胸にズシンと響く。
「ほらほら! どう? 先生? 私の怨みの味は!?」
ドシンドシンとリアンの憎悪が胸に響く……まるで『私の両親を返して!』『幸せな日々を返して!』と訴えてくるようだ……。
「リアン! もうやめろ!」
ディーンがリアンを押さえようとするも鳥顔の魔族に邪魔されてしまう。
「ケッケッケ、邪魔はさせませんよ。 ほらほらもっとです! あなたの憎悪はそんなものでは無いでしょう!」
「こいつ……邪魔をするな!」
「邪魔? 邪魔をしているのはそちらですよ」
魔族がディーンをリアンの元へ向かわない様に軽く魔法で攻撃を始めていた。
「ガフッ……」
体には大したダメージは無い……だが心その物を鈍器で殴られているみたいだ……。
俺は倒れ、それでもリアンの攻撃は止まない。
「どうしたんですか先生、私の想いはこんな物じゃありませんよ。 まだ死なれては困ります」
リアンの攻撃は俺の心に深く響く……。
「うおおおお! もうやめろリアーーン!!」
ディーンが火を纏って鳥顔の魔族を押しのけてリアンと俺に突っ込んで来ると俺の前に手を広げ立ち塞がる。
「もうやめろ! もう十分だ! リアンはまだ幼かったから怨みはあるだろう、僕も初めは師匠の話しを聞いた時に驚いた! でもそんな僕達を助けてくれたのも師匠だ! 今までの旅を忘れたのか!? リアンがこれ以上師匠に手を出すなら……妹だって容赦はしないぞ!」
「……兄さん……がっかりだわ……今までの旅が……どうしたって言うの? 先生が……先生が魔族を倒してくれてれば私達は……先生……先生……先……生……」
「リアン……おまえ……」
リアンの動きは止まり、黒い棒を持っている手は震え出す……そして、光の無い鋭い目つきから涙が溢れ出ていた……。
「クケー! まだ憎悪が足らないようですね……」
鳥顔の魔族はリアンの元へ移動すると、リアンと共に消えてしまった。
「リアーーン!!」
ディーンの叫びは届いていなかった……。
「師匠! あの煙は!?」
「あそこに魔族がいそうだな……みんな、準備はいいか?」
「もちろんです!」
「リアンさんの場所を聞き出さなくては」
「やってやる!」
煙が登っていた場所へやってくると、町がボロボロになってはいるが魔族は見つからない。
サーチをしようとするとディーンの声が聞こえる。
「師匠! こっちに来てください!」
「何かあったか?」
ディーンは必死に瓦礫をどかそうとしていた。
「下から声が聞こえます」
「生存者か!?」
俺も瓦礫をどかすのを手伝っていると、ルナが駆けつけてくれ、瓦礫を放り投げた。
「こいつは……」
瓦礫の下にいたのは……裏ギルドのレッパだった。
「う……」
「おい! しっかろ! 今回復させてやる!」
「……俺より……町の人は……」
「町には誰もいなかった」
「そ……そうか……無事に……逃げ……た……か……ガクッ……」
「お、おい!」
ギリギリ回復が間に合ったようで、気を失っただけのようだ。
「ムーンさん、レッパを任せても?」
「はい、お任せください」
「お願いします。 俺達はもう少しこの辺りを探します」
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「何処だ! ……上か!」
空を見上げるとそこには黒い鎧で身を固めた巨馬と誰かが上に乗っている。
「……お前が町を?」
「……そうだ……」
そう答えたのは全身黒いフルプレートの鎧に身を包んだ者、声は若そうな男性の声がする……新手の魔族か?
「レッパをやったのもお前か?」
「……そうだ……」
「なんでこんなことをした」
「……お前が来やすいようにだ……」
「狙いは俺か?」
「そうだ……」
「って事はお前は敵なんだな」
「そうだ……」
あまり喋らない無口な奴らしいが、敵とわかれば先手必勝!
小さく圧縮した火球を放つ……相手は動かず、火球が直撃した。
「ふむ……あれを防ぐなんてな」
モウモウとした煙が消えると無傷の敵が微動だにせずその場にいる。
俺は初手を防がれたがすかさず蛇腹剣を取り出して攻撃していた。
蛇腹剣の剣先が当たる直前、敵は高速で移動をし躱しながらこちらに向かって来ていたので、蛇腹剣を操作して背後から攻撃させる。
「……無駄」
敵は背後から向かって来る剣先に手をかざすと、蛇腹剣が止まってしまう……魔力を吸収してるのか?
相手は水の氷柱を数本出現させると凍らせ氷柱にして飛ばしてくる。
一直線の攻撃なら簡単に躱せる!
転移で回避するし、氷柱は地面に突き刺さった。
だが、氷柱が砕け氷のカケラが辺り一面に広がり風に乗って俺を追尾して攻撃してくる。
転移してもその場所に追尾してくるので、敵の真後ろに転移してやるが、相手は自らを泡で包み込むと氷のカケラを弾いている。
「師匠!」
「ディーン! ここは危険だ! 下がってろ!」
「……ディーン……」
黒い鎧の魔族は地上へ下りると兜を取った……。
「「リアン!!」」
そこにいるのは紛れもなく攫われたリアン……と言う事はあの馬はやはりルスヴィズか……なんで俺を攻撃してきた?
「リアン! 無事だったのか!?」
「ええ兄さん、私は無事よ」
声もやはりリアンだ。 あの兜で声が変わっていたのか。
「なんで師匠に攻撃をするんだ! それにこの町をめちゃくちゃにしたのもリアンなのか!?」
「そうよ、今の私の力を試したかったの。 丁度よく裏ギルドの人もいたしね」
「なんで……こんなこと……」
「兄さん、いい事を教えてあげる……」
リアンはディーンに近寄って行くと、突然ルナの拳がリアン目掛けて飛んでくる。
「離れろディーン!」
「ルナさん! こいつはリアンなんだよ!」
「え!? リアン? 止まらないよー!」
リアンに当たるギリギリで俺がルナを止める事が出来た。
「殴ってくれても構わないのよ。 私はあなた達の敵だもの」
「リアン、どうしたんだ? 魔族に何をされた!?」
「先生、何もされてはいないわ。 真実を知っただけよ」
「真実?」
「兄さんにも教えてあげるわ、そこにいる勇者こそ私達の敵だって事をね」
リアンは腰から一本の黒い棒を取り俺を指す。
「私達が暮らしていた国……【ユグリアス】は勇者によって滅ぼされたのよ」
「それは……誰にその事を聞いたんだ?」
「ケッケッケ、それは私ですよ」
空中に鳥顔の魔族が現れた。
「勇者を唯一召喚出来る国ユグリアス、我々に取って邪魔な国だったからな、さっさと滅ぼそうとしたのだが……まさか召喚されし勇者様が我々の代わりに滅ぼしてくれるとは思わなかったのだよ」
「そう……本来なら勇者様と共に魔族と戦い世界を守るはずだった……私達のパパもその1人だったのよ!」
「……確かに親父は兵士だったけど、国を滅ぼしたのは魔族と魔物だ! 師匠じゃ無い!」
「そうかしら? 幾度となく襲ってきた魔族と魔物は3賢神と勇者によって返り討ちにしていたのでしょ? でも魔族が襲って来た時に勇者はいなかった……だから国は滅んでしまった……私達のパパやママも……」
「……確かにあの時逃げられたのは親父とお袋が幼いリアンを連れて流してくれたからだ……だけど思い出せ、師匠がしてくれた話しを!」
「……国が裏切ったからなに? 私達の両親を見殺しにしたのよ? 兄さんは許せるの?」
「…………」
「無理よね? だって勇者様が守っていれば今頃私達も幸せに暮らせていたんですもの……それをぶち壊したのがそこにいる勇者なのよ!」
リアンの瞳は涙で一杯だ……確かに国を見捨てたのは俺個人の意思だ……まさか2人があの国の出身だったとは……、……ディーンは俺の話しを聞いた時にはわかっていたのかも知れないな……。
「リアン、ディーン……今更すまなかったと謝った所で何も変わらない。 だがリアン達には俺を殺す権利があるだろう……、……だからリアン、すきにしてくれて構わない」
「師匠!」
「良い度胸ね、さすが勇者様だわ。 じっくりと怨み晴らさしてから殺してあげるわ」
俺に近づくリアンを止めようとルナ、そして駆けつけたライラが間に入るがルスヴィズが邪魔に入った。
「そんな棒じゃ俺は殺せないぞ」
「そうかしら? それじゃ試させてもらうわ……よ!」
リアンは黒い棒を振り上げ俺に攻撃して来る。
リアンの攻撃は俺の顔面にヒットし、更に体中に当ててくる……攻撃は重く無い、リアンの力を考えると大したダメージには……。
「ガッ……」
な、なんだ? リアンの軽いはずの攻撃が俺の胸にズシンと響く。
「ほらほら! どう? 先生? 私の怨みの味は!?」
ドシンドシンとリアンの憎悪が胸に響く……まるで『私の両親を返して!』『幸せな日々を返して!』と訴えてくるようだ……。
「リアン! もうやめろ!」
ディーンがリアンを押さえようとするも鳥顔の魔族に邪魔されてしまう。
「ケッケッケ、邪魔はさせませんよ。 ほらほらもっとです! あなたの憎悪はそんなものでは無いでしょう!」
「こいつ……邪魔をするな!」
「邪魔? 邪魔をしているのはそちらですよ」
魔族がディーンをリアンの元へ向かわない様に軽く魔法で攻撃を始めていた。
「ガフッ……」
体には大したダメージは無い……だが心その物を鈍器で殴られているみたいだ……。
俺は倒れ、それでもリアンの攻撃は止まない。
「どうしたんですか先生、私の想いはこんな物じゃありませんよ。 まだ死なれては困ります」
リアンの攻撃は俺の心に深く響く……。
「うおおおお! もうやめろリアーーン!!」
ディーンが火を纏って鳥顔の魔族を押しのけてリアンと俺に突っ込んで来ると俺の前に手を広げ立ち塞がる。
「もうやめろ! もう十分だ! リアンはまだ幼かったから怨みはあるだろう、僕も初めは師匠の話しを聞いた時に驚いた! でもそんな僕達を助けてくれたのも師匠だ! 今までの旅を忘れたのか!? リアンがこれ以上師匠に手を出すなら……妹だって容赦はしないぞ!」
「……兄さん……がっかりだわ……今までの旅が……どうしたって言うの? 先生が……先生が魔族を倒してくれてれば私達は……先生……先生……先……生……」
「リアン……おまえ……」
リアンの動きは止まり、黒い棒を持っている手は震え出す……そして、光の無い鋭い目つきから涙が溢れ出ていた……。
「クケー! まだ憎悪が足らないようですね……」
鳥顔の魔族はリアンの元へ移動すると、リアンと共に消えてしまった。
「リアーーン!!」
ディーンの叫びは届いていなかった……。
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