黎明の錬金技工術師《アルケミスター》と終焉の魔導機操者《アーティファクター》

かなちょろ

文字の大きさ
57 / 195
第三章 コロシアム

第五十七話 温泉宿

しおりを挟む
 ガル支部のホランさんより、温泉のあるホルデ村を勧められ向かう事にした。

「私が案内しますよ~」
 
 ホランさんも一緒にくるらしい。

「ガル支部はどうするんですか?」
「大丈夫よ~、アームダレスは皆んな自分達で解決しちゃうから依頼なんてあまり来ないんですもの~。 それに今は依頼を受けられるガルはいませんから~」
 
 そんな感じで良いのか?

 早速明日向かう事になり、今日の所は宿で休む。
 まずは食事だな。
 エイルとルルアは温泉と聞いてはしゃいでいるが、レアは普通だな。

「レアは温泉嫌いなのか?」
「そんな事はありませんが、そんなにはしゃぐ事でも無い気がします」
 
 さすがレア、落ち着いている。

「レアさん、温泉ですよ! 良い景色と広いお風呂!」
「それに温泉饅頭と温泉玉子、お風呂上がりに飲む飲み物はまた格別です!」

 エイルとルルアでは温泉の楽しみ方が違うようだな。
 レアはどちらもあまり興味が無いようだけど。

 そんな事を話していると、注文した料理が運ばれて来た。
 大金が手に入ったので、ルルアに借りていた分を返し、今夜はご馳走だ。
 エイルはアームダレスならではの食事を楽しみ、ルルアはスイーツを楽しむ。
 このアームダレスは和食のような料理が多い。
 スイーツも和菓子に似ている。 どれも美味い。

「久しぶりに沢山食べましたー♪」
「どれも美味しかったです!」
「このアームダレスの魚料理は絶品でした」

 皆んなが満足出来て良かった。
 さて、明日は温泉だ。 ホランさんが早く迎えに来るって言ってたからな、今日は早く寝よう。
 食事も終わり、俺、エイル、ルルアとレアで三部屋借りる。
 そして次の朝早くホランさんが迎えに来た。

「皆さ~ん、起きてますか~?」

 宿の外からホランさんの声が響く。
 窓を開けて外を見ると、ホランさんが手を振ってくる。
 急いで支度をし、皆んなでホランさんの元へ。

「ホランさん早いですね」
「楽しみにしてましたから~」
「私も楽しみです!」

 ルルアがホランさんに気合を入れて答える。
 エイルはまだ半分寝てるな。

「それでは~、参りましょう~!」

 ホランさんが手配した【荒物組】の獣力車に乗りホルデ村を目指す。
 途中現れる魔生獣は俺達が出るまでも無く、獣力車を走らせている獣人に蹴散らされて行く。

「凄い凄い!」
「楽ちんですね~」
「倒した魔生獣もらえないかな?」
 
 各々の感想はさまざまだ。

「皆さん強いですね」
「あたぼうよ! 獣力車を引く者ならこれぐれえ出来て当然! それじゃ先を急ぎやすぜ!」

 熊吉さん以外でもこの強さなのか……。
 その辺の兵士より強いだろうな。
 ホルデ村まではホランさんの観光案内を聞きながら向かう。

「このアームダレスは~、自然豊かですが~、城より東には【霧の山】があるんです~」
「霧の山?」
「はい~、そこは常に霧が発生していて~、そこにしか生息しない魔生獣もいます~」
「あんまり近寄らない方が良さそうだな」
「そうですね~、私達獣人でも滅多に近寄りません~、でも~、年に一度のお祭りでは~、霧の山にある祭壇に~、お供えをしに行きます~」
「山の神様にお供えって感じ?」
「神様ではありますが~、ちょっと違いますね~」
 
 神様では無いのか?

「ケンジさんは~、この世界の三神はご存じですか~?」
「三神?」
「そうです~、その一神が霧の山にいると言われています~」
「へ~、本当にいるなら見てみたいな」
「難しいですね~、私達も見た事無いですから~」
「そうなんだ……」
 
 神様ってそんなもんかな?

「その三神について聞いて良い?」
「ん? 構いませんよ~」
「その霧の山の神様ってどんな感じなの?」
「神様は~、遥か昔からこの地を守ってくださるお方です~、アームダレスの神様は~、空の神様って言われてますよ~、アームダレスの旗にも絵かがれてますね~」
「空? 確かアームダレスの旗にはドラゴンが描かれていたな? 他には?」
「そうですね~、空の神様【ラヴレス】様は~、このアームダレスの神様です~。 地の神様が~……、確か【レグレス】様で~、海の神様が【ルビレス】様だったはずです~」
「成程、教えてくれてありがとうございます」
「いえいえ~」
 
 この世界の神様か……、覚えていて損は無いな。

「さあ、もうすぐ着きやすぜ!」

 少し離れたこの場所からでも温泉の湯気が見え始めている。
 到着した温泉は俺には懐かしい感じのする木造の宿だ。

「「すっご~い!!」」
 
 エイル、ルルアは建物を見て感動してる。

「なかなか良さそうですね」
 
 レアもなんだかんだ満更でも無いようだ。
 そして出迎えてくれた女将さんは人の姿をした獣人らしい。
 仲居さんはさまざまな獣人の方が出迎えてくれる。

「早速温泉に行きましょう!」

 エイルは待ちきれないようで、仲居さんに部屋まで案内されるやいなや、浴衣に着替えて準備万端だ。
 勿論俺は別の部屋。

「……えと……、私は……後で……」
 
 ルルアは浴衣に着替えるのを躊躇っている。

「どうしました?」
 
 レアは不思議そうにルルアに聞く。

「だって私……」
 
 ルルアは自分の手足を気にしてもじもじしている。

「そんな事気にしないで下さい。 一緒に温泉楽しみましょう」
「でも……」
「この時期は~、観光客も少ないので、広いお風呂は貸し切りの様なものですよ~」
「ルルアも楽しみにしてたじゃ無い。 楽しみましょ! もし変な目で見る奴がいたら私が文句を言ってあげるわ!」
「エイルさん、レアさん、それにホランさんありがとうございます。 温泉に行きましょう!」
 
 皆んな浴衣に着替え温泉に直行!
 俺も男一人とは言え、温泉を楽しみに向かっていた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...