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第四章 砂漠の遺跡
第九十二話 新たな地へ
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巨岩の大地にあるヴァルスケルハイトの基地からなんとか魔導飛空船を盗み出して逃げ出したが、破壊しきれなかった敵の魔導飛空船に追われている。
「皆んなもうすぐヘイトルーガとの国境だ! 頑張ってくれ!」
「もうボロボロだよ~」
敵の攻撃により、俺達が乗っている魔導飛空船はかなりボロボロになり、飛んでいるのがやっとだ。
「こうなったら、ご主人様、操縦代わりますから魔導発動機へ行って下さいにゃ!」
「行ってどうするんだ?」
「ご主人様の魔力を全力で魔導発動機に注いで下さいにゃ!」
「レア~、そんな事したら魔導発動機壊れちゃうんじゃない?」
「一か八かですにゃ。 このままではヘイトルーガにたどり着く前に落ちますにゃ」
「わかった、やってみる!」
操縦をレアと変わり、魔導発動機に魔力を注ぐ。
魔力を力一杯注ぐと、魔導発動機が煙りを噴いて勢い良く動き出す。
魔導飛空船の速度が上がるが、魔導発動機から火が噴き出した。
「レア! あまりもたないぞ!」
ヴァルスケン帝国とヘイトルーガ王国の国境である山脈をギリギリの高さで通過するが、操縦が不慣れな為にあちこちを擦り、船体は壊れ穴も開き、もう飛ぶ事が出来ない状態だ。
「ヘイトルーガに入ったよ! リュビナイトは何処にいるの!?」
「それは……、わからない……」
ーーザーーザザーー。
『聞こえますか?』
「この声は……、リュビナイト!」
魔導飛空船の通信機器の様な物からリューの声が聞こえてきた。
『今そちらに繋げています。 後ろから来ている魔導飛空船は敵で間違い無いですか?』
「ああそうだ! だがこっちの魔導飛空船がもうもたない!」
『ヘイトルーガ王国より南に向かって下さい。 私はそこにいます』
「わかった!」
なんとかもってくれよ……。
ヘイトルーガ王国を越え言われたように南に向かうが、魔導発動機は爆発し、高度がどんどん下がる。
「おち、落ちるーー!!」
「皆んな捕まれ!」
砂海の上に落ちた。
「み、皆んな無事か?」
「う、うん……」
「大丈夫ですにゃ……」
「……死ぬかと思った.…」
砂がクッションになってくれたようだが、もうこの魔導飛空船はダメだ。
「ご主人様、来ますにゃ!」
「くそっ!」
追いかけて来た魔導飛空船は六機、流石に強い皆んなでも空の相手には手出しが出来ない。
リュビナイトまでもう少しだと言うのに……。
その時、突然砂が隆起し、墜落した魔導飛空船の下からリュビナイトが現れた。
リュビナイトから主砲が発射され、敵の魔導飛空船を撃墜して行く。
完全では無くてもあの程度の魔導飛空船なら楽に撃墜出来る。
『皆さん大丈夫ですか?』
「大丈夫だ、助かったよ」
『ではこちらに早く乗り込んで下さい』
「怪我人がいるんだ。 救護室の準備を頼む」
『どなたか怪我をされましたか?』
「説明は後でする。 早く頼む」
『わかりました』
逃げようとする敵の魔導飛空船も撃墜し、全て倒し切った時、リュビナイトは砂海の中に潜った。
『この方は?』
救護室のカプセルにムーンを入れ治療をお願いして事情の説明を皆んなにする。
「それじゃそれじゃ、この人も人造人間?」
「いや、ムーンは獣人だよ」
ルルアに説明をする。
「あの研究者も人造人間だったなんて……」
「俺も驚いたよ」
フランも自分を調べていた人が人造人間とは思っていなかったらしい。
「レリックを取り込んだ子か……」
「どうじゃ? 治りそうかの?」
『まだわかりません。 油断出来ない状態です』
モンドさんマブルさんもムーンの事を気にしている。
いくらエイルのポーションでもここまで酷いと治せない。
ムーンの事はリューに任せるしか無い。
「ご主人様、これからどうしますか?」
「そうだな……」
談話室に集まりこれからの事を話す。
「俺とレアは新たな塔を探しに行こうと思ってる。 皆んなはどうする?」
「私もケンジに着いていくつもりよ」
「……次は何処に行く?」
アンからの質問に「船で海を渡る」 と言った所でアンは「……私はパス……」 と言ってきた。
理由を聞くと、船酔いするらしい……。
「僕も行きたいけどリューがなぁ……」
『申し訳ございません。 せめてもう少し調子が良くなれば本体から離れても問題無くなるのですが……」
「それはわしらの力不足じゃな」
「もうしわけない」
『いえ、お二人は良くやって頂いております。 先程砂海に沈んだ魔導飛空船を回収しますので、その部品を使えばもう少し良くなると思います』
「おお、そうか。 それは頼むぞい」
そう言う訳でフランはリュビナイトと一緒。
「私もムーンちゃんが気になるからここにいるよ」
「そうか、ならムーンの事は頼む」
「うん!」
これで大体の事は決まった。
俺が次に向かうのはエルメリオン王国から西の大陸。
森の都【エレメントスハーレス】だ。
大森林があり、耳長族の住む都らしい。
そこに塔もあるが、耳長族に色々な事を聞けるかも知れない。
予定が決まった俺は、エイル、レアと共にエルメリオン王国に向かうのだった。
「皆んなもうすぐヘイトルーガとの国境だ! 頑張ってくれ!」
「もうボロボロだよ~」
敵の攻撃により、俺達が乗っている魔導飛空船はかなりボロボロになり、飛んでいるのがやっとだ。
「こうなったら、ご主人様、操縦代わりますから魔導発動機へ行って下さいにゃ!」
「行ってどうするんだ?」
「ご主人様の魔力を全力で魔導発動機に注いで下さいにゃ!」
「レア~、そんな事したら魔導発動機壊れちゃうんじゃない?」
「一か八かですにゃ。 このままではヘイトルーガにたどり着く前に落ちますにゃ」
「わかった、やってみる!」
操縦をレアと変わり、魔導発動機に魔力を注ぐ。
魔力を力一杯注ぐと、魔導発動機が煙りを噴いて勢い良く動き出す。
魔導飛空船の速度が上がるが、魔導発動機から火が噴き出した。
「レア! あまりもたないぞ!」
ヴァルスケン帝国とヘイトルーガ王国の国境である山脈をギリギリの高さで通過するが、操縦が不慣れな為にあちこちを擦り、船体は壊れ穴も開き、もう飛ぶ事が出来ない状態だ。
「ヘイトルーガに入ったよ! リュビナイトは何処にいるの!?」
「それは……、わからない……」
ーーザーーザザーー。
『聞こえますか?』
「この声は……、リュビナイト!」
魔導飛空船の通信機器の様な物からリューの声が聞こえてきた。
『今そちらに繋げています。 後ろから来ている魔導飛空船は敵で間違い無いですか?』
「ああそうだ! だがこっちの魔導飛空船がもうもたない!」
『ヘイトルーガ王国より南に向かって下さい。 私はそこにいます』
「わかった!」
なんとかもってくれよ……。
ヘイトルーガ王国を越え言われたように南に向かうが、魔導発動機は爆発し、高度がどんどん下がる。
「おち、落ちるーー!!」
「皆んな捕まれ!」
砂海の上に落ちた。
「み、皆んな無事か?」
「う、うん……」
「大丈夫ですにゃ……」
「……死ぬかと思った.…」
砂がクッションになってくれたようだが、もうこの魔導飛空船はダメだ。
「ご主人様、来ますにゃ!」
「くそっ!」
追いかけて来た魔導飛空船は六機、流石に強い皆んなでも空の相手には手出しが出来ない。
リュビナイトまでもう少しだと言うのに……。
その時、突然砂が隆起し、墜落した魔導飛空船の下からリュビナイトが現れた。
リュビナイトから主砲が発射され、敵の魔導飛空船を撃墜して行く。
完全では無くてもあの程度の魔導飛空船なら楽に撃墜出来る。
『皆さん大丈夫ですか?』
「大丈夫だ、助かったよ」
『ではこちらに早く乗り込んで下さい』
「怪我人がいるんだ。 救護室の準備を頼む」
『どなたか怪我をされましたか?』
「説明は後でする。 早く頼む」
『わかりました』
逃げようとする敵の魔導飛空船も撃墜し、全て倒し切った時、リュビナイトは砂海の中に潜った。
『この方は?』
救護室のカプセルにムーンを入れ治療をお願いして事情の説明を皆んなにする。
「それじゃそれじゃ、この人も人造人間?」
「いや、ムーンは獣人だよ」
ルルアに説明をする。
「あの研究者も人造人間だったなんて……」
「俺も驚いたよ」
フランも自分を調べていた人が人造人間とは思っていなかったらしい。
「レリックを取り込んだ子か……」
「どうじゃ? 治りそうかの?」
『まだわかりません。 油断出来ない状態です』
モンドさんマブルさんもムーンの事を気にしている。
いくらエイルのポーションでもここまで酷いと治せない。
ムーンの事はリューに任せるしか無い。
「ご主人様、これからどうしますか?」
「そうだな……」
談話室に集まりこれからの事を話す。
「俺とレアは新たな塔を探しに行こうと思ってる。 皆んなはどうする?」
「私もケンジに着いていくつもりよ」
「……次は何処に行く?」
アンからの質問に「船で海を渡る」 と言った所でアンは「……私はパス……」 と言ってきた。
理由を聞くと、船酔いするらしい……。
「僕も行きたいけどリューがなぁ……」
『申し訳ございません。 せめてもう少し調子が良くなれば本体から離れても問題無くなるのですが……」
「それはわしらの力不足じゃな」
「もうしわけない」
『いえ、お二人は良くやって頂いております。 先程砂海に沈んだ魔導飛空船を回収しますので、その部品を使えばもう少し良くなると思います』
「おお、そうか。 それは頼むぞい」
そう言う訳でフランはリュビナイトと一緒。
「私もムーンちゃんが気になるからここにいるよ」
「そうか、ならムーンの事は頼む」
「うん!」
これで大体の事は決まった。
俺が次に向かうのはエルメリオン王国から西の大陸。
森の都【エレメントスハーレス】だ。
大森林があり、耳長族の住む都らしい。
そこに塔もあるが、耳長族に色々な事を聞けるかも知れない。
予定が決まった俺は、エイル、レアと共にエルメリオン王国に向かうのだった。
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