Nightmare room

かなちょろ

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Nightmare room

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「ここはどこだ?」

 目覚めた時、辺りは暗く周りが良く見えない。
 ただわかるのは何処かの部屋の中だと言う事だけ……、ただし家具は無く寝ていたベッドと壁には大きな鎌だけ置かれている。
 何故こんな場所にいるのか? 思い出そうにも思い出せない。
 ここに来た記憶が無いのだ。

「それにしても臭いな……」

 他人の家特有の臭いがする……、……部屋には嗅いだことの無い、何か焦げたような腐ったような、よくわからない臭いが目の前のドアの隙間から立ち込めていた。
 今の状況もわからないので、そのドアを覗くようにそっと開けてみる……。
 ドアの先には別の部屋が繋がり、やはりベッドだけがポツンと置かれている。
 ただし布団は汚れベッド本体はボロボロだ。
 とても眠れなさそうなベッドとなるっている。
 その部屋のドアを開けると、長い通路が続いていた。

「どうなってんだ?」

 夢かと思って何度も眠たく無い目をこすり長い通路を見直す。
 変わらず通路は暗く先が見えない。

「何か明かりになる物は……」

 暗い部屋をよく探してみると、壁にランタンがある事を発見した。
 火があれば着けられそうなので自分の持ち物で何か無いかとポケットを探って見ると、タバコは吸わないのに持っているはずのないライターが入っている。
 ライターを使いランタンに火を灯し、長い通路を進む……。
 一本道の通路を進んでいるとからなにかが追ってきている足音と唸り声が聞こえてくる。
 ランタンを音のする方へ向けてみると黒い人影が走って追って来ていた。 恐怖を感じ通路を走って逃げまた一つの部屋へと入る。
 そこはさっきの部屋と変わらずベッドが置かれているが綺麗なベッドだ。 ここなら少し休めそうだが、後ろから迫って来ている者がいるのでそんな悠長な事は言っていられない。 足音はまだ聞こえる。
 慌てて部屋を出る時、ランタンを落としてしまうが誰かが追ってきている……早く通路に! そしてまた部屋……。
 幾度となく繰り返すと今度の部屋は今までの部屋とは違い、台所の用な場所となっていた……。

「うっ……!」

 まな板、鍋、包丁が置いてあるが……、何かを調理したままの状態で、あちこち血みどろとなり床は血溜まりが出来ている。
 鍋はグツグツと何かが煮込まれており、そこから最初の部屋で嗅いだ臭いより強烈な悪臭がする。
 思わず嗚咽して気分も悪くなる。

「……この包丁で身を守れば……」

 護身用に包丁をズボンに挟み、台所の水道からは水が出たので、今まで走ってカラカラの喉を潤そうとガブ飲みする。

「がっ! ……ぐっ! ……が……ああ……」

 喉が痛い! ヒリヒリとして声が出ない……!
 血溜まりの床に倒れ込んでしまうが、喉を押さえながら部屋を出る。
 壁に手をつきながら歩いて行くと、前に人影が見える。
 追いかけて来た者とは違い明かりを手に持っている。 話しかけたかったが声が出ない……。
 早く追いついて気づいてもらわないと……、ここから出る方法を知っているかも知れない。
 追いかけると、その人は走って逃げてしまった。

(ま、待って……くれ……)

 見失ってしまい仕方なく近くの部屋に入ると、服がボロボロの人が倒れている。
 声が出ないので体を揺すってみた。

「う……あ……」

 どうやら生きているようだが、顔の皮膚が焼け爛れている。

「あ……ああ! あああっ!!」

 倒れていた人はこちらに気がつくと、酷く暴れ持っていた包丁で太腿を刺されてしまった。

「ぐああっ!!」

 その人を突き飛ばし、太腿に刺さった包丁を抜き、太腿を押さえて急いで部屋から出る。

(くそっ! なんなんだよ!!)

 足を引きずりながらもう何時間部屋と通路を繰り返し歩いただろう……、喉も渇き、お腹も減って来た。
 何処かの部屋に食べ物でもないか?
 あの台所にあった鍋は遠慮したいが……。
 足もこのままだと傷口が化膿してしまうかも知れない……。
 薬も探さないと……。

 今度の部屋はドアを開けた瞬間、炎が勢いよく吹き出し全身を炎が襲う。

「ぎゃあああ!!」

 なんとか扉を閉め、転がり全身の火は消えたが全身火傷を負い、特に顔には直接炎に襲われたので皮膚が爛れてしまう。

「あ゛ー! ああ゛ー!」

 顔を押さえ這いずり通路を進む。 別の部屋に入るとそこで気を失ってしまった。
 しばらく気を失っていた時、急に体を揺さぶられると良く見えないがあの追いかけて来た者だろう。
 咄嗟に持っていた包丁で切りつけた。
 包丁は運良く太腿に刺さり、叫び声を上げて部屋から出て行った。
 ここにいては危ない。 またいつ戻ってくるかわからない。
 部屋を出て足を引きずり這って別の部屋まで辿り着く。

 良く見えないが、その部屋は綺麗な台所に見えた。
 前にあった台所とは違い綺麗な場所だ。
 水で火傷で爛れた顔、太腿の傷口を流し、戸棚を漁って食べ物を探していると、また誰かが部屋に入って来た。
 良く見えないが入って来たのは今までの者とは違い、身の丈2メートルはあるだろう高さがあり、フードをかぶって顔は見えない。 手には何か長い棒を持っているようだ。
 その者は手に持っている物を振り上げると、こちらに向かって振り下ろして来た……。

「……いい……いい臭いだ……、今回は当たりだな……少し固そうだから良く煮込まないとなあ……」
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