変身HERO異世界へ征く!

加賀林檎

文字の大きさ
34 / 111
暗雲たちこめる王国と公国

仕掛けて来るのか?

しおりを挟む
3日後、王都にたどり着いたシンは、一旦『対策室』へ戻り、副室長以下、現在城に居る役員を召集し、斥候の結果を報告。対策の打ち出しに急いだ。

敵の距離から、最早、目と鼻の先。

しかも動かず、何かを待っている様な素振りであった。

「……誘導か?乗るには危険すぎる。」

アンデッドの特徴を記載した本を調べながら、シンは呟いた。

「ん?コレか?……なるほど、確かに武器も使え、昼にも行動が可能。ライトゾンビか。ある程度の指示にも従うので軍勢として、亡国は利用した。と、で?レビウス狂犬病ゾンビ?こちらは、感染力の高いゾンビか。聖法で治すにしても、2時間以内に行わなければ、仲間入り……か。狂犬病がベースとなっている為、指示は入らない。非常に高い毒素を持つ。なるほど」

「シン?報告は終わったわよ。で、兄上は帝国に救援依頼をする事にしたわ。」

2人きりの時は、互いに名前で呼ぶようにシンとサラは、決めていた。

「……で、サラ。これから、サイに個人的に会いに行こうと思うんだが、サイの都合は大丈夫だろうか?」

「会議が、後1時間位で終わると思うわ。」

「そうか。ならば、一回お茶にしようか。」

すると、サラが紅茶の準備をしようと、席を立つが、シンは制止し「たまには、俺が淹れるよ」と言って、サラを休ませようとした。

お茶の準備をしてる間、サラは書類を再度チェックを入れ、綺麗に纏めていった。
シンは休む様に、声かけして促すも、サラは休むより、仕事をしてた方が、落ち着くと返した。


1時間が経とうとしたので、シンはサイの書斎へと、足を運んだ。



「久し振りだな、シン」

少し疲れた様ではあるが、笑顔で迎えるサイ。

「空元気も、ほどほどに。俺なりに調べたが、公国軍勢は、ライトゾンビによるものが大半だろうな。怯まない、疲れない。そんな兵士の大軍が、何故あの場から離れずに駐留してるのか。………おかしくないか?」

「確かに。と、するならば、こちらの眼を釘付けにするのが狙いか?」

「おそらく。サイに仕掛ける日が近いだろうな。今日から、申し訳ないが、寝室だろうが何だろうが、俺が護衛に就く。………寝室には、ソファーで休ませて貰えれば結構だ。」

「判った判った。余の護衛を頼むぞ。」

「……では、今夜に。」

そう言ってシンは、対策室へ戻った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

処理中です...