変身HERO異世界へ征く！

大乱と統一

決起軍出陣す

更に2日が過ぎ、バルナバスの苛立ちはピークを迎えようとしていた。

「えぇい！いつまで時間を掛けておるのだっ！開門出来ぬなら、いっそ打壊して、全てを手に入れてやろうか！」

そんな中、フリッツがテントに入って来た。

「……失礼します。公爵、ひとまず攻撃してはなりませぬ。人心が離れては、後々の禍根に繋がりますれば……」

すると、金属のカップが飛んで来て、フリッツの前頭に激しく当たる。

「黙れっ！最早、猶予はならぬっ！エルネスティーネ以外は、抹殺か奴隷にしてやれい！」

「…………御意。」

フリッツを始めとする、諸侯は一礼するとテントより出て行った。



フリッツが、軍馬を走らせ
自軍の陣営に戻ると、リック達が武具を身に纏まとい、待機をしていた。

そう、この民間人に扮したフォルクハルトの兵士達であった。

「さて諸君。公爵が仕掛け始めるみたいだ。フォルクハルト様の兵士達には申し訳ない無いが、このフリッツの軍に扮し、公爵の陣営に近付き、これを討ち取る。で、リック殿、シン対策室長から何か？」

リックはコホンと一つ咳払いをし、手紙を広げ、追加の作戦内容を通達する。

「では、説明をする。公爵を始めとする貴族は、苛立ちがピークとなり、判断力も低下しつつある様だ。よって、城門の破壊が直ぐ様に行われる。首都には罠が設置されている為、罠による轟音が鳴れば、速やかに全軍は公爵元へ攻め込む。無論、我々だけでは多勢に無勢。直ぐに包囲されるだろう。」

そこまで言うと、リックは一瞬だが、不安な顔になった兵士達を１人１人をしっかり見渡す。

「……だが、臆する事は無い。既に手は打っている。この国の行く末は、諸君らの双肩に掛かっている。一層の奮戦を期待する。グラード王国対策室長シン・フジクラ。……以上であります。」

「よぅし！これからが、某達の腕の見せ所だ。その先の未来には、より良い国になる未来がある！某達はその魁さきがけとなるのだ！よいなっ！」

フリッツの号令で、軍団は

「おぉっ！」

と鬨ときの声を挙げた。

すると、外から

ドーーン！

ドドーーン！

と地響きと共に爆発音が鳴る。
ついに始まったのだ。

「全軍出陣！向かうは、バルバナス公爵の陣営！」