変身HERO異世界へ征く!

加賀林檎

文字の大きさ
98 / 111
神話の時代の話

敗北の報告と古文書。

しおりを挟む
シンが敗けた事は、アーシュリーを通して、クォーロストにより、サイに伝えられた。
そして、ヤーシュレイの事も。
シンは回復し任務に支障が無いので、続行するとの旨も追加として伝令を与えた。

クォーロストは、シンの安否を確認をじかに行うと、皇都へ向かう為に消えた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ジーペン皇国皇都ヴェーテル。

シンが初めて来訪した時より、三倍の人口と街並みに成長し、賑わいを見せていた。

その皇都中央に位置する城。
ヴェーラング城。

サイこと、親王しんのうサイクォーダーは政務に励んでいた。

そこにクォーロストが伝令に現れた。
報告を聴いたサイは、ヤーシュレイの事を家系図や伝承の類いの書物をリーチェ等にも手伝いをして貰い、情報収集を急いだ。

アーシュリーが真祖と伝えられてはいたし、本人も祖先だとも言っていた。

しかしここに至り、ヤーシュレイなる者が真祖だと言う事を語った。

サイは、ヤーシュレイとは一体如何なる人物だったのかを知り、対策を練る必要があった。

シンをこれ以上に敗北させない為には、敵は何者かを知らなければならない。

幾つかの資料を手分けして、探してはみたが一向に文献は見当たらない。

「……くっ。これだけ探しても見つからないとは……」

サイが諦めかけた時、

「………………っ!!、見つかったッス!」

リーチェが最後の一冊に、それを見つける事が出来た。

「どれ?……ふむ、かなり古い書だな。……なになに?」

サイが眼を通し始める。
そこには、最早神話らしい時代の事柄が記載されていた。

死皇帝なる魔神の成り立ちは、長く続いた古代帝国が、一族の内乱により分裂抗争が始まり、時の帝は信頼していた家臣にしいされ、女性は輪わされた挙げ句に臣民の前にて、首を斬られると言う公開処刑をされた。
内乱により重傷を負い、処刑の順番を最後にされた、時の皇太子は牢獄のベッドに横たわりながらも、天を憎み、地を呪い、人々に強い殺意の呪詛を呟き続けた。

やがて処刑される日になり、身動きが取れない皇太子は土壇場まで担架で運ばれた。

空は青く澄み渡り、暑くなりそうな日であった。

処刑は、地面に太く頑丈な杭が5つ、五芒星の様に刺さっており、その中央に大の字に仰向けに寝かされた。手首・足首・首にと、動物のはらわたで出来た湿ったロープで縛られる。

日光によりジワリジワリと、腸は乾燥し縮んでいき、皇太子の身体を引き千切ろうと締め上げる。

皇太子は心の中で、怨み呪い、世界の破壊を祈り続けた。

愛しい家族を奪われ、殺され、信頼する家臣や、この国に住む臣民を死んでも赦さないと。

やがて、皇太子の身体は無惨にも裂け絶命した。

臣民達は皇室が、この世から消えた、この瞬間に歓声を上げた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...