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29.困惑する猫
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「久しぶり、和実」
内藤先生を今日もしっかり堪能して帰ってきた俺に、聞いたことある声が呼びかけてきた。
「……何の用だ」
俺は振り返りもせず言い放った。手は玄関のノブに伸ばしたままだ。
「何だよ冷たいね? 一度は愛を交わした仲じゃない」
「変な言い方するな、元貴。気持ち悪い」
俺はようやく相手を見る。というよりジロリと睨んだ。だが相手はニッコリして言ってくる。
「やっぱ冷たいな、このドS」
俺はため息ついた。堂崎 元貴(どうざき もとき)は昔付き合っていた男だ。一応円満に別れている。
内藤先生は特別だが、俺は基本的に気の強い相手やSっ気ある相手を色んな意味で泣かせるほうが好きだ。その点元貴はとても楽しめる相手だった。とはいえ、そういった相手とはどうしても長続きしない。Sっ気のある相手をへし折るのはとても楽しいが、折ってしまうとどうしても楽しみが半減してしまうからだ。
別に元貴が弱くなった訳ではない。明らかに今もどうしようもなさそうな性格してそうだしな。ただ、例えば少しでも俺の方に気持ちが傾いてしまうと、どうしたってその分そこには甘味が出てしまう。
内藤先生はSっ気どころかいつもびくびくとした気弱な人だが、どこか俺の心をくすぐってくる。あの人に飽きるということはなさそうだ。
「ちょっと。俺を前にして今別の相手考えてただろ」
「……お前を前にしようが後ろにしようが関係ないだろ。あと何考えようが俺の自由だ」
「エロいこと考えてたよね絶対。何か笑みがやらしかった」
「……帰れ」
俺はそうとだけ言うと手にかけていたドアノブを引いた。
「あん。ちょ、待てよ。別により戻そうとか言いに来たんじゃないしさ。ただあれだ」
「何だ」
「泊めろ」
「嫌だね」
「この一晩俺を好きにしていいからさ」
「したくない」
「あんなこともこんなこともしてやるよ? この俺が」
「興味ない。あと何て話を廊下でしやがる。ったく。これだから付き合ってようが一度でも家に入れるどころか知られるのは嫌なんだ。今すぐお前の脳から俺と俺の居住地の記憶消せよ」
俺は心底呆れたように言う。このまま無視して家へ入ってもいいが、玄関先であることないこと万が一叫ばれても鬱陶しいし近所迷惑になる。頭の悪いヤツではないのでそういった事はしないだろうとは思うが。
「めちゃくちゃ言ってくんね。ていうかどしたの、和実ともあろう人が。いつものあんたなら、例え別れてようが据え膳くらい喰いそうじゃない」
「趣旨変えだ。いいから帰れ。じゃあな」
いい加減付き合ってられん。
俺は言い切った後、玄関に入りドアを閉めようとした。すると元貴がニッコリしながら足をドアの間に挟んでくる。
「鬱陶しいやつだな」
「まあそう言わず。ほんと泊めてよ。ちょっとキモイやつに付きまとわれて困ってんだよね」
元貴は相変わらずニッコリしながら言う。だが言ってきた時一瞬本気で表情が引きつったのがわかった。
「……全く。お前も俺とタメだろうが。いい歳して相変わらず何やってんだ」
俺はため息つきながらドアを開け直した。その瞬間、元貴がホッとしたのがわかった。
「悪いねー」
「そう思ってんなら来るな。全く」
そう言いながら俺は元貴に構わず奥へ進んで行く。元貴はその後をついてきた。
「ついてくるな。その辺で適当に寝ろ。寝室は貸さんからな」
「えー。別に体の関係もあったんだし、別にいいじゃん、ってわかったわかった! そんな風に睨むなよ。何か知らないけどしばらく会わない内にえらくお固くなったな、ドSのくせに」
「大人になったと言え。タオルやらは勝手に使っていい」
「どこ行くのさ」
「シャワー」
「俺も」
「……」
「あーわかったわかった。ちぇ。泊めてもらう身だからな、身の程はわきまえておいてやるよ」
元貴はニッコリ笑いながらリビングへ向かった。また俺はため息ついてから、簡単にシャワーを浴びる。
内藤先生のアパートで入ってきたしな。
それにしても、と俺はバスルームを出てから再度ため息つく。
あいつほんといい歳して相変わらず何やってんだなどと思いながらキッチンへ向かう。そしてソファーを勝手に心地よく眠れる仕様にしている元貴を尻目に、冷蔵庫を開けてビールを出した。
「あ、いいな。俺にもくれよ」
俺に気づいた元貴がニッコリしながら近づいてきた。俺は黙って缶を手渡す。
「ねえ、もう飯食ったの?」
「まだ」
「じゃあお礼に俺が後で作ってやるよ、何か。さっき冷蔵庫覗いたんだ。珍しいね、冷蔵庫に何かちょこちょこ入ってるの」
内藤先生がいつ来ても作れるよう、ある程度買い置きしてあった。
「恩着せがましいな。ていうかお前料理できるのか? 俺と付き合ってる頃作ってるとこ見たことなかったが」
「その前にほぼこの家に入れてくれなかったくせにな。上手くはないけど人並み程度にはね。和実よりは、マシ。あれだ、数日泊めてよ、その代わりあんたはご飯の心配しなくてよくなるよ?」
「……全く。調子乗るな」
何となく向かい合うような感じで座って飲み出すと、元貴が口を開いてきた。
「付き合ってるヤツが頼りなくてさ。そんで憂さ晴らし的な感じでちょっとバーで声かけられたヤツ相手したら、そいつがキモイんだよね。付きまとってきて」
「じゃあ俺のとこじゃなく付き合ってる相手のとこ行けよ」
ほんと何やってんだこいつは。
「……言ったろ。頼りないヤツなんだよ。いつも俺に泣かされてるしね。そんなヤツのとこ転がり込んでもしそのキモいヤツがそいつに何かしたら、さ」
元貴はどうでもよさそうに言う。それを聞いて俺は静かに笑った。
「何」
「いや?」
「……。……そう言えば和実どこ行ってたんだよ」
「お前に関係ないだろ」
「いいじゃない、教えなよ」
「うるさい」
「……へぇ? 教えてくれないなら、あんたが寝てる間に襲うからね。いくらあんたでも眠ってる間に俺の上と下の口に咥えられてみなよ。絶対抵抗できない保証、してあげるよ」
一瞬しおらしいところを見せてきたと思ったらこれだ。本当に相変わらずだな、こいつ。俺は適当にあしらいつつ、面倒くさげに元貴を睨んだ。
内藤先生を今日もしっかり堪能して帰ってきた俺に、聞いたことある声が呼びかけてきた。
「……何の用だ」
俺は振り返りもせず言い放った。手は玄関のノブに伸ばしたままだ。
「何だよ冷たいね? 一度は愛を交わした仲じゃない」
「変な言い方するな、元貴。気持ち悪い」
俺はようやく相手を見る。というよりジロリと睨んだ。だが相手はニッコリして言ってくる。
「やっぱ冷たいな、このドS」
俺はため息ついた。堂崎 元貴(どうざき もとき)は昔付き合っていた男だ。一応円満に別れている。
内藤先生は特別だが、俺は基本的に気の強い相手やSっ気ある相手を色んな意味で泣かせるほうが好きだ。その点元貴はとても楽しめる相手だった。とはいえ、そういった相手とはどうしても長続きしない。Sっ気のある相手をへし折るのはとても楽しいが、折ってしまうとどうしても楽しみが半減してしまうからだ。
別に元貴が弱くなった訳ではない。明らかに今もどうしようもなさそうな性格してそうだしな。ただ、例えば少しでも俺の方に気持ちが傾いてしまうと、どうしたってその分そこには甘味が出てしまう。
内藤先生はSっ気どころかいつもびくびくとした気弱な人だが、どこか俺の心をくすぐってくる。あの人に飽きるということはなさそうだ。
「ちょっと。俺を前にして今別の相手考えてただろ」
「……お前を前にしようが後ろにしようが関係ないだろ。あと何考えようが俺の自由だ」
「エロいこと考えてたよね絶対。何か笑みがやらしかった」
「……帰れ」
俺はそうとだけ言うと手にかけていたドアノブを引いた。
「あん。ちょ、待てよ。別により戻そうとか言いに来たんじゃないしさ。ただあれだ」
「何だ」
「泊めろ」
「嫌だね」
「この一晩俺を好きにしていいからさ」
「したくない」
「あんなこともこんなこともしてやるよ? この俺が」
「興味ない。あと何て話を廊下でしやがる。ったく。これだから付き合ってようが一度でも家に入れるどころか知られるのは嫌なんだ。今すぐお前の脳から俺と俺の居住地の記憶消せよ」
俺は心底呆れたように言う。このまま無視して家へ入ってもいいが、玄関先であることないこと万が一叫ばれても鬱陶しいし近所迷惑になる。頭の悪いヤツではないのでそういった事はしないだろうとは思うが。
「めちゃくちゃ言ってくんね。ていうかどしたの、和実ともあろう人が。いつものあんたなら、例え別れてようが据え膳くらい喰いそうじゃない」
「趣旨変えだ。いいから帰れ。じゃあな」
いい加減付き合ってられん。
俺は言い切った後、玄関に入りドアを閉めようとした。すると元貴がニッコリしながら足をドアの間に挟んでくる。
「鬱陶しいやつだな」
「まあそう言わず。ほんと泊めてよ。ちょっとキモイやつに付きまとわれて困ってんだよね」
元貴は相変わらずニッコリしながら言う。だが言ってきた時一瞬本気で表情が引きつったのがわかった。
「……全く。お前も俺とタメだろうが。いい歳して相変わらず何やってんだ」
俺はため息つきながらドアを開け直した。その瞬間、元貴がホッとしたのがわかった。
「悪いねー」
「そう思ってんなら来るな。全く」
そう言いながら俺は元貴に構わず奥へ進んで行く。元貴はその後をついてきた。
「ついてくるな。その辺で適当に寝ろ。寝室は貸さんからな」
「えー。別に体の関係もあったんだし、別にいいじゃん、ってわかったわかった! そんな風に睨むなよ。何か知らないけどしばらく会わない内にえらくお固くなったな、ドSのくせに」
「大人になったと言え。タオルやらは勝手に使っていい」
「どこ行くのさ」
「シャワー」
「俺も」
「……」
「あーわかったわかった。ちぇ。泊めてもらう身だからな、身の程はわきまえておいてやるよ」
元貴はニッコリ笑いながらリビングへ向かった。また俺はため息ついてから、簡単にシャワーを浴びる。
内藤先生のアパートで入ってきたしな。
それにしても、と俺はバスルームを出てから再度ため息つく。
あいつほんといい歳して相変わらず何やってんだなどと思いながらキッチンへ向かう。そしてソファーを勝手に心地よく眠れる仕様にしている元貴を尻目に、冷蔵庫を開けてビールを出した。
「あ、いいな。俺にもくれよ」
俺に気づいた元貴がニッコリしながら近づいてきた。俺は黙って缶を手渡す。
「ねえ、もう飯食ったの?」
「まだ」
「じゃあお礼に俺が後で作ってやるよ、何か。さっき冷蔵庫覗いたんだ。珍しいね、冷蔵庫に何かちょこちょこ入ってるの」
内藤先生がいつ来ても作れるよう、ある程度買い置きしてあった。
「恩着せがましいな。ていうかお前料理できるのか? 俺と付き合ってる頃作ってるとこ見たことなかったが」
「その前にほぼこの家に入れてくれなかったくせにな。上手くはないけど人並み程度にはね。和実よりは、マシ。あれだ、数日泊めてよ、その代わりあんたはご飯の心配しなくてよくなるよ?」
「……全く。調子乗るな」
何となく向かい合うような感じで座って飲み出すと、元貴が口を開いてきた。
「付き合ってるヤツが頼りなくてさ。そんで憂さ晴らし的な感じでちょっとバーで声かけられたヤツ相手したら、そいつがキモイんだよね。付きまとってきて」
「じゃあ俺のとこじゃなく付き合ってる相手のとこ行けよ」
ほんと何やってんだこいつは。
「……言ったろ。頼りないヤツなんだよ。いつも俺に泣かされてるしね。そんなヤツのとこ転がり込んでもしそのキモいヤツがそいつに何かしたら、さ」
元貴はどうでもよさそうに言う。それを聞いて俺は静かに笑った。
「何」
「いや?」
「……。……そう言えば和実どこ行ってたんだよ」
「お前に関係ないだろ」
「いいじゃない、教えなよ」
「うるさい」
「……へぇ? 教えてくれないなら、あんたが寝てる間に襲うからね。いくらあんたでも眠ってる間に俺の上と下の口に咥えられてみなよ。絶対抵抗できない保証、してあげるよ」
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