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2話
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起きた途端デコピンを食らい、何事かとぼんやり見れば新二が携帯電話の画面を無言で差し出してくる。そこには顕太の膝枕で幸せそうに眠っている新二が写っている。
「あー」
なるほどねと思っての「あー」だったが「呑気な声出してんじゃねえんだよ」とさらにもう一発食らった。
「待て、そんなにぴこぴこ打ってきたら俺の頭弱くなっちゃうよ? 将来の旦那様が馬鹿になったらほら、出世とか」
「安心しろよ、もう弱いし男同士に旦那も嫁もない」
「酷いなあ」
顕太がへらへらとしているともう一度画面を差し出された。構わず顕太は笑いかける。
「上手く撮れてるだろ?」
「やっぱり頭弱いだろ。俺、何度こういうことすんなって言った?」
「でも周りにはもうバレてんだし、よくない?」
「そもそもお前がこんなことするせいでバレたんだけどな……っ? あとプライバシーの侵害だからな。お前だって知らないうちに俺が勝手に画像どこかに載せたと知ってみろ、そ……」
「え、ありあり! むしろお前もやれよー」
満面の笑みで言えばまたデコピンを食らった。そろそろ新二のデコピンで額に穴が空くかもしれない。
画像をSNSに載せる度に新二が怒るのは分かっているのだが止められない。可愛い新二を大いに自慢したくて堪らないのと、いちいち怒ってくる新二がまた可愛いのもある。
元々新二はあまり怒らないというか、気分屋ではあるが大抵受け流してくる方だ。なので最初につい載せたくなってやらかした時には顕太も密かに驚いていた。こんなに怒るなんてとむしろワクワクした。とはいえ別にマゾという訳ではない。普段見られない新二が見られたのが嬉しかったのだ。
普段は笑ったりぼんやりしたり恥ずかしがったり面倒くさがったりすることはあっても、あまり怒らない。よほど嫌なのだろうなと分かるし、好きな相手が嫌がることは通常したくない筈の顕太だが、こればかりはつい繰り返してしまう。
嫌がるといえばそういえば画像を載せること以外にもあったわとだが思い出した。
顕太は新二が大好きだからこそ、隙あらばセックスもしたいと思っている。せっかく一緒に住んでいるのだ、当然したいに決まっている。重要なのはただセックスをしたいということではなく、大好きだからしたい、ということだ。
だが新二はあまりするのを嫌がる。さすがにこれに関して怒りはしないが、くっついて眠ったりぼんやりするだけでも十分じゃないかと言う。
冗談じゃない。
それこそ子どもや女じゃないし「好き」にはかなりの性欲が伴うというのに無理がある。それでなくとも大学生になるまで顕太は我慢してきたのだ。
これに関しては新二が嫌がったというより、とても青い春を謳歌していた顕太がヘタレていたからだ。
手を、出すのが怖かった。
嫌われてしまうのではないかと、怖かった。
今ではバンバン画像を投稿すらして怒らせる域に入っているが。
新二に関しては、ただ恥ずかしいからというよりは、多分面倒くさいのと後はまだ行為に慣れてないからだろうなと顕太は思っている。慣れていないことに関しては顕太も情けないながら申し訳なく思ってはいる。性行為の経験がなかった訳ではないが、当然新二一筋だったのだ。付き合う前までに何度か他の女と付き合ってはいるが、手慣れた大人じゃあるまいし回数などこなしていない。おまけに男とはもちろん初めてなので余計慣れていない。
同棲してからも最後までさせてもらうのに結構時間がかかった。抜き合うことはしていても、最後までするのは中々許してもらえなかった。
どうやら新二の中で、する方とされる方のどちらがいいのかという葛藤があったらしい。こちとら新二に対して邪な気持ちを抱いた時からずっと妄想で突っ込ませて頂いていたので、まさか逆もありえるのだと新二が思っていることに思いもよらなかった。
「当然俺が突っ込む方だと思ってたんだけど」
「当然? なんで」
「な、なんでと言われると言葉にしにくいけど……新二可愛いし」
「眼科行けよ……」
「俺のが背、高いし」
「俺だってある方なんだからな。あとすんのに身長関係あんの?」
「うーん、あるっつーか、ないっつーか……」
「なんだよそれ。まあする方のが面倒そうだからいいよ」
そう言ってくれ、ありがたく頂戴したら予想以上に苦痛だったらしく、しばらくは本気でさせてもらえなかった。
今は多少慣れてはいるもののまだ余裕という訳でもないようで、せっかく二人暮らしだというのにいつでもどこでもは難しい。
……まぁ、それはそれで毎回攻略する感じ楽しめるけどさ。
昨日も上手くことが運んで、大いに絡み合った。新二も気持ちがいいことは嫌ではないようで、それなりに楽しんではくれているとは思う。ただ、後ろでするのが未だに少し苦手そうで、そこは申し訳ないながらもまだまだ青くピンクな春真っ盛りの顕太としてはがっついてしまう。
実は行為の後に意識を失う勢いで眠ってしまうことが度々ある新二をも、顕太はスマホで撮っている。そのデータは即パソコンへ移動後、携帯電話側は消しているので今のところ気づかれてはいない。
幸い新二はある意味今時というのか、携帯は弄るがパソコンは全然使わない。大学のレポートも新二が受けているところではむしろコピーペースト防止のためか手書き推進のところが多いらしい。たまにパソコンを使う課題がある時も渋々タブレット型端末を使ってなんとかやっている様子だ。そんなであるので、幸い顕太のパソコンにも寄り付かない。
さすがにこのお宝画像を公開しようと思ったことはない。これは自分だけが見られるプレミアムだ。
だが普段顕太といる時のふとした様子や寝顔などは自慢しまくりたいし、むしろ見て欲しい。そしてウキウキと載せた後にはバレてデコピンが待っているという流れを繰り返していた。
「愛の記録だろ」
「いやほんとウザいし気持ち悪いしドン引きだから」
「ほんと酷いよな」
「俺からしたら、俺の許可なく載せるお前のが酷いし、訴えられたらお前負けるからな?」
「訴えんの?」
「……いや……さすがにそれはしねーけど……」
実際はそこまでしても間違ってはいないだろう。いくら付き合っているとはいえ、こういったことに恋人も家族もない。
なのになんだかんだで情にほだされて許してくれている新二がまた可愛くて、そしてやりたくなる。エンドレスだと顕太はニコニコ思った。
「あー」
なるほどねと思っての「あー」だったが「呑気な声出してんじゃねえんだよ」とさらにもう一発食らった。
「待て、そんなにぴこぴこ打ってきたら俺の頭弱くなっちゃうよ? 将来の旦那様が馬鹿になったらほら、出世とか」
「安心しろよ、もう弱いし男同士に旦那も嫁もない」
「酷いなあ」
顕太がへらへらとしているともう一度画面を差し出された。構わず顕太は笑いかける。
「上手く撮れてるだろ?」
「やっぱり頭弱いだろ。俺、何度こういうことすんなって言った?」
「でも周りにはもうバレてんだし、よくない?」
「そもそもお前がこんなことするせいでバレたんだけどな……っ? あとプライバシーの侵害だからな。お前だって知らないうちに俺が勝手に画像どこかに載せたと知ってみろ、そ……」
「え、ありあり! むしろお前もやれよー」
満面の笑みで言えばまたデコピンを食らった。そろそろ新二のデコピンで額に穴が空くかもしれない。
画像をSNSに載せる度に新二が怒るのは分かっているのだが止められない。可愛い新二を大いに自慢したくて堪らないのと、いちいち怒ってくる新二がまた可愛いのもある。
元々新二はあまり怒らないというか、気分屋ではあるが大抵受け流してくる方だ。なので最初につい載せたくなってやらかした時には顕太も密かに驚いていた。こんなに怒るなんてとむしろワクワクした。とはいえ別にマゾという訳ではない。普段見られない新二が見られたのが嬉しかったのだ。
普段は笑ったりぼんやりしたり恥ずかしがったり面倒くさがったりすることはあっても、あまり怒らない。よほど嫌なのだろうなと分かるし、好きな相手が嫌がることは通常したくない筈の顕太だが、こればかりはつい繰り返してしまう。
嫌がるといえばそういえば画像を載せること以外にもあったわとだが思い出した。
顕太は新二が大好きだからこそ、隙あらばセックスもしたいと思っている。せっかく一緒に住んでいるのだ、当然したいに決まっている。重要なのはただセックスをしたいということではなく、大好きだからしたい、ということだ。
だが新二はあまりするのを嫌がる。さすがにこれに関して怒りはしないが、くっついて眠ったりぼんやりするだけでも十分じゃないかと言う。
冗談じゃない。
それこそ子どもや女じゃないし「好き」にはかなりの性欲が伴うというのに無理がある。それでなくとも大学生になるまで顕太は我慢してきたのだ。
これに関しては新二が嫌がったというより、とても青い春を謳歌していた顕太がヘタレていたからだ。
手を、出すのが怖かった。
嫌われてしまうのではないかと、怖かった。
今ではバンバン画像を投稿すらして怒らせる域に入っているが。
新二に関しては、ただ恥ずかしいからというよりは、多分面倒くさいのと後はまだ行為に慣れてないからだろうなと顕太は思っている。慣れていないことに関しては顕太も情けないながら申し訳なく思ってはいる。性行為の経験がなかった訳ではないが、当然新二一筋だったのだ。付き合う前までに何度か他の女と付き合ってはいるが、手慣れた大人じゃあるまいし回数などこなしていない。おまけに男とはもちろん初めてなので余計慣れていない。
同棲してからも最後までさせてもらうのに結構時間がかかった。抜き合うことはしていても、最後までするのは中々許してもらえなかった。
どうやら新二の中で、する方とされる方のどちらがいいのかという葛藤があったらしい。こちとら新二に対して邪な気持ちを抱いた時からずっと妄想で突っ込ませて頂いていたので、まさか逆もありえるのだと新二が思っていることに思いもよらなかった。
「当然俺が突っ込む方だと思ってたんだけど」
「当然? なんで」
「な、なんでと言われると言葉にしにくいけど……新二可愛いし」
「眼科行けよ……」
「俺のが背、高いし」
「俺だってある方なんだからな。あとすんのに身長関係あんの?」
「うーん、あるっつーか、ないっつーか……」
「なんだよそれ。まあする方のが面倒そうだからいいよ」
そう言ってくれ、ありがたく頂戴したら予想以上に苦痛だったらしく、しばらくは本気でさせてもらえなかった。
今は多少慣れてはいるもののまだ余裕という訳でもないようで、せっかく二人暮らしだというのにいつでもどこでもは難しい。
……まぁ、それはそれで毎回攻略する感じ楽しめるけどさ。
昨日も上手くことが運んで、大いに絡み合った。新二も気持ちがいいことは嫌ではないようで、それなりに楽しんではくれているとは思う。ただ、後ろでするのが未だに少し苦手そうで、そこは申し訳ないながらもまだまだ青くピンクな春真っ盛りの顕太としてはがっついてしまう。
実は行為の後に意識を失う勢いで眠ってしまうことが度々ある新二をも、顕太はスマホで撮っている。そのデータは即パソコンへ移動後、携帯電話側は消しているので今のところ気づかれてはいない。
幸い新二はある意味今時というのか、携帯は弄るがパソコンは全然使わない。大学のレポートも新二が受けているところではむしろコピーペースト防止のためか手書き推進のところが多いらしい。たまにパソコンを使う課題がある時も渋々タブレット型端末を使ってなんとかやっている様子だ。そんなであるので、幸い顕太のパソコンにも寄り付かない。
さすがにこのお宝画像を公開しようと思ったことはない。これは自分だけが見られるプレミアムだ。
だが普段顕太といる時のふとした様子や寝顔などは自慢しまくりたいし、むしろ見て欲しい。そしてウキウキと載せた後にはバレてデコピンが待っているという流れを繰り返していた。
「愛の記録だろ」
「いやほんとウザいし気持ち悪いしドン引きだから」
「ほんと酷いよな」
「俺からしたら、俺の許可なく載せるお前のが酷いし、訴えられたらお前負けるからな?」
「訴えんの?」
「……いや……さすがにそれはしねーけど……」
実際はそこまでしても間違ってはいないだろう。いくら付き合っているとはいえ、こういったことに恋人も家族もない。
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