子猫のような君が愛しくて……

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2話 ※

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 洗濯機を回しつつ、実央は着替えを済ませた。だらだらとしているのはマンションから大学が近いからだ。貴はとっくに家を出ている。
 朝わりと早い貴を見送るため、実央は毎日本当はもっとゆっくり寝ていられるのだがちゃんと起きている。そして玄関でキスをして見送っていた。ちなみに貴が住んでいるマンションは玄関の部分と廊下がフラットなため、いつもしがみつくような形になる。たまに実家のやたら高低差のある玄関だったらなと思うことはある。それなら身長差も多少は縮まるだろうに。
 大学は楽しい。勉強は別に楽しいわけではないが、高校までと違ってがんじがらめといった雰囲気がないからと、私服なのがいい。皆同じ制服だと自分の背の低さが目立つ。腹立たしいことに高校二年くらいから周りは急に皆でかくなったというのに、実央はほぼ変わっていなかった。だがそれも私服なら多少でも高く見える着こなしができる。それにカフェやショップも沢山周りにある。思っていた以上に大学生活を満喫していると思う。
 もちろん貴と一緒に暮らしていることが何よりも楽しい。ずっと大好きだった人と両思いになれただけでも幸せ過ぎるが、今まで遠距離だっただけに、おはようからおやすみまで近くにいられることが奇跡だ。最高に幸せだし楽しいと思う。
 だが、それと同時に願ってきたことは未だに微妙に叶えられていない。
 手を出して欲しいということだけで言うなら、三分の二くらいは叶っているとは言えるのだろうか。キスだって今では沢山しているし、ずっとそばにいられるので家にいるときはいつだって抱きしめられたり抱きついたりできる。エッチなことも、まあ、そこそこは、できている。
 そこそこは。
 実央は微妙な顔を今度は少し赤らめながら、洗濯機が止まるまで手持ち無沙汰なのもあってフローリングモップをかけた。
 昨夜も、もちろん最高に貴は恰好よかったし最高に好きだと思ったし最高にエッチだったと思う。
 二人とも風呂も終え、実央の後ろにくっつくようにして貴が座って一緒にテレビを見ていた。貴は実央よりかなり背がある分、後ろから抱えられるように座ると包み込まれてるみたいで落ち着く反面、ドキドキして落ち着かない。ローテーブルに置いている飲み物を取るために実央をぎゅっと片手で抱きしめるようにして片方の手を伸ばし、貴が飲み物を手にするだけでもう堪らないほど好きだと思った。
 実央は上手く自分の感情を出せないことも多々あるが、大人で優しい貴はゆっくり聞いてくれるし、出せなくてもわかろうとしてくれる。母親が言うように甘えたなつもりは皆目ないが、そういった貴に甘えている節はあるだろうなとは思っている。たくさん大好きなのに上手く出せない実央を、貴はそれでもいつも優しくかわいがってくれる。
 テレビを見終え、その後眠りに陥るまで実央は貴と絡み合った。これでもかというくらいたくさんキスをして、お互いの体に触れ合った。
 貴は筋トレも欠かさないのもあって顔や身長だけでなく体つきも最高に恰好がいい。つき過ぎではない綺麗な筋肉を見たり触れたりするだけで達してしまいそうだと実央はいつも思う。実央の体はハッキリ言って絶対に微妙だと自分で思う。筋肉がかなりついているせいで小柄だという人もたくさんいるが、実央の場合は昔から空手をやっていたにも関わらず筋肉もいまいちだ。小さいのに細いとはいえ、女ではないので筋張っていて柔らかさもない。だがそんな体でも貴は「かわいいかわいい」とたくさん愛でてくれる。

「俺、かわいくないのに変」
「何言ってるの? こんなかわいい子、俺知らない。みぃの中身も顔も体もかわいくないとこ見つけるほうが俺には無理だよ」

 体にも何度も何度もキスされ、そして興奮して大きくなった実央のものにも手や口でたくさんかわいがってくれた。大好きな貴に触れられるのは自分でするより百倍以上、気持ちがいい。だから実央もがんばって手や口で同じようにするが、全然上手くできない。おまけにその大きさに顎がおかしくなりそうで、大抵それでは達せない貴によって一緒に持たれ、貴が達するのと一緒にまた射精することになる。もしくは実央の股を使ってもらうのだが、結局自分の分も擦れるので気持ちがよくて射精することになる。それにそういった行為をしている時に垣間見する貴があまりに恰好よくて扇情的で、多分やはり見ているだけでもいけてしまうかもしれない。
 こんなに幸せで気持ちがいいならエッチなことがそこそこ、なんて言うのは間違っているかもしれない。同棲した当初もまだ抵抗されてというか「せめて入学式が終わるまで」なんて言われてこんな行為すら中々してもらえなかったのだ。それを思えば最高に幸せで最高にエッチなことができていると言える。

 でも、ここまでだもんな……。

 洗濯が終わったという音が洗濯機から聞こえてきた。カゴを手にそちらへ向かい、洗濯物を入れて今度はベランダへ向かう。乾燥機を使えばいいんだよと貴に言われているが、実央はついベランダに干してしまう。晴れた休日の朝、一緒にやり方を教えてもらった時が幸せ過ぎたせいかもしれない。
 洗濯物を干しながら、実央はまた微妙な顔になった。

 一緒にエッチなことはしてる。それすら夢みたいだけど、でも俺ら、同棲してからもう一年経つのに、まだ最後までできていない。

 エッチなことは嬉しいし気持ちいいし楽しい。自分からだって今では行ける。心の準備をしていない時に来られるとドキドキがあまりにひどくてつい反発してしまいがちだが、本当はいつだってしたいくらいだ。だが、まだ未だに本当の意味で繋がれていない。

 クソ、最後までめちゃくちゃしたいのに……!

 洗濯物を干し終え、大学へ向かう準備をしながら実央は眉を潜ませた。
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