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16話
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実央が隠すことなくさらけ出してくれることが本当にありがたいと貴は思う。普通なら疚しくなくても音路からのメッセージをわざわざ教えてなど、くれないのではないだろうか。
あと音路は実央にちょっかいを出してくる嫌なやつだと思い込んでいたが、単に楽しいことが好きな軽いゲイ寄りのバイだと最近は貴も思うようになった。
何度か実央に連絡を寄越してくるので「ブロックすればいいよ」と貴は実央に提案していた。それを強要するつもりはなかったが、実央が素直に速攻でブロックしてくれたことは正直嬉しいなと思った。だがその後、どうやら恵吾に聞いたらしい音路は次に貴の携帯のメールに連絡してくるようになった。もちろん恵吾に対しては大いに遺憾の意を示したが、恵吾いわく「あいついいやつだって。友だちになりたいって言われたのに俺も無視できないし」らしい。
「なら先に俺に教えていいかと伺いを立てるべきだろ」
「何でお前、自分に対してそんな言い方してんの? お前が目上なの? 歳、一緒だろ」
「煩い」
「えー。まあ、ほら、あれだよ」
「どれだよ」
「だって先にお前に聞いたら『教えるな』って言うに決まってるし」
「わかってるのに教えたってことか」
「やぁねぇ、目くじら立てないで」
「何でおねえ口調なんだよ……!」
最初はずっと無視していたが、構わず送られてくるのが鬱陶しくて「もう送ってこないでください」と返したが相変わらずだった。とはいえ内容を見ているとだんだんそんな悪いやつに思えなくなってくる。貴も実央に倣ってメールを実央に見せていたが「ネロくん、そんな悪い人じゃないかも」と実央も言っていた。
「俺のに無理やり登録してきたSNSと違ってメールはブロックできないんだな」
「いや……受信拒否とかできるね。今気づいた」
あまり携帯でメールのやり取りをしないのもあって貴もうっかりしていた。
「あはは。でもまあ、別にいいんじゃない? 何か憎めない、この人」
「まあ、ね」
その後何だかんだで三人で食事に行くことにまでなったが、たまについていけないノリはあるもののやはり悪いやつではないと貴は改めて思った。クローゼットでないのもあってか、性的なことにもかなりオープンな性格をしている。また、そういったことにじめじめとしたところがない。
「俺、そういうのむしろ苦手なんだって」
音路は笑いながら言っていた。
「何でネロくんは俺らに構うの?」
実央が聞けば「そりゃ実央くんがかわいいのが大前提だけどさあ」と無駄に堂々と正直に言ってきた後で「元々ゲイじゃない男同士カップルなんて楽しいでしょ? だから一緒に遊びたいなって」とニコニコしながらいけしゃあしゃあと口にしてきた。あまりに微妙な動機過ぎてむしろ腹立たしく思うことすらない。それに男同士に慣れていない貴たちからすれば大先輩でもあるので今後わからないことが出てきた時に助けになるかもしれない。そう思うと悪くない出会いかもしれないとも思えた。
「貴くんはあれでしょ、俺が実央くんにやたら嫌なちょっかいかけてくる、よくあるモブ攻めみたいなやつに思えたんでしょ」
「何て?」
たまに何を言っているのかよくわからないことがあるが、あっけらかんとした性格は貴も嫌いではない。
「俺の友だちにはドロドロした関係好きであえてやってるヤツもいるけどね。俺はほんとそういうの楽しくなくてさ。だから人のものには手を出さないよ。向こうから来てくれたら歓迎するけど。ね、実央くん」
「行かねえし」
「実央くん、結構頑固だよね」
確かに相手によれば、今とても嫌な展開になっていたのかもしれないとも思う。だがあっけらかんとした音路でよかったと思う上で、実央がとても貴を好いてくれていて何でも話してくれる子でよかったと改めて痛感する。
「みぃがかわいくて仕方ないんだけど」
その日も音路と食事をして帰ってきてから、貴は思い切り実央を抱きしめた。
「な、何で」
「何でって、かわいいから。このままベッド行こう?」
ぎゅっと抱きしめて何度も頭や額、目元や頬にキスしながら言う。
「ふ、風呂は?」
「先にたくさんかわいがりたいな」
「……だ、駄目」
いつもの実央なら絶対に眉をひそめてムスッとしながらも「いいよ」と言ってくれていたはずだ。軽くショックを受けていると実央がぎゅっと貴を抱き返してきた。
「さっきネロくんに教えてもらったやり方、試したい」
確かにこちらが聞いてもないのに音路は穴の解し方についてや絡み方などやたら話してきた。貴としても悔しいながらに試してみたいなとは思っていたが、実央に積極的な様子で言われると結構くるものがある。
「た、試したいの?」
「うん。したい。だ、だからな、お風呂で綺麗にしてからゆっくりしよ? 先に貴くんにたくさんされたら俺、絶対ふらふらになるし」
「ああもう、今ので俺の大部分が死んだからね?」
「な、何で。何がっ?」
「みぃがかわいすぎて俺の中で色々爆発しちゃった」
「何それ」
顔を赤くしていた実央がおかしげに笑った。
あと音路は実央にちょっかいを出してくる嫌なやつだと思い込んでいたが、単に楽しいことが好きな軽いゲイ寄りのバイだと最近は貴も思うようになった。
何度か実央に連絡を寄越してくるので「ブロックすればいいよ」と貴は実央に提案していた。それを強要するつもりはなかったが、実央が素直に速攻でブロックしてくれたことは正直嬉しいなと思った。だがその後、どうやら恵吾に聞いたらしい音路は次に貴の携帯のメールに連絡してくるようになった。もちろん恵吾に対しては大いに遺憾の意を示したが、恵吾いわく「あいついいやつだって。友だちになりたいって言われたのに俺も無視できないし」らしい。
「なら先に俺に教えていいかと伺いを立てるべきだろ」
「何でお前、自分に対してそんな言い方してんの? お前が目上なの? 歳、一緒だろ」
「煩い」
「えー。まあ、ほら、あれだよ」
「どれだよ」
「だって先にお前に聞いたら『教えるな』って言うに決まってるし」
「わかってるのに教えたってことか」
「やぁねぇ、目くじら立てないで」
「何でおねえ口調なんだよ……!」
最初はずっと無視していたが、構わず送られてくるのが鬱陶しくて「もう送ってこないでください」と返したが相変わらずだった。とはいえ内容を見ているとだんだんそんな悪いやつに思えなくなってくる。貴も実央に倣ってメールを実央に見せていたが「ネロくん、そんな悪い人じゃないかも」と実央も言っていた。
「俺のに無理やり登録してきたSNSと違ってメールはブロックできないんだな」
「いや……受信拒否とかできるね。今気づいた」
あまり携帯でメールのやり取りをしないのもあって貴もうっかりしていた。
「あはは。でもまあ、別にいいんじゃない? 何か憎めない、この人」
「まあ、ね」
その後何だかんだで三人で食事に行くことにまでなったが、たまについていけないノリはあるもののやはり悪いやつではないと貴は改めて思った。クローゼットでないのもあってか、性的なことにもかなりオープンな性格をしている。また、そういったことにじめじめとしたところがない。
「俺、そういうのむしろ苦手なんだって」
音路は笑いながら言っていた。
「何でネロくんは俺らに構うの?」
実央が聞けば「そりゃ実央くんがかわいいのが大前提だけどさあ」と無駄に堂々と正直に言ってきた後で「元々ゲイじゃない男同士カップルなんて楽しいでしょ? だから一緒に遊びたいなって」とニコニコしながらいけしゃあしゃあと口にしてきた。あまりに微妙な動機過ぎてむしろ腹立たしく思うことすらない。それに男同士に慣れていない貴たちからすれば大先輩でもあるので今後わからないことが出てきた時に助けになるかもしれない。そう思うと悪くない出会いかもしれないとも思えた。
「貴くんはあれでしょ、俺が実央くんにやたら嫌なちょっかいかけてくる、よくあるモブ攻めみたいなやつに思えたんでしょ」
「何て?」
たまに何を言っているのかよくわからないことがあるが、あっけらかんとした性格は貴も嫌いではない。
「俺の友だちにはドロドロした関係好きであえてやってるヤツもいるけどね。俺はほんとそういうの楽しくなくてさ。だから人のものには手を出さないよ。向こうから来てくれたら歓迎するけど。ね、実央くん」
「行かねえし」
「実央くん、結構頑固だよね」
確かに相手によれば、今とても嫌な展開になっていたのかもしれないとも思う。だがあっけらかんとした音路でよかったと思う上で、実央がとても貴を好いてくれていて何でも話してくれる子でよかったと改めて痛感する。
「みぃがかわいくて仕方ないんだけど」
その日も音路と食事をして帰ってきてから、貴は思い切り実央を抱きしめた。
「な、何で」
「何でって、かわいいから。このままベッド行こう?」
ぎゅっと抱きしめて何度も頭や額、目元や頬にキスしながら言う。
「ふ、風呂は?」
「先にたくさんかわいがりたいな」
「……だ、駄目」
いつもの実央なら絶対に眉をひそめてムスッとしながらも「いいよ」と言ってくれていたはずだ。軽くショックを受けていると実央がぎゅっと貴を抱き返してきた。
「さっきネロくんに教えてもらったやり方、試したい」
確かにこちらが聞いてもないのに音路は穴の解し方についてや絡み方などやたら話してきた。貴としても悔しいながらに試してみたいなとは思っていたが、実央に積極的な様子で言われると結構くるものがある。
「た、試したいの?」
「うん。したい。だ、だからな、お風呂で綺麗にしてからゆっくりしよ? 先に貴くんにたくさんされたら俺、絶対ふらふらになるし」
「ああもう、今ので俺の大部分が死んだからね?」
「な、何で。何がっ?」
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「何それ」
顔を赤くしていた実央がおかしげに笑った。
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