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3Wednesday
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瑠生の弟である流河は慶一と同じ歳で、今はしかも同じクラスでもある。
流河も一年になった時、風紀委員に誘われたそうだが本人が断ったらしい。風紀は強制ではないので誘われても断ればもちろんそれまでだ。ただ逆に入りたいから入る、という本人の希望は受け入れられていない。
流河は瑠生よりも背は低いが、それなりに高い。多分睦と同じだと思われる。なので慶一ともあまり変わらない。
ろくでもない兄、瑠生と違って流河はいい子で、と言いたいところだが言えない。残念ながら兄弟そろって腹黒い。ただ、瑠生がその性質を表に一切出さないのと違い、流河は腹黒さを隠そうともしないという違いはある。
顔は瑠生と似て一見穏やかそうな美形なのだが、腹黒さが全面的出ているためその穏やかさは逆に凄みすら感じさせる。
そんな流河はなぜかやたら慶一に興味を持ってきた。慶一が中学三年の時に兄の黄馬と瑠生がつき合うようになり、その流れでたまたま流河とも顔見知りにはなった。もちろん全くもって迷惑だと慶一は思っていた。ただでさえ瑠生のことを胡散臭い嫌なやつだと思っているのにその弟など、さらにどうでもいい。
だから向こうから何か話しかけられても適当にあしらっていた。態度がよくないことは自分でもわかっていたが、あわよくばそれで向こうがこちらを無視するようになればいいとさえ思っていた。
だが高校へ入学したある日、無視どころかある意味どうしようもないほど興味を持たれていたのだと思い知る目にあった。
夏休みのとある時、風紀として学校へ出向いていた帰りに、慶一は寮の傍で流河とばったり会った。
「久しぶりだね、会うの」
「……そう?」
腹黒さは隠さないでも基本的にはニコニコしている流河に一瞥を投げると、そのまま慶一は高等部寮へ入ろうとした。
「あ、待って。せっかく休みに会ったんだしたまには俺につき合ってよ。部屋へこない?」
「……何で」
しかし腕をつかまれ慶一は無表情のまま振り返る。
「そうだね、兄同士がつき合ってる仲だから?」
「何それ。離せ。……俺は帰る」
「まあ、そう言わず」
何を言っているのだと少しイライラしながら腕を振りほどこうとしたが、ほどけなかった。流河は何でもないような感じでつかんできているというのに全く振りほどけない。
蝉が煩い。どうにかなりそうだと思った。
学校から寮までのわずかな距離でもいい加減暑いと思っていた慶一は、とりあえず涼みたいという思いが先行したので仕方なく同意した。いくら瑠生の、そして腹黒い弟だとしても自分より力はないだろうと勝手に決めつけていたところはある。腕をふりほどけなかったというのに。
慶一は一見華奢に見えるが、風紀委員をしているぐらいである。それなりに腕も立つし体力もある。そんな自信がどこかにあったかもしれない。
煩い蝉の声を背後に寮に入ると妙にシンとしていた。外はあんなに蝉時雨だったというのにと思いながら、慶一はぼんやり歩く。
「どうぞ。同居人は実家に帰ってるんで、ゆっくりくつろいで」
部屋へ入るとグラスを差し出しながら言ってくる流河の言葉に、内心「冗談じゃない、とっとと帰る」と思いつつ、慶一はとりあえず暑さにやられそうだった自分を甘やかすため一旦グラスを受け取り直接床に座った。
氷の入った飲み物はりんごの味がした。兄の好きなアップルスペシャルだ、とすぐにわかる。慶一はそれほどでもないが、黄馬が好きなのでつられて飲むことはよくあった。
琉河は自分の兄に関心があるから絡んでくるのだろうか。そんなことを思いながら飲んだグラスをトレーに置き、顔を上げた。
「お前は帰らないのか……?」
「俺? 一応帰ったよ、もう。兄も顔は出したみたいで今はあんたの兄と旅行中じゃないかな」
その言葉に慶一はムッとする。実際、黄馬と瑠生は旅行へ行っているが、別に二人きりというわけではない。生徒会での旅行に参加しているだけだ。慶一も誘われたが断った。あんな集まりに参加するなんて冗談じゃない。
本当は参加して黄馬と瑠生の間を邪魔すべきだったのかもしれないが、あからさまに邪魔をすると黄馬が悲しそうにするのが慶一の気持ちを乱してくる。どうせ参加しても多分まともに邪魔できないのなら、いっそ参加したくない。
だが二人の旅行じゃないとムキになって言葉にするつもりもないので無視していたら、流河が楽しそうに笑ってきた。
「慶一って無表情だし無口だけどたまにほんの少し表情動くこと、あるよね」
おかしそうに言う言葉にも無視していると、流河が近づいてきて慶一の腕をつかみ上げた。
「俺はね、そんなあんたに凄く興味、持ってるんだよ」
そして囁くように言うとぐいと引っ張り、バランスを崩した慶一を立たせてベッドに倒してきた。
「お、前……何考え……」
「何って。風紀の仕事してるなら今どういう状況かわかるよね? それともカマトトぶってんの? カマトトぶる系って男女ともに苦手だけど、まあそれはそれであんたがするならかわいいよ、珍しすぎて」
楽しげに言いながら、流河は慶一のシャツからネクタイを外すとそれを半分にして輪を作り、慶一の両手首に回しかけて輪を通してきた。
「何するんだ……っ」
慶一の言葉に対してネクタイをぎゅっと引っ張ることで流河は返してきた。思いきり手首を締めつけられ、慶一は顔を歪める。そこからさらに縛られ、まったく外せない状態になった。
「安心して。今からあんたを散々味わうけど、俺は別に酷くするのが好みってんじゃないから。ああいうの好きなヤツいるよね。まあ怯えた顔が見たいくらいは気持ち、わかるけどね。でもほら、今から俺に犯されるってだけで十分あんたはもう怖くて堪らないだろ? だからね」
流河は楽しそうに笑う。そして慶一の耳元で囁いてきた。
「むしろ欲しくて堪らないってくらい優しくたくさん触れるね。あんたの表情が見られるなら別に俺は怯え顔だろうが快楽におぼれた顔だろうが構わんのだけどね」
「いやだ! やめろ……っ」
冗談じゃないと思った。ただでさえ男に興味ないのに、あの腹立つ男の弟に抱かれるなんてごめんだ。
別に尻穴に思い入れなど元々ない。女じゃないので初めてがどうこうなど思わない。
だが屈辱感はとてつもなくある。思いきり足で蹴ろうと思ったが、上に乗られているので動かせない。
こんな時、どう動けばどうにかなるんだ? 映画とかなら絶対主人公は切り抜けられるだろ?
そう思い必死に考えたが気づく。自分が主人公なわけない。きっと主人公になるなら兄だ。自分は多分、いや、間違いなく、モブだ。きっと最初のほうで犯され殺されるだけの、モブ。
もちろん流河は殺すなんてしない。ただ、犯してくるだけだ。そしてその後も多分、周りは何も一切変わることなく進んでいく。
……だったら……。
「あれ? 抵抗もう諦めたの? 抵抗されるのも楽しいのに。まあされないほうが楽だけどね、どのみち、するから」
「……どのみちするんだろ。だったら俺はつらくないほうがまだ、いい」
慶一はふいっと横を向きながら呟いた。多分こういう部分が昔からかわいくないと言われる部分なのだろうとは自分でもわかっている。もっと泣いて止めて欲しいとすがったり、腹を立てて勢いよくまくし立てたりするものなのだろうと思う。
だが慶一はそういう感情を表に出せない。
出せないというか、わからない。頭では何となくわかっていても、実際言葉に出ないし顔に出ない。そもそも自分の感情自体が「楽なほうがいい」と訴えてくる。
「……本当に変なヤツだよね。感情は頭で考えるものじゃないし、たまには何も考えずに体を動かせばきっともっと楽になるんじゃないの?」
「何の話……」
「別に。ああ、抵抗されないとわかってもネクタイは外してあげないよ。万が一これが俺を油断させるためだったとしたらつまらないからね」
怪訝に思い、慶一が流河を見るとニッコリ微笑まれた。
「……ああそうか、そういう手があった」
「ないよ。ネクタイ外さないって言ったでしょ。あんたは手首縛られたまま、俺にヤられるんだよ」
あはは、と笑いながら流河は顔を近づけて慶一にキスしてきた。
正直、キスすら生まれて初めてだった。唇が触れる感覚はさほど嫌ではなかったが、舌が入ってきて自分のではない異物が己の舌に触れる感覚は少々不快だった。違和感に顔を逸らそうとしたができない。
すると一旦顔を離してきて、流河がおかしそうに言ってきた。
「舌絡める程度で嫌がってたら、この先の行為も楽しめないよ?」
「……そもそも楽しんでないしできたら逃げたい」
「残念、それはさせてあげないよ。あんたはこの行為に慣れるどころか求めてくるまで俺とここでヤり倒すんだよ」
とても楽しげに言ってくるが、考えなくても相当歪んでると慧一は少しぞっとした。
外と違ってエアコンがきいているというのに、変に汗がじわりと沸き上がる。だというのに、やはり泣くことも叫ぶことも暴れることもしない自分がいる。こんなことで人生を儚んで死にたいとも思わない。
……いや、今からもしかしたら死にたくなるかもしれないのかな。
一瞬ぞっとしたとはいえ、ある意味軟禁された状態で今から犯されるのだとは思えないほど冷静に、慶一はそんなことを思っていた。
流河も一年になった時、風紀委員に誘われたそうだが本人が断ったらしい。風紀は強制ではないので誘われても断ればもちろんそれまでだ。ただ逆に入りたいから入る、という本人の希望は受け入れられていない。
流河は瑠生よりも背は低いが、それなりに高い。多分睦と同じだと思われる。なので慶一ともあまり変わらない。
ろくでもない兄、瑠生と違って流河はいい子で、と言いたいところだが言えない。残念ながら兄弟そろって腹黒い。ただ、瑠生がその性質を表に一切出さないのと違い、流河は腹黒さを隠そうともしないという違いはある。
顔は瑠生と似て一見穏やかそうな美形なのだが、腹黒さが全面的出ているためその穏やかさは逆に凄みすら感じさせる。
そんな流河はなぜかやたら慶一に興味を持ってきた。慶一が中学三年の時に兄の黄馬と瑠生がつき合うようになり、その流れでたまたま流河とも顔見知りにはなった。もちろん全くもって迷惑だと慶一は思っていた。ただでさえ瑠生のことを胡散臭い嫌なやつだと思っているのにその弟など、さらにどうでもいい。
だから向こうから何か話しかけられても適当にあしらっていた。態度がよくないことは自分でもわかっていたが、あわよくばそれで向こうがこちらを無視するようになればいいとさえ思っていた。
だが高校へ入学したある日、無視どころかある意味どうしようもないほど興味を持たれていたのだと思い知る目にあった。
夏休みのとある時、風紀として学校へ出向いていた帰りに、慶一は寮の傍で流河とばったり会った。
「久しぶりだね、会うの」
「……そう?」
腹黒さは隠さないでも基本的にはニコニコしている流河に一瞥を投げると、そのまま慶一は高等部寮へ入ろうとした。
「あ、待って。せっかく休みに会ったんだしたまには俺につき合ってよ。部屋へこない?」
「……何で」
しかし腕をつかまれ慶一は無表情のまま振り返る。
「そうだね、兄同士がつき合ってる仲だから?」
「何それ。離せ。……俺は帰る」
「まあ、そう言わず」
何を言っているのだと少しイライラしながら腕を振りほどこうとしたが、ほどけなかった。流河は何でもないような感じでつかんできているというのに全く振りほどけない。
蝉が煩い。どうにかなりそうだと思った。
学校から寮までのわずかな距離でもいい加減暑いと思っていた慶一は、とりあえず涼みたいという思いが先行したので仕方なく同意した。いくら瑠生の、そして腹黒い弟だとしても自分より力はないだろうと勝手に決めつけていたところはある。腕をふりほどけなかったというのに。
慶一は一見華奢に見えるが、風紀委員をしているぐらいである。それなりに腕も立つし体力もある。そんな自信がどこかにあったかもしれない。
煩い蝉の声を背後に寮に入ると妙にシンとしていた。外はあんなに蝉時雨だったというのにと思いながら、慶一はぼんやり歩く。
「どうぞ。同居人は実家に帰ってるんで、ゆっくりくつろいで」
部屋へ入るとグラスを差し出しながら言ってくる流河の言葉に、内心「冗談じゃない、とっとと帰る」と思いつつ、慶一はとりあえず暑さにやられそうだった自分を甘やかすため一旦グラスを受け取り直接床に座った。
氷の入った飲み物はりんごの味がした。兄の好きなアップルスペシャルだ、とすぐにわかる。慶一はそれほどでもないが、黄馬が好きなのでつられて飲むことはよくあった。
琉河は自分の兄に関心があるから絡んでくるのだろうか。そんなことを思いながら飲んだグラスをトレーに置き、顔を上げた。
「お前は帰らないのか……?」
「俺? 一応帰ったよ、もう。兄も顔は出したみたいで今はあんたの兄と旅行中じゃないかな」
その言葉に慶一はムッとする。実際、黄馬と瑠生は旅行へ行っているが、別に二人きりというわけではない。生徒会での旅行に参加しているだけだ。慶一も誘われたが断った。あんな集まりに参加するなんて冗談じゃない。
本当は参加して黄馬と瑠生の間を邪魔すべきだったのかもしれないが、あからさまに邪魔をすると黄馬が悲しそうにするのが慶一の気持ちを乱してくる。どうせ参加しても多分まともに邪魔できないのなら、いっそ参加したくない。
だが二人の旅行じゃないとムキになって言葉にするつもりもないので無視していたら、流河が楽しそうに笑ってきた。
「慶一って無表情だし無口だけどたまにほんの少し表情動くこと、あるよね」
おかしそうに言う言葉にも無視していると、流河が近づいてきて慶一の腕をつかみ上げた。
「俺はね、そんなあんたに凄く興味、持ってるんだよ」
そして囁くように言うとぐいと引っ張り、バランスを崩した慶一を立たせてベッドに倒してきた。
「お、前……何考え……」
「何って。風紀の仕事してるなら今どういう状況かわかるよね? それともカマトトぶってんの? カマトトぶる系って男女ともに苦手だけど、まあそれはそれであんたがするならかわいいよ、珍しすぎて」
楽しげに言いながら、流河は慶一のシャツからネクタイを外すとそれを半分にして輪を作り、慶一の両手首に回しかけて輪を通してきた。
「何するんだ……っ」
慶一の言葉に対してネクタイをぎゅっと引っ張ることで流河は返してきた。思いきり手首を締めつけられ、慶一は顔を歪める。そこからさらに縛られ、まったく外せない状態になった。
「安心して。今からあんたを散々味わうけど、俺は別に酷くするのが好みってんじゃないから。ああいうの好きなヤツいるよね。まあ怯えた顔が見たいくらいは気持ち、わかるけどね。でもほら、今から俺に犯されるってだけで十分あんたはもう怖くて堪らないだろ? だからね」
流河は楽しそうに笑う。そして慶一の耳元で囁いてきた。
「むしろ欲しくて堪らないってくらい優しくたくさん触れるね。あんたの表情が見られるなら別に俺は怯え顔だろうが快楽におぼれた顔だろうが構わんのだけどね」
「いやだ! やめろ……っ」
冗談じゃないと思った。ただでさえ男に興味ないのに、あの腹立つ男の弟に抱かれるなんてごめんだ。
別に尻穴に思い入れなど元々ない。女じゃないので初めてがどうこうなど思わない。
だが屈辱感はとてつもなくある。思いきり足で蹴ろうと思ったが、上に乗られているので動かせない。
こんな時、どう動けばどうにかなるんだ? 映画とかなら絶対主人公は切り抜けられるだろ?
そう思い必死に考えたが気づく。自分が主人公なわけない。きっと主人公になるなら兄だ。自分は多分、いや、間違いなく、モブだ。きっと最初のほうで犯され殺されるだけの、モブ。
もちろん流河は殺すなんてしない。ただ、犯してくるだけだ。そしてその後も多分、周りは何も一切変わることなく進んでいく。
……だったら……。
「あれ? 抵抗もう諦めたの? 抵抗されるのも楽しいのに。まあされないほうが楽だけどね、どのみち、するから」
「……どのみちするんだろ。だったら俺はつらくないほうがまだ、いい」
慶一はふいっと横を向きながら呟いた。多分こういう部分が昔からかわいくないと言われる部分なのだろうとは自分でもわかっている。もっと泣いて止めて欲しいとすがったり、腹を立てて勢いよくまくし立てたりするものなのだろうと思う。
だが慶一はそういう感情を表に出せない。
出せないというか、わからない。頭では何となくわかっていても、実際言葉に出ないし顔に出ない。そもそも自分の感情自体が「楽なほうがいい」と訴えてくる。
「……本当に変なヤツだよね。感情は頭で考えるものじゃないし、たまには何も考えずに体を動かせばきっともっと楽になるんじゃないの?」
「何の話……」
「別に。ああ、抵抗されないとわかってもネクタイは外してあげないよ。万が一これが俺を油断させるためだったとしたらつまらないからね」
怪訝に思い、慶一が流河を見るとニッコリ微笑まれた。
「……ああそうか、そういう手があった」
「ないよ。ネクタイ外さないって言ったでしょ。あんたは手首縛られたまま、俺にヤられるんだよ」
あはは、と笑いながら流河は顔を近づけて慶一にキスしてきた。
正直、キスすら生まれて初めてだった。唇が触れる感覚はさほど嫌ではなかったが、舌が入ってきて自分のではない異物が己の舌に触れる感覚は少々不快だった。違和感に顔を逸らそうとしたができない。
すると一旦顔を離してきて、流河がおかしそうに言ってきた。
「舌絡める程度で嫌がってたら、この先の行為も楽しめないよ?」
「……そもそも楽しんでないしできたら逃げたい」
「残念、それはさせてあげないよ。あんたはこの行為に慣れるどころか求めてくるまで俺とここでヤり倒すんだよ」
とても楽しげに言ってくるが、考えなくても相当歪んでると慧一は少しぞっとした。
外と違ってエアコンがきいているというのに、変に汗がじわりと沸き上がる。だというのに、やはり泣くことも叫ぶことも暴れることもしない自分がいる。こんなことで人生を儚んで死にたいとも思わない。
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