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3Wednesday
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風紀室は大抵誰かいる。だが色々仕事が重なり、主要人物がほぼ誰もいない時もある。
一般風紀たちは基本的に普通の生徒と大して変わらない。用事があればもちろん普通に風紀室へ来るが、特に用事がないなら大抵は通常の学生生活を送っている。ただ心構えはあるので、何らかの事案が発生した場合は役職者たちにすぐさま連絡が入るようになっている。
慶一が少し溜まっていた報告書やデータ処理の対応してふと頭を上げると、その誰もいない状態だった。奥にある生徒会室にはもしかしたら誰かいるのかもしれないが、ここからはわからない。一般風紀の生徒が数名、何らかの書類を提出しにやってきたが、すぐに出ていってしまう。
風紀室は元々普段から静かだ。会話もするが、思いきり騒ぐ者はいない。
……違う、いたいた。真栄平と有馬の二人が。
いないと思った後で慶一は微妙な気分で訂正した。雫と慧が揃うと一気に煩くなる。
ああもひたすらよく言い合いできるよな……。
そんな風に思いながら慶一は一仕事を終えたからか、一息つきたくなってきた。できれば熱い飲み物が飲みたい、と立ち上がる。いつもなら一年の斗真などが淹れてくれるのだが、今は誰もいない。
「……水……? いや、でもやっぱり熱いのが、いい……」
ぼそりと呟きながら電気ポットが置いてあるところまで歩く。寮の風紀スペースでならお茶を淹れたことはあるが、ここではこの二年間淹れたことない。いや、違う。一年の初めの頃に、まだ仕事があまりわからないからせめてお茶でもと、珍しく謙虚な気持ちで淹れたことはあった。だがその後当時の先輩たちに全力で遠慮されたのを思い出した。
その記憶にまた微妙な気分になりながら、慶一はぼんやり置いてあるものを見る。慣れている寮の茶器でないため少々、いや、かなり戸惑う。おまけに茶葉が見つからない。どこにあるのだろうと引き出しを開けるとコーヒーの豆が入っている袋を見つけた。
「……コーヒーもいいな……」
紅茶が好きな人が多いのか、いつも紅茶が出てくる。慶一自身は美味しければ特にこれがいいというのはない。
ただ、コーヒーはますますどうしていいかわからない。
洗いものならできる。洗いものなら……。
ぼんやり思っていると誰かが入ってきた。そのまま「あーだりー」という声が聞こえてくる。聞きたくない声だ。その場でそんな風に思っていると、声の主が近づいてきた。
「慶一くん、何か飲み物淹れんの? 俺もちょーだいよ」
無視したかったが、今の言葉には特に避けなければならない意味合いが何もないため、しぶしぶ振り返る。
「淹れたいが、どうしたらいいかわからない……」
「は? え、マジ? ぶは。慶一くん、何でも淡々とやらかしそーなのに?」
そこには青葉しかいなかった。とりあえず微妙な気分のまま慶一は答えた。
「……できればやらかしたいけど、どのみち俺が淹れるお茶はどうにも駄目らしい。……一人なのか、珍しいな」
「だめって何が?」
怪訝な顔しながら、青葉は茶葉の場所を知っているようでごそごそ、それを出しながら続けてきた。
「むつはかいちょの宏さんらと一緒に会計の報告。だめって、何だよ。気になんだろ。ちょ、淹れてみてよ」
ニヤリと笑いながら青葉は茶葉とポットを示してきた。慶一は黙ったままそれを見る。
茶を淹れるという行為に固まったのもあるが、いつもろくでもないやりとりしかしてないので、こういった普通の会話が変に新鮮に感じた。そういえば青葉と普通に話したことすらなかったのではということに気をとられ、黄馬が教えてくれたことなど完全に抜けていた。
とりあえず茶葉を適当にポットへ入れ、お湯を注ぐ。そして少し考えつつどれくらい待てばいいのかわからないので適当なところで冷たいままのカップへ注いだ。青葉は口を押さえながらずっと様子を黙って見ていた。
「ありがとー慶一くん。…………。……」
淹れたカップを無言で差し出すと、青葉はニコニコ受け取り、立ったまま口にした。そして無言のままコクリと飲む。少しの間の後、吹き出した。
「ぶ、っは……っ、ちょ、何これ、ちょ……っ。ムリ、ムリ」
俯いていて顔は見えないが、心なしか震えている気がした。そんなに不味いのかと慶一は自分も一口飲み、元々真顔ではあるがますます真顔になる。
……くっそ不味い……!
色は濃い。なのに味はほぼお湯でしかない。しかもすで温い。
「あーマジ、も、むりぃ……っ」
にしても無理無理煩い、と慶一は青葉をジロリと見た。そしてポカンとなる。あまりの不味さに震えているのかと思いきや、青葉はひたすら笑いを堪えていた。
「マジむり、もうだめ、何これマジもー……っ」
「何が……」
そんなにおかしい、と言いかけた慶一からカップを奪うと青葉は「茶葉入れ過ぎ、蒸らさな過ぎ、しかもカップ温めもしないとかすげぇな」とひたすら笑っている。
「だ、だったら俺がしてる時に言えば……」
「何で?」
「何でって……」
「だって俺は慶一くんが淹れた茶、飲んでみたいっつったろ。それに自分で色々やってみねぇと淹れ方も覚えらんねーっしょ? 第一見てるほうがおもしれーじゃん」
一理ある。だが。
「性格、悪い……」
とりあえずどうであれ、この際お湯みたいなものでもいい、と奪われたカップをじっと見ていると、青葉がぽんと慶一の肩に手を置いてきた。
「俺に性格悪いとか、今さらでしょ。知ってっし。ああ、コーヒーでもいいなら俺が淹れてあげるよ?」
……自覚、あるのか。
微妙になりながらも青葉が言ったことに少しだけテンション上がり、慶一はこくりと頷いた。
「じゃあ座ってなよ。砂糖とミルクは?」
チャラくてひたすら遊んでばかりというイメージに結びつかないほど手際よく、青葉は豆を挽いてフィルターへ入れ、手でゆっくりお湯を少しだけ淹れた。少しだけ時間を空け、今度はそれなりに電気ポットの湯を足していく。
慶一はぼんやりそれを座って見ながらも、違和感を覚えていた。
ひたすらからかわれ、そして遊ばれ、挙句犯され。そんなことばかりしてくる相手との時間とは思えない。なのに今はそわそわもイライラもはらはらもしない。ぼんやり、ただ黙って静かな気持ちでコーヒーのいい香りが漂う中寛いでいる。黄馬といる時ですら、こんな風に寛いだことない。
とはいえ黄馬は仕方ない。慶一は黄馬が、兄が大好きだからこそ落ち着かないのだから。
他の相手とは、どうしても多少なりとも気負いはする。慶一をわかってくれている仲いい友人であっても少しだけ「何か喋ったほうがいいかな」と思ったりする。
ちなみに流河に対してはある意味そう思うことがないどころかひたすら「嫌い」だと思っていることを言える。本人が何でも言えと言っていた上に、慶一も色々されて何故遠慮しなければならないのかと思えるからだ。
今はどれにも当てはまらない。
ただ、楽。
青葉に対して何か喋ったほうがいいだろうかなどと気を使うつもりなんてこれっぽっちもない。多分青葉や睦にも、何か言われたら遠慮する気がないので思っていることを言うであろう。だが普段あんなにろくでもないことばかりされているというのにこうも親しみを込め、むしろ懐いているかのような勢いで接してこられると何も言いたいことなどない。だから無言でいられる。
だから、楽。
違和感を覚えつつそんなことを考えていると「はい」と青葉がニコニコしながらカップを渡してきた。
「ありがとう……」
淹れてもらったので礼くらいは言う。
……こいつもそういえば渡した時に礼、言ってたな……。ろくでもないくせに、礼、言えるんだ……。
相変わらずぼんやりと考えつつコクリと飲んだ。
「……美味い」
ぼんやりしていてもすぐに引きつけられた。青葉が淹れたというのに、凄くコクがあって深い。そしてわずかな酸味もあり本格的な味がした。
「マジで? 慶一くんに言われると嬉しーね!」
本人はいつもと変わらずチャラいが、本当に嬉しそうにニコニコしてきた。
ふと思った。青葉はこうしている時も普段誰か別の相手と喋っている時も、そして慶一を犯してくる時も基本変わらない。
「……ああ、そっか。怖さがない……ってより裏がないんだ……」
ゲスな性格であることは間違いない。だが裏がない。ひたすら楽しい、腹が立つといった感情を隠さない。
兄弟である意味見分けつかないほどそっくりな性格だと思っていたが、やっぱり違うなと慶一はしみじみ思った。睦は怖いところがあるとは前から思っていたが、青葉も同じようなものだろうとずっと思っていた。
「何の話?」
「……いや、何でもない」
コーヒーを飲み干し、何でもないと言いながらも慶一は何となくおかしくて、口元が少し綻んだ。すると何故か青葉がポカンとしてじっと慶一を見てきた。
一般風紀たちは基本的に普通の生徒と大して変わらない。用事があればもちろん普通に風紀室へ来るが、特に用事がないなら大抵は通常の学生生活を送っている。ただ心構えはあるので、何らかの事案が発生した場合は役職者たちにすぐさま連絡が入るようになっている。
慶一が少し溜まっていた報告書やデータ処理の対応してふと頭を上げると、その誰もいない状態だった。奥にある生徒会室にはもしかしたら誰かいるのかもしれないが、ここからはわからない。一般風紀の生徒が数名、何らかの書類を提出しにやってきたが、すぐに出ていってしまう。
風紀室は元々普段から静かだ。会話もするが、思いきり騒ぐ者はいない。
……違う、いたいた。真栄平と有馬の二人が。
いないと思った後で慶一は微妙な気分で訂正した。雫と慧が揃うと一気に煩くなる。
ああもひたすらよく言い合いできるよな……。
そんな風に思いながら慶一は一仕事を終えたからか、一息つきたくなってきた。できれば熱い飲み物が飲みたい、と立ち上がる。いつもなら一年の斗真などが淹れてくれるのだが、今は誰もいない。
「……水……? いや、でもやっぱり熱いのが、いい……」
ぼそりと呟きながら電気ポットが置いてあるところまで歩く。寮の風紀スペースでならお茶を淹れたことはあるが、ここではこの二年間淹れたことない。いや、違う。一年の初めの頃に、まだ仕事があまりわからないからせめてお茶でもと、珍しく謙虚な気持ちで淹れたことはあった。だがその後当時の先輩たちに全力で遠慮されたのを思い出した。
その記憶にまた微妙な気分になりながら、慶一はぼんやり置いてあるものを見る。慣れている寮の茶器でないため少々、いや、かなり戸惑う。おまけに茶葉が見つからない。どこにあるのだろうと引き出しを開けるとコーヒーの豆が入っている袋を見つけた。
「……コーヒーもいいな……」
紅茶が好きな人が多いのか、いつも紅茶が出てくる。慶一自身は美味しければ特にこれがいいというのはない。
ただ、コーヒーはますますどうしていいかわからない。
洗いものならできる。洗いものなら……。
ぼんやり思っていると誰かが入ってきた。そのまま「あーだりー」という声が聞こえてくる。聞きたくない声だ。その場でそんな風に思っていると、声の主が近づいてきた。
「慶一くん、何か飲み物淹れんの? 俺もちょーだいよ」
無視したかったが、今の言葉には特に避けなければならない意味合いが何もないため、しぶしぶ振り返る。
「淹れたいが、どうしたらいいかわからない……」
「は? え、マジ? ぶは。慶一くん、何でも淡々とやらかしそーなのに?」
そこには青葉しかいなかった。とりあえず微妙な気分のまま慶一は答えた。
「……できればやらかしたいけど、どのみち俺が淹れるお茶はどうにも駄目らしい。……一人なのか、珍しいな」
「だめって何が?」
怪訝な顔しながら、青葉は茶葉の場所を知っているようでごそごそ、それを出しながら続けてきた。
「むつはかいちょの宏さんらと一緒に会計の報告。だめって、何だよ。気になんだろ。ちょ、淹れてみてよ」
ニヤリと笑いながら青葉は茶葉とポットを示してきた。慶一は黙ったままそれを見る。
茶を淹れるという行為に固まったのもあるが、いつもろくでもないやりとりしかしてないので、こういった普通の会話が変に新鮮に感じた。そういえば青葉と普通に話したことすらなかったのではということに気をとられ、黄馬が教えてくれたことなど完全に抜けていた。
とりあえず茶葉を適当にポットへ入れ、お湯を注ぐ。そして少し考えつつどれくらい待てばいいのかわからないので適当なところで冷たいままのカップへ注いだ。青葉は口を押さえながらずっと様子を黙って見ていた。
「ありがとー慶一くん。…………。……」
淹れたカップを無言で差し出すと、青葉はニコニコ受け取り、立ったまま口にした。そして無言のままコクリと飲む。少しの間の後、吹き出した。
「ぶ、っは……っ、ちょ、何これ、ちょ……っ。ムリ、ムリ」
俯いていて顔は見えないが、心なしか震えている気がした。そんなに不味いのかと慶一は自分も一口飲み、元々真顔ではあるがますます真顔になる。
……くっそ不味い……!
色は濃い。なのに味はほぼお湯でしかない。しかもすで温い。
「あーマジ、も、むりぃ……っ」
にしても無理無理煩い、と慶一は青葉をジロリと見た。そしてポカンとなる。あまりの不味さに震えているのかと思いきや、青葉はひたすら笑いを堪えていた。
「マジむり、もうだめ、何これマジもー……っ」
「何が……」
そんなにおかしい、と言いかけた慶一からカップを奪うと青葉は「茶葉入れ過ぎ、蒸らさな過ぎ、しかもカップ温めもしないとかすげぇな」とひたすら笑っている。
「だ、だったら俺がしてる時に言えば……」
「何で?」
「何でって……」
「だって俺は慶一くんが淹れた茶、飲んでみたいっつったろ。それに自分で色々やってみねぇと淹れ方も覚えらんねーっしょ? 第一見てるほうがおもしれーじゃん」
一理ある。だが。
「性格、悪い……」
とりあえずどうであれ、この際お湯みたいなものでもいい、と奪われたカップをじっと見ていると、青葉がぽんと慶一の肩に手を置いてきた。
「俺に性格悪いとか、今さらでしょ。知ってっし。ああ、コーヒーでもいいなら俺が淹れてあげるよ?」
……自覚、あるのか。
微妙になりながらも青葉が言ったことに少しだけテンション上がり、慶一はこくりと頷いた。
「じゃあ座ってなよ。砂糖とミルクは?」
チャラくてひたすら遊んでばかりというイメージに結びつかないほど手際よく、青葉は豆を挽いてフィルターへ入れ、手でゆっくりお湯を少しだけ淹れた。少しだけ時間を空け、今度はそれなりに電気ポットの湯を足していく。
慶一はぼんやりそれを座って見ながらも、違和感を覚えていた。
ひたすらからかわれ、そして遊ばれ、挙句犯され。そんなことばかりしてくる相手との時間とは思えない。なのに今はそわそわもイライラもはらはらもしない。ぼんやり、ただ黙って静かな気持ちでコーヒーのいい香りが漂う中寛いでいる。黄馬といる時ですら、こんな風に寛いだことない。
とはいえ黄馬は仕方ない。慶一は黄馬が、兄が大好きだからこそ落ち着かないのだから。
他の相手とは、どうしても多少なりとも気負いはする。慶一をわかってくれている仲いい友人であっても少しだけ「何か喋ったほうがいいかな」と思ったりする。
ちなみに流河に対してはある意味そう思うことがないどころかひたすら「嫌い」だと思っていることを言える。本人が何でも言えと言っていた上に、慶一も色々されて何故遠慮しなければならないのかと思えるからだ。
今はどれにも当てはまらない。
ただ、楽。
青葉に対して何か喋ったほうがいいだろうかなどと気を使うつもりなんてこれっぽっちもない。多分青葉や睦にも、何か言われたら遠慮する気がないので思っていることを言うであろう。だが普段あんなにろくでもないことばかりされているというのにこうも親しみを込め、むしろ懐いているかのような勢いで接してこられると何も言いたいことなどない。だから無言でいられる。
だから、楽。
違和感を覚えつつそんなことを考えていると「はい」と青葉がニコニコしながらカップを渡してきた。
「ありがとう……」
淹れてもらったので礼くらいは言う。
……こいつもそういえば渡した時に礼、言ってたな……。ろくでもないくせに、礼、言えるんだ……。
相変わらずぼんやりと考えつつコクリと飲んだ。
「……美味い」
ぼんやりしていてもすぐに引きつけられた。青葉が淹れたというのに、凄くコクがあって深い。そしてわずかな酸味もあり本格的な味がした。
「マジで? 慶一くんに言われると嬉しーね!」
本人はいつもと変わらずチャラいが、本当に嬉しそうにニコニコしてきた。
ふと思った。青葉はこうしている時も普段誰か別の相手と喋っている時も、そして慶一を犯してくる時も基本変わらない。
「……ああ、そっか。怖さがない……ってより裏がないんだ……」
ゲスな性格であることは間違いない。だが裏がない。ひたすら楽しい、腹が立つといった感情を隠さない。
兄弟である意味見分けつかないほどそっくりな性格だと思っていたが、やっぱり違うなと慶一はしみじみ思った。睦は怖いところがあるとは前から思っていたが、青葉も同じようなものだろうとずっと思っていた。
「何の話?」
「……いや、何でもない」
コーヒーを飲み干し、何でもないと言いながらも慶一は何となくおかしくて、口元が少し綻んだ。すると何故か青葉がポカンとしてじっと慶一を見てきた。
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