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5Friday
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眠っている間に黄馬は懐かしい夢を見た。ずっとずっと小さい頃は、慶一も本当に黄馬に甘えてくれていた。本当に小さな頃であっても一年の差は十分あって、慶一が生まれたのを黄馬は物凄く喜んでいたらしい。家ではずっと一緒に遊んでいて、喋られるようになった慶一もよく黄馬をぎゅっとしながら「にいちゃ、しゅき」と言ってくれていた。
そんな頃の夢を見て、黄馬は目が覚めてからも微笑んでいた。
いつからだろうか、慶一があまり表情を見せなくなっていったのは。気づけばあまり喋らない無口で無表情な子になっていた。
それでもずっと一緒にいた黄馬は、慶一が何も考えていないのでも喜怒哀楽に乏しくなったのでもないとはわかっていた。
それを上手く表現できなくなっているようで、それが黄馬にとってはよくわからなかった。
今の慶一に対しても、ここのところずっと気がかりだと黄馬は思っていた。一見変わらないが、去年くらいからちょこちょこ元気がないように思えていたのだ。
一度直接、何かあったのか聞いては見たが、予想通りといえば予想通りだろうか。慶一は「何も」としか言ってくれなかった。元々あまり頼ってくれる子ではなかったが、ますますそれが顕著になってきている気がした。
最近慶一はまた少し変わったような気がする。どこかへ出かけるようにもなったようだし、少し笑うようになった気がする。
慶一が大好きな自分としては、何の役にも立てていない不甲斐ない兄過ぎて切ないが、それでも当の慶一が元気になったのなら十分だとも思えた。
風紀で一緒になった時に「最近いいことあった?」と聞いたらまた「何も」と言われたが。
それでもその時、あの慶一が赤くなっていたので、やはりきっといいことがあったのだろうなと黄馬は思い出し、気になりながらも微笑む。
ベッドから出て準備をすると黄馬は伸びをした。数日前から夏休みに入ったのだが、夏休みが始まっていても風紀の仕事が完全になくなることはない。とはいえ部活と同じだし、嫌だとは思わない。
風紀委員にスカウトされた時は正直唖然とした。一応周りが全く見えていないというわけではないので、自分がそれなりに人に好かれているほうだとはわかっているが、それと同じように自分の顔がとても普通なのもわかっている。
別にそれが嫌だと思ったことは一度もないが、風紀委員は文武両道だけでなく容姿端麗という条件も密かにあると聞いていた。さすがに公で決まっている条件ではないが、実際今まで所属していた先輩方は皆見目のいい人ばかりだったようだ。
風紀の仕事をしてみないかと誘ってきたのは、当時同じ一年だった現生徒会会長の宏だ。同じ一年で何言っているのだろうとポカンとしていると、そのまま風紀室へ連れてこられたのだ。そして当時の会長、その時は風紀委員の一員だとばかり思っていた三年生の前で「彼を勧めたいです」と宣言していた。
どうやら黄馬以外にも連れてきたことが何度かあるらしく「宏は風紀の人事担当でもするつもりか」と笑われていた。それでも毎回ちゃんと対応してくれているらしく、宏の話を聞いた後、黄馬にいくつか質問してから当時の生徒会長が改めて「真江木くんさえ嫌じゃなければ是非風紀に入らないか」と言ってくれた。
入ってから気づいた嬉しいことが二つあった。
一つは普通では中々知り合えなかったであろう、先輩を含めた個性的な皆と友人になれたこと。一応存在が公にされていない生徒会と黄馬が所属する風紀は一緒にいることはほぼなかったため、生徒会役員とはあまり接触を持てなかったが、風紀委員の皆も個性的で面白かった。
そしてもう一つ。ずっと片思いしていた相手、瑠生が生徒会側ではあるが所属していたということだ。
高等部に入った頃を思い出しながら部屋を出、風紀共有スペースでお茶を淹れていると基久が「おはよう」とニコニコしながら近づいてきた。
「おはよう、由紀乃。朝から元気だね」
黄馬もニッコリ笑い返すと「朝好きなんだよな」と言う基久にお茶の入ったカップを差し出した。
「飲む?」
「飲む飲む。黄馬見えて近づいたの、紅茶目当てだから」
店で買い置きでもしているのか菓子パンの袋を揺らしながら、基久は嬉しげにお茶を受け取った。
「朝食なら下で食べないの?」
「え? 食うよ?」
黄馬の問いかけに「何を当たり前な」といった表情を浮かべ基久は首を傾げる。
「ああ、そうだよね」
黄馬はそんな基久を見ながら楽しげに笑った。
生徒会や風紀をしていると部活はできないのだが、基久は風紀に入っていなければ間違いなく運動部で活躍していただろうと思われる。風紀委員長をしている今でも、普段から体を動かすのは大好きなようだ。だから腹も減るのだろうと黄馬は好ましく思った。
「そういえば由紀乃は旅行、今年も行かないんだね」
「あー……うん。そうだね」
一緒に座ってお茶を飲み、基久は美味しそうにパンを食べる。その間に黄馬が旅行の話をすると、基久はなぜか少しだけ元気がないような表情になった。
「? どうかした?」
「ああいや。どうもしないな。俺の実家旅館だしさ、この時期は忙しいのもあってできるだけ帰って手伝いたいってのもあるしな」
黄馬も基久も三年で受験を控えているが、他の生徒会、風紀の三年と同じように焦ることは何もなかった。
「そうか。お疲れ様。芳木くんと一緒に帰るの?」
基久と、副委員長であり二年生の拓実は幼馴染で家も近い。だからずっと昔からつき合いがあると黄馬も聞いていた。
それを少しだけ羨ましく思っていたこともある。瑠生とも考えればある意味幼馴染と言えるのかもしれない。それを言うなら初等部からこの学校にいる皆がそう言えるかもしれない。ただ、家が近所でずっと仲よかった、一緒だったという状態に憧れるのだ。
「……わからないな。声、かけてみたけど今年は帰るかどうかも決めてないって言われて」
「そっか」
どこか、がっかりした風の基久を見て、何となくもしかしてと思ったが、黄馬は何も言わないでおく。幼馴染は幼馴染で色々あるのかもしれないなと勝手に内心思ったりした。
しばらくすると、その拓実が部屋から出てきた。
「おはよう、芳木くん。よかったらお茶飲まない?」
黄馬がニッコリ声をかけると、少しだけ笑みを浮かべてくる。
「ありがとうございます。でもこのまま食堂へ向かおうかと思っていて。十時からの風紀会議にはまたここへ来ます」
「そっか。いってらっしゃい。うん、あとでね」
丁寧で淡々とした返答してくる拓実に手を上げていると、基久が立ち上がった。
「ちょ、食堂行くなら俺も! あ、黄馬、カップは後で洗うから……」
「いいよ。いってらっしゃい。芳木くん、構わず出てっちゃったよ」
「え、マジか。あーもう。わりぃ、お茶、ごちそうさま!」
困ったような顔した後、基久がニッコリ笑いながら黄馬を見てきた。そしてその後に出ていった拓実の後を慌てて追いかける。多分追いついたところで拓実に「パン食べててまだ食堂で食べるのか」くらいは言われてそうだなと黄馬はおかしく思い、笑う。
「兄さん、どうしたんだ……?」
するといつのまにか部屋から出ていたらしい慶一が怪訝そうに黄馬を見ていた。
「え? ああ、由紀乃がちょっとおかしくて。おはよう、慶一」
「? うん……おはよう」
「慶一はコーヒー淹れるの?」
素っ気ないながらもちゃんと「おはよう」と返してくる弟に満面の笑みを向けながら、黄馬が聞くとコクリと頷いてくる。
少し前に理由は知らないが、慶一は生徒会会計の睦にカートリッジタイプのコーヒーメーカーを貰ったらしい。それはカートリッジになっているコーヒー豆をセットするだけで簡単にそれなりのコーヒーが淹れられるものらしく、慶一は顔にはあまり出さなかったが、かなりそれが嬉しかったようだ。風紀共有スペースに置かれて以来、黄馬からしたら嬉しそうにコーヒーをちょくちょく一人で淹れている。
慶一が嬉しそうなので黄馬も嬉しいことは嬉しいが、自分が淹れてあげられないのは少し寂しいなとも思っている。
慶一がコーヒーを淹れている間に、風紀書記一年生の斗真が眠そうに目を擦りながら「おはようございます」と部屋から出てきた。まだ眠そうなぼんやりした姿であっても、斗真は本当に愛らしく見える。
「おはよう、双葉。よかったらお茶、飲む?」
「え? いいんですか? 飲みたいです! 黄馬さんの淹れてくださったお茶が飲めるなんて僕、朝から幸せです」
「……コーヒーもいる?」
いつもは自分から話しかけることの滅多にない慶一が何の心境の変化か、嬉しそうにニコニコしている斗真に聞いてきた。
「え……! 慶一さんの淹れたコーヒーもですかっ? 何だか盆と正月が一度にきたみたいです。はい、頂きます! 両方飲みたいです!」
「え、両方だとお腹ちゃぷちゃぷになりそうじゃない?」
飲み物ですらすぐ一杯になりそうな小柄な斗真の言葉を聞いて黄馬が苦笑しながら言うと、ぶんぶん首を振ってきた。
「とんでもない、嬉しすぎて一気に吸収しちゃうと思います!」
それに対しても嬉しそうに言い返している斗真を、慶一が少し微妙な顔で見ていた。
そんな頃の夢を見て、黄馬は目が覚めてからも微笑んでいた。
いつからだろうか、慶一があまり表情を見せなくなっていったのは。気づけばあまり喋らない無口で無表情な子になっていた。
それでもずっと一緒にいた黄馬は、慶一が何も考えていないのでも喜怒哀楽に乏しくなったのでもないとはわかっていた。
それを上手く表現できなくなっているようで、それが黄馬にとってはよくわからなかった。
今の慶一に対しても、ここのところずっと気がかりだと黄馬は思っていた。一見変わらないが、去年くらいからちょこちょこ元気がないように思えていたのだ。
一度直接、何かあったのか聞いては見たが、予想通りといえば予想通りだろうか。慶一は「何も」としか言ってくれなかった。元々あまり頼ってくれる子ではなかったが、ますますそれが顕著になってきている気がした。
最近慶一はまた少し変わったような気がする。どこかへ出かけるようにもなったようだし、少し笑うようになった気がする。
慶一が大好きな自分としては、何の役にも立てていない不甲斐ない兄過ぎて切ないが、それでも当の慶一が元気になったのなら十分だとも思えた。
風紀で一緒になった時に「最近いいことあった?」と聞いたらまた「何も」と言われたが。
それでもその時、あの慶一が赤くなっていたので、やはりきっといいことがあったのだろうなと黄馬は思い出し、気になりながらも微笑む。
ベッドから出て準備をすると黄馬は伸びをした。数日前から夏休みに入ったのだが、夏休みが始まっていても風紀の仕事が完全になくなることはない。とはいえ部活と同じだし、嫌だとは思わない。
風紀委員にスカウトされた時は正直唖然とした。一応周りが全く見えていないというわけではないので、自分がそれなりに人に好かれているほうだとはわかっているが、それと同じように自分の顔がとても普通なのもわかっている。
別にそれが嫌だと思ったことは一度もないが、風紀委員は文武両道だけでなく容姿端麗という条件も密かにあると聞いていた。さすがに公で決まっている条件ではないが、実際今まで所属していた先輩方は皆見目のいい人ばかりだったようだ。
風紀の仕事をしてみないかと誘ってきたのは、当時同じ一年だった現生徒会会長の宏だ。同じ一年で何言っているのだろうとポカンとしていると、そのまま風紀室へ連れてこられたのだ。そして当時の会長、その時は風紀委員の一員だとばかり思っていた三年生の前で「彼を勧めたいです」と宣言していた。
どうやら黄馬以外にも連れてきたことが何度かあるらしく「宏は風紀の人事担当でもするつもりか」と笑われていた。それでも毎回ちゃんと対応してくれているらしく、宏の話を聞いた後、黄馬にいくつか質問してから当時の生徒会長が改めて「真江木くんさえ嫌じゃなければ是非風紀に入らないか」と言ってくれた。
入ってから気づいた嬉しいことが二つあった。
一つは普通では中々知り合えなかったであろう、先輩を含めた個性的な皆と友人になれたこと。一応存在が公にされていない生徒会と黄馬が所属する風紀は一緒にいることはほぼなかったため、生徒会役員とはあまり接触を持てなかったが、風紀委員の皆も個性的で面白かった。
そしてもう一つ。ずっと片思いしていた相手、瑠生が生徒会側ではあるが所属していたということだ。
高等部に入った頃を思い出しながら部屋を出、風紀共有スペースでお茶を淹れていると基久が「おはよう」とニコニコしながら近づいてきた。
「おはよう、由紀乃。朝から元気だね」
黄馬もニッコリ笑い返すと「朝好きなんだよな」と言う基久にお茶の入ったカップを差し出した。
「飲む?」
「飲む飲む。黄馬見えて近づいたの、紅茶目当てだから」
店で買い置きでもしているのか菓子パンの袋を揺らしながら、基久は嬉しげにお茶を受け取った。
「朝食なら下で食べないの?」
「え? 食うよ?」
黄馬の問いかけに「何を当たり前な」といった表情を浮かべ基久は首を傾げる。
「ああ、そうだよね」
黄馬はそんな基久を見ながら楽しげに笑った。
生徒会や風紀をしていると部活はできないのだが、基久は風紀に入っていなければ間違いなく運動部で活躍していただろうと思われる。風紀委員長をしている今でも、普段から体を動かすのは大好きなようだ。だから腹も減るのだろうと黄馬は好ましく思った。
「そういえば由紀乃は旅行、今年も行かないんだね」
「あー……うん。そうだね」
一緒に座ってお茶を飲み、基久は美味しそうにパンを食べる。その間に黄馬が旅行の話をすると、基久はなぜか少しだけ元気がないような表情になった。
「? どうかした?」
「ああいや。どうもしないな。俺の実家旅館だしさ、この時期は忙しいのもあってできるだけ帰って手伝いたいってのもあるしな」
黄馬も基久も三年で受験を控えているが、他の生徒会、風紀の三年と同じように焦ることは何もなかった。
「そうか。お疲れ様。芳木くんと一緒に帰るの?」
基久と、副委員長であり二年生の拓実は幼馴染で家も近い。だからずっと昔からつき合いがあると黄馬も聞いていた。
それを少しだけ羨ましく思っていたこともある。瑠生とも考えればある意味幼馴染と言えるのかもしれない。それを言うなら初等部からこの学校にいる皆がそう言えるかもしれない。ただ、家が近所でずっと仲よかった、一緒だったという状態に憧れるのだ。
「……わからないな。声、かけてみたけど今年は帰るかどうかも決めてないって言われて」
「そっか」
どこか、がっかりした風の基久を見て、何となくもしかしてと思ったが、黄馬は何も言わないでおく。幼馴染は幼馴染で色々あるのかもしれないなと勝手に内心思ったりした。
しばらくすると、その拓実が部屋から出てきた。
「おはよう、芳木くん。よかったらお茶飲まない?」
黄馬がニッコリ声をかけると、少しだけ笑みを浮かべてくる。
「ありがとうございます。でもこのまま食堂へ向かおうかと思っていて。十時からの風紀会議にはまたここへ来ます」
「そっか。いってらっしゃい。うん、あとでね」
丁寧で淡々とした返答してくる拓実に手を上げていると、基久が立ち上がった。
「ちょ、食堂行くなら俺も! あ、黄馬、カップは後で洗うから……」
「いいよ。いってらっしゃい。芳木くん、構わず出てっちゃったよ」
「え、マジか。あーもう。わりぃ、お茶、ごちそうさま!」
困ったような顔した後、基久がニッコリ笑いながら黄馬を見てきた。そしてその後に出ていった拓実の後を慌てて追いかける。多分追いついたところで拓実に「パン食べててまだ食堂で食べるのか」くらいは言われてそうだなと黄馬はおかしく思い、笑う。
「兄さん、どうしたんだ……?」
するといつのまにか部屋から出ていたらしい慶一が怪訝そうに黄馬を見ていた。
「え? ああ、由紀乃がちょっとおかしくて。おはよう、慶一」
「? うん……おはよう」
「慶一はコーヒー淹れるの?」
素っ気ないながらもちゃんと「おはよう」と返してくる弟に満面の笑みを向けながら、黄馬が聞くとコクリと頷いてくる。
少し前に理由は知らないが、慶一は生徒会会計の睦にカートリッジタイプのコーヒーメーカーを貰ったらしい。それはカートリッジになっているコーヒー豆をセットするだけで簡単にそれなりのコーヒーが淹れられるものらしく、慶一は顔にはあまり出さなかったが、かなりそれが嬉しかったようだ。風紀共有スペースに置かれて以来、黄馬からしたら嬉しそうにコーヒーをちょくちょく一人で淹れている。
慶一が嬉しそうなので黄馬も嬉しいことは嬉しいが、自分が淹れてあげられないのは少し寂しいなとも思っている。
慶一がコーヒーを淹れている間に、風紀書記一年生の斗真が眠そうに目を擦りながら「おはようございます」と部屋から出てきた。まだ眠そうなぼんやりした姿であっても、斗真は本当に愛らしく見える。
「おはよう、双葉。よかったらお茶、飲む?」
「え? いいんですか? 飲みたいです! 黄馬さんの淹れてくださったお茶が飲めるなんて僕、朝から幸せです」
「……コーヒーもいる?」
いつもは自分から話しかけることの滅多にない慶一が何の心境の変化か、嬉しそうにニコニコしている斗真に聞いてきた。
「え……! 慶一さんの淹れたコーヒーもですかっ? 何だか盆と正月が一度にきたみたいです。はい、頂きます! 両方飲みたいです!」
「え、両方だとお腹ちゃぷちゃぷになりそうじゃない?」
飲み物ですらすぐ一杯になりそうな小柄な斗真の言葉を聞いて黄馬が苦笑しながら言うと、ぶんぶん首を振ってきた。
「とんでもない、嬉しすぎて一気に吸収しちゃうと思います!」
それに対しても嬉しそうに言い返している斗真を、慶一が少し微妙な顔で見ていた。
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