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「そう言えば睦くんも誰か……」
瑠生の部屋で一緒にいる時、黄馬がふとそんなことを漏らしてきた。
「……俺といる時に他のヤツの話?」
「え、他のっていうか……」
瑠生の言葉に黄馬は苦笑してきた。
「で、睦くんが、何」
「え? ああ、いや……」
改めて瑠生が聞き直すと、黄馬が言葉を濁してくる。いつも何でもハッキリ言ってくれる黄馬だけに、瑠生は落ち着かない気分になった。
「言ってくれないの?」
「あー、さっきのはほんと無意識に漏らしてて。人のことだから俺が瑠生に言うのも変かなって」
「お前の口から出た時点で俺としては他人事じゃない。睦くんと何かあったの?」
苦笑してくる黄馬に真顔で言えば、ポカンとした後、黄馬はおかしげに笑ってきた。
「何でそうなるかな。違うよ。……俺の弟が誰とつき合ってるかって知ってる?」
「……? ああ、青葉くんとだろ」
何を当たり前なと瑠生が言うと、黄馬がまた苦笑してきた。
「瑠生も知ってたんだ。俺、二人に言われるまで知らなくて。ほんと駄目な兄だよな」
「お前が知らなかったのは、お前の弟が内緒にしてたからだろ。青葉くんはそれに合わせてただろうし。でも生徒会ではわりとあの子、あからさまというかわかりやすいから、言われなくてもすぐわかっただけだよ」
「そっか。ありがとう。とりあえずその二人がつき合ってるっていうの、二人から聞いて驚いたついでに、そういえば睦くんにもいるんだっけかなって、ふと思っただけだよ。本当に大したことじゃないんだ」
黄馬が嬉しそうに笑ってきた後、先ほどのことを説明してきた。
「ああ、なるほど」
瑠生はそれを聞いて頷く。
睦といえば、とそして自分の弟のことを思い出した。瑠生からすれば流河は目の前にいる黄馬の弟、慶一を好きだったのだろうなと今でも思っている。結局本人の口からはっきり聞いたことはないのだが。一瞬でも落ち込んだ姿があまりに珍しすぎて、そう思うしかなかった。
ただ、割り切りが早いのか前向きなのか、もしくはただの遊びなのかそういう対象でなく友人としてなのか、流河は慶一の彼氏である青葉の兄、睦に最近よく接触しているように思える。一見何考えているのだという繋がりすぎて呆れたが、瑠生が「睦くんと何かあるのか」と聞くと「何もないよ」と返ってきた。
「でも最近よく一緒にいるんじゃないのか」
「さほどいないよ? あとなんだろうね、確かに睦のこと気に入ってるけど、寝たいとか今すぐどうこうしたいとか別にないかな。ただ甘やかしてあげたい気はするけど。俺の中ではゲームみたいなもんだよ」
「……またそんなこと」
「ああ、大丈夫。ゲームって言い方が悪かったよね。ちゃんと俺は接してるよ。ふざけてるとかただ弄んでるとかそういうんじゃなくて。やりとりを楽しんでる」
呆れた瑠生に流河はニッコリ笑ってきていた。
やりとり、と聞いて瑠生は黙る。いつもはひたすら自分が楽しいからといった感じだった流河の口から「やりとり」という言葉が出るとはと少し驚きながらも、どこかホッとするような気持にさえなり、それ以上何も言わないことにした。
その時のことが頭に過った。そして先ほど黄馬が言っていたことがよくわかった。自分が黄馬に言うことじゃないな、と確かに思う。
「ごめん、今ようやくさっき黄馬が言ってたことわかった」
「どういうこと?」
黄馬に改めて向き直り告げると、黄馬は怪訝そうに瑠生を見てくる。
「人のことだから俺に言うのも変かなってとこ」
「ああ」
なるほど、といったように黄馬が笑う。だがそれ以上聞いてこない。
「何がって聞かないの?」
「えー? いやだって睦くんの話していたし、きっとそれ絡みのことだろうなってわかるし」
「……お前の察しがいいとこ好きだし寛大なところも優しいところも好きだけど、たまに俺に対して執着心とかは皆無なのかなって思ったりもする」
穏やかに言われ、納得しつつも微妙な顔で瑠生は返した。黄馬だからだとわかっているし、実際自分はあまり束縛されたりするのが好きじゃなかったはずなのに、何となく複雑な気分になる。
言われた黄馬は困ったように、だが少し赤くなりながら「瑠生と俺は同じように好きでも気持ちの捉え方が多分違うからじゃないかな」と言ってきた。
「うん……わかってるけど、ちょっと言ってみたくなっただけ」
「瑠生、俺もヤキモチとか妬いたりするよ?」
「見たことない」
「そう? 最初の頃だってほら、瑠生が慣れてる気がするとか言ってただろ。あれもわりと妬いてたから」
黄馬に言われ、瑠生はつき合いたての頃を思い起こす。確かにそんなことを言われていた記憶がある。あの時に妬かれてたのかとそして瑠生は黄馬を引き寄せた。
「じゃあ言って欲しかった」
「ええ? 何て? 慣れてそうで妬いてるって? 色々一杯一杯だった時に?」
「……まぁ、そうだけど」
瑠生は呟きながら当時の黄馬を思い出していた。何も知らないままだった黄馬はいつも真っ赤になって必死で、そしてかわいかったと瑠生は再度実感する。
「かわいかった」
「は?」
思ったことを口にすれば黄馬がポカンとした顔で怪訝そうに瑠生を見ている。
「ああ、ごめん。要はヤキモチ妬いてる黄馬も見たいけど……でもまあいつもかわいいとこ見せてくれてるからいいかなって」
「……言い直されてもよくわからないけどね……」
黄馬は微妙な顔してくる。瑠生の中ではとてつもなく綺麗でかわいい人は、「綺麗だ」「かわいい」と瑠生が口にする度、困ったような顔をしたり「かわいいとかほんとないから」などと言ってきたりする。
確かに瑠生も小さい頃は周りから「かわいい」と言われても嬉しくなかった。だがそれは弱い相手だと舐められているからだったと思っている。現に黄馬から「あの頃の瑠生、かわいかった」と聞かされた時は全然腹立たしくなかった。黄馬からならかわいいと言われることも全然嫌じゃない。
その上、黄馬は実際どう見ても綺麗だしかわいいというのに、なぜそんな反応してくるのか瑠生としてはよくわからない。照れ隠しなのかなと思ったりもするが、照れているというより本当に困惑しているように見える。
「黄馬はもしかして自分の綺麗さやかわいさ、わかってないの?」
「……いや、だからほんとそういうの、ないから」
「何でわからないんだろうな? だから無自覚に誰にでも簡単に笑顔を見せられるのかな」
「違うと思うよ……」
「違わない」
引き寄せたままだった黄馬の体を、瑠生はベッドの上に横たえた。
「俺が何度も言って、そして何度も伝わればいいと触れてるのになぜわからないんだろうな」
そう呟きながら黄馬の首筋に唇を這わせ、服を乱していく。
「……っ、ん。それ、もやっぱり捉え方とかそういうのが違う、から、かな……?」
黄馬がぴくりと反応しながら、どこかまだ困ったように笑いながら言ってくる。
「じゃあわかってもらえるまで何度もお前の体に伝える」
ゆっくり愛しさを込め唇を黄馬の体に這わせていく。好きだという気持ち、愛おしい、かわいい、綺麗だ、何もかも欲しい、全部の気持ちを込めてゆっくり体中キスしていく。
黄馬はその度、相変わらず瑠生としてはかわいくて堪らない反応をおずおず見せながらも、時折ちゃんと同じように「好きだ」と言葉だけでなく態度でも示してくれる。
なのになぜ綺麗でかわいいというのが心の底から本気だと伝わらないのかなと不思議に思いながら、瑠生はどんどんそんなことすら考えられないほど夢中になって黄馬の全てを貪っていった。
瑠生の部屋で一緒にいる時、黄馬がふとそんなことを漏らしてきた。
「……俺といる時に他のヤツの話?」
「え、他のっていうか……」
瑠生の言葉に黄馬は苦笑してきた。
「で、睦くんが、何」
「え? ああ、いや……」
改めて瑠生が聞き直すと、黄馬が言葉を濁してくる。いつも何でもハッキリ言ってくれる黄馬だけに、瑠生は落ち着かない気分になった。
「言ってくれないの?」
「あー、さっきのはほんと無意識に漏らしてて。人のことだから俺が瑠生に言うのも変かなって」
「お前の口から出た時点で俺としては他人事じゃない。睦くんと何かあったの?」
苦笑してくる黄馬に真顔で言えば、ポカンとした後、黄馬はおかしげに笑ってきた。
「何でそうなるかな。違うよ。……俺の弟が誰とつき合ってるかって知ってる?」
「……? ああ、青葉くんとだろ」
何を当たり前なと瑠生が言うと、黄馬がまた苦笑してきた。
「瑠生も知ってたんだ。俺、二人に言われるまで知らなくて。ほんと駄目な兄だよな」
「お前が知らなかったのは、お前の弟が内緒にしてたからだろ。青葉くんはそれに合わせてただろうし。でも生徒会ではわりとあの子、あからさまというかわかりやすいから、言われなくてもすぐわかっただけだよ」
「そっか。ありがとう。とりあえずその二人がつき合ってるっていうの、二人から聞いて驚いたついでに、そういえば睦くんにもいるんだっけかなって、ふと思っただけだよ。本当に大したことじゃないんだ」
黄馬が嬉しそうに笑ってきた後、先ほどのことを説明してきた。
「ああ、なるほど」
瑠生はそれを聞いて頷く。
睦といえば、とそして自分の弟のことを思い出した。瑠生からすれば流河は目の前にいる黄馬の弟、慶一を好きだったのだろうなと今でも思っている。結局本人の口からはっきり聞いたことはないのだが。一瞬でも落ち込んだ姿があまりに珍しすぎて、そう思うしかなかった。
ただ、割り切りが早いのか前向きなのか、もしくはただの遊びなのかそういう対象でなく友人としてなのか、流河は慶一の彼氏である青葉の兄、睦に最近よく接触しているように思える。一見何考えているのだという繋がりすぎて呆れたが、瑠生が「睦くんと何かあるのか」と聞くと「何もないよ」と返ってきた。
「でも最近よく一緒にいるんじゃないのか」
「さほどいないよ? あとなんだろうね、確かに睦のこと気に入ってるけど、寝たいとか今すぐどうこうしたいとか別にないかな。ただ甘やかしてあげたい気はするけど。俺の中ではゲームみたいなもんだよ」
「……またそんなこと」
「ああ、大丈夫。ゲームって言い方が悪かったよね。ちゃんと俺は接してるよ。ふざけてるとかただ弄んでるとかそういうんじゃなくて。やりとりを楽しんでる」
呆れた瑠生に流河はニッコリ笑ってきていた。
やりとり、と聞いて瑠生は黙る。いつもはひたすら自分が楽しいからといった感じだった流河の口から「やりとり」という言葉が出るとはと少し驚きながらも、どこかホッとするような気持にさえなり、それ以上何も言わないことにした。
その時のことが頭に過った。そして先ほど黄馬が言っていたことがよくわかった。自分が黄馬に言うことじゃないな、と確かに思う。
「ごめん、今ようやくさっき黄馬が言ってたことわかった」
「どういうこと?」
黄馬に改めて向き直り告げると、黄馬は怪訝そうに瑠生を見てくる。
「人のことだから俺に言うのも変かなってとこ」
「ああ」
なるほど、といったように黄馬が笑う。だがそれ以上聞いてこない。
「何がって聞かないの?」
「えー? いやだって睦くんの話していたし、きっとそれ絡みのことだろうなってわかるし」
「……お前の察しがいいとこ好きだし寛大なところも優しいところも好きだけど、たまに俺に対して執着心とかは皆無なのかなって思ったりもする」
穏やかに言われ、納得しつつも微妙な顔で瑠生は返した。黄馬だからだとわかっているし、実際自分はあまり束縛されたりするのが好きじゃなかったはずなのに、何となく複雑な気分になる。
言われた黄馬は困ったように、だが少し赤くなりながら「瑠生と俺は同じように好きでも気持ちの捉え方が多分違うからじゃないかな」と言ってきた。
「うん……わかってるけど、ちょっと言ってみたくなっただけ」
「瑠生、俺もヤキモチとか妬いたりするよ?」
「見たことない」
「そう? 最初の頃だってほら、瑠生が慣れてる気がするとか言ってただろ。あれもわりと妬いてたから」
黄馬に言われ、瑠生はつき合いたての頃を思い起こす。確かにそんなことを言われていた記憶がある。あの時に妬かれてたのかとそして瑠生は黄馬を引き寄せた。
「じゃあ言って欲しかった」
「ええ? 何て? 慣れてそうで妬いてるって? 色々一杯一杯だった時に?」
「……まぁ、そうだけど」
瑠生は呟きながら当時の黄馬を思い出していた。何も知らないままだった黄馬はいつも真っ赤になって必死で、そしてかわいかったと瑠生は再度実感する。
「かわいかった」
「は?」
思ったことを口にすれば黄馬がポカンとした顔で怪訝そうに瑠生を見ている。
「ああ、ごめん。要はヤキモチ妬いてる黄馬も見たいけど……でもまあいつもかわいいとこ見せてくれてるからいいかなって」
「……言い直されてもよくわからないけどね……」
黄馬は微妙な顔してくる。瑠生の中ではとてつもなく綺麗でかわいい人は、「綺麗だ」「かわいい」と瑠生が口にする度、困ったような顔をしたり「かわいいとかほんとないから」などと言ってきたりする。
確かに瑠生も小さい頃は周りから「かわいい」と言われても嬉しくなかった。だがそれは弱い相手だと舐められているからだったと思っている。現に黄馬から「あの頃の瑠生、かわいかった」と聞かされた時は全然腹立たしくなかった。黄馬からならかわいいと言われることも全然嫌じゃない。
その上、黄馬は実際どう見ても綺麗だしかわいいというのに、なぜそんな反応してくるのか瑠生としてはよくわからない。照れ隠しなのかなと思ったりもするが、照れているというより本当に困惑しているように見える。
「黄馬はもしかして自分の綺麗さやかわいさ、わかってないの?」
「……いや、だからほんとそういうの、ないから」
「何でわからないんだろうな? だから無自覚に誰にでも簡単に笑顔を見せられるのかな」
「違うと思うよ……」
「違わない」
引き寄せたままだった黄馬の体を、瑠生はベッドの上に横たえた。
「俺が何度も言って、そして何度も伝わればいいと触れてるのになぜわからないんだろうな」
そう呟きながら黄馬の首筋に唇を這わせ、服を乱していく。
「……っ、ん。それ、もやっぱり捉え方とかそういうのが違う、から、かな……?」
黄馬がぴくりと反応しながら、どこかまだ困ったように笑いながら言ってくる。
「じゃあわかってもらえるまで何度もお前の体に伝える」
ゆっくり愛しさを込め唇を黄馬の体に這わせていく。好きだという気持ち、愛おしい、かわいい、綺麗だ、何もかも欲しい、全部の気持ちを込めてゆっくり体中キスしていく。
黄馬はその度、相変わらず瑠生としてはかわいくて堪らない反応をおずおず見せながらも、時折ちゃんと同じように「好きだ」と言葉だけでなく態度でも示してくれる。
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