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基本的に千鶴の考えていることは全くわからない宏だが、一度だけその考えをちゃんと言葉として耳にしたことがある。千鶴が熱を出した時だ。
一見物静かで華奢で、か弱そうに見える千鶴だが、当てはまるのは物静かくらいだ。
実際身長は高等部前後で伸びたものの細身だし、顔のつくりがとても繊細に見える。黒髪がすごく似合う儚げな少年といった風貌をしている。だがその中身は雨に打たれても賞味期限が切れているものを食べてもケロリとしている頑丈な作りでできている。どちらも宏は目の当たりにしているので知っている。
雨に打たれてというのは何かつらいことがあって静かに打たれ続けていた……などといった内容でも何でもなく、ただ外で宏を待っている時、途中降ってきても本人は不快じゃなかったらしく、ぼんやりとそのまま待っていただけだ。
気づいて宏が駆けつけた時にはいくら大した雨の量でなくても結構濡れていた。寮へ戻って千鶴の部屋へ連れていき、すぐさまシャワーだけでなく湯も張って入らせたが、宏まで一緒に入る羽目になるどころか、そのままなし崩しに絡み合うことになった。もちろんその後も熱が出ることなく、くしゃみすらしていなかった。
賞味期限というのは正直宏もよくわかっていなかったのだが、瑠生に教えられた。
千鶴の見た目に騙された他の生徒から、よく何やら貰ったりするらしい。怪しげなものや手作りは「断る」という千鶴的には高等な技術を一応持ち合わせているようなので、宏も特に気にしてはいなかった。ただ市販のものでもいつまでなら美味しく食べられますよ、という期限があるらしいとは宏も意識していなかった。もちろん常識で考えればわかることではあるが、特に考えが及ばないというのだろうか。
「宏さん」
「どうかした? 瑠生」
ある時少々言いづらそうに瑠生が声をかけてきたのでニコニコ見返すと、瑠生は一旦口を開け、また閉じてから再度開いた。
「千鶴くん、ちょっと食べ物の管理があまり、その、できてないんじゃないかな、と、その、思いまして……」
瑠生は同級生であるにも関わらず、一年生の頃から敬語をやめてくれない。本当ならもっと馴れ馴れしいくらいの口調で話してくれるほうが嬉しいのだが、これもまた強要するつもりはないので一度「同じ歳なんだし、敬語いらないよ?」と言ったきり何も言わないようにしている。その時は「でも俺がそうしたくて」と確か返された気がする。
「管理? って?」
どういうことだろうと思ったので、宏は素直にそのまま聞き返した。
「周りからお菓子やらを貰ってるんだと思うんですが、それをすぐに食べるんじゃなくて、そのまま忘れているか何かで思い出した頃、気づいて食べてることが多い気がして。さっきも数か月前に賞味期限切れてるものを食べようとしてたんで『それ、切れてるよ』って言ったんですが、首を傾げられた後に食べてしまって」
「……えっと……ショウミキゲンっていうのは賞味の期限ってことかな。なるほど、市販のものにはそういった期限が設けられているんだね」
「………………はい」
瑠生が一瞬少し遠い目をしていたが、その後「俺から言うより宏さんから言ったほうがいいかなと思いまして。いくら長期保存できるものでも、あまり古いのはよくないと思いますよ。腹を壊すこともあるでしょうし」と続けてきた。
「確かにそうだね。瑠生、教えてくれてありがとう」
ニッコリ宏が微笑むと瑠生も少し笑みを浮かべた後、離れていった。
瑠生は基本的に恋人である黄馬にしか関心ない。それでも生徒会の皆のことはそれなりに大切に思ってくれているようで、宏もそこが嬉しいと思う。
瑠生が離れた後、千鶴の元へ行くと食べ終えた菓子の包装紙がまだ残っていた。それをつかみ、よく見ると確かに「賞味期限」というものが記載されている。ちなみに3か月前に切れている。
「……チヅ、俺も知らなかったけど、賞味期限って知ってる?」
そこから始め、何とか千鶴から聞き出して部屋を確認すると、いつのものかわからない菓子が他にもぽろぽろ出てきた。
「チヅ、頂いたものはその時が無理でも数日内に食べなきゃだめだよ」
「……忘れる」
「わかった。じゃあ言い換えるね。もし忘れててたまたま発見したものに関しては、頂いた人に申し訳ないけど捨てること。わかったかな」
すると千鶴は素直にコクリと頷いてきた。納得いかなかったりわからない時の千鶴は頷かないのを知っているので、宏はようやく安心した。
「にしてもお腹、壊したことないの?」
いくら何でも古すぎると思いながら聞くと、怪訝そうな顔しながら首をふるふる振られ、宏はただ苦笑した。
そんなことがあったので、宏も千鶴が熱を出した時はかなり驚いた。
「……チヅも風邪ひくどころか熱、出すんだねえ」
思わずそんなことを呟いていると、赤い顔でぼんやりしながらベッドへ横たわっている千鶴が「俺も熱くらい出す」とむしろ普段よりはっきり言ってきた。
実は千鶴に熱があるとわかったのもそれが原因だった。違和感すぎて頬と額に手をやり気づいた。
「何でさっきからちょくちょくそんな顔してるんだ? 俺が喋るとおかしい?」
「……そうだね、少し、いや正直かなり驚いたからね」
千鶴が普段喋らない分、宏は思っていることや考えていることを素直に出す。
「俺も話そうと思えば話せる。ただ口に出すのがちょっと億劫なだけ」
「チヅは困ったものだね」
ふっと笑いながら宏は手を千鶴の額に添えた。相変わらず熱い。熱がまだ出たままなのだろう。一応医者に診てもらい薬も飲んでいるため、もうしばらくしたら熱は引いてくるだろうとは思っている。
賞味期限など、一般常識をたまにわかっていない時もあるが、基本的に宏は色々知識はある。なので千鶴が熱を出したといえども、わたわた焦ることはしないが、滅多に出さないだけに心配だった。
おまけに妙に喋る。熱の影響だろうかとまた心配になるが、これに関しては正直少しだけ嬉しくもある。
最初熱があることに気づかなかった時はだが、ひたすら宏はポカンとしていた。
「だからヒロはそうやって無防備すぎる。何でもっと警戒しないんだ? 無防備なヒロなんて誰にも見せたくないのに」
また知らない生徒に近寄られていた際に鉛筆が飛んできた時のことだった。その生徒はすでに逃げていないが、ムッとした千鶴が宏に近づいてきてそう言ってきたのだ。
「チヅ……? どうしたの?」
赤ちゃんの頃から一緒だというのに単語以外ほぼ千鶴の口から聞いたことがなかった宏は、あまりに驚いて一瞬何をどう言えばいいかすらわからなくなった。
「どうしたのって言いたいのは俺。俺以外に魅力なんて振りまかないでくれ。でないと俺、ヒロに仕置きするから」
「え、いや……喋っ……」
仕置きという不遜な言葉に反応するべきなのだろうが、とりあえず宏にとって今理解できなさ過ぎてどうしたらいいのかわからないのは、千鶴が喋っているという事実だった。
何だこれ。一体どうしたんだ、まさか熱でもあるんじゃないだろうな。
そんな風に思い、「チヅ、俺は無防備なことをしたつもりないし、魅力を振りまいてるつもりもないよ。そういった目で見ていて欲しいのはお前だけだしね」と言いながらも千鶴のまず頬に触れた。そして額に触れる。そこは「どうだろう?」と悩むまでもないくらい熱かった。
そして今に至る。
「俺が喋ると困る?」
「違うよ。むしろ嬉しいかな。喋るのが普段億劫なチヅが、困ったものだねえと言ったんだよ。でも普段のチヅも俺はちゃんと好きだけどね」
熱のせいで潤んだ目と赤らんだ頬をした千鶴に、宏は優しく笑いかけながら髪を撫でた。
とりあえず落ち着いた今、改めて思い出すのは「仕置きする」という言葉。
「……チヅ、前からそうだろうなとは思ってたけど、やきもちやきだね」
「ヒロがそうさせる」
「俺? そうなの? でも、俺が好きなのはチヅだけだよ? もちろん生徒会や風紀の皆も大切だけどチヅとは全然違うし、他の生徒にも興味を持ったこと一度もないよ?」
囁くように言いながら、横になっている千鶴の額に自分の額をつけた。ああ熱いな、とそしてまた思う。
「それはわかってても、どうしようもない。好きだから」
「……そっか」
「……ヒロ、風邪うつったら嫌?」
「どうして?」
「……キスしたい」
低い声で囁く千鶴の言葉は普段聞きなれていないせいもあって相当な破壊力があった。いつもなら「駄目だよ、俺がうつるのが嫌なんじゃなくて、お前は安静にしてなきゃ」と返していただろう。今もそう言うつもりだったのだが、珍しく理性が負けた。
「仕方ないね……もしうつったら今度はチヅが看病しておくれね」
また囁くように言うと、宏はゆっくり千鶴の唇に自分の唇を近づけていった。千鶴の腕が宏の背中に回ってくる。
ああ、多分熱、上がっちゃうかもだな……。
そう思いつつも止めることもせず、宏はさせたいようにさせていた。
一見物静かで華奢で、か弱そうに見える千鶴だが、当てはまるのは物静かくらいだ。
実際身長は高等部前後で伸びたものの細身だし、顔のつくりがとても繊細に見える。黒髪がすごく似合う儚げな少年といった風貌をしている。だがその中身は雨に打たれても賞味期限が切れているものを食べてもケロリとしている頑丈な作りでできている。どちらも宏は目の当たりにしているので知っている。
雨に打たれてというのは何かつらいことがあって静かに打たれ続けていた……などといった内容でも何でもなく、ただ外で宏を待っている時、途中降ってきても本人は不快じゃなかったらしく、ぼんやりとそのまま待っていただけだ。
気づいて宏が駆けつけた時にはいくら大した雨の量でなくても結構濡れていた。寮へ戻って千鶴の部屋へ連れていき、すぐさまシャワーだけでなく湯も張って入らせたが、宏まで一緒に入る羽目になるどころか、そのままなし崩しに絡み合うことになった。もちろんその後も熱が出ることなく、くしゃみすらしていなかった。
賞味期限というのは正直宏もよくわかっていなかったのだが、瑠生に教えられた。
千鶴の見た目に騙された他の生徒から、よく何やら貰ったりするらしい。怪しげなものや手作りは「断る」という千鶴的には高等な技術を一応持ち合わせているようなので、宏も特に気にしてはいなかった。ただ市販のものでもいつまでなら美味しく食べられますよ、という期限があるらしいとは宏も意識していなかった。もちろん常識で考えればわかることではあるが、特に考えが及ばないというのだろうか。
「宏さん」
「どうかした? 瑠生」
ある時少々言いづらそうに瑠生が声をかけてきたのでニコニコ見返すと、瑠生は一旦口を開け、また閉じてから再度開いた。
「千鶴くん、ちょっと食べ物の管理があまり、その、できてないんじゃないかな、と、その、思いまして……」
瑠生は同級生であるにも関わらず、一年生の頃から敬語をやめてくれない。本当ならもっと馴れ馴れしいくらいの口調で話してくれるほうが嬉しいのだが、これもまた強要するつもりはないので一度「同じ歳なんだし、敬語いらないよ?」と言ったきり何も言わないようにしている。その時は「でも俺がそうしたくて」と確か返された気がする。
「管理? って?」
どういうことだろうと思ったので、宏は素直にそのまま聞き返した。
「周りからお菓子やらを貰ってるんだと思うんですが、それをすぐに食べるんじゃなくて、そのまま忘れているか何かで思い出した頃、気づいて食べてることが多い気がして。さっきも数か月前に賞味期限切れてるものを食べようとしてたんで『それ、切れてるよ』って言ったんですが、首を傾げられた後に食べてしまって」
「……えっと……ショウミキゲンっていうのは賞味の期限ってことかな。なるほど、市販のものにはそういった期限が設けられているんだね」
「………………はい」
瑠生が一瞬少し遠い目をしていたが、その後「俺から言うより宏さんから言ったほうがいいかなと思いまして。いくら長期保存できるものでも、あまり古いのはよくないと思いますよ。腹を壊すこともあるでしょうし」と続けてきた。
「確かにそうだね。瑠生、教えてくれてありがとう」
ニッコリ宏が微笑むと瑠生も少し笑みを浮かべた後、離れていった。
瑠生は基本的に恋人である黄馬にしか関心ない。それでも生徒会の皆のことはそれなりに大切に思ってくれているようで、宏もそこが嬉しいと思う。
瑠生が離れた後、千鶴の元へ行くと食べ終えた菓子の包装紙がまだ残っていた。それをつかみ、よく見ると確かに「賞味期限」というものが記載されている。ちなみに3か月前に切れている。
「……チヅ、俺も知らなかったけど、賞味期限って知ってる?」
そこから始め、何とか千鶴から聞き出して部屋を確認すると、いつのものかわからない菓子が他にもぽろぽろ出てきた。
「チヅ、頂いたものはその時が無理でも数日内に食べなきゃだめだよ」
「……忘れる」
「わかった。じゃあ言い換えるね。もし忘れててたまたま発見したものに関しては、頂いた人に申し訳ないけど捨てること。わかったかな」
すると千鶴は素直にコクリと頷いてきた。納得いかなかったりわからない時の千鶴は頷かないのを知っているので、宏はようやく安心した。
「にしてもお腹、壊したことないの?」
いくら何でも古すぎると思いながら聞くと、怪訝そうな顔しながら首をふるふる振られ、宏はただ苦笑した。
そんなことがあったので、宏も千鶴が熱を出した時はかなり驚いた。
「……チヅも風邪ひくどころか熱、出すんだねえ」
思わずそんなことを呟いていると、赤い顔でぼんやりしながらベッドへ横たわっている千鶴が「俺も熱くらい出す」とむしろ普段よりはっきり言ってきた。
実は千鶴に熱があるとわかったのもそれが原因だった。違和感すぎて頬と額に手をやり気づいた。
「何でさっきからちょくちょくそんな顔してるんだ? 俺が喋るとおかしい?」
「……そうだね、少し、いや正直かなり驚いたからね」
千鶴が普段喋らない分、宏は思っていることや考えていることを素直に出す。
「俺も話そうと思えば話せる。ただ口に出すのがちょっと億劫なだけ」
「チヅは困ったものだね」
ふっと笑いながら宏は手を千鶴の額に添えた。相変わらず熱い。熱がまだ出たままなのだろう。一応医者に診てもらい薬も飲んでいるため、もうしばらくしたら熱は引いてくるだろうとは思っている。
賞味期限など、一般常識をたまにわかっていない時もあるが、基本的に宏は色々知識はある。なので千鶴が熱を出したといえども、わたわた焦ることはしないが、滅多に出さないだけに心配だった。
おまけに妙に喋る。熱の影響だろうかとまた心配になるが、これに関しては正直少しだけ嬉しくもある。
最初熱があることに気づかなかった時はだが、ひたすら宏はポカンとしていた。
「だからヒロはそうやって無防備すぎる。何でもっと警戒しないんだ? 無防備なヒロなんて誰にも見せたくないのに」
また知らない生徒に近寄られていた際に鉛筆が飛んできた時のことだった。その生徒はすでに逃げていないが、ムッとした千鶴が宏に近づいてきてそう言ってきたのだ。
「チヅ……? どうしたの?」
赤ちゃんの頃から一緒だというのに単語以外ほぼ千鶴の口から聞いたことがなかった宏は、あまりに驚いて一瞬何をどう言えばいいかすらわからなくなった。
「どうしたのって言いたいのは俺。俺以外に魅力なんて振りまかないでくれ。でないと俺、ヒロに仕置きするから」
「え、いや……喋っ……」
仕置きという不遜な言葉に反応するべきなのだろうが、とりあえず宏にとって今理解できなさ過ぎてどうしたらいいのかわからないのは、千鶴が喋っているという事実だった。
何だこれ。一体どうしたんだ、まさか熱でもあるんじゃないだろうな。
そんな風に思い、「チヅ、俺は無防備なことをしたつもりないし、魅力を振りまいてるつもりもないよ。そういった目で見ていて欲しいのはお前だけだしね」と言いながらも千鶴のまず頬に触れた。そして額に触れる。そこは「どうだろう?」と悩むまでもないくらい熱かった。
そして今に至る。
「俺が喋ると困る?」
「違うよ。むしろ嬉しいかな。喋るのが普段億劫なチヅが、困ったものだねえと言ったんだよ。でも普段のチヅも俺はちゃんと好きだけどね」
熱のせいで潤んだ目と赤らんだ頬をした千鶴に、宏は優しく笑いかけながら髪を撫でた。
とりあえず落ち着いた今、改めて思い出すのは「仕置きする」という言葉。
「……チヅ、前からそうだろうなとは思ってたけど、やきもちやきだね」
「ヒロがそうさせる」
「俺? そうなの? でも、俺が好きなのはチヅだけだよ? もちろん生徒会や風紀の皆も大切だけどチヅとは全然違うし、他の生徒にも興味を持ったこと一度もないよ?」
囁くように言いながら、横になっている千鶴の額に自分の額をつけた。ああ熱いな、とそしてまた思う。
「それはわかってても、どうしようもない。好きだから」
「……そっか」
「……ヒロ、風邪うつったら嫌?」
「どうして?」
「……キスしたい」
低い声で囁く千鶴の言葉は普段聞きなれていないせいもあって相当な破壊力があった。いつもなら「駄目だよ、俺がうつるのが嫌なんじゃなくて、お前は安静にしてなきゃ」と返していただろう。今もそう言うつもりだったのだが、珍しく理性が負けた。
「仕方ないね……もしうつったら今度はチヅが看病しておくれね」
また囁くように言うと、宏はゆっくり千鶴の唇に自分の唇を近づけていった。千鶴の腕が宏の背中に回ってくる。
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