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Infinity編
15話 ※
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「お前いい加減にしろよ……」
イライラと寛人が言っても貫士はどこ吹く風だ。というかむしろ「何苛ついてんだこいつ」といった顔で見てくる。
「何で俺が変みたいに見られなきゃなんだよっ? お前、厚かましい上に遠慮なさすぎなんだよ!」
「あ? 厚かましいから遠慮もねぇんじゃねーの? 知らねーけど」
「煩い! つか知らねーけど、じゃねんだよ。てめーのことなんだよ!」
呆れたらいいのか怒りまくればいいのかわからなくなりそうだ。
「何そんなカリカリしてんだ?」
「お前が裸で人のベッド占領するからだろっ?」
寛人よりも先に風呂を使っただけでなく、寛人が風呂から出ると既に寝室にて我が物顔で貫士は寛いでいた。
「裸って」
貫士は小馬鹿にしたように笑ってくる。
「それこそてめーに気遣って下は履いてやってんだろが。つかお前の部屋着、俺にはちょっと短いんだけど」
上から目線なだけでなく、置いてあった寛人のスエットタイプのズボンを勝手に履いた貫士が、それを軽く引っ張りながらため息ついてくる。この上なく忌々しい。
「って待て。まさか下着まで俺の……」
「いや、この下は何も履いてねーけど」
「な……っ、むしろ履けよ……!」
「はぁ? どっちだよ」
小馬鹿にしてきた貫士が今度は呆れたように寛人を見てきた。そんな表情で見られる言われはない。
「いやもう、脱げよ、いっそ脱げ!」
イライラと言えば貫士がニヤリと笑ってきた。
「へぇ、じゃあ脱ぐわ」
そう言ったかと思うと寛人の腕をつかんできた。
「いてぇんだよ、何す──」
何するんだと言いかけている最中にベッドへ押し倒された。そこでようやくハッとなった。
これ、俺……やべぇんじゃねぇの……?
というか、むしろ何故今まで気づかなかったのか。基本的にうっかりしているタイプではないと自分では思うのだが、今回だけは油断し過ぎているとしか思えない。
いやでも、だって普通男がそれも男相手に警戒なんかするかよ……!
そう自分に言ったところでどうにもならない。前に素股をされたり楽屋で犯されかけたというのに、どう考えてもうっかりし過ぎている。
「ちきしょう……っ、離、せ! クソ野郎……っ」
「はは、バァカ、そんなん言われて離すとか思ってんのかよバーカ」
「くっそムカつく……!」
「ムカつけ、ムカつけ」
全く気にすることなく貫士は寛人の上に乗り上げてくる。
「とりあえず下脱げ」
「ムードもへったくれもねぇな……!」
「あ? ムード欲しいのかよ」
ニコニコ言われ、寛人は思い切り貫士を睨み付けた。
「んなわけねぇだろ……マジで退けよ!」
「煩いやつだよな、お前」
「お前が煩くもなるよーなことしてくんだよ、いつも!」
そもそも寛人は基本的に無口だし周りからもそう思われている。
「ま、それは別にいーんだけどよ」
実際どうでもよさそうに言いながら、貫士はベッドに投げ出すように置いていた自分の鞄を引き寄せた。そこから何か容器を取り出すと、その鞄を今度は無造作に床へ置く。
何だと聞くまでもなかった。楽屋でも寛人は同じものを見ている。
「し、しねぇからな!」
「俺がすんだよ。お前はマグロになっとけよ」
「そういう──」
意味じゃない、と言う前に貫士は寛人の下をずらし、中身をとろりと流してきた。
大事な部分がひやりと冷たいというのに一瞬、自分の身の危険よりもシーツの存在が気になった。
「シーツ……」
「どうせ色んなもんでどろどろになるって。つか気にするとこ、そこ?」
色んなもんって何だよ……!
そう突っ込みたかったが、声にならなかった。濡らされたものに貫士の指が這わされて、びくりと体が震える。握り込まれるのではなく、指が形に沿うように動いてくる。ベースを巧みに操る指が、濡らされてぬるぬるしているそこで動いていく様は、見ていなくともやはり巧みな触れかたしてくるのがわかる。どうにも堪らなかった。完全に柔らかかったそこが、じわじわと熱を持ち、ずしりとした重みある形に変容していく。
「ぬるっぬる」
指で弄ばれているそれを、擦りつけたくて堪らなかった。
「……お前がぶっかけるから、だろが……!」
「これ、ローションだけじゃなくね?」
楽しげな様子がなおさら忌々しい。そしてますます思い切り擦りつけたくて仕方ない。
「先にいかせてやろーか?」
先もへったくれもあるかよ。何もすんな。触んな。
文句しかないはずなのに、何も言えない。というか余裕ない。もどかしさと堪らなさに腰が動きそうになるのと、乱れ荒くなりそうな息を堪えるくらいしかできない。あとかろうじて寛人にできるのは睨みつけることだった。
「まぁ、何度もいけばいいわな」
ニヤリと言うと、貫士はようやく硬くなったそれを握り込んできた。それはゆっくりと動いてきたかと思うと、じわじわ小刻みに動かしてくるようになった。
待ちに待ったといった感覚を投げ捨てたい。投げ捨てたいのに、焦らすように、だが巧みに触れられていたせいで溢れるように「早く、もっと擦れ」といった気持ちばかり湧いてくる。
「は……、っく」
「本能のまま突きまくりたくて堪んねぇなて顔、してんぜぇ」
貫士の手がまたゆっくりになった。もどかしさでおかしくなりそうだった。
「時間はこないだと違ってあるからなぁ? たっぷり楽しめんだろ?」
「クソ、野郎……」
「は。いいな、その野獣みてーな感じ。なのにお前のちんこはかわいそうに。穴に突っ込めねぇままだわ」
「……あ?」
「かわいそうだからちゃんと手でゆっくり解してやんよ」
イライラと寛人が言っても貫士はどこ吹く風だ。というかむしろ「何苛ついてんだこいつ」といった顔で見てくる。
「何で俺が変みたいに見られなきゃなんだよっ? お前、厚かましい上に遠慮なさすぎなんだよ!」
「あ? 厚かましいから遠慮もねぇんじゃねーの? 知らねーけど」
「煩い! つか知らねーけど、じゃねんだよ。てめーのことなんだよ!」
呆れたらいいのか怒りまくればいいのかわからなくなりそうだ。
「何そんなカリカリしてんだ?」
「お前が裸で人のベッド占領するからだろっ?」
寛人よりも先に風呂を使っただけでなく、寛人が風呂から出ると既に寝室にて我が物顔で貫士は寛いでいた。
「裸って」
貫士は小馬鹿にしたように笑ってくる。
「それこそてめーに気遣って下は履いてやってんだろが。つかお前の部屋着、俺にはちょっと短いんだけど」
上から目線なだけでなく、置いてあった寛人のスエットタイプのズボンを勝手に履いた貫士が、それを軽く引っ張りながらため息ついてくる。この上なく忌々しい。
「って待て。まさか下着まで俺の……」
「いや、この下は何も履いてねーけど」
「な……っ、むしろ履けよ……!」
「はぁ? どっちだよ」
小馬鹿にしてきた貫士が今度は呆れたように寛人を見てきた。そんな表情で見られる言われはない。
「いやもう、脱げよ、いっそ脱げ!」
イライラと言えば貫士がニヤリと笑ってきた。
「へぇ、じゃあ脱ぐわ」
そう言ったかと思うと寛人の腕をつかんできた。
「いてぇんだよ、何す──」
何するんだと言いかけている最中にベッドへ押し倒された。そこでようやくハッとなった。
これ、俺……やべぇんじゃねぇの……?
というか、むしろ何故今まで気づかなかったのか。基本的にうっかりしているタイプではないと自分では思うのだが、今回だけは油断し過ぎているとしか思えない。
いやでも、だって普通男がそれも男相手に警戒なんかするかよ……!
そう自分に言ったところでどうにもならない。前に素股をされたり楽屋で犯されかけたというのに、どう考えてもうっかりし過ぎている。
「ちきしょう……っ、離、せ! クソ野郎……っ」
「はは、バァカ、そんなん言われて離すとか思ってんのかよバーカ」
「くっそムカつく……!」
「ムカつけ、ムカつけ」
全く気にすることなく貫士は寛人の上に乗り上げてくる。
「とりあえず下脱げ」
「ムードもへったくれもねぇな……!」
「あ? ムード欲しいのかよ」
ニコニコ言われ、寛人は思い切り貫士を睨み付けた。
「んなわけねぇだろ……マジで退けよ!」
「煩いやつだよな、お前」
「お前が煩くもなるよーなことしてくんだよ、いつも!」
そもそも寛人は基本的に無口だし周りからもそう思われている。
「ま、それは別にいーんだけどよ」
実際どうでもよさそうに言いながら、貫士はベッドに投げ出すように置いていた自分の鞄を引き寄せた。そこから何か容器を取り出すと、その鞄を今度は無造作に床へ置く。
何だと聞くまでもなかった。楽屋でも寛人は同じものを見ている。
「し、しねぇからな!」
「俺がすんだよ。お前はマグロになっとけよ」
「そういう──」
意味じゃない、と言う前に貫士は寛人の下をずらし、中身をとろりと流してきた。
大事な部分がひやりと冷たいというのに一瞬、自分の身の危険よりもシーツの存在が気になった。
「シーツ……」
「どうせ色んなもんでどろどろになるって。つか気にするとこ、そこ?」
色んなもんって何だよ……!
そう突っ込みたかったが、声にならなかった。濡らされたものに貫士の指が這わされて、びくりと体が震える。握り込まれるのではなく、指が形に沿うように動いてくる。ベースを巧みに操る指が、濡らされてぬるぬるしているそこで動いていく様は、見ていなくともやはり巧みな触れかたしてくるのがわかる。どうにも堪らなかった。完全に柔らかかったそこが、じわじわと熱を持ち、ずしりとした重みある形に変容していく。
「ぬるっぬる」
指で弄ばれているそれを、擦りつけたくて堪らなかった。
「……お前がぶっかけるから、だろが……!」
「これ、ローションだけじゃなくね?」
楽しげな様子がなおさら忌々しい。そしてますます思い切り擦りつけたくて仕方ない。
「先にいかせてやろーか?」
先もへったくれもあるかよ。何もすんな。触んな。
文句しかないはずなのに、何も言えない。というか余裕ない。もどかしさと堪らなさに腰が動きそうになるのと、乱れ荒くなりそうな息を堪えるくらいしかできない。あとかろうじて寛人にできるのは睨みつけることだった。
「まぁ、何度もいけばいいわな」
ニヤリと言うと、貫士はようやく硬くなったそれを握り込んできた。それはゆっくりと動いてきたかと思うと、じわじわ小刻みに動かしてくるようになった。
待ちに待ったといった感覚を投げ捨てたい。投げ捨てたいのに、焦らすように、だが巧みに触れられていたせいで溢れるように「早く、もっと擦れ」といった気持ちばかり湧いてくる。
「は……、っく」
「本能のまま突きまくりたくて堪んねぇなて顔、してんぜぇ」
貫士の手がまたゆっくりになった。もどかしさでおかしくなりそうだった。
「時間はこないだと違ってあるからなぁ? たっぷり楽しめんだろ?」
「クソ、野郎……」
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