詩集『刺繡』

新帯 繭

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SNS

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若者が嵌って流行りになって
イマドキは誰でもやっているもの
しかし誰もが使いこなせないもの
そういう危険なものなのだ
そういう恐ろしいものなのだ
それでも生活必需品になっている
SNS(エス・エヌ・エス)
それはオーバーテクノロジーだ

使えば使うほどに二派に分かれていって
仕舞には使い方で袂を分かつようになる
しかし団栗の背比べもいいところ
やっているのは結局同じ
そうじゃないと言い張っても
結局同じ穴の狢なのだ
SNS(エス・エヌ・エス)
それは今も物議を醸している

気持ちを呟くもの
そしてたくさん繋がるもの
それは大きな波及を呼び
思わぬ方向へ大きく膨らむ
自分では手に負えなくなって
挙句の果てには火の手さえ上げる
SNS(エス・エヌ・エス)
それはあなたの権利を握っている

何で無意味にも
何が虚しくって
面倒臭いと思っていても
やってしまうSNS(エス・エヌ・エス)
きっと一人では
人は生きられないから
誰でもいいから話したい
何でもいいからケンカしたい
叶うなら全てを共有したい
それがSNSの魔力なのだと思う
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